'24/9/28(土)
~ 円安、物価高だけど ~
長年真面目に(?!)、職務を全うしてきたが、「なんだか疲れちゃったし、もういいかなぁ」って感じで2025年3月末で定年退職の道を選んだ。7月下旬、「退職を記念して、卒業旅行で豪州遠征をしなきゃ」と思い立ち、元ケアンズ・バラマンディガイド、今では古き友人の一人として加えてもらったテリーに連絡を入れた。このところ、彼はたまにしか釣りに行っていないらしいが、受け入れOKで、一緒に釣りをしてくれるとのこと。今は記録的な円安で物価高なので、一般的には海外旅行のタイミングとしては悪い時期。しかし、これまで「豪州遠征は行ける時に行く」をモットーとし、渡豪回数を重ねてきた。「退職」と言う立派な口実も出来たので、年度末までの業務スケジュールを確認し、9月末からの豪州遠征を企画した。
今回も毎回何らかのトラブルを起こす嫁さんが同行。彼女は「連日の釣りは耐えられない」との事なので、途中、単独別行動でダイビングツアーを突っ込んでもらう。これに加え、「今まで体験していないアクティビティを何かやりたい」との希望を受け入れ、夫婦2人でマグレブリバーでのフロートチューブを使った川下り(チュービング)にチャレンジする事になった。チュービングは、その昔、野池で熱中したフローターフィッシングで使っていたフローターと同じような物。大型トラックのチューブのような浮き輪に乗っかり、川を下るという遊びだ。私としては、連日釣りをしても全く飽きる事はなく、20年以上前からの目標であるメーターオーバーのバラマンディを釣るために、1回でも多く竿を振りたいのである。
~ 遠征準備とお土産 ~
9月上旬から、暇を見つけてはコツコツコと準備を進める。今回は川下りをやるため、ビーチシューズや防水バッグを新たに買い揃える。速乾性のショートパンツやラッシュガート、着替えやタオルも必要で、いつもより荷物が増えることは明らかだった。持参するリールのラインを巻き替えたり、油を差して簡単なメンテナンスを施しつつ、持参するルアーを厳選する作業にも取り掛かる。前回の遠征では、163個のルアーをメイホー フィーダーボックス1800 2個と小さなルアーケース2個に詰めて持って行った。今回は、川下り用の荷物が増える分、何とかボックス1個に集約出来ないかと思案した。
これまでの経験から、様々なシチュエーションを想定し、ルアーを175個チョイスした。ここから絞り込みたいのだが、難易度が高い作業。ルアーをロストした際の対応や嫁さんが使う分、そして新たに購入して試したいルアー等を詰めてみたら、結局トータルで163個、前回とピッタリ同数となってしまった。これだけの数を持参しても、実際現場で使うのは10個位。そんな事は分かっていても、どうしても削れなかった。1個20gにも満たないルアーを数十個減らすよりも、Tシャツ1枚減らした方が、重量やスペースを確保出来る事に気付き、ボックス1個に集約する事はギブアップした。
荷物はこれだけではなく、現地で会うであろう友人・知人達へのお土産も必要。彼らの顔を思い浮かべながら、ルアー各種や日本のスナック菓子、100円ショップで買った便利グッズ等も準備した。いつもなら、スーツケースのスペースは比較的余裕があるのだが、今回は行きから既に荷物が溢れてパンパンな状況。菓子類は嫁さんに預け、背負いのデイバッグに荷物を振り分けて、どうにかスーツケースのチャックを締めることが出来た。
~ 早速、トラブルの発生 ~
渡豪の数日前から心配していたのは台風。日本に向かって来そうな台風16号は、太平洋上で熱帯低気圧になったが、出発当日はこれが秋雨前線を刺激して大雨になる予報が出ていた。また、昨日は台風17号が発生し、明日以降に台風18号が新たに発生する見込み。3つの台風が相次いで発生する位、今年は海水温が高く、台風や前線の影響で暫くは悪天候が続くと言っていた。しかし、珍しく天気予報が大ハズレして、雨雲は本州に掛からず曇り空。傘をさすこともなく、豊田町駅の上り線ホームに立てた。「何処かへ出掛ける度に雨が降る」と言われ続けて、いく年月・・・これで「雨男」の名前を返上か?!
午前10時44分発のJRをホームで待っていると、突然、嫁さんがしゃがみ込み、「ヤバイ、忘れたかも」と言いながらデイバッグやウエストポーチの中をゴソゴソとかき混ぜ始めた。早速、トラブルの発生である。聞けば、スマホの充電器持って来たかどうか記憶がないと言う。「今朝、確かにテーブルの上に置いたけど」「どうしよう、どうしよう~今から、家に帰っても間に合う?」と口走る。トラブルメーカーの嫁さん、自宅を出て何分も経っていないのに、もう一発目をやらかした。
既に電車は浜松駅を出ており、目前に迫っている。自宅がいくら駅に近いからって、帰宅していては絶対に間に合う訳もない。この電車に乗らないと、予定していた新幹線こだまに乗れず、その先の成田エキスプレスの指定席キップが紙くずになる可能性がある。人が慌てる時ってこんなにもアワアワ・バタバタするのかとその姿を見つつ、冷静になるよう声を掛ける。「もし充電器を忘れてたら、空港か品川駅で買えばイイよ」・・・少しして、「あった~!!」と喜びの声が上がった。嫁さんとのお出掛けは、毎回、気苦労が絶えないのである。
掛川駅11:10発の新幹線こだま712号東京行きは、通過列車待ちで出発が10分遅れ。ホームで慌てることなく、最後尾の車両まで歩き空き席に座る。いつもはガラガラの新幹線内だが、既に結構席が埋まっていた。そして、静岡駅で更に乗客がどっと増えた。乗車した人に、サッカーチーム
エスパルスのユニフォームを着ている人が目立つ。どうやら、新横浜辺りでサッカーの試合があるらしい。乗客が多いので何となく落ち着かなかったが、三島駅を通過した頃に車内で持参したオニギリをパクつき、品川駅までのんびり過ごす。
~ 成田エキスプレスで空港へ ~
品川駅の切符売り場は、外国人旅行者で大混雑しており、インバウンドの高まりを実感した。過去の遠征時、こんなに外国人がいる光景は見たことがなかったので、流石にちょっと驚いた。新型コロナの各種規制が解除され、円安の影響で諸外国からの訪日客が押し寄せている。窓口のスタッフさん達は、多言語対応でさぞや大変だろう。こんな状況の中、成田エキスプレスの指定席変更は、とても厳しかったに違いない。予定どおりの在来線・新幹線に乗れて良かった。
品川の駅ビル内で夕食用に稲荷寿司を3個ずつ買ってから、品川駅13:24発の成田エキスプレス29号に乗るため、頃合いを見計らってホームへ降りた。スーツケースをゴロゴロと転がしホームを移動したくないので、いつもエレベータ前の停止位置に停まる車両を選んでいる。並ぶ時も出来るだけ列の最前列になりたい。その理由は、スーツケースを置く場所の確保。のんびりしていると、スーツケース置き場の空きスペースがなくなり、狭い座席の所まで持って行くハメになってしまう。指定席なので必ず座れるが、大きな荷物を抱えて1時間過ごすのは嫌なのである。
最前列に並び列車の到着を待つ。定刻どおりホームに成田エキスプレスが格好良く入って来たが、停車位置が3m位ズレて停車した。「日本の電車で、こんなにズレる事もあるんだ~」と驚きつつ、スーツケースを引きずって乗車した。ここで素早く、デッキにあるスーツケース置き場の空きスペースを確認する。通路を挟んで両サイドに2段あるのだが、いずれも下の段は埋まっていたので重いスーツケースを担ぎ上げて収納。デッキでボヤボヤしていると、空きスペースは他の人に取られるし、後から乗車して来る人の邪魔にもなる。出来るだけスムーズにスーツケースを預けて席に座るのがスマートなのである。
因みに、今回乗車した列車の先頭車両のカラーリングは、以前乗った時と違うものだった。車両内は以前と同様に黒と赤の色調で上品にまとめられいたが、シートは少し変更されイスの下に足置き場がなかった。座席前方にあるモニターを時々見つつ、読書をしながら時間を潰す。あと数分で到着という所で停車。列車すれ違いのための停車らしいが、「ここは駅ではないような・・・こんな場所で停まるの?」って感じで結構な時間、線路上で停車した。それでもほぼ定刻どおり、空港第2ビル駅に到着。
空港施設内で最初にする重要な事は換金。オーストラリア・ドルに換金するため両替所と銀行を足早にぐるりとチェックして、もっとも利率の良いお店であった京葉銀行で換金する。今回は、1A$が109.74円。前回の遠征時は100.68円だったので、更に円安が進んでいる。現地で使うお金をまとめて換金するので、たとえ9円程の差でも手にする豪州ドルは大きく減ってしまうのだ。ここで大きなチョンボを1つ。換金後に気付いたのだが、JR駅のホーム階にあった両替所の方がレートが良く、107.74円だった。これは、ちょっとショックだった。
~ 自動化が進む出国までの手続き ~
チェックインにはまだ時間があるので4階に上がり、本屋さんで雑誌を購入したり、お土産物屋をぐるりと一回りする。新しく出店されたポケモンストアーは、日本人と外国人で賑わっていた。ジェットスターの発着は、この建物(本館 第2ターミナル)の端から600m程度離れた所にある第3ターミナル。アクセス通路があり徒歩で10分程度掛かるので、移動は無料のシャトルバスを使うと楽だろう。第3ターミナル行きのバス停①は、一番外れの遠い場所にある。そこまでスーツケースをゴロゴロと引きずって歩くと、実は第3ターミナルがすぐ近くに見える。体力を温存するためにバスに乗るが、以前とは別ルートを走り、随分大周りで第3ターミナルに到着した。バスの所要時間は6分、帰路は僅かに3分らしい。急いでいる場合は、シャトルバスをバス停で待たずに、そのまま歩いた方が早いだろう。
午後3時半に自動チェックイン機(KIOSK)の前に立ったが、ジェットスターのチェックインは午後5時ジャストにならないと、操作を受け付けてくれないそこで今回、初めてスマホを使ったオンライン・チェックインに挑戦した。2人分の搭乗者パスポート情報を入力すると、スマホに電子チケットが届くのだ。やってみて気付いたが、実はこのシステム、預け荷物がない場合は、そのまま保安検査所、搭乗ゲートへ行けるのだが、預け荷物がある場合は自動チェックイン機(KIOSK)での手続きが必要だった。なお、同じ機械でチェジュ航空など他社のチェックインも同時に行うから注意が必要。緑色のランプが灯っている機械なら、どれを使っても良いので、空いている場所の機械を選んで手続きをするのがお勧めだ。
この施設にはベンチがないため、フロアーの片隅に座り込み読書をしながらじっと待つ。午後5時ジャストに自動チェックイン機(KIOSK)を操作をして、荷物タグを打ち出しスーツケースに貼る。荷物タグは、台紙を剥がしてスーツケースの取っ手部に貼るのだが、「えっと~どうやるんだろ?」となってしまう。近くに航空会社のスタッフがいたらやってもらった方が手っ取り早い。
続いて、荷物預け場所まで移動し、スーツケースを黒ベルトの上に載せパスポートを機械に読み取らせる。スーツケースの置き方や、パスポートの向きなどに不具合があると、赤いランプが点灯しエラーになるので、位置を変えたりとチョット面倒くさい。
慣れてしまえば、これらの手続きは楽なのだろうが、初めてやる人は相当とまどうだろう。格安航空会社を中心に、人件費削減のためスタッフが減らされ、手続きの自動化がどんどん進む。今では、海外旅行をする場合、各人がスマホを持っているのが大前提であり、自分でアレコレ出来ない人は出国までのハードルは結構高い。私を含めハイテクに対応できない年齢層の人達は、海外旅行が難しい時代になってきた。
~ ケアンズまで7時間半の旅 ~
チェックインと荷物の預け入れが無事に済めば、気がとても楽になる。ズラッと並ぶカプセルトーイのコーナーをチェックした後、フードコートで夕食にする。「宮武讃岐うどん」でうどんを注文し、品川駅で買っておいた稲荷寿司をセットにして食べる。一服してから、保安検査所、出国審査を経て、大きな声で喋りまくる中国人や韓国人で賑わう免税店のお土産物屋AKIHABARAでペットボトルのお茶を買う。飛行機の中は乾燥しており、エコノミー症候群対策にも水分補給は不可欠。これまでの経験上、飲む物はジュース類や炭酸飲料ではなく、お茶かミネラルウォーターが良いのだ。
騒がしいショッピングエリアの見物は、早めに切り上げて搭乗口前のロビーに移動する。早い時間帯なら、席は選び放題でありテレビも見られる。今ではスマホの充電も可能になったので有難い。トイレを済ませ、脚のむくみ対策でメディキュットも履いて準備万端整える。午後5時半に搭乗が開始され、ケアンズ行きジェットスターJQ26便 ボーイング787-8に乗り込んだ。
いつもは、我先に列に並んでビジネスクラスの次に続いて、機内に入るのだが、今回はゆっくりし過ぎた。私達の席はトイレが近い最後尾、一番後ろから2列目の席を確保してある。席に辿りついた時には、既に乗客とスタッフの荷物で頭上の棚が一杯な状態。離れた場所に空きスペースを見つけて手荷物を押し込むことに。手荷物が頭上にないと、結構、面倒なのである。しかも今回は運悪く、後ろの席には巨漢のOZが2人で3席を使っていた。彼らが着ているTシャツの胸には、「FAT CLUB」ってデッカク書いてある。とても座席を倒せるようなスペースはなく、私達の7時間半の旅はとても辛そうに思えた。
午後8時05分、定刻より5分早く旅客機が動き出す。ここで前に進むのではなく、結構な距離をバックで動き出したので、何だかとても気持ち悪かった。数分間、バックで移動した後に向きを変え、滑走路に向かってゆっくり移動し停止。順番待ちをしているようで、直ぐに飛び立たず30分も待機。いつもならとっくに雲の上の人になるハズだが、「まだ飛ばないの?」って嫁さんに聞くほど待たされた。成田エキスプレスでも線路上で待たされたが、今回の遠征では待たされる事が多そうだ。
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