豪州バラマンディ・フィッシングV
フォースの修行


Never give up, Enjoy Australian fishing!

擬似餌の玉手箱>豪州バラマンディ・フィッシング>'99/11遠征

'99/11/28(日)

〜ガイドの遅刻〜


ボートランチ 5KB 相変わらずの雨模様。ホテルの玄関でガイドを待っているとテリーが登場。本日は事前の約束どおり、相棒I&S組とガイドをチェンジ。昨日お世話になったテリーは相棒達を連れてマルグレイブリバーへ行く予定だ。

 一方、私達のガイドは約束の7時を過ぎても現れない。テリーに「待たせるのは悪いから先に釣りへ行ってくれ」と話したが、彼は携帯電話で旅行代理店に連絡を取り「もう少し待つよ」と一言。予定のガイドはバラマンディNo2ガイドと言われているピーターハインツ(41歳)。我ら5人に待ちぼうけを食わして登場したのは何と7時20分過ぎ。これは完全な遅刻。No2だからといって、2番目に登場しなくてもいいんだゾ。その後、打ち合わせをして出発したのが7時半。近回りのポイントなら既にボートを降ろし、水の上にいる時間。一体どうなっているんだ!!(怒)

 ピーターの車(日産Wキャブ)に急いで乗り込み、相棒達が向ったマルグレイブリバーではなくケアンズ湾へ。ボートランプには僅か10分で到着。やっと釣りが出来ると思っていたら、前日、ボートを使ったガイドが船内に溜まった水を抜いていなかったことが判明。ボートを降ろす前にドレンコックを抜いて大量の水を放水するはめになった。ここでもタイムロス。昨日はガイドが当初予定していたのとは別人だったりと、ピーターがコンサルタントを務めるこの会社はどうも信用がおけない。

〜船上釣り談議〜


Peter&Toshi 7KB 水の上に出ると不愉快に思っていた事もすっかり忘れ「釣りモード」にスイッチオン。ピーターは湾内に無数にあるポイントからこの時期実績の高い所をチョイス。徹底的にマングローブ林の根際狙いで船を流しながらキャストを繰り返し、反応がないと次のポイントまで全速力で移動するというラン&ガンを繰り広げた。ピーターが操るボートはテリーのボートより一回り小さいがデッキには2座席とベンチが付いている。エンジンはエビンルード50。小さいので小回りは効くのだが、風が強い時や近くを通り過ぎる船の引き波で結構揺れた。

 午前9時、魚の姿を全く見ないままティータイム。話をしているとピーターはMegabassのルアーが非常にお気に入りである事が分かった。私が持ってきたジャイアントドッグXコアユを見つけると握り締め、「Ohhhh! Megabass」と言いながら頬ずりをするぐらいだ。ボックス中身をお互いに見せながら釣り談議に花が咲く。ピーターによると「ラパラのスキッターポップは要注意。魚がヒットした時にラインアイがすっぽ抜けるというトラブルが10回もあった。」とのこと。特にブルーのポッパーは危ないらしい。

〜フォースの修行〜


ルアー回収 9KB  ティータイムの後は再び「釣りモード」にスイッチオン。ピーターが指示するマングローブの根際や水中から突き出た枯れ木などのポイントをロングAサンダースティックシーウォッチャーを使い丁寧に狙い打っていく。ミスキャストでルアーを引っかけると、ピーターにケツを2回叩かれる。ピーターの手が届かない時は、「自分でケツを叩けっ!」と声がかかる。まるでヨーダにしごかれフォースの修行をしているスカイウォーカー。そこで私達は彼の事をヨーダと呼ぶことにした。

 ピーターの身の軽さは大した物だ。マングローブに引っかけた時は、船尾で操船していたかと思うと、船首までサササッと移動しルアーを外す。時にはマングローブの根に飛び移り、引っかかったルアーの回収をする。その姿はまさしくヨーダであった。

 雨が降っており気温が低め。しかも全速力で移動するため夏だというのに体が冷える。度々おしっこがしたくなり、船首に立ち静かに用をたしていると、後ろからこっそりと近づき落とそうとしたり、ボートを左右にゆらしたり。挙げ句の果てにエレキを使ってぐるっと船を1回転。これもフォースの修行の一環なのか!? 釣れている時は楽しいだろうが、ノーフィッシュなので何も楽しくない。おまけに私のタックルを使ってみたいとのピーターの申し出に、愛用のタックルを手渡すと大バックラッシュ。彼はハサミを取り出し、しきりに「切ろ、切ろ」と促す。客に迷惑を掛けておきながらラインを切れという。その言葉を完全に無視し、複雑に絡み込んだラインを解くのに集中。結局、直すまでに延々10分以上掛かってしまった。バラマンディNo2ガイド悪戯ヨーダにはホトホトまいった。

〜3度のバラ・チャンス〜


 ピーターが絶賛するルアー シャッドRを借り、釣れる事を信じて投げまくった。午前11時前、マングローブの根際をスローリトリーブで通してくるとヒット。ドラグをきつめに設定してあるにも関わらず、ラインがギュイギュイン!と引き出された。魚の引きは強く、一瞬のうちにマングローブの中へ突っ込んでいった。ロッドワークで魚を引きずり出そうと思ったがビクともしない。ボートを寄せピーターが水の中に手を突っ込み、マングローブの根をかき分けると既に魚が根っこにスリ変わっていた。もしかしたら、これもヨーダのフォースなのか!?。(笑) 姿は見えなかったが、ヒットしたポイントやラインの引き込み方から、ガイドは「魚は多分バラだろう」と言う。全く魚っ気がない中でのヒットだったので、キャッチできなかったのは非常に残念だった。

 昼食前に再びワンチャンスがあった。シャッドRをスローで引いてくると、突然ルアーが真横に30cm以上もスライド。なんとバラマンディが横から突進してきてルアーにアタックしてきた。「こういう時、バラは口を開いていない。プッシュしたんだ」とガイドが説明する。バラはよほど、このルアーが気に食わなかったらしく攻撃してきたようだ。

雨の中ポイント移動 6KB 昼食時、ケアンズ湾の洋上で、ピーターの知人ガイドと情報交換。以前、同行のKが一人で遠征に来た時のガイドであり、客は東京からの2人組み。釣果はお互いとても話が出来るようなものではなく、厳しいコンディションの中で同志が釣りをしている事がわかり内心ホッとした。東京の2人組みと話をすると驚く事に「擬似餌の玉手箱」の読者様。私が豪州遠征しているのを知っていて、もしかしたら会えるかもと思っていたらしい。まさか、異国の地で私のHPを知っている人に出会うとは。しかも海の上!!今更ながらにインターネットの凄さを実感した。

 3度目のチャンスは午後2時過ぎ。潮が満ちてきて、水中に沈んだマングローブの葉の上をシャッドRで狙っていた時だ。水面の上にはアーチ状にマングローブが被っているので、まさにピンポイント。ポイントの上のマングローブに引っかけないようにキャストし、スローにルアーを動かすとバラがアタック。ギラッと銀色の魚体がひるがえったが、残念ながらフッキングには至らなかった。バラがいる事は判ったのでポイントを3人で責め立てたが、その後は沈黙したままであった。

〜えっ?もう終わり?〜


 「えっ?もう終わりなの?」 私達はピーターの突然の終了宣言に驚いた。と時計を見ると午後3時半。まだ誰も1匹も釣っていないのに!5時までは1時間半もある。気が付くと釣っていたポイントは、朝ボートを降ろしたボートランチの直ぐ向かい側。そういえば、少し前に「今日はコンディションがとても悪いから釣れない。」「満潮になると小魚がマングローブ林の奥に入り込んでしまう。それを追いかけ大きな魚も奥に入るので釣れなくなるんだ。」と言っていた。「腰が痛い」とも言っていた。しかし、まさかこの時間で納竿とは思いもよらなかった。スタート時間も大幅に遅れたのに。
 「本当に終わりなのか?」と尋ねたが、「今日はもうやっても釣れないから終わり。」とのこと。オイオイ本当か? バラマンディガイドNo2の彼が釣れないというのだから、どんなに釣れるルアーを使っても、どんなに素晴らしいキャストをしてもきっと釣れないのだろう・・・。

〜ガイドの違い〜


 納得が行かないままホテルの部屋に戻ったのが、なんと午後4時。テリー組が帰って来るで特にすることもないので、明日に備えてタックルのメンテナンスや荷物の整理をする。昼食が軽めで腹も減っていたので、何となく愚痴っぽくなる。釣れなかった事をガイドの責任にしようとは、これっぽちも考えていない。しかし、遅刻してきただけでなく、予定を大幅に繰り上げ終了するなんて、常識では考えられない。日本からワザワザ大金をはたいて釣りに来ている客の事をもう少し考えて欲しい。朝遅れてきた分を延長しろとは無理に言わないが、例え釣れなくても時間キッチリまでポイントを案内するぐらいの気持ちが必要なのではないか。言葉の壁があるため、お互いの意志の疎通が欠ける部分があったかも知れない。それにしても納得がいかなかった。

 一方、テリー組が帰ってきたのは午後6時半過ぎ。朝出遅れた分、時間を延長して釣っていたようだ。しかも当然、釣果あり。我々の散々な話を聞きながらニヤニヤしている彼らの釣果は、相棒Iがスーティーグランターを11匹とジャングルパーチを1匹。相棒Sはスゴイスプラッシュを使いスーティーグランターを2匹、マングローブジャック2匹を釣り上げた。同じ料金を払っていて、この差はいったい何なんだ!!

[ワンポイントアドバイス]
ウナ&ムヒ 5KB マングローブ周辺で釣りをしていると、カやブヨの集中攻撃を受ける。特に刺されると辛いのが、極めて小さい黒いブヨ(SAND FLY)。痒みが2〜3日続き、刺された跡は最低2週間は残る。酷い時は1ヶ月も跡が残ってしまう。現地ガイドが使用する虫除け薬の効果は高いのだが、プラスチック類や塗装を侵すという最大の欠点がある。薬がついた手で、ロッドのグリップやルアーを触るとその部分が溶けてくるのだ。恐らく日本ではこんな商品は発売されないだろう。

 私は日本からノンガスタイプの携帯用虫除けスプレーを持参している。ガスタイプではないので、空港での荷物チェックで没収される事が無い。また、コンビニやホームセンターで販売されている「医薬部外品」より、「医薬品」の方が効果は高い。なお、いくら効果が高い「医薬品」でも、水や汗で濡れると効果が無くなるので頻繁に塗り直す事が必要である。今回の遠征では、十分注意したにもかかわらず、20ヶ所以上も刺されてしまった。

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