豪州バラマンディ・フィッシングT
ジャングルフィッシング


擬似餌の玉手箱>豪州バラマンディ・フィッシング>'98/4遠征


'98/4/22(水)

パトロール 6KB  朝6時半、ホテル前でガイドを待つ。前夜から降り続いた雨は明け方どうにか上がったが、どうにも天気はスッキリしない。例年だと雨季があけて乾季に入っている頃だが、まだ天候がぐずついているとのこと。朝の温度は27℃、日中は30℃を軽く超す予想。ケアンズの気候区分は熱帯雨林気候に分類されるらしい。まるで日本の皆さんより一足先に梅雨を体験しているかのようだ。

 さて、3日間世話になるガイドのテリーホールマン(44歳)は、約束の時間を15分以上遅れてニッサンのパトロールでボートを牽引してやってきた。自己紹介をしながら彼の足元をふと見ると裸足・・・・。さすがオージー。

 タックルを積み込んだ後、一面に広がるサトウキビとバナナ畑を左右に見ながら時速100km近いスピードで1時間ほどケアンズを南に下る。デカいボートを牽引して一般道をハイスピードで突っ走る。「何かが飛び出してもきっと止れないだろうなぁ。」という思いが頭の中をよぎる。

 車中で、テリーからコンディションを聞く。連日雨が続いた影響で、昨日までの釣果は芳しくないようだ。どうも嫌〜な予感。よくあるじゃないですか。「いつでも釣れるよっ!沢山釣れるよっ!」って聞いていて、いざ現地に行ってみると「時期が悪い」とか「潮が悪い」とか「雨が降って濁っちゃって云々」なんて。日本からワザワザ来たのにそれはないでしょうねぇ。

〜虹の向こうにはバラマンディが〜


 初日に攻めるのはイニスフェールにあるジョンストーンリバー。テリーは手際良くスロープを使い、ボートを水面に浮かべた。ケアンズ周辺の河川では、このようなスロープがしっかりと完備されているようである。10分ほど川を溯ったところで、エンジンをアイドリングにして、我々が持ってきたタックルを素早くチェックしはじめた。

テリー 7KB 私が今回メインタックルとして準備してきたのはメガバスのデストロイヤーF4-59Tトマホークカルカッタ200、ラインはアプロード・バイパー3号(PE 28lb)。きっちりラインを巻き直せとの指示があり、リールから糸をズルズル引き出して暫しボートを低速前進。糸巻きのテンションが弱かったらしい。「リーダーを持ってきたか?」と尋ねられ30lbを差し出すと、それでは細いという。彼が私のライン先に付けたのは1.3m程のド太い50lbリーダー。

 ラインの後はドラグの番。「日本人のドラグ設定は硬すぎる。だからラインブレイクが多い。」とおもむろに調整を始めた。タックルを受け取り、試しにラインを引っ張ってみるとズルズル状態。「こんなのでいいのかなぁ?!」と思うほどだ。

 タックルの準備が終わり、テリーが取り出したのが「ULUTRA BLOCK SPF15」と書かれた1リットルの青いポリタン。彼は顔と手足にベタベタと塗りはじめた。1リットルサイズの日焼け止めを常時準備しているのには驚いた。
川上り 7KB オーストラリアでは日本と異なり、紫外線が強く日焼け止めは必需品。たとえ日差しが強くない曇りの日でも必携と聞いていたので私はホテルで既にしっかり塗ってきた。しかし、相棒Iは全く付ける気が無い。後日、彼は日焼けで真っ赤くなり、辛い思いをすることになる。

 準備が整い、いざ開始かと思いきや、そこからエンジン全開フルスピードで1時間近くも川を溯った。急に浅瀬が目前に迫り、もうこれ以上、上がれないという所まで来てアンカーを打つ。やっと開始かと思いきや今度はティータイム。ピンク色の甘〜い砂糖がたっぷり上に乗ったパンとコーヒーをいただく。「エンジン全開で来たので、魚達がおびえている。暫く休ませる。」とのこと。私としては、1分でも早くキャストしたいのだが。

 一服した後に、ルアーを見せろというので持参したボックスを広げると、「オー!ビューティフル!ウ〜ン、クレイジー」なスーティーグランター 8KBどと言いながらルアーをチェックした。「日本のルアーは奇麗で、出来が良く、良く釣れるが価格が高いのが難点。」「まずはこれを使え」と選び出したのが地味な色のノーマルな旧ポップR。理由は良く分からなかったが、ゼルローランドモデルでは駄目だと言う。

 最初のポイントはかなり流れの早いところ。テリーがポップRの使い方を私たちに示す。着水後ポーズなんか取らずに、とにかくデッカイ音を立てて、ガッボッ、ガッボッとやる。日本じゃやりませんよ!そんなアクション。魚が逃げるって!しかも、こんな流れの急な所でポッパーを使うなんて・・・。ホラホラ、ルアーが流されちゃうじゃん。「本当に釣れるのかなぁ〜?」なんて思いながらキャストを続けるといきなりカパッと出た。オーストラリア大陸の記念すべき1匹目はスーティーグランター。これでボウズはなくなったと一安心。続いてジャングルパーチ(ジャングルバス)とスーティーグランター。同じポイントで2種類の魚がポンポンと釣れてきた。

2人で記念撮影 9KB 一方、同じルアーを使っている相棒Iには反応が無く、嫌〜な雰囲気。オーストラリアまで来てボウズじぁ悲しすぎる。ポイントを移動し開始するとやっと待望のヒット。すると同時に私にもヒット。相棒が釣ったのはスクロータム。私が釣ったのはスーティーグランター。で、2人でニッコリ記念撮影。

 グランターとスクロータムはいずれも黒っぽい魚で、メジナをもう少し勇ましくした感じ。2種とも似ている魚だが「グランターはロングノーズ、ブラウンアイ」、「スクロータムはショートノーズ、レッドアイ」である。ちなみにオーストラリアでスクロータムとは「男性の金玉袋」を意味するとか。何でだろ!? この後、グランター3匹、スクロータムを2匹追加し、昼食となった。

GT 6KB 午後は一気に河口まで下る。テリーが私のボックスから選らんだのはマリアのザ・ファースト(金黒)。これをトウィッチングしろと言う。しばしキャストを続けると、いきなり強烈なアタリ。ドラグの設定が緩いのでズルズルとラインが引き出される。やっとの思いで引き寄せたのはGTの子供45cm。続いて相棒がアスリートでコチ(45cm)をゲット。始めはコツンとあたり、根掛かりかと思いロッドをあおるといきなり走り出し、物凄い突っ込み。日本のコチとは違い随分パワフルな魚だった。

 潮まわりが良くないらしく、その後ヒットが遠のいてしまった。延々と空しいキャスト&トウィッチが続き、半ば諦めた頃にガツンとヒット。今度は何が釣れたのかと楽しみに引き寄せたら、スルドイ歯を持ったタイみたいな赤い魚。名前はマングローブジャック。まずまずのサイズだと言うので計ったら42cmであった。この後、1時間ほどロッドを振るがノーバイト。夕方4時過ぎに納竿となった。

マングローブジャック 6KB 午前中はポップRの引き倒し、午後はザ・ファーストのトウィッチング。あれこれとルアーを替えたいのだけど、ガイドは「それが一番釣れるから続けろ。」と言う。確かに釣れるのだから文句ないのだけど、1日に2個しかルアーを使わないなんて飽きちゃうんです。日本からわざわざルアーを100個持っていったんですよ〜。オーストラリア遠征初日は、なかなか疲れる釣りでした。


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