豪州バラマンディ・フィッシングW
バラマンディハウスは空き家!?
メッキ 4KB

可愛らしいメッキ・・・豪州まで来てこのサイズとは

擬似餌の玉手箱>豪州バラマンディ・フィッシング>'00/10遠征

'00/10/25(水)

〜ハンドメイドルアー談議〜


HIROルアー 5KB 釣行3日目は1時間半かけてディントリーリバーへと向う。ケアンズから1時間程度北上した地域では3日前に大規模な山火事があり、国道脇の山肌も黒焦げ。民家の直ぐそばまで火が迫ったところもあったようだ。雨が降っているにもかかわらず、まだ炎がくすぶっているところもあり周辺は焦げ臭かった。

 ディントリーの周辺は熱帯雨林のジャングルが広がり、美しい山々が間近に見え、釣っていて気分が良いので私は結構気に入っている。ガイドのテリーは「バラマンディ狙いならディントリーリバーの方が釣れるが、時々、魚が沈黙してしまう。ガイドとしてはジョンストーンリバーの方がバラマンディのほか、GT、マングローブジャック、グランターなど何かしら釣れるので案内しやすい。」と言う。

 車中では、ハンドメイドルアー談議で盛り上がった。実は今回、同行者がバラマンディ用ルアー”HIROルアー”を大量に作り豪州へ持ち込んでいだのだが、ガイドはこれをかなり気に入ったようだった。スタイル的にはスカジット社のシーウォッチャーに似ている。このタイプのルアーはトウィッチした時にヒラを打ちやすく、移動距離が短いのでピンポイントをしっかり攻めるのに適している。

 テリーも暇な時にはルアーを作っているようだが、カラーリングが上手くできないらしい。日本人客が持ってくるハンドメイドルアーのカラーリングテクニックにはいつも驚かされているようだ。ホイルの張り方から、カラーリングやコーティング方法について、身振り手振りを交えながら稚拙な英語を駆使して説明した。帰国後、テリー宛てにルアー作りの本を2冊送ったが、今頃はきっと難解な日本語を解読しながらルアー作りをしているに違いない。

 豪州には日本人が様々な高価なハンドメイドルアーを持ち込むようだが、見た目の良さとは裏腹にその殆どが耐久性に欠け使い物にならない。特に困り物はヒートンをねじ込んだタイプ。これは一撃でヒートンがすっぽ抜けフックを魚に持っていかれるか、ルアーさら持っていかれるかのどちらかである。パワフルな豪州の魚を相手にするにはワイヤースルータイプの物を選ぶ必要がある。同行者が作った”HIROルアー”はもちろんワイヤースルーだ。

〜豪州魚はシュガーがお好き〜


ディントリーリバー 6KB 午前8時過ぎからキャスト開始。水温は27℃。待望のファーストヒットはテリーの操る”HIROルアー”。魚は40cm弱のバラマンディだった。続いて同行者がシュガーミノーで同サイズをヒット。しかし、残念ながらジャンプ一発でフックオフ。この間、私のルアーには2回アタックがあったのだが、フッキングには至らず少々焦っていた。同じ場所にしつこくルアーを叩き込み、やっと1匹目を釣り上げたのは開始1時間後だった。サイズは45cm、ルアーはシュガーミノー。そして同行者がシュガーミノーで43cmを釣り上げた。

 ポイントは本流と支流の合流点にある立ち木周り。この周辺で4匹釣り上げたのだが、じっくり攻めればまだいそうだった。バラマンディはストラクチャーにひっそりと隠れ、目の前を横切る小魚に襲い掛かる待ち伏せ型の魚である。しかも、1ヶ所に何匹も付いている場合が多く、粘っていると何匹も続いて釣れることが多い。

 少し塩っ気が強いところまで川を下り、キャストを開始すると可愛いメッキをキャッチ。10時におやつを食べた後、再びメッキ(といっても巨大メッキ)がヒット。しかし、シュガーミノーの前後フックを2本伸ばして逃げていった。フックは当然太軸のマスタッド製の物に交換してあったのだが、掛かり所が悪かったのかもしれない。今更ながらに豪州魚の力強さを思い知った。ちなみにガイドのお気に入りフックはVMC製。日本製のフックは鋭いが、直ぐに伸びてしまい弱くてオーストラリアの釣りには向いていないという。

壊れたシュガーミノー 5KB メッキをバラして5分後、なんだか得体の知れない魚がルアーをチョイスするのが見えた。ガイドによるとナマズとのこと。当地ではナマズを一度も拝見していないので、どんな顔をしているのか釣り上げてみたかった。一方、同行者が釣ったのはなんと巨大なマットクラブ。カニはルアーをがっちりと挟んだまま逃げようとしない。レストランではちょっと手が出ないくらいの高級メニューの1つであるが、このカニに挟まれると指なんかは簡単に千切れてしまうらしい。ガイドは「危険だから気を付けろ!!」と声をかけ、大きなペンチでカニの足をぶっ叩き、木っ端微塵にバラバラに砕いて魚の餌にしてしまった。シュガーミノーは挟まれていた部分がべっこりと凹み、見るも無残な形に変形し、もう使えなくなってしまった。

 それにしてもシュガーミノーシュガーディープは凄いルアー。バラマンディからカニまで豪州の魚達は押し並べてシュガーがお好きなようだ。豪州釣行には必ず持っていきたいルアーの1つだ。

〜ワニをいじめるとバチが当たる〜


ブラックスポットエスチュアリーコッド 5KB 小さなクリークに入り、ガイドが「バラマンディハウス」と呼ぶストラクチャーに次々とルアーを打ち込んでいく。川の中にある倒木や岸から飛び出し水の中に漬かっているような木々がバラマンディの棲み家になっているようだ。ガイドが大木の下にある僅かな隙間にルアーを打ち込み、お手本のようにバラマンディをヒットさせたが残念ながらロスト。

 これを見習って同行者が水中に半分沈んでいる倒木周りをシュガーディープで攻め、マングローブジャック(37cm)とブラックスポットエスチュアリーコッド(38cm)をキャッチ。そして同じ場所でガイドが64cmのバラマンディをシュガーディープで釣り上げた。一方、私はマングローブジャックを3回もヒットさせたが1度もフックアップさせることが出来なかった。クリークの中にポツンと沈んでいる木の株にバラマンディ、エスチュアリーコッド、マングローブジャックの3種類も付いているなんてちょっと驚いた。まさに魚の棲み家って感じだった。

 ガイドがスヌーティーと呼ぶヒイラギ(ネコマタギ)そっくりな魚をシュガーディープで釣った後、岸際に全長が60cm程のワニの子供を発見した。「今、釣ってやるから見てろ」と言いながら子供のワニに向かってキャストを繰り返す。ワニもルアーで釣れるらしく、何度もルアーをワニの鼻先へプレゼンテーションしたが、結局ブッシュの奥へ逃げていってしまった。ワニ釣りに夢中になっていたが、ふと気が付くと私達が入って来たクリークの入り口は干潮で瀬が出始めていた。エンジン全開で船を走らせたが、時既に遅く船は砂浜に乗り上げてしまった。ガイドの一声でズボンのすそを捲りあげる暇もなく全員が船から飛び降り、船首に回って水深があるところまでザバザバと水をかき分けながら船を引いた。

 座礁してしまうと潮が満ちてくるまで6時間も足止めを食らうことになりかねない。無事、浅瀬から船を出すことができホッと一安心。小ワニをいじめたりするからバチが当たったに違いない。ふと、以前ガイドがカメを釣って私達に見せようと、しつこく責め立てて愛竿のG・Loomisをポッキリと折った事を思い出した。サービス精神旺盛なのは大歓迎なのだが、魚を釣る事意外に彼が熱中したその後には必ず何かハプニングがあるようだ。

〜絶対に合わせるな〜


ヒロ&バラ60cm 6KB 川を溯りながらポイントをチェックしていく。同行者がバラマンディハウスでシュガーディープを使い、60cmのバラマンディをキャッチ。私は朝から小さなバラマンディとGTを1匹ずつしか釣っていないので、彼が釣ったバラの銀色に輝く魚体を羨ましく思いながら、黙々とキャストを続ける。川岸と平行に2〜3m幅で広がるウィードエリアで私の操るシュガーディープにバラマンディが久しぶりのアタック。しかし、反射的にバスやマスを釣るいつもの調子でビシッと合わせてしまった。残念ながらフックアップせずバラはウィードの中に戻ってしまった。

 それを見ていたガイドのテリーが鋭くチェック。「TOSHIは何回バラマンディを釣りに来ているんだ!! 以前、アタックしても絶対合わせるなと教えたはずだ!!」「日本では誰が合わせろといっているのだ?バスプロか?ムラタか?イトウか?」「日本のバス釣りは魚がアタックした時に合わせるが、それが良いとは思わない。オレは合わせなくても釣ってるぞ」と一気に捲くし立てられてしまった。

 彼は「ソフトベイトを使った釣りでは合わせる必要があるが、プラグでは全く必要ない」と言う。「バラはルアーを魚と思い吸い込み反転するので、何もしなくても口の横にフックが刺さる。吸い込んだ時に合わせるからルアーが口からスッポ抜けてしまうんだ」と身振り手振りを交えて説明する。アタックがあっても合わせてはいけない事は十分承知していたのだが、今シーズンはフィッシングプレッシャーの高い野池のバスや管理釣り場のスズキ釣りを散々やってきたので、ルアーにアタックがあるとつい体が反応してしまう。久しぶりに姿を見たバラをばらした上にガイドからお説教をいただき、さすがに意気消沈した。

〜ワニがいる所にはバラがいる〜


ワニ 6KB 小雨が降る中、木の下で雨宿りをしながら午後2時に遅めの昼食を摂った。栄養補給をして再びキャストを繰り返す。午後の部で最初に釣ったのはガイド。彼は愛用のシーウォッチャーで58cmのバラを釣り上げた。彼が案内するポイントには必ずバラマンディが潜んでいる。それを引きずり出せるかどうかは、釣りの腕前と川のコンディションなんだろう。

 午後3時を回ると晴れ間が見え始め、気持ち良く釣りをする事が出来た。ガイドが指差す岸際を見ると、3mを超すランカーサイズのクロコダイルが日向ぼっこをしていた。体重は300kg以上か。こんな巨大な生き物が、我が家の近所を流れる太田川とそう変わらない川幅の川にいるなんて、とても不思議な気がする。この川には彼らの巨体を維持するだけの食べ物が豊富にあるのだろう。

 過去3回の遠征ではワニの姿は拝めなかったが、今回はしっかり見ることができたので喜んでいると、ガイドが「ワニがいるところはバラがいる。何故ならワニはバラを食っているからだ。」と興味深いことを言った。なるほど、ワニが日向ぼっこをしている近くには、良い感じのストラクチャーが岸際にあり、いかにもバラマンディハウスという雰囲気が漂っていた。とすると・・・バラを釣ったあと、船縁で手を洗ったりすると、下からガップリとやられたりする可能性もないとは言い切れないはずだ。手を洗う時は気を付けなければ。
 

〜バラマンディハウスは空き家!?〜


陸っぱり 5KB ワニを見た後は、納竿の午後5時までの残り1時間半を掛けて、次から次へと足早にバラマンディハウスを狙い撃っていった。しかし、どのポイントも不発に終わり、バラマンデイハウスは空き家状態。この様子にガイドもおかしいなぁと首を捻るくらいだった。何処かに移動してしまったのか、それとも活性が低く川底に沈んでいるのか・・・。

 大きく移動して、到着したバラマンディハウスへズボッとシュガーディープをぶち込み、トゥイッチをするとバラがドカン!!と出た。久しぶりのヒットに「よっしゃ〜!!」と思わず声が出て、臨戦態勢を取ったとたんにバラがジャンプ。そして魚の頭上にあった枝にルアーを引っ掛け、見事にフックを外して逃げていった。その光景は敵ながらアッパレと言うしかなかった。

 その10分後、今度は同行者が操るHIROルアーに35cmの可愛らしいバラが出た。HIROルアーの製作者自らがこのルアーでバラを釣るのは初めて。小さいながらも記念すべき1匹となった。終了時間が近づいてきた為、ボートランプに向かう。途中、毎回立ち寄る陸っぱりポイントで竿を振ることにした。相当実績がある所なのだが、ここではテリーがHIROルアーを使い35cmのバラを1匹釣り上げたのみ。

 最後の望みを掛けて川岸沿いのウィードエリアを、バラマンディ釣りにおける最強ルアーと言われるゴールドボーマーロングA15A)で打ちながら下っていくと36cmのバラをキャッチ。続いて同行者がHIROルアーで同サイズをヒットさせたがジャンプ一発でフックオフ。タイムリミット直前、再び私のロングAに同サイズがアタックしてきたのだが、残念ながらフックアップすることは出来なかった。 本日の釣果は僅かに3匹。数少ないチャンスを確実にものにできず、バラしてばかりいたような気がする。再びロストチャンピオンの称号を与えられた。

3日目の釣果結果

TOSHI

HIRO

TERRY

バラマンディ




マングローブジャック




グランター




GT




エスチュアリーコッド




マッドクラブ






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