開業2年がたちます。悲喜こもごもの毎日でしたが、これから開業しようという後輩たちに教えてあげたいノウハウを少しずつまとめてみます。導入して成功した電子カルテもあれば、ひどい設計士のおかげで突貫工事と不具合、さらには買ってみたものの使い物にならなかった数々、借り入れ金の金利交渉など、ご紹介していきます。 他山の石としてご参考になれば幸いです。
1. こんなひどい設計士がいた
2. 借金するときは知り合いがいないほうがいい
3. 開業前に大風呂敷は広げない
4. あったらいいな、は我慢する
5. これは是非買っておこう
6. 開業の参考になれば
7.
1. こんなひどい設計士がいた
当院は2001年3月2日開院でしたが、建物の引き渡しは前日でした。それも無理矢理といった感じです。今から思うと引き渡しを拒否して、厳しくチェックしておけば良かったかなと思います。何しろ夏杉には着工予定でしたが、秋の風が吹いても設計図ができてこないというずさんな設計士でした。少し前までは真面目にやっていたのに、人が変わったようにずぼらになってしまいました。工事中も滅多に現場に現れず、完成後に来たのは2回だけ。頭に来て、訴訟に持ち込むことにして弁護士に頼んでしまいました。結局、設計料ほとんど返却させました。
教訓 ひとりでやっている設計事務所は要注意。特に事務所が遠いと最悪。
2. 借金するときは知り合いがいないほうがいい
数千万以上の借り入れなんて開業の時くらいです。なんとか安い金利で借りようと思うと、つい銀行の知り合いを頼ってしまいそうです。でもそれがいいとは限りません。頭取を知っているという方を通して融資を頼んだ知人がいます。聞いてみると、全然低い金利でもないのですが、さすがに顔をたてるためにはそこに頼むしかありません。ちょっと前のように貸し渋りで困ったときは、銀行関係者は役に立つかもしれませんが、今は逆。強気の交渉をするには、あくまでも他人が一番でしょう。
教訓 交渉事はビジネスと割り切るのがよい
3. 開業前に大風呂敷は広げない
大繁盛している開業医をみると、つい自分もそうなれるのではないか、という期待を持ってしまいます。もちろん期待以上に繁盛するところもあるでしょうが、逆もありえます。開業初日80名なんて話もあれば、最初の1ヶ月は1日10名もくればいいところ、といった話もあります。
夢を追うことはいいのですが、現実を見極めてスタートしましょう。私は小児科のことしかわかりませんから、同じ道を歩むつもりの方は参考にしてください。
まず、勤務していた病院の近くで開業する場合、その病院に長く勤めて、部長になっていれば多少の期待はもてそうです。逆にそうでなければ、夢はふくらませないようにしましょう。スタッフは3ヶ月くらいは試用期間として、立ち上がりの状況で常勤とパートの割合を決めましょう。一旦、雇用するとやめてもらうことが難しくなります。忙しくないのに従業員だけが多いのは、経営にとっても、雰囲気の上でもマイナスです。やはり最大の経費は人件費ですから、十分に検討した上で採用計画を練りましょう。
4. あったらいいな、は我慢する
設備も順次整備するつもりでいいものもあります。開業を支援しくれる業者さんはたいてい新品の医療機器を勧めますが、中古で十分な物も多数あります。レントゲン、心電図なども中古でいいかもしれません。超音波装置などは1世代前の機種になればかなり安くなります。定価5000万でも新品で1000万、型落ちすれば300万なんてものざらでしょう。開業医にふさわしい機械を選び、我慢すれば経費節減になります。
あればいいな、といった程度の物は、開業してから必要性を十分考えてから購入するか決めましょう。いやというほど、買い物は増えていきます。
5. これは是非買っておこう
開業時に思いつかない物でも、あると便利な物はいろいろあります。一部は小児科限定での話ですが、参考にしてください。
耳鏡 やっぱりWelchAllen がいいです。
耳垢取り おなじ会社のルミビューがいいです。
咽頭鏡 同じくです。まさか懐中電灯なんてところはさすがにないでしょうが。
診察用のいす 患者さんの丸いすですが、背もたれがあるほうがよいと思います。
耳の診察などでは親が抱っこしてしっかりもたれてもらうほうがいいでしょう。
吸入器 これは勧められるままにたくさん買わないように。
末梢血CRP測定器 高いけど小児科には必須かな。
顕微鏡 いちおう必要でしょうね。中古でもらいましたが、結構使ってます。