豪州バラマンディ・フィッシングU
ハニーホール発見


擬似餌の玉手箱>豪州バラマンディ・フィッシング>'99/3遠征


'99/3/10(水) 午前

〜体調最悪、釣り断念か〜


 食べた物が悪かったのか、暴飲暴食とストレスが災いしたのか、昨日、ホテルに帰ってきた頃から腹がシクシク痛くなった。ベットに横たわり、静かに浅く呼吸をするのだが効果なし。ギュルギュル〜とお腹が鳴った次の瞬間にはトイレに駆け込むという行動を一晩中繰り替えし、朝までに9回もトイレに通うはめになった・・・。お腹の中はカラッポ。お尻はヒリヒリで痛〜い。

ホテル外観 6KB 昨晩は旅行代理店に連絡を入れたり、病院の電話番号を調べたりと最終日の釣行を断念し、一人、部屋で寝ている覚悟もした。相棒が夕食用にと日本食レストランでおにぎりと味噌汁のテイクアウトを調達してくれ感謝感謝。やっぱり日本食は胃に優しかった。

 朝を迎えると腹の痛みもとれ、病院の世話にならずに済み一安心。シャワーをゆっくり浴びていると「釣りに行かなきゃ!!」という気持ちが徐々に強くなった。出発予定時間を15分も遅刻したが、トイレを済ませ持参した「ラッパのマークの正露丸」を飲みホテル玄関に向う。夜のうちに旅行代理店からガイドに連絡が入っていたようで、彼は心配顔で待っていた。心配を掛けた事をわびた後、車に乗り込んだ。目指すはケアンズから120kmほど北上したデイントリーリバー。よりによってこんな体調のときに、ロングドライブ。しかも、くねくね曲がり道が続く・・・。考えただけで気分がブルーになったが、今更グズグズしてもしょうがないと腹をくくった。

〜憧れのウィーパ〜

 
 車中では、以前から気になっていたバラマンディの楽園、憧れのウィーパの状況をアレコレ聞いた。ケアンズから北に800km。国内線で1時間半の彼の地には3人のガイドがおり、そのうちの1人はテリーの友人とのこと。ここではコンスタントに1日20匹、最高60匹釣れた事もあるようで、平均サイズは70cm。メーターオーバーも時折混じる。とかく釣り人の話は”昔話”が多く、”話し半分”で聞かなければならないが、半分としても相当期待が持てそうである。タックルは現在使用しているバスタックルでOK。これは行くっきゃないねぇ。
 テリーは今度ウィーパ用に5m以下のブッシュボートを作るらしい。私達の釣りにかける情熱と腕を認めてくれたのか、それとも営業活動の一環なのか、是非一緒に釣りに行こうと誘われた。ウィーパの釣行には最低5日間は欲しいという。果たして私達は休みが取れるのか・・・。

〜ニックネームはロストチャンピオン〜


 サイクロンにより倒伏したサトウキビや、傷んだバナナ畑のわきを通り過ぎ、伊豆半島の海岸線を思わせる曲がり道の多い海岸線を走る。途中、週末に賑わうゲイ専用ビーチを通る。「オーストラリアではゲイが増えているが日本ではどうか?」とテリーに尋ねられ、「日本では男性の女性化が話題となっており、原因は環境ホルモンの影響かも・・・」等と、つたない英語で説明をする。
黒鯛 6KB 8時半、ボートランプに到着。昨年工事中で使えなかったトイレが奇麗に改装されており、勝負前のもう一踏ん張り。これで「運」を付けて遠征釣行最終日を飾りたいなんてアホな事を考えた。本日のメインターゲットはバラマンディ。釣行最終日のため徹底的にバラ狙いに専念することにした。川はドロッと濁ってとうとうと流れている。天気は晴れでカンカン照り。今日は暑くなりそうで、体調が悪い私にとっては厳しくなりそうだった。

 こんな厳しい状況の中で、やっとヒットしたのは相棒が操るボーマーロングA。開始1時間経過した頃のこと。しかし、魚はアタックしただけでフッキングには至らなかった。「バラがいるぞぉ。そら投げろ!!」って感じでサンダースティクのキャスト&トウィッチを続けるとギュインと強い当たり。すかさずアワセて、ウィードから遠ざけるため魚を強く引き寄せると、ガボンと一暴れされ敢え無くフックオフ。

 ルアーを回収すると腹のフックが無くなっていた。テリーが「日本のフックはYOWA〜I」と一言。そして「TOSHIはロストチャンピオンだ」とおっしゃる。相棒はターポンキャッチャー、そして私はロストチャンピオン。この船にはチャンピオンが2人もいる(笑)。ニックネームを我々に付けたテリーは、私のサンダースティクのフックをソルトウォーター用のド太いフックとリングに手際良く交換した。
 その後、テリーがビートルナッツで38cmのソルトウォーターグランター(黒鯛)と50cmのバラをキャッチ。そして相棒がスゴイスプラッシュで56cmのバラをキャッチ。一方、私は折角フックを交換したのだが丸1時間ノーヒット。10時半にティータイムとした。

〜ハニーホール発見〜


 小休止の後、小川の合流点でアンカーを打ちボートを固定。丁寧にポイントを狙いルアーを打ち込んでいく。テリーが1m*0.5m程度のスポットに、数匹の鯉みたいな魚が水面で口をパクパク、ウロウロしているのを発見。3人で小型のクランクやポッパーを使い攻めたてるが反応はない。
サンダースティック 5KB 「移動しよう」と言うテリーにちょっと待ってもらい、サンダースティクを放り込むと、ギュィギュィ〜ンとラインを引き出す強い当たり。「FISH!!」思わず大きな声が出る。ポイントから引きずり出しランディング。サイズは50cm。フックポイントとラインをチェックし再びキャストするとまたヒット。サイズはやや小ぶりになって42cm。続いて2回ルアーへのアタックがあった後、52cm43cmを同じ場所から引きずり出した。もう入れ食い。テリーは股間に手を当てて輪っかを作り「ここはハニーホールだ!」と言う。
 僅か20分足らずの間にバラ4匹。私は体調が悪かったのを忘れるくらい愉快だった。実はこの間、相棒もテリーも同じポイントへ別のルアーを使いキャストしていたのだが無反応。サンダースティックの威力を再確認した。
 日本はまだまだ寒い日が続いているのだろうが、こっちの天気は真夏を思わせる気温30℃、水温26℃。バラは高温を好む魚で、この水温では低い。ズバリ適水温は30℃。降雨の影響で水温が下がり、これでも活性が低くなっているらしい。活性が高い時は一体どんなだろうと思わず想像してしまう。

〜ガイドに怒られる〜


 アタリが遠のいたので、上流にボートを進めながらポイント毎にアンカーを降ろしバラを狙う。テリーがロングA57cmをキャッチ。それから1時間はノーヒット状態が続いた。流れの強いエリアに入り、サンダースティックを流しているとヒット。しかし、フッキングには持ち込めなかった。続いて相棒がロングAでマングローブジャック(35cm)をキャッチ。テリーがロングAでバラを掛けたがオートリリース。

 続いて、私が流れの中でサンダースティックのジャーク&ストップをしているとヒット。いきなりジャンプしそうになったのでロッドを下げ、先端を水中に突っ込み強引にねじ伏せていると、テリーが「アップ!! アップ!! モアーアップ!!」と怒鳴る。
 テリー:「なぜ日本人は、バラがジャンプする時にロッドを下げるのだ!!」
 :「ジャンプするとフックが外れやすいからだ!!」
 テリー:「ロッドを下げるとバラは下に潜り、ストラクャーに潜り込んでキャッチ出来ない。バラをジャンプさせ、相手を疲れさせることが大切だ。それがバラマンディ・フィッシングの楽しみ方だ!!」
 スズキ釣りをやっていると、エラ洗いによるフックオフを避けるために、ロッドを下げジャンプさせないようにする。こんな竿さばきが、いつのまにか身についてしまった。 
 「あぁ〜怒られちゃった」って感じ。私と同様、怒られた日本人客が何人もいるんだろう。そう言えば昨年も同じように怒られたっけ。学習効果が低い・・・。ともあれ本日5本目のバラを無事50cmのバラをキャッチ。

 気がつくと午後1時。私達は昼メシを食う事も忘れキャストし続けていた。木陰にボートを寄せて休憩開始・・・と思いきや、テリーはロッドを握って上陸し、木の下のポイントへキャスト。相棒もそれを見て、ボート上から岸際のウィードエリアへキャストを始めた。オイオイもう昼にしようよって感じで、私はおしっこタイム。
 ドボンッ!!と後ろで派手な音。何だ何だと振り向くが、おしっこは急には止まらない。「FISH!!」と相棒の声。ボートの縁、ロングAをピックアップする寸前にバラ(63cm)が出た。たった今、ボートを岸に付けたばかりなのに足元で出るなんて。鈍感なのか、好奇心が強いのかバラの性格ってイマイチ判断が出来ない。もしかしたら、私のおしっこに寄ってきたのかも。

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