バラマンディ・フィッシングⅩⅩⅦ
GTと格闘し釣り竿破損

綺麗になったケアンズ国際空港のトイレ
擬似餌の玉手箱>豪州バラマンディ・フィッシング>'24/9遠征


'24/9/29(日)

~ スーツケースが出て来ない?! ~

 昨夜は、やっぱり熟睡出来なかった。機内が肌寒いので荷物棚からダウンジャケットとブランケットを取り出し、体にまとい寝る態勢を取る。しかし、後ろに座る巨漢 2人組のおかげで座席は倒せない。体を起こした状態では、しっかり寝られず、度々、目が覚めて何度もトイレに行ったりしていた。夜中の3時過ぎに全員起床のための室内ライトが点灯。着陸姿勢に入る前に気流の乱れがありガタガタ揺れたが、恐怖を感じる程でもなく、午前4時半過ぎに無事にケアンズ国際空港へ着陸した。

 自動入国手続きe-パスポートは、前回の遠征で経験済み。ここは、すんなりとクリアしたが、スーツケースがいつまで待っても出て来ない。少しして嫁さんのスーツケースが出て来たが、私の物は出て来ない。「何故、スーツケースが出て来ない?!」 私のスーツケースには、釣り関係のステッカーをベタベタと貼っているから良く目立つ。遠く離れた場所からでも確認でき、間違えて持ち去る人はいないハズ。バッケージロストだけは勘弁して欲しいので、絶対に見逃さないよう回転するベルトコンベア上のスーツケースを凝視する。

 グルグル回転するレーンの横で、持ち主が現れない同じスーツケースを何度も見続ける。排出される荷物が途切れ、「これで終わりなのか?」とついには心細くなってきた。空しくベルトコンベアだけが回っている。午前5時半過ぎ、回転するレーンを見過ぎて頭がクラクラしてきた頃、私のスーツケースがゴロゴロっと排出口から転がり出て来た。成田空港で同じタイミングで預けた嫁さんのスーツケースを受け取ってから、随分経ってからだ。このため、税関検査を待つ長蛇の列の最後尾に並ぶハメになった。それにしても、毎回、スーツケースが出て来るのが遅いのは何故だろうか。もしかして、日本でのチェックインが早く、一番早く荷物を預けているからか・・・。早く預けると、積み荷の一番奥に配置される可能性が高いのだろうか。

~ 豪州でスマホ利用開始 ~

 午前5時45分、やっと入国ロビーに出られた。嫁さん共々、ちょっとグッタリした感じで空いているテーブル席に座り、ホームステイをさせてもらうテリーの出迎えを待つ。待っている間にトイレを済ませ、今回初めて導入したNTTドコモの「世界そのままギガ」の設定も確認する。利用料は高いが、普段日本で使用しているスマホがそのまま使えるサービスだ。海外で電話を使うためには、幾つかの方法があるが、普段自分が使っているスマホをそのまま使うのがやはり便利だろう。

 過去の豪州遠征では、同行する嫁さんのスマホだけで対応していた。彼女は昔から国際電話のサービス面で他社に比べて強いauと契約している。これまで、テリーやマリアさんとの連絡は、彼女に全てお任せしていた。しかし、前回の遠征時に経験した別行動した際のトラブル対応を踏まえ、私のスマホをオーストラリアでも使えるようにドコモショップで事前に契約しておいたのだ。

 今回は、「LINEとインスタは絶対に使いたい」と思っていたので、早速動作確認すると・・・繋がらない。持参した使用説明書を読み直し、設定を確認する。マニュアルに従い1つずつチェックしながら、データローミングをONに変更したら使えるようになった。これで嫁さんと別行動しても連絡を取り合える。これで少しホッと一安心したが、電話が必要なのはトラブル発生時。本来、電話の出番がない方が良いのである。今では何処へ行っても携帯電話が繋がる感じだが、以前は衛星電話じゃないと繋がらなかった釣り場もあった。時と共に技術が進み、どんどん便利になってゆく一方、アドベンチャー感は年々薄らいでゆく。

~ 皆さんの様子はどう? ~

 午前6時半、テリーが車で空港まで来てくれた。車中では、お互いの家族の近況について話をする。我が家の方は特に変化もないが、テリーの方は激変中。息子のライアンは、私と入れ替えで日本に行き長野方面で観光した後、カナダへ旅立つ予定。彼はコンピュータシステム関係の仕事に携わり、カナダのワーキングビザを取得。暫く、彼の地で働くようだ。アシェリーは、パートナーとアフリカへ3週間の旅行中。マリアさんはアシュリーの留守宅を預かり、子供と2匹のブルドッグの世話をしているらしい。

 一番のビッグニュースは、テリー宅が3回も泥棒に入られたこと。近隣では急激に治安が悪くなっており、アボリジニの子供達がギャング化。つい先日は、留守中に入られ、設置してあったビデオカメラに家の中に押し入って来た様子が映っていたと言う。この時は、窓やドアが壊され、貴金属や現金を奪われる被害があったらしい。勿論、警察に通報したが、オーストラリアでは、16歳以下の子供は罪に問われない。捕まっても釈放されるため、彼らは犯罪を繰り返しているらしい。テリー宅に到着し、窓やドアに残るアボリジニの子供達が押し入った時の被害状況を見る。ガラスドアのフレーム部をこじ開けけ破壊した跡が残っていた。

 荷物を部屋に持ち込んでから、先ずは朝食を頂く。トーストをパクパクっと頂いて素早く終了。今回は初日から釣りに行くとのことで、直ぐに準備に取り掛かった。留守中、私達のスーツケースが盗まれたら困るので貴重品管理には気を遣う。一服する間もなく、午前8時に出発する。彼の愛車は日本国内未発売のイスズD-MAX(改)、相変わらず装甲車っぽくて格好が良い。屋根にルーフテントを設置し、太陽光パネルも付いてる。サイドにはタープもおごり、キャンプや屋外BBQの際には、これらを広げて快適な空間を作れるらしい。日本でもこんなアウトドア&カーライフが注目されているが、やはりオーストラリアは一歩先に行っている様子。

~ ケアンズ釣りガイドの料金 ~

 いつもよりスタートが遅いので、ケアンズインレット辺りで釣りをするのかと思いきや、ジョンソンリバーまで走ると言う。ケアンズ市街を抜けブルースハイウェイを南下する。このハイウェイはケアンズからピラミッド山近くまでの道を永らく工事していたが、4年程掛かってやっと完成したらしい。幾たびの洪水で作業が中断したり、復旧工事にも時間が掛かったのだろう。丁度、朝の通勤ラッシュの時間帯に当たってしまったが、車の流れは比較的スムーズ。日本とは違い、様々な4WD車が見られてワクワクしてしまう。

 ピラミッド山の近くに住むフィッシングガイドのウィル、テリーのガイド業を引き継いだ彼も元気で仕事を続けている。新型コロナの各種規制が解かれ、諸外国の釣り客を相手に連日多忙らしい。燃料の高騰だけでなく、大きなエンジンを積んだ大きなポートを操り、これに見合ったエレキと最新の魚探をフル装備。これらを維持するために、ルアーフィッシングのガイド料金はついに1日、1,000A$になったとのこと。昨年3月に聞いた時は、850A$だったから更に値段がUPしている。

 こんなに料金が高くても、彼のガイドサービスは予約が取れないほどの人気ぶり。ヨーロッパやアメリカからの観光客を主に相手しているらしい。日本円に換算して1日10万円以上払うなんて、私のような収入が低い勤め人には、ケアンズで釣りをするのは流石に無理っぽくなってしまった。テリーが小さなボートを使ってガイドをやっていた頃とは、随分と時代が変わってしまった。世界遺産である熱帯雨林原生林の中、小さなボートで激流を乗り切ったり、薄暗いクリークを分け入って釣りをするようなスリル溢れるジャングルクルーズ&フィッシングが楽しいのに・・・。大きなボートでは、楽しみが半減してしまう。

~ スクールホリデイは嫌い ~

 マルグレイブリバーに架かる橋の上から川岸を見下ろすと、キャンプエリアは車でギッチリと混みあっていた。今はスクールホリディの真っ只中なので、家族連れで賑わっている。昔は地面にテントを立てていたと思うが、近年は車の中やルーフテント内で過ごすのが主流なのだろう。因みに、オーストラリアのスクールホリデイは年間4回あり、観光地などの混雑を避けるために各州毎に期間が少しずつズレている。この時期のクイーンズランド州におけるスクールホリデイは、9月14日~9月29日。当州の子供達にとっては今日が最終日なのだが、例えば、南オーストラリア州など別の州から旅行に来た子供達はホリデイが始まったばかり。人の集中を避けるための面白い施策だが、子供が複数いて通う学校が州を跨いでたりすると、ちょっと面倒な事が起きそうな気がする。

 基本的に、スクールホリデイの期間中に遠征が重なると、釣り場に人が増えて場が荒れてしまうのでテリーも私も嫌いなのである。今日これから行くジョンソンリバーはさほどでもないが、自然溢れるデントリーリバーは釣り人以外に、クロコダイルやネイチャーツアーの観光客が増え、大きなツアーボートが行ったり来たりするので落ち着かない。しかも、ボートの引き波により岸際が泥濁りになってポイントが潰れてしまうのだ。アボリジニの子供達が悪さをするのもスクールホリデイの期間中。普段は学校に行っているので事件は少ないが、ホリデイになるとお金がなく暇を持て余した奴らが悪事を働くらしい。

 午前9時少し前に、バビンダのサトウキビ畑やバナナ畑を通り抜ける。広大に広がるバナナ畑のバナナの房には、カラフルな袋が掛けられている。袋を掛けるのは人力なので、さぞや大変な仕事だと思う。現実逃避なのか、夢やイメージだけでオーストラリアへ世界各国から集まった若者達は、農場で汗を流しながら農作業をしている。余りにも過酷な労働条件からギブアップする人も多いと聞く。何事も経験は大事だが、事前にどんな仕事を任されるのか確認しておくべきだろう。現地の人達がやりたがらない仕事を彼らに代わってするのだから、それなりの覚悟は必要ではないか。

~ GTと格闘し釣り竿破損 ~

 午前9時10分、イニスフェイルのボートランプに到着した。潮のタイミングとしては、満潮からの下げ。干潮は午後2時頃になるようだ。周囲の様子を横目で見ながらタックルをセットする。ベイトタックルは、コンクエストDC250パームス・エッジEGC-606アンタレスARと銘竿スコーピオンBSR-1603Fの組み合わせで50LBのリーダーをセット。スピニングタックルはステラ4000MHGツインパワーC3000HGをテリーに借りた竿に付け、30LBのリーダーを結ぶ。嫁さんにキャストの方法を示しながら、9時50分に出船した。

 ボートランプから河口域に向かいつつマングローブの根際を撃ってゆく。魚の居場所が分からないまま、広範囲にTDポッパーを投げていると、GTがドカンと出たがフックオフ。ベイトタックルに持ち替えアイルマグネット105Fを使ってジャークすると、いきなりガツンとヒット。マングローブの中に入られないよう、やり取りをしている最中、バキッと大きな音を立てて竿が折れた。ファイト中に竿が折れるなんて、これまで経験したことがない大ハプニング。ラインは切れなかったので、魚とのやり取りの間に折れた竿の先端部がラインに沿って行ったり来たりする。

 テリーのサポートがあって何とかキャッチ。竿をブチ折るほどの魚なので、さぞや大きな魚かと思いきやサイズは44cm。「アレ?」って感じになってしまった。竿は、トップガイドから数えて5番目と6番目のカイドの間で、ポッキリと折れていた。魚とのやり取りでムチャクチャに曲げた訳でもない。ジャーキングの際に船べりを叩いたりする事がたまにあったが、位置からして違う感じ。果たして原因は如何に?時計を見ると午前10時半。豪州遠征初日、開始1時間もしない内に竿を折るとは、なんとまぁお粗末なことだろう。

~ 河口域でマゴチとGT狙い ~

 折れてしまった竿を片付け、往年の赤い竿スコーピオンBSR-1603Fに持ち替えて、河口域のマングローブの際や岬回りのシャローエリアを探る。この竿にセットしてあるのがアンタレスAR。ARの意味はオールラウンダーだったか?! ボートからの近距離、軽量ルアーのピンポイント狙い撃ちでとても扱いやすいリール。随分前に製造中止となっているが、ケアンズ周辺河川でのバラマンディ釣りにベストマッチなリールではなかろうか。テンポよくキャストを繰り返していると、強烈なバイトの後に粘り強いファイト。時折激しく頭を振っているようなのでマゴチであると予想した。アイルマグネット105Fをバックリと咥えていたのはやはりマゴチでサイズは63cmだった。

 午前11時にティータイム。木陰で手作りビスケットを食べる。いつもは紅茶か炭酸ドリンクを頂くのだが、今回の遠征では
ポカリスエットの粉末を1箱持参している。前回の遠征で夜中に脚がつるハプニングがあり、これに懲りたため用意した。テリー宅の台所でペットボトルに入れた水道水に粉末を溶かして飲む。昔は、「ケアンズ市内でも生水は飲まない方が安全」と言われたが、沸かさずとも問題はなく普通に水道水をゴクゴク飲めてしまうので心配はいらない。

 15分程、休憩をしてキャストを再開。今のところ嫁さんはノーフィッシュ。日差しが強く魚の活性が低いので、マングローブの根際やオーバーハング下の日陰にルアーを撃ち込む必要がある。キャストの精度がイマイチだと魚が全く反応しない。なんとか早い段階で釣って欲しいので、アレコレと助言しながらキャストを続ける。GTを狙う時はスピニングタックルでポッパー。バラマンディを狙う時はベイトタックルでミノーのジャーク。その場その場でタックルを持ち替えて魚を探すのだが、キャストがおぼつかないと話にならない。今日一日、彼女にはキャスト精度のUPを目標に精進してもらうしかない。

 休憩後、マングローブの岸際に並行させてポッピングしていたTDポッパーに爆裂バイト。ギュンギュンと竿を引き込み、力強いファイトしたのが40cmのGTだった。小さなベイトが逃げ回っているのを目撃し、タイミングよくルアーを撃ち込みポッピングしたら一発で出た。ボイルしているのを発見したら、誰よりも先にキャストをするのが釣果に繋がるのである。GTはとても足が速いので、「えっ、どこ、どこ?」などと言っている間に、姿を消してしまうので要注意。"我先キャスト"がキモなのだ。

~ 桟橋に潜むバラマンデイ ~

 続いて桟橋狙いをする。確実に魚がいる場所なので、じっくりと腰を据えて狙い撃つ。使うルアーはDDパニッシュステーシーVer2と共にケアンズ周辺のバラマンディ・ガイドのシークレットルアーとして永らく愛され、すっかりバラマンディ攻略のために定着したルアーだ。このルアーは、ガイド業を引退したテリーから今でも毎年オーダーがある。未だにスミスのカタログから落ちないので、釣具店を通じて数をまとめて発注するのだが、「メーカー在庫なし」の回答ばかり。「本当に生産しているの?」と疑いたくなってしまう。

 桟橋は誰もが狙う一級ポイント。しかし、釣れるタイミングと狙い方があり、誰でも釣れるポイントではない。使うルアーと投げる場所、アクションの付け方をテリーから教えてもらい、ルアーを撃ち込む。彼からは、ハイレベルな指示が出されるため、嫁さんと2人で苦労しながらキャストを繰り返す。少しして、ラインが横に走った。その時、手元には何のアタリも感じられなかったのだが、直ぐに竿が強く引き込まれた。桟橋の脚部にはロープが入っていたり、鋭利なカキ殻が付着しているので巻きつかれるとアウト。ラインが切られる前に桟橋から魚を引きずり出す必要があるのだが、かなりのパワーの持ち主。数分間のファイトの後にキャッチしたのは71cmのバラマンディだった。

 「ホラ、オレの言うとおりにすれば釣れるだろ~」てな顔つきで、テリーはDDパニッシュを指差し、グッドサインを私に送る。最初のバラマンディなので写真を撮ったり、サイズを測ったり、釣れた状況を手帳にメモ書きしていると、船尾からテリーの声が飛ぶ。「ゆっくりしてないで、直ぐにキャストをしろっ!!」 他の魚も刺激されて活性が高まっている間にルアーを投げ込まないと、ポイントが沈黙してしまうのだ。リーダーの損傷の有無を確認してから再びDDパニッシュをキャストし、グリグリッと巻いてポーズ。流れに漂わせるように少し間を置いてジャークする。これせを繰り返していると、数分後に再び私の竿が曲がった。桟橋から出来るだけ早く引き離し、ボートを沖に移動してオープンエリアでファイトする。水面で何度も激しくエラ洗いをしたバラマンディは66cm。先程の個体よりも色黒だった。その後、2バイトあったがフッキングには至らず、パタリと反応がなくなったのでこのポイントは終了。

~ バラマンディはターポンが好き ~

 午後1時、木陰に移動してランチタイムとなった。クーラーボックスを開けたテリーが「Oh,No~!!」と言いながら頭を抱えている。何事か?何をやらかしたのか?・・・今朝、テーブルの上に出しておいたパンをクーラーボックスの中に入れ忘れて来たんだと。幸い、午前11時にティータイムをしたばかりで、腹ペコで死にそうって感じでもない。サンドウィッチを作るための具材であるソーセージとサラダ、残ってたクッキーをバクつきながらクイックランチ終了。午後の部は、河口域から川へ入りフレッシュウォーターに移動する。途中、嫁さんのトイレ対応でボートランプにある公衆トイレに立ち寄り、午後2時、ノースジョンソンリバーを遡った。

 DDパニッシュを倒れた竹の周辺に投げ込み、引っ掛けないように注意しながらジャークをしたが反応ナシ。ここでルアーを交換し、月虫77(浮)を試したら、ターポンが猛アタック。相次ぐヒットにワラワラしながら2匹バラした後に・・・驚きのWヒット。月虫77(浮)の前・後フックに45cm前後のターポンが夫々食らいついたので、もう大変。桟橋ポイントで良型のバラマンディを掛けた時はハラハラしたが、ターポンのWヒットも相当にドキドキ・ハラハラした。

 このルアーは、「ぎじたまダービー」の協賛依頼で立ち寄った釣具店で1個だけ売れ残っていた物。普段、地元河川で使っているサイズよりも1cm大きいヤツ。豪州遠征ではあまり使わないチャートカラーだったが、なんとなく惹かれて購入し、今回初めて豪州遠征に持って来たら当りルアーだった。

 ターポンは群れでどんどん移動してしまう魚なので、反応がなくなった頃合いで更に上流へ向かう。良さげなポイントを探ったが、全く反応がない。そこで、先程までターポンが溜まっていたポイントに戻ってみた。そこには岸際にシラサギが佇んでおり小魚を狙っている。「ターポンがいる所にはバラマンディがいる」とテリーが言いながら、バラマンデイ釣りの御当地ルアー、リーズルアーハイジャッカーを投入。すると彼は一発でバラマンデイ(55cm)を引きずり出した。

 船尾で彼がバラマンディとやり取りしている間、すかさず私と嫁さんがキャスト。彼女のキャスト精度は格段にUPしたが、午後3時を過ぎてもノーフィッシュ。是非とも彼女に釣らせてあげたかったが、竿が曲がったのは私の方。月虫77(浮)をガッブリと咥えたのは若いバラマンディ(45cm)だった。これぐらいのサイズのバラマンディは群れているので、まだチャンスはあるハズ。しかし、嫁さんが午前中からずっと投げ続けているアイルマグネット90Fは不発。試しに投入したスティッキー3Jrも効果なしで後が続かず、近くのクリーク内へ移動した。

~ クリーク内で小バラを追加 ~

 残り時間は1時間。このクリークが最後のポイントになりそう。まだ1匹も釣れていないが、ずっと竿を振り続けている嫁さんに何としても釣って欲しいのだが魚が反応しない。先に竿が曲がったのはバツクシートから時折キャストをしているテリー。やっぱり私達とは明らかに格が違う。無駄なキャストがなく、確実にピンポイントへルアーを撃ち込み、魚を引きずり出す。元気良くファイトしたのは55cmUPのバラマンディ。ヒットルアーはリーズのミノー ハイジャッカーだった。

 「他にもいるぞ」とテリーに言われ、私と嫁さんは懸命にキャストを繰り返す。続いて竿が曲がったのは、クロウタッドカラーシャッドラップSR9を使っていた私。サイズは小さかったが、スコーピオンBSR-1603Fをギュンギュン曲げるほど激しくファイトを繰り返す。最後は一気に抜き上げて無事にキャッチ。ボディが銀色に輝き、尾鰭が黄色っぽい45cmの若いバラマンディだった。次は嫁さんの番。キャスト精度が上がり、良さげなピンポイントにルアーが入るのだが魚は反応しない。こんな時、普通ならルアーを変えたくなるのだが、テリーは首を振る。ルアーをアレコレ変えてしまうと、ルアー毎に重さや形が違うので再びキャストが乱れてしまう恐れがある。

 懸命なキャストを繰り返したが魚の追加は出来ず時間切れ。午後4時半に納竿し、ボートランプまで一気に走ってボートをピックアップ。午後5時にケアンズに向けて走り出した。サトウキビ畑を横目で眺めていると、直ぐに睡魔が襲ってくる。遠征初日からガッツリ釣りをしたので、予想以上に体力を消耗した感じだった。ケアンズ市街に入ってからガソリンを補給し、明日の釣行に供える。価格は昨年3月の遠征時に比べ、若干下がったようだが、日本と同様に一昔前に比べればまだ高値で推移しているようだ。

 午後6時20分、テリー宅に到着。私達の帰りを待ちわびていたマリアさんにせかされ、片付けが途中のまま夕食のテーブルにつく。今宵は彼女手作りのラビオリ・パスタにガーリックトースト。今日のランチは、テリーがパンを忘れたため、サンドウィッチの具とビスケットだけだったので、結構お腹が空いていた。いつもはしないお代わりをして、腹一杯になり至福の気分を味わった。午後8時にはベッドに潜り込み、Instagram(#gijitama)に投稿してみる。「世界そのままギガ」のおかげで問題なく作業OK。「今頃、そんなコト言ってるの~?!」と笑われるが、ケアンズにいながら自分のスマホで普段どおり画像をUP出来るなんてちょっと感動だ。「衛星電話しか繋がらない」という時代に、バラマンディを狙って日本から遠征していた人にとっては、凄い技術進歩なのである。

釣行1日目
 魚 種  TOSHI   ASAKO TERRY 
バラマンディ      
ターポン     
マゴチ    
GT    

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