豪州バラマンディ・フィッシング]
命賭けのオフロード走破

Welcome to OZZIE Outback Camping & Fishing !!
アリ塚 6KB


アリ塚がポコポコ立ち並ぶ不思議な光景


擬似餌の玉手箱>豪州バラマンディ・フィッシング>'05/5遠征

'05/5/22(日)〜23(月)

〜 中部国際空港セントレアへ 〜


 午後1時、強い雨が降る中、愛車に荷物を積み込んで自宅を後にした。過去の遠征では毎回カッパが手放せず、釣りのガイドからは「Rain Magnet」とか「Rain Maker」と呼ばれるのも慣れっこになっている。しかし、今回は自宅を出る時から雨が降っており、さすがにテンションが下がる。目指すは、開港して間もなく、まだ訪れたことがない中部国際空港セントレア。雨降りの高速道路は事故渋滞も懸念され、道も不案内なので無事に辿り着けるか心配なため、出発予定時間を1時間ほど早めた。事前に職場のスタッフからセントレアまでの道中について充分情報を仕入れていたつもりだが、分岐点が良く判らず高速道路上でブレーキを踏むという情けなさ・・・。

 おかげさまでトラブルもなく午後3時半過ぎには空港へ到着。午後8時のフライトまでの時間を空港内散策と友人とのメール交換でのんびり過ごす。それにしてもセントレア内の混雑には呆れた。愛知万博とツアーがセットになっており、最大6,000台も駐車できるハズの空港駐車場は満杯。ショッピング街は大混雑しており、そこにいるほとんどの人が本来の空港利用者ではないという有様だった。

〜 陽気なOZと合流 〜


チラゴー 7KB 天候は悪かったが、時間どおりオーストラリア航空AO-7950便は飛び立った。途中何度か気流の乱れるエリアがあり、シートベルトサインが点灯。ガタガタと揺れる事もあったが、予定より少し早い午前4時前にケアンズ空港へ着陸した。外気温は19℃で少し肌寒く感じたが、心配していた天気は晴れ。ロビーでくつろいでいると今回の遠征に前半3日間だけ同行するトレードウィンズのスタッフA氏が登場した。因みにA氏はソルトワールド誌に豪州の釣り事情について毎回寄稿しているので、ご存知の人も多いだろう。

 スタッフA氏の日産サファリに荷物を積み込み、7日間お世話になる豪州バラマンディガイドNo1のテリーホールマン宅へ向う。車中で最近の釣果と今回の遠征プランについてアレコレ聞いている内に、テリーの家に到着。そこには遠征に同行する陽気なOZ達が待ち構えていた。記念すべき第10回の豪州遠征はこれまでとは趣向を変え、豪州の自然を楽しみながらのキャンプ&フィッシング。テリーの友人グレッグとバリーが加わる事を車中で聞いたばかりなのでドキドキしながら挨拶を交わす。お茶を一杯いただいて、自己紹介もそこそこに午前5時に出発。4輪駆動車が3台連なり、まだ日が昇る前の薄暗いケアンズ市街を走り抜け西に向った。

〜 命賭けのオフロード走破 〜


チラゴー 7KB ケアンズの西側に連なる山々を越えると、道路は未舗装のオフロードになった。周囲を見渡すと潅木や枯れたような丈の長い雑草が生えている。ケアンズがあるクイーンズランド東岸は熱帯雨林気候に属するのだが、一山越えたらザバンナ気候の地帯に入ったようだ。未舗装なので土埃が激しく、3台が連なって走ることはできずに距離を置いての単独走。ロデオが盛んなマリーバの町を抜け、昔は海の中にあった珊瑚礁だったという、そびえ立つ奇怪な岩山を眺めながら、大理石を切り出している怪しげなをエリア通過した。

 3時間程走ったところのチラゴーで朝食&燃料補給となった。朝食は公園の小さなベンチに座って手早く済ませる。燃料補給は当然ガソリンスタンドで、と思いきや、到着したのは空き地にある小汚いオンボロ車が並んでいる車庫の前。怪しげな大きな黒いタンクから自分たちの車へ軽油を注ぎ込む。因みにオンボロ車が並んでいた車庫は、戦時中活躍したトラックなどの展示コーナーだった。

 人車共に燃料満タンでオフロードを90km前後のスピードを維持したまま爆走。「珍しく対向車が来るなぁ」と前方を見ていると、猛烈な土埃を巻き上げて、みるみる大型トレーラーが近づいてきた。すれ違いざまに、石が目の前に飛んできてフロントガラスにブチ当たりバチッと激しい音がした。反射的に身を避けたが、気が付けばフロントガラスにヒビが入っている。飛んできた石がもっと大きければフロントガラスにヒビどころか、もしかしたら大事故になっていたかもしれない。これには眠気も吹き飛ぶほど驚いた。

 暫く走っていると、路肩にテリーの運転するカーゴを牽引した日産パトロールが停車していた。トイレ休憩ではなさそうなので様子を聞くと、高速走行中、タイヤが穴ボコにはまった衝撃で、牽引しているカーゴが後ろでカンガルーのようにジャンプして暴れまくり、危うく死にそうになったと言う。跳ねまわったのはアルミボートとキャンプ用品を満載している、かなり重量のあるカーゴだ。ここでは携帯電話の電波は届かず、いままでスレ違った車は大型トレーラー1台のみ。もし車が動かなくなるような故障を起こしたり、大怪我をした場合は、マジで生命の危険にさらされる。因みに道路にある穴を「未亡人の穴」と呼ぶらしい。この穴のおかげで未亡人が増えるからだとか。

〜 牧場主へ挨拶 〜


 午前10時半、「いかにも魚が釣れそう」って感じのクリークがある道路脇の木陰で、立ったまま少し早めの昼食を摂る。一服した後、再び車に乗り込み、午後1時前にケアンズからおよそ550km西方のダンバーステーションへ到着した。これまで走ってきたエリアは「乾燥して荒れた大地」という印象が強かったが、ここはスプリンクラーをめい一杯使って潅水しているため「緑溢れる砂漠中のオアシス」って感じだった。気難しくて有名らしい牧場主に挨拶をして、キャンプ滞在の許可を取る。私達は「ここを訪れた最初の日本人」とも聞いたが、もしそうだったら光栄なことだろう。

キャラバン隊 6KB 今回、テントを設営し釣りをする場所は牧場の中らしい。しかし、その牧場の広さは計り知れない。とにかく車で走っても走っても、果てしなく同じような風景が続き境界が判らない。とても日本では考えられないくらいの広さがある牧場である。牧場主は近隣に町がないので、買い物はヘリコプターを使うのだとか。因みに牧場といっても一般に私達が想像するような「青々とした草が一面に生えた美しい野原」ではなく、テレビで度々観る、ライオンやゾウが住む枯れたような草と潅木が生えたアフリカのサバンナと雰囲気が重なる。

 私達の野営地はまだまだ先のようで、道なきサバンナの中をブッシュをなぎ倒しながら爆走する。途中、真っ黒な野豚の家族が10頭ほど私達の車の目前を横切る。豚といっても、大人しい家畜の豚ではなく、気性の荒い猪と同じ類。注意しないと巨大な親豚が突進してくるので要注意らしい。

〜 闇夜のテナガエビ獲り 〜


 午後3時半、ケアンズからおよそ600km、10時間以上掛けてやっとミッチェルリバー支流にあるラグーンのほとりの雑木林に到着した。そこは勿論、日本のようなキャンプ場があるハズもなく、電気や水道、トイレもない。車から荷物を降ろして発電機をセッティング。巨大なタープを張り、その下にはテーブルとイスや冷蔵庫を設置。そして思い思いの場所にテントを設営した。一服する間もなく、ボートを降ろして出陣したのは午後5時半近かった。私とスタッフA氏は、テリーの操船で川の様子をチェック。バリーは独りでテナガエビ獲りのカゴを仕掛けに行った。

手長エビ 5KB 日没までの1時間少々、プライムタイムの試し釣りだったが、3人で竿を振って1バイトすらなかった。予定では全くスレていない豪州魚がバホバホ釣れるハズなのだが無反応。「何だかおかしいぞ?」って感じで、アレコレ話しながらグレッグが準備してくれたソーセージバガーにかぶりつく。

 夕食後はバリーと一緒に仕掛けたカゴを引き上げるために暗闇の中を出船。「全長40cmオーバーのエビがウジャウジャ獲れる」という話を聞いていたのでワクワクしながらカゴを引き上げる。しかし、獲物は8つカゴを仕掛けて、テナガエビを少し大きくしたような20cmぐらいのエビが2匹。またまた「何だかおかしいぞ?」って感じで違和感を感じながら野営地まで戻ってきた。期待していたエビも肩透かしを食ったので、全員が少々ガッカリ。午後10時には消灯し、シュラフの中へ潜り込んだ。

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