『収支決算・振り返り』について 

 販売の後,収支決算を行った。会計責任者が売上金,支出,総利益などを読み上げた。すべて売り切ったという満足感が子どもたちの顔からうかがえた。利益の使い道については,出資金に付け加える配当金のほかに「安藤さんへのお礼をしたい」「協力してくれた家族へのお礼がしたい」「給料もできればほしい」といった意見が出た。自分たちの力だけで、この活動が成功したわけではないことを、きちんと分かっていた。この学習を通して、改めて自分たちが多くの人たちに支えられていることに気付いたようだった。

 このプログラムは「販売」が最終の目的ではない。市場調査から始まった7つの活動を振り返り,一人ひとりが自分の得意や好きなことを生かせた場面と,実際の社会での仕事をつないで,自分の夢や希望を育んでいくための一つの活動である。 「物を売ることって、大変だけど売れることがすごくうれしいし,売っていることが楽しかった」「自分たちの気持ちを伝えて,出資をしてもらえてよかった」「絵を描くのが得意だから、ポスター作りが楽しかった」など,それぞれの得意を生かすことのできた活動を振り返っていた。あらためて工夫や努力の大切さや,自信や有用感の高まりを実感したのではないかと思われる。
 まとめでは、自分がどんなところで得意なことを発揮できたのか、そして、改めて自分の夢は何かと子どもたちに尋ねた。すると、全員がなりたいもの、やりたいことを決めていた。自分のデザインしたポスターが採用され,原画を作成した子は,「ポスターの絵を描くのが楽しかった!」と宣伝活動のことを振っていた。また、パティシエになりたいと将来の夢に書いていた子が、「みんなに喜んでもらえるお菓子を作れたら、すごくうれしい」と書いていた。中には、「末広屋の店員」と書いている子もいた。もちろん、キャリア教育はここで終わりではなく、さらに続いていく。なりたいものになるために、これからどんな生活を送っていくのかそのことについても考えていきたい。




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