戦後日本−。陰陽説は昔の思想として、すでに葬り去られたと人々は考えていた。しかし今なお陰陽説をかたくなに信奉し、その思考回路によって政治を考察する勢力は存在する。それが「右上位」と「左上位」である。右翼・左翼と混同されがちな二者であるが、彼らはまさしく、陰陽説の法則ごとく、繁栄・衰退を繰り返している。

 左上位に属する父親を持つ安倍晴明は、父親の偏屈なイデオロギーに悩まされていた。左上位は、国家はビジョンを持たず、他の国に従っていれば侵略戦争は起きないと考え、国民が個を確立するには、他人の意見を尊重せず、国家がどうあるべきか考えなければいいと信じている。しかしそうした論調のせいで、国家は毅然たる態度での外交ができなくなり、国民は政治に対して無関心となった。

 ある日、晴明の父親が失踪。長引く不況、犯罪の増加、子供の学力低下といった問題を背景に、右上位が長い”冬眠”から目覚める。左上位によって緩みきった社会を締め直そうと、急激な右傾化が始まる。普段父親を鬱陶しく思っていた晴明も、このような時こそ父親の存在が必要だと感じ、父親を探しに出かけた。

 繰り返し現れては消える危険な思想たち。この仕掛人である右上位と左上位。この存在こそが日本の民主主義の発展を妨げている。晴明と笛美は、陰陽説の呪縛に翻弄され続ける国民を助けるべく、そのメカニズムの解明と、増殖を続ける悪の論理に立ち向かう。


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