豪州バラマンディ・フィッシングW
グランターフィーバー

木陰でランチ 6KB
木陰でランチ


擬似餌の玉手箱>豪州バラマンディ・フィッシング>'00/10遠征

'00/10/26(木)

〜ドクターテリー〜


テリーと乾杯 7KB 前夜は再びまとまった雨が降ったが、朝には上がり朝日がとても眩しかった。予定どおり6時半に出発。私達が進む前方には美しい虹が輝いていた。釣行最終日は過去、一度も行ったことがないタリーリバーに決定。ケアンズから片道約2時間も掛かる遠方なのでガイド連中で案内する人はマズいない。この川はモンスーンシーズンに良型のバラマンディが釣れる川として地元では名が通っているらしい。

 タリーリバーに行くことはガイドのテリーにとっても賭けのようだ。ロングドライブをしても釣果に恵まれない時もあるらしい。今回は連日降り続いた雨で川が濁っており、魚達は沈黙している可能性もある。川に濁りが入れば釣れないというのはケアンズ周辺では定説となっているようだ。

 車中ではバラ釣りにおけるフックの事についてガイドのテリーと話をした。日本のフックは細軸で魚の口への刺さりを重視しているが、豪州のパワフルな魚を狙うには繊細すぎて使い物にならないのが正直なところ。従って使うルアーはソルト用の太軸フックに変更しているが、バーブはどうするべきかを尋ねてみた。魚をリリースするのが前提で釣りをしているので、バーブレスにすべきだと思うのだがガイドの考えは違っていた。バラマンディはジャンプして首を振り、ルアーを吹き飛ばすのでバーブは必要だと彼は言う。スズキの「エラ洗い」と全く同じで、私もこの「エラ洗い」で苦い思いをしている。

 バーブを残したままでは、不注意で同行者や自分を釣ってしまった時が大変だ。バーブ付きの太軸フックがぶっすりと刺さっている光景は想像するだけで鳥肌が立ってくる。実際、過去の遠征では同行者が2度もガイドに釣られるというハプニングがあったが、この時は幸いズボンのポケットにフックが刺さっただけで助かっている。事故が起こった時の対処方法をガイドに尋ねたところ、ニヤッと笑って、「ドクターテリー!!」と一言。病院には行かず、ボード上でマジックテクニックを使って一瞬のうちに外すとのこと。

 その時の呪文は「うぅぅぅ〜やぁぁぁぁ!!」だ。それって、もしかしかしたら力づくって事!? これまで、何回かフックが刺さる事故が起こっているようだが、大事には至らなかったらしい。ドクターテリーの世話になるのは、まっぴらゴメンなので周囲を十分確認してキャストをしたいとつくづく思う。

〜グランターフィーバー〜


グランター&マーゲイ 4KB 国道から離れ、ボートランチに向う道はまさにブッシュドライビング。こんな所を走っても大丈夫なのかと心配するぐらいのガタガタ道であった。車は走破性の高い四輪駆動車だが、ボートを牽引しているので無茶な運転は出来ない。「対向車に来てもらいたくないなぁ」などと心配したが、無事にボートランプへ到着した。

 素早くボートを降ろし、うっそうと生い茂るジャングルのクリークを抜けるとタリーリバーの本流に合流。ガイドが指差す河口の方向にはヒンチンブルック島が見えた。水温は昨日のディントリー川と同じ27℃。先ずは近くの川の流れが当るブッシュ周りを軽く攻める。そこでは私の操るハスキージャークに巨大メッキの力強いアタックがあったが、フッキングには至らなかった。一通り探った後は上流を目指し川を溯る。

 ガイドは水の色を見ながら「マッディ・・・」とつぶやく。出来るだけ濁りのないエリアを探しキャストを開始した。岸際にあるウィードベッドの際を狙っているとテリーが”HIROルアー”で38cmの可愛らしいバラマンディをキャッチ。私のハスキージャークにも小さなバラがアタックしたが、これまたフッキングミス。昨日、フッキングの方法についてお説教を頂いたので、今日は絶対に注意されないようにと気を付けているのだが、合わさなければ魚が針に掛かるかというと必ずしもそうではない。フッキングというのは本当に難しい。

 ボートを流しながら3人で岸際を打っていくと、ガイドが立て続けにマンズで2匹のスーティーグランターを釣り上げた。すかさずハスキージャークからマーゲイにチェンジ。そして、ここからグランターフィーバーが始まった。キャストするたびに岸際から魚達が次から次へと物凄い勢いでルアーへアタックしてきた。昼飯までに8匹のグランター(25〜35cm)、2匹のジャングルパーチ(28〜30cm)を次々に釣り上げた。

 一方、同行者はマーゲイを持っていなかったので、シャッドラップを使い同じように攻めていたが、グランターを4匹、マングローブジャックを1匹釣り上げただけに止まった。元々、私はシャッドタイプのルアーをテンポ良く打ち込み、魚を釣っていく方法は得意分野なのだが、今回はマーゲイに随分助けられたとの思いが強い。このルアーは本当に凄いルアーだと再確認した。

〜マゴチハウス〜


マゴチハウス 5KB いつもながらの昼食を木陰の下で摂り、暫くルアー談議をした後に午後の部を再開。前日までの天候がウソのように晴れ上がり、それに伴って風も強くなってきた。午後1時半頃、同行者が”HIROルアー”でバラを掛けたが、ジャンプ一発でフックを外されロスト。続いて、私にもチャンスが周ってきたのだが、ハスキージャークにコツっとアタックがあっただけに終わった。
 それから延々と2時間、炎天下の中、ガイドが指し示すバラマンディハウスバラマンディカントリーへ次から次にルアーを打ち込んでいくが反応はなかった。ここではワライカワセミが良く鳴いており、ミスキャストをしたときに鳴かれると本当に笑われているような嫌な気分になった。

 とっておきのマル秘ポイントを駆け巡ったが、魚達は沈黙しており、これにはガイドも首を傾げる。このままでは釣果が望めないと判断し、河口まで下りクリークとの合流点でマゴチを狙うことになった。合流点にはサンドバーが出来ており、この周辺をマゴチハウスと呼んでいる。船を降り陸っぱりでキャストを開始。何処を狙っていいのやら良く分からないので適当にシュガーミノーをキャストしリトリーブしてくると、ゴツッと久しぶりに魚の感触が竿に伝わってきた。マゴチ(45cm)だからといって馬鹿には出来ないほどの力強いファイトを楽しめた。ガイドは試しに投げてみたTDペンシルにマゴチが出たと喜んでいたが、フッキングには至らなかった。コチがトップウォーターに出るとは知らなかったので、これには私も驚いた。

 後が続かないので再び船に乗り、クリークとの合流点にあるシャローを狙うと、そこは正しくマゴチハウスだった。同行者はシュガーミノーを使い、僅か10分の間で3匹(35〜52cm)を釣り上げ大満足。ガイドはシュガーディープで2匹(45cm)を追加した。

 最後の一発狙いで河口と海との境にポツンとある岩場を狙ってみた。ここは、海から上がってきたバラが一時的に止まる場所らしい。「引っかけないように注意しろ」とガイドから指示を受けたにもかかわらず、何投もしないうちにサクッとアイマを引っ掛けた。ボートを近づけルアーを回収。最後の望みを掛けたポイントは根掛りしたルアーの回収であっさりと潰してしまった。河口では岸際で派手なボイルが何回も起きた。追い掛け回している魚はクィーンフィッシュかGTのようだが、正体は分からずじまい。結局、豪州遠征釣果は河口のマゴチ釣りで幕を閉じた。

〜夕食会〜


テリーの秘蔵コレクション 7KB 夕食はガイドのテリー宅へ招かれた。彼の自宅はケアンズの夜景を見下ろせる山の中腹にあるプール付き3階建ての白い洒落た家。1階はガレージ&作業場になっており、テリーの秘蔵ルアーコレクションも棚の上のダンボールの中に沢山入っていた。殆どがガイドのお礼として日本人客が提供したルアー達で、以前私がプレゼントしたルアーもそこにあった。

 見せてもらった箱の中は、実戦で使うルアーというより、何故かキャラクター物が多かった。また、日本メーカーのテストサンプルがあったり、スペシャルカラーがあったりと非常に興味深かった。取りあえず今はダンボール箱の中に入れてあるが、いずれはショーケースに入れて奇麗に並べたいと考えているようであった。

 私達の夕食を作ってくれるのはテリーの奥さんのマリアさん。準備が整うまでの間はライアン(12歳)にジャンケンゲームや”あっち向いてホイ”を教えて遊んだ。日本人には慣れているようで人見知りすることもなく、私達のへたくそな英語を理解してくれ結構楽しい一時を過ごすことができた。食事はシンプルな英国風のフィッシュ&ポテト。そしてパン。傍らにはキッコーマンの醤油が置いてあった。ケアンズでは醤油はメジャーな調味料でテリーのお宅でも良く使うとのこと。食卓は驚いたことに、ぐるぐる周る中華テーブル。「このテーブルはとても機能的だ」とマリアさんは大変気に入っているようだった。魚は前日釣ってキープしておいたバラマンディ。

テリーズファミリー 8KB バラマンディは白身の魚でとても美味しい魚である。レストランで注文すると結構高いので、オーストラリアへ行っても滅多に食べない。テリーが一番旨いところを食べさせてやるというので、何処かと思ったら頬のところだった。日本でもカマの部分は旨いと言われているが、オーストラリアでも同じ所が旨いと言うのはとても興味深かった。

 食後は児島玲子さんや日本人カップルが写っているバラマンディ釣行ビデオを拝見し、十分くつろいだ後、テリーにホテルまで送ってもらった。車中、テリーは「日本人はもっと人生をエンジョイすべきだ」「オーストラリア人に比べ真面目で良く働き、良い物を作っているが、もっともっと楽しむべきだ」と熱く語った。10分少々でホテルのロビーに到着。今回の4日間に渡る遠征のガイドを務めてくれた事にお礼を言うとともに、テリーの家族の暖かいもてなしに深く感謝し硬く握手。「また来るからヨロシク」と挨拶をして別れた。

4日目の釣果結果

TOSHI

HIRO

TERRY

バラマンディ



1

マングローブジャック


1


グランター

8

4

2

ジャングルパーチ

2



マゴチ

1

3

2


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