豪州バラマンディ・フィッシングT
マングローブフィッシング


擬似餌の玉手箱>豪州バラマンディ・フィッシング>'98/4遠征


'98/4/24(金)

 オーストラリアにおける釣りの最終日。本日攻めるのは、ケアンズを40分程南下した所にあるラッセルリバー。車中でテリーからいろんな話を聞いた。家族は子供が3人、妻とおばあちゃん。愛する奥さんの名前は何とマリアさん。どおりで「マリアのザ・ファーストは良いルアーだ!特にアクションが良い!」としきりに言うわけだ。ふぅ〜ん。動きがいいんだ。動きがねぇ。下ネタかよぉ。納得納得。

 ガイドをやって10数年。その前はエレクトリックエンジニア。ルアー専門のガイドはケアンズに3人くらいしかいないので、結構忙しく、週に4〜5日は仕事をこなす。あまり儲かる仕事ではないが、ケアンズの子供たち憧れの職業であり、やり甲斐のある仕事らしい。
 毎日、いろんな客のワガママを聞きながら、魚を釣らせなければならないなんて、かなり厳しい仕事だと思う。単に釣り好きでは勤まらない職業だろう。私には出来ません。釣れない時の方が多いしねぇ。

 7時過ぎにラッセルリバーのスロープへ到着。そこから1時間川を溯る。気温は24℃だが、エンジン全開で突っ走ると体感温度はぐっと下がり寒いぐらい。本日攻める川も濁っていてコンディションはあまり良くないようだが、最終日とあって兎に角、楽しい釣りをしようと心に決めた。

 めいいっぱい上流に溯った後は、いつものように甘〜いパンとコーラやレモネードで腹ごしらえをする。そして暫しポイントを休めるためにタックル&ルアー談義。いつもは我々のルアーをアレコレ触って、何だかんだ言っているが、今回はプロのタックルボックスの中を見せてもらった。

 さぞや金ピカのルアーがザクザク出てくるだろうと思っていたのだが、入っていたのは、歯型だらけ、キズだらけのボロボロのルアーばかり。ボーマーのロングA、ラパラのシャッドラップカウントダウン、ストームのサンダースティック、レーベルのポップRなどの他、マリアのザ・ファースト、スカジットデザインのジャークベイトビートルナッツも入っていた。そして、ほとんどのフックは丈夫で鋭い物に取り替えてあり、しかも常にシャープナーで砥ぎまくっているようだ。

 意外なのが、オーストラリア製のルアーが極端に少なかったこと。それとバイブレーションやヘドンなどのトップウォーターは一切入っていなかった。そういえば釣具店を数件まわったが、バイブレーションやトップウォータープラグはほとんどお目にかかれなかった。

 タックル談義が終わった後はいよいよ実釣開始。本日、テリーが私たちに使うようにと薦めたのは、リップの長いシャッドラップ。アクションはただ引きではなく、連続トウィッチ。これでゆっくり川を下りながら、ポイントと思われるストラクチャー周りを徹底的に攻めまくる。しかし、反応が無く沈滞ムード。

 少し深場の新たなポイントに入った時、テリーがタックルボックスの中をガサガサやって秘密兵器を取り出した。手にしたのは白いフェザージク(バックテールジグ)。これをキャストしフリーフォール&軽いくしゃくりで誘い出す。狙いはターポン。まず、ヒットしたのはテリー。ターポンが水面下でギラッギラッと光るのを確認したのだが、残念ながらバラシ。相棒Iのジグにもショートバイトが何回かあったのだがフッキングには至らなかった。私は少々軽いジグのキャストにてこずりながら、しゃくっていたがノーヒット。テリーと相棒にはバイトがあるのだが・・・。どうもこの手の釣りは苦手である。やっていて少しも面白くないからねぇ。

 川の流れに任せ、ボートを流していくとあちこちに「おいしいポイント」の連続。3人ともシャッドラップにチェンジし、タイトなキャストを繰り返す。1発目はテリー。釣れた魚は初めて見るターポン(30cm)。口を開くと他の魚と少し違う構造をしており、四角く広がることでエサを吸い込みやすくなっている。オーストラリアにいるターポンはTVや雑誌で見る巨大なパシフィックターポンとは種類が異なるようで、なんだかボラっぽい。

 相棒が25cmのマングローブジャックを2匹キャッチした後、やっと私の出番が回ってきた。シャッドラップのスーパートウィッチングを黙々と続けていたところギラッギラッと鈍く光る魚がチェイスしてくる。小刻みなトウィッチをするとガツンとヒット。そしてドバーン、ドバーンと連続打ち上げ花火のように飛び上がった。タイミングを見計らってボートの中に飛び込ませてランディング。46cmのやや大きめなターポンを釣り上げることができた。続いて、テリーが小ぶりなターポンを釣り上げ、午前の部は終了となった。

 今日の昼食は最終日だからメニューが変わるだろうと思っていたのだが3日間同じ。パンにトマト、レタス、チーズ、ハムを挟み込んで即席のサンドウィッチを作り、コーラで胃の中に流し込む。小休止をした後、午後の部を開始。今度はバラマンディ狙いだ。ターポンやマングローブジャックなどは少し深場に居るが、バラマンディはシャローのウィードベッドや樹木の影に潜んでいる。狙い方はスズキというよりはバスっぽい感じになる。

 開始早々、私がシャットラップでジャングルバス(ジャングルパーチ)を釣った後、相棒がトウィッチしていたアスリートに強烈なアタリ。激しいやりとりの後ゆったりと上がって来たのは59cmのバラ。テリーが「まだ居るから同じポイントを狙え」と言う。5分後、再度相棒のアスリートに45cmが飛びついた。私は、シャッドラップからザ・ファーストに変え、激しくトウィッチを行うが反応なし。オーストラリアに行く時はアスリートが必携です。

 横で立て続けに2本のバラを釣られたので、昨晩釣り具店でチャッカリ購入した秘密兵器サンダースティックを取り出し、トウィッチをすると41cmが躍り出た。サンダースティックは単にリトリーブしただけでは十分性能を引き出せない。日本のバスではあまり使わないフック3本付きの少々大きめなサイズのミノーだが、トウィッチしたりジャークしたりすると、別物の様な素晴らしいアクションをする。

Terry&Toshi 9KB ここぞと思うポイントでバラの反応が得られなかったので、一気に川を下りマグレブリバーとの合流点でもある河口まで突っ走った。ここでは、例によってザ・ファーストアスリートのスーパートウィッチング。相棒と同時にグイッとかなり重いヒット。その後グイグイとラインを引きずり出し船の上は大騒ぎ。数分間のやりとりの後、浮いて来たのがビッグなフラットヘッド(コチ)。スケールで計ると2匹ともジャスト60cm。ジャンプこそしないが、とても持久力があり釣りごたえのある魚だった。

 ボートを流れに任せながら、マングローブの根が複雑に絡み合っている隙間をタイトに狙い続けると、可愛らしいメッキアジが食ってきた。結局、コイツがオーストラリア最後の1匹となった。夕方5時ジャストに納竿。3日間お世話になったテリーとコークで乾杯&記念撮影。沢山の思い出を作ってくれたテリーにはシュガーディープの金色をプレゼントした。今頃はきっと何処かの川で活躍しているに違いない。

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