清川メッキ工業株式会社

   専務取締役  清川 卓二 氏



テーマ

   「めっき教室から考える”夢”」



講演内容からの抜粋

「一流から五流の仕事」とは

 ここで、一流から五流の仕事とは何かを考えて見たいと思います。まず、仕事の定義です。

仕事とは:「何かを作り出すこと、成し遂げるための行動」

今回は、コピーの仕事を例に説明します。
上司が、新入社員に以下の事を頼みました。
上司:「昼からの大事なお客様へのプレゼンテーションがある。その為の資料がここに、30枚あるので、15セットコピーをお願い」
この上司からの仕事の依頼について

○五流の仕事とは、自分自身が満足できない
五流の仕事の新入社員:「また、コピーか〜!大学で専門知識や技術を沢山勉強してきたのに、コピーばっか、めんどくせいな〜。こんなの自分でやればいいのに、こんなことするために、この会社に入ったわけでもないのに。言われた通り、コピーしとくか」となります。つまり、与えられた仕事に対し自分自身に満足をしていません。不満の感情を持った仕事では、良い結果を出すことはできません。そしてその結果、30枚の資料、15セットコピーをして、そのまま、上司に手渡しました。

○四流の仕事とは、自分自身に満足をしている
四流の仕事の新入社員:「今度は、大事なお客様へのプレゼンテーション用の資料コピーを上司が、かませてくれた。一つ、上司は認めてくれたのかな。」と思い上司に確認しました。「ホッチキスで留めますか」
新入社員は、一つ提案、確認ができたことで、自分自身に満足し、30枚の資料を15セットコピーした後、ホッチキスで資料をとめました。

○三流の仕事とは、上司に満足を与えている
三流の仕事の新入社員:「昼からの会議か!上司は、忙しそうだし、少しでも上司が良いプレゼンテーションができるように、資料を机に並べておこう」
と思い会議室を調べ、会議室の机に資料をセッティングしておきました。上司は、コピーを頼んだだけなのに、自分がやろうとしていた事まで実施してくれたことで、プレゼンテーションの準備がしっかりでき、結果、よいプレゼンテーションがすることができました。

○二流の仕事とは、お客様に満足を与えている
二流の仕事の新入社員:「お客様は、この資料、お持ち帰りになられ、ファイリングされるはず!それならば、ファイリング用のパンチング穴を開けておこう。さらに、機密情報の資料だから、資料も入れて持ち帰ることができる会社の封筒もセットしておこう」と思い、会議室には、資料と封筒がセットされました。お客様は、パンチング穴を開ける手間が省け、安全に資料も持ち帰ることができます。

○一流の仕事とは、社会のすべての人に満足を与えている
一流の仕事の新入社員:「資料30枚は、多いな!環境の事を考え両面コピーをしておこう」限られた資源を無駄なく使用することを考えること、自分の事ではなく、社会全体のことを考えられる事、社会のすべての人に満足を与えることがでます。


「こんなはずじゃなかった」と思っていませんか

 人生において「こんなはずじゃなかった」と思う人が沢山います。一般的に新入社員の3年以内での離職率は「753つまり、中卒7割、高卒5割、大卒3割」と言われています。これは、就職氷河期と言われる年代でも、多少変化はありますが、同じ傾向のようです。そして、やめていく人の話を聞くと、「自分のやりたいことではなかった」「さまざまな経験から真の自己を見だす」といってやめていきます。自分のやりたいことがすぐできないことで、やめてしまう。自分のやりたいことに近づくためには、3年間も辛抱もできない。3年立たないうちに、この仕事は、自分に合わない、合わせる努力をせず、やめてしまっているようです。

 一方、企業の想いは、やめていった社員とは別です。やめていった社員は、何がしたいのか自分で分かっていないまま、やめていく。すぐに、一流の仕事をしたい!できると思っている。しかし、結果的に、辞めた人のほとんどは、5流の仕事しかしていない、5流の仕事しかできない人であったと言います。


 つまり、能力があっても、技術があっても、知識があっても、五流の仕事ができない人には、決して四流の仕事はさせてくれません。五流の仕事ができる人にだけ、四流の仕事が与えられ、四流の仕事ができて、三流、二流、そして、一流の仕事ができるようになります。五流、四流の仕事は、他人は関係ありません。自分自身の結果です。まずは、自分自身のことを考え、自分自身を満足させることを考え仕事に取り組むことです。しかしながら、四流までの仕事は、自分自身の事だけなので、人から愛される事はありません。愛されるためには、人に満足を与えられるようになることです。上司に満足を与えられれば、ほめられます。お客様に満足を与えられ、人のためになります。社会のすべての人に満足を与えられれば、人から必要とされます。そうすれば、人から愛され、幸せになることができます。
 この五流から一流の仕事とは、を理解することで、実践することで、仕事を辞めることなく、一流に早く近づくことができます。


「こんなはずじゃなかった」人生にならないために

1.「自分のやりたいことをやりなさい」と言われ実行している人は、得意な事、好きな事ができ、楽しい時間が過ごせるでしょう。しかし、自分の世界での判断では、自分で自分の事は分からないもの。→「こんなはずじゃなかった」予備軍です。

2.「たかが○○○と思っていることをやりなさい」と言われ実行している人は、思っている程できないもの、たかが挨拶、たかが掃除、たかが早起き、めんどくさい!いつでもできる!と思うことが案外できないことを実感することで、自分の実力を知ることができる→「こんなはずじゃなかった」監視員となる。

3.「人の嫌がる役目をやりなさい」と言われ実行している人は、辛くて、苦しい時間が続きます。便所掃除で臭い想いをし、風紀委員で人に注意をし、うっとうしがられる!しかし、このことで、人ができない経験ができ、「たかが○○○」と思うことを、役目としてのプレッシャーで実施できるようになります。その姿を周りの人が見ることで「あいつは、○○に向いている。あの子の○○は、良い感じね」つまり、「自分を人が見出してくる。自分を人が探し出してくれる」人から認められることが、仕事では一番大切な事です。そうすれは、自分に自信が持て、仕事に誇りが持てるようになり、仕事が面白くなります。


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