豪州バラマンディ・フィッシング]
前代未聞の野営地撤収

トイレ用品 4KB


トイレへ行く時の必需品


擬似餌の玉手箱>豪州バラマンディ・フィッシング>'05/5遠征

'05/5/24(火)

〜 ナマズしか釣れない! 〜


テリー&ナマズ 6KB まだ夜が明けきる前の午前6時、グレッグの「ブレックファースト!!」という声で起こされた。朝食は焚き火で焼いたトーストとミルクをたっぷり注いだシリアル。食後はスコップとトイレットペーパーを持って、良さそうな場所を探して用を済ます。そして身辺を整え、グレッグとバリーを野営地に残し午前7時に出船した。

 開始10分、スタッフA氏のお気に入りファーストSに僅か20cm程度のナマズ(キャットフィッシュ)がヒット。小さいからと言って決して侮ってはいけない。日本に生息するナマズと殆ど同じ格好なのだが、鰭に毒のあるトゲを持っているやっかいな魚だ。続いて、私の操るアスリートFに同サイズがヒットした。その後は、魚の反応が極めて悪いため、魚探を確認しながら深場を狙ってトローリングを試す。底に沈むストラクチャー周りを狙い、何度も繰り返し行ったり来たりして魚に誘いを掛けた。

ラグーン最奥 6KB 暫く雨が降っていないにもかかわらずラグーンは濁っており、水温は低くて23℃しかない。季節は日本と逆なので今は秋。これから徐々に気温が下がっていく時期だ。水温低下に伴い魚達は活性が下がりディープへ落ちていく時期になる。キャスティングで反応がない時は、深場をきっちり探れるトローリングが威力を発揮するハズ。しかし、期待したトローリングではテリーが15cmもある3本フックのディープミノー、ハルコ+4mでナマズを2匹(35〜40cm)釣り上げたのみだった。

 ラグーンの最奥部には、日本で見かけるホテイアオイが繁茂していた。ホテイアオイは元々、豪州にはない植物。豪州でも外来生物による生態系への悪影響が問題となっているが、人っ子一人いない最果ての地に外来植物が繁茂しているのを不思議に思っていると、「アクアリウムが発端となり、水鳥がこれを広げている」とテリーから説明があった。ホテイアオイが豪州の生態系に与える悪影響については知らないが、水中の窒素を吸収して水質浄化したり、魚や水生昆虫たちの棲み家にはなっているだろう。

〜 前代未聞の野営地撤収 〜


キャンプサイト 6KB あまりにも反応がないのでギブアップ。早々に野営地へ戻り、今後どうするかについて大討論会となった。魚がバコバコに釣れ、巨大エビが山ほど獲れるハズのラグーンが見事に空振りした。これから数日間の過ごし方を考えると場所を移動したいのだが、許可を取った牧場主のルールによると、1つのエリアに1つのグループしか滞在できない事になっているらしい。

 テント設置などに2時間程掛かったため、撤収にも同程度の時間が掛かるだろう。荷物を車に積み込み、オフロードを再びひた走り、次候補の野営地に到着後、2時間掛かけてテントを設置。これでは野営地の撤収と設営だけで丸半日が確実に潰れてしまう。しかも運が悪ければ、移動先のエリアで、そこに滞在する権利がある別のグループが来た場合、私達は直ちに立ち退かなければならないのだ。

 早口で話される豪州英語を聞き取るには私の語学力ではとてもできなかったが、移動することになった事は理解した。魚が釣れないような場所で何日も滞在するのは耐えられないので、この決定には大賛成。ボートを引き上げ、テントやせっかく作った簡易シャワー室等をたたみ、2時間以上掛けて荷物をパックアップしてこの場から撤収した。

〜 ブッシュ・ツーリング 〜


ブッシュ・ツーリング 6KB 物凄い土煙を立てながら、牧場内のラフロードを走る。雨季には、ぬかるんで全く通行が困難になるような場所も多く、時折、深い溝が突然目の前に現われたりするので慎重なドライビングが要求される。4輪駆動車にはフロントグリルに強靭なグリルガード(カンガルーバー)が装着されており、「恐れる物は何もない」って感じだ。背丈ほどの潅木や枯れ草を車でなぎ倒しながら道なき道を進む。牧場といっても牛は殆ど目にすることができないため、広大なサバンナと呼ぶ方がやはりピッタリくる。ここは4輪駆動車愛好者にとって、オフロード天国かも。

 このブッシュ・ツーリングは日本では中々味わえないだろう。第一、車の痛みが気になってそんな事をする人はマズいないハズ。私自身、4輪駆動車に乗っているが、オフロードを走るのは釣り場へ行く時の僅かな距離だけ。車には可能な限りキズをつけず大切に乗りたいと思う、車の持つ性能の5割も引き出していない都会派オフローダーである。過去の遠征ではケアンズ近郊の道路事情が整った場所での釣行を重ねてきたので、今回のこの体験はとても新鮮に感じた。

迷子 6KB 牧場内には、まともな道などは殆どない。どうやって行くべきルートを見極めているのだろうかと不思議に思っていたら、やっぱり道に迷っていた(笑)。大雑把な地図とスタッフA氏が持ってきたマゼランの携帯GPSが示す現在位置を頼りに進むべき方向を見定める。こんな場所で迷子になっても、近隣に人は住んでおらず、携帯電話も通じないため誰も助けに来てくれない。どんなトラブルでも自分たちで切り抜けるしかないのだ。

〜 ミッチェルリバーへ 〜


 携帯GPSと地図を頼りにブッシュをさらに突き進む。暫く走っていると有刺鉄線やワイヤーの柵に沿って道路が現われた。道路といっても舗装されている訳ではなく、相変わらず凸凹している。ゲートを3つほど開閉し、暫く走るとやっと目的地のミッチェルリバーに到着した。車からボートと荷物を降ろし、1時間半掛けて林の中に野営地を設営。ボートのセッティングを済ませ、取り敢えず一段落してから冷えたビールで喉の渇きを癒す。

 因みに豪州製のアルミボートはクソ思い。足場の悪い斜面での持ち運びなんて最悪。力のない私はヨロヨロしてしまうくらいだ。日本で一般的に使われている米国製のアルミボートは軽さが売り。大人が2人いれば楽々と持ち運びできるのだが、こちらのヤツは特別頑丈に作られているため、大人4人で持っても重いのなんのって。テリーが牽引してきたアルミボートのBarra Punt号は3.55m、バリーがランクルの荷台上に乗せてきたTAIPAN号は3.5m。デッキやイスも付けてあるので当然重くなっているが、使用しているアルミの厚さは明らかに違う。凸凹のラフロードを時速100kmで走る4輪駆動車で牽引して跳ねまくっても、壊れないように接合部もしっかりしているようだ。

〜 僅か2投目のドラマ 〜


バラ76cm 5KB 午後5時過ぎ、夕マヅメ狙いでテリーの操船でスタッフA氏と試し釣りに出かける。野営地の対岸近くにあるロックエリアでキャストを開始すると、僅か2投目にヒットした。豪州の釣りではライトなタックルに属するであろうコンバットスティックICSC-58MHアンタレスARの組み合わせでも余裕で魚が寄ってくるので、「小ぃ〜さい、小ぃ〜さい、40〜50cmかな」と言っていると、テリーは「もっとビックだ!」と指摘する。ラパラXラップを咥えてボート脇に浮いてきた魚は、釣っている本人が一番驚くほどの良型バラマンディ。ボート近くでの猛ファイトはさすがバラマンディって感じ。しばしのやり取りの後、スタッフA氏が腹をすくうようにしてキャッチしてくれた魚は、堂々の76cm、目が赤く輝く素晴らしい銀色の個体。純正のまま使っていたラパラXラップのフックは伸び切っており、もう一暴れされたら取り逃がしていたかもしれない。開始2投目で起きたドラマ。この大河川のポテンシャルを垣間見た最初の一匹だった。

 このバラマンディで船上のテンションは一気に上がったが、後が続かず船を流しながら魚が潜んでいそうなポイントを狙い撃つ。次に竿が曲がったのはスタッフA氏。シャッドラップでナマズ(30cm)をキャッチ。刻々と太陽が傾くに従いナマズの活性が高まり、彼はシュガーディープで40cm程度の魚を2匹追加。そしてテリーはチェックベイトSを使って20cmを2匹釣り上げた。少しルアーを沈めてやればナマズの入れ食いが楽しめそうだったが、私はバラマンディ狙いに集中。しかし、1チャンスもないまま午後6時半に納竿となった。

〜 またもや不漁 〜


 夕食はベーコンと茹でたジャガイモ、ニンジン、カボチャをパクつく。デザートは凍ったマンゴーにバニラクリームを垂らした逸品。そしてグレッグ自家製のワインを一口もらう。因みに調理に使う水は、川からポリバケツで汲んできた少々茶色味を帯びている水。勿論、コーヒーや紅茶もこの水を使う。オージー達は、「汚れていないから大丈夫だ」と言いながら川の水を帽子ですくって生のままガブガブ飲んでいるが、私は断固パス。牛や野豚、ワラビーなどが沢山生息し、糞尿垂れ流しのエリアの水は大腸菌が沢山含まれているハズ。体調を崩して辛い思いをするのは自分自身だからだ。

 一服してから、バリーの操船でテリーと一緒にエビ獲りに出掛けた。薄暗い水面をライトで照らすと、アチコチでフレッシュウォーター・クロコダイルの赤い目が光っている。ゆっくりボートを近づけて様子を伺うと、1.5〜2mのワニが浮いている。昼間は余り気が付かないのだが、身近にワニがいるということを実感した。

 全長が40cmもあると言う巨大エビとの御対面を期待し、仕掛けたカゴをゆっくり引き上げるが何も入っていないカゴばかり。獲れたのは前日と同じサイズの手長エビが3匹と、ボートに突如飛び込んできたガーフィッシュのみ。今宵も肩透かしをくらったムードが漂った。海外遠征で良くあるのだが、出発前にはドキドキ・ワクワクするような話を色々聞く。しかし、現地に近づけば近づくほど、そんな話は段々と怪しくなり小さな話になってゆく。今回も広がった大風呂敷が、小さなハンカチになってしまったような感じだ。海外遠征では余り過大な期待は抱かず、話半分に聞いておけば落胆度合も小さいかもしれないが、それでは余りにもロマンが感じられないのは辛いところだ。

釣果結果

TOSHI

スタッフA

TERRY

バラマンディ




ナマズ






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