豪州バラマンディ・フィッシングU
ハスキージャーク炸裂

神の魚バラマンディ 7KB
神の魚 バラマンディ

擬似餌の玉手箱>豪州バラマンディ・フィッシング>'98/3遠征

'99/3/8(月)

〜ケアンズを南下〜


ホテル出発 6KB 約一年ぶりのオーストラリア。前夜、相棒Iは十分寝られなかったようだが、私はガーガーいびきをかいて爆睡。朝5時半にはパッチリ目が覚めて、釣行の準備をしながら朝食をとる。外を見ると天気は雨で、カッパを着ての釣りになることを覚悟した。
 午前7時前、ほぼ予定通りに3日間のガイドを務めるテリーホールマンがホテルにやってきた。相変わらず裸足でペタペタ歩いてくる。挨拶を交わした後、でかいボートを牽引している日産パトロールに乗り込み、どんよりとした雲を見ながらケアンズを南下した。
 
 車中でここ数日の様子を聞いてみると、雨の影響で水温低下、水は濁ってしまいコンディションはとても悪いとの事。しかし厳しいといっても3日前には客がポップRで65cmのバラマンディを釣っているらしい。この時は、まさかトップで釣れるとは思っていなかったテリーの方が客より驚いたそうだ(笑)。
 ちなみに今シーズン、ガイド中に釣り上げられた最大魚は78cm。レギラーサイズは50〜60cmで良い日には1日で15匹程度釣れているらしい。 この時期のケアンズは「今日良かったからといって、明日良いとは限らず難しい。イメージを最大限働かせてバラやGT、ターポンを客に釣らせる」とガイドは語る。

〜行きはよいよい帰りは!?〜


テリーの操船は天下一 5KB 本日挑戦する川はマルグレイブリバー。ボートランプから40分ほど川を溯り水がクリアーな場所を探す。我らの行く手をふさぐ格好で前方に迫って来たのはサトウキビ運搬専用線路の小さな鉄橋。ここから川を下りながら釣るのかと思っていたら、もっと上流に上がると言う。雨で増水しており、鉄橋と水面は僅かなスペースしかない。バックシートをはずし、全員がボートに伏せてギリギリ通過できる程度の隙間があるのみ。テリーは「帰りに増水していたら、今晩はこの辺でキャンプだ」とまじめ顔。無事に通過できた時は思わず拍手。行きはよいよい、帰りは恐い!?

 国道と平行して走る鉄道の橋脚近くまで川を溯り停船。直ぐにも釣り始めたいのだが、エンジン全開で通り過ぎてきたポイントを休ませるために、おやつタイム。ピンクの超甘い砂糖が乗っている菓子パンを3人でいただいた後に、例によってテリーのタックルチェックを受ける。まずはラインとリールから。カルカッタ20050XTに巻いてあるライン(PE28lb、フロロ12lb)に40lbのリーダーを手際良く結んでくれ、ドラグをズルズルに緩めた。日本ではマズしないであろう、「こんなに緩くてもいいのか!」と思うくらいのセッティング。
 続いてルアーのチェック。前年の釣行を参考にカラーは金黒を主体に揃え、トウィッチすると激しくダートするミノーとポッパー類をトータルで106個持ち込んでいた。これらの中から彼が選らんだのはバラマンディ用にサンダースティックハスキージャークキクチミノーVF。グランターやターポン用にポップRポップX、フェニックスのマイケルフォースだった。「後は使わないからしまっておけ!」だって。ロッドについてはボート上での扱いやすさを考えミノー主体のバラマンデイ用にデストロイヤーF4-59T。トップウォーターにはデストロイヤーF2-57Xを選んだ。

 ちなみにテリーのメインタックルはアンバサダーを装着したG・Loomis。グランター、ターポン用にダイワのスピニングとメーカー不明豪州製ロッドという組み合わせ。また、12月中旬、村田基と児島玲子、TVスタッフ御一行のガイドをした時にもらったというカルカッタ200を予備に使用していた。「シマノのリールが優秀なのは十分承知しているが、壊れた時に部品の入手が困難で、しかもパーツの価格が高い。その点、アンバサダーの方がパーツが安くて豊富にあり、自分で簡単にメンテナンス出来るので愛用している。」とテリーは話す。

〜ターポンキャッチャー〜


 午前9時半、気温31℃、水温26℃。時折雨が降る中、カッパを着て釣りはじめた。川を下りながら1時間半やって2〜3回、小さな魚のチェイスがあっただけ。やはり川のコンディションは良くないようだ。暫くは無言のキャストが続いた。
ターポン  オーストラリア待望の1匹目は、相棒Iの操るスゴイスプラッシュに飛び出た30cmのジャングルパーチ。続いてターポン。またターポンヒット! またまたターポンヒット!! ヒットが続く相棒の横で焦りはじめていた私のポッフRにもやっとジャングルパーチがヒット。これでまずは一安心。
 この一帯に魚が集まっているようでターポンをはじめ、メジナみたいなスーティースカーラム、赤い目のスーティーグランターなどが躍り出た。テリーもバックシートからルアー(シュガーディープポップR)を投げターポンを釣る。 次から次ぎへとターポンを釣りまくった相棒Iについたニックネームはターポンキャッチャー。スゴイスプラッシュ「ターポンルアー」と勝手に改名させていただいた。

〜ルビー色の目をした神の魚〜


 幸運にも本命のバラは私がキャストしていたマイケルフォースに出た。グランターも良く引くが、バラは比べ物にならないくらいのファイターである。デストロイヤーF2-57Xは弓なりに曲がり、カルカッタ50XTに巻かれたラインはギュインギュインと出て行く。無事にランディング後、計測してみると41cm。バラマンディの頭は小さく、顔だけ見ていると雷魚のよう。しかし体は銀色の大きな鱗で覆われ、ヒラスズキの体高をもっと高くしたボリューム感のある魚体である。サイズはやや小さかったがトップで釣った事で満足満足。

船上でランチ 7KB 昼食は船上でガイドが用意してくれたパンに各自がハムやレタス、トマト、チーズをはさみサンドイッチを作り、コーラやコーヒーで胃に流し込むという簡単なもの。昼食は極めてシンプルで、釣行期間中はこれが毎日続く。何か変化がほしければヨーグルトやフルーツなど自分で食べたい物を用意しよう。また、船に装備されたクーラーの中には水、炭酸飲料(コーラ、レモネード)が沢山あり、ビールや暖かいコーヒーも用意されている。

 昼食後、最初に釣ったのはテリー。ポップR(小)で黄色いスーティーグランターをキャッチした。時々思ったが、このガイドは客以上に釣りを楽しんでいる時がある(笑)。一方、相変わらず相棒はスゴイスプラッシュでターポンを笑えるほど釣りまくり、テリーに「どうやればそんなに釣れるのか教えてくれ」と聞かれるほど。しかし私へのヒットは単発。マイケルフォースでスーティーグランターを1匹キャッチしたのみだった。

〜ハスキージャーク炸裂〜


 あくまでもメインターゲットはルビー色の目をしたバラマンディである。オーストラリアまで来て、ターポンを釣りまくっていてもしょうがないので、川を下りながらバラマンディが潜んでいるポイントを集中的に狙い撃ちしていった。途中、テリーがシュガーディープで60cmUPをばらし、私のハスキージャークにもヒット。しかしフックをぐんにゃり伸ばされ、残念ながらキャッチには至らなかった。因みに、フックはお気に入りのガマカツTREBLE19(バーブレス)に変更してあるのだが、「日本のフッキは弱いからだめだ!」とガイドは酷評する。実際、今回の遠征では何度もフックを伸ばされバラし、この言葉を度々聞くはめになった。

 通称「テリーポイント」と呼ぶ小川の合流点にある岸にデストロイヤーF4-59Tを握り締めて上陸。本流に投げ扇形にリトリーブし、小川の合流点でルアーの位置をキープ。そして激しくトウィッチしていると、ギュィ、ギュィーンと強烈な引き。ランディングまでに数分間かけ、上がって来たのは奇麗な魚体の50cm。ルアーはハスキージャーク。写真を撮影後、同じ所にキャストするとまたヒット。先程に比べ明らかに引きが強くナイスサイズと思われた。途中ストラクチャーに潜り込まれたりしながらもポンピングで強引に引き寄せ、キャッチしたのは68cm。恐るべしハスキージャークの威力!! 結局コイツが今回の豪州遠征最大のバラとなった。バラは同じ所に数匹潜んでいることが多いので、3人でキャストしまくるが残念ながら2匹で打ち止め。

 川を下りながらウィードのエッジを狙いキャストを続ける。テリーが60cmのバラをシーウォッチャーでキャッチ。彼はこのルアーが非常にお気に入りで、数々のバラを釣り上げているのだと言う。ウッドのため若干泳ぎが異なるのか、何本か持っている中で最もコイツの釣果が高いらしい。日本では1本3千円と価格が高いため、使っている釣り人を見たことはないがプロのガイドが気に入るくらいだから、きっと良いルアーなのだろう。しかし、ハスキージャークなら3本買え、心置きなく酷使出来るはず・・・。

ランディング 7KB  小川の合流点付近でガイドに指示されるままにアンカーを落とすと、絶妙なボートポジションをとった。「テリーがここを狙え」と言うポイントには必ずバラが潜んでいると信じているので、私だけでなく、未だバラを釣っていない相棒Iもキャストに力が入る。数投目に私の操るハスキージャークにヒット。しかし、魚はウィードに化けてしまいルアーは引っかかったまま。回収しに行くとポイントが荒れてしまうため、そのまま放置してサブタックルに持ち替えシュガーミノーを放り投げると、幸運にも再び私にヒット。ファイトしまくるバラをどうにか引き寄せ本日4本目のバラマンディをランディング。計測結果は53cm。バラとのやりとりの途中で、引っかかったまま放置してあったハスキーのラインが切れるというハプニングもあったがルアーは幸運にも回収出来た。

 その後、相棒がシーウォッチャーでジャングルパーチを1匹追加。彼はちゃっかりシーウォッチャーを渡豪前に仕込んでおり、これでバラを釣るつもりだったのだが何故か釣れたのは別の魚。テリーはターポンをラパラCD9で1匹、フェザーテールジグで3匹釣り上げた。朝、ハラハラ・ドキドキしながら潜り抜けたサトウキビ運搬専用線路の小さな鉄橋も、再び3人一緒にボートへペタッと伏せて無事通過し、午後5時半に納竿。

1日目の釣果結果

TOSHI

相棒I

TERRY

ターポン




バラマンディ




ジャングルパーチ




グランター






[ワンポイントアドバイス]
 この時期は、必ず雨が降るので雨具持参は当たり前。ボートには屋根がないので、手荷物も防水バックを使うなど雨対策をきっちり行う必要がある。一方、雨が上がれば強い日差しが射してくるので日焼け止めは必携。テリーは1リットル入り、SPF15のウルトラブロックを愛用。私はコンビニで購入した携帯に便利な30ml入りのSPF103、PA+++の日焼け止めを使用していた。また、虫除けと痒み止めのクスリも当然必要。場所によっては小さなブヨ(サンドフライ)がいて、刺されると数週間は痒い思いをする。皆さんくれぐれも忘れずに!!

次のページへ
オーストラリア遠征目次へ


トップページに戻る。
私へのメッセージは こちら へどうぞ。 

  
Copyright (C) tamatebako