豪州バラマンディ・フィッシングX
日曜日は嫌い

ワニ&テリー 7KB
クロコダイルをキャッチ!!

擬似餌の玉手箱>豪州バラマンディ・フィッシング>'01/3遠征

'01/3/18(日)

〜虹に願いを〜


 豪州釣行最終日、天気は晴れ。予定どおりホテルにガイドのテリーが現われ、6:45にホテルを出発した。ガイドの話によると、どの河川も連日の雨により「クレージーウォーター」になっているらしい。そこで、車に乗り込んで直ぐに「バラを狙うか、その外の魚にするか選べ」と問われた。川が濁るとバラの活性は極端に落ち、ボウズになる恐れがある。一方、その他の魚狙いだったら何かしら釣れるのでボウズはないという二者択一問題。
 過去の遠征でも同じ選択を迫られた事もあったが、返事は簡単明瞭即決で「バラ狙い」。私達はバラマンディを狙いに遠路遥々日本からやってきているので、この魚を釣らなきゃ意味がない。ガイドはハンドルを大きく右にきり、車を昨日釣行したデントリーリバーに向け走らせた。
 今は晴れているのだが直前まで雨が降っていたようで、移動中は幾つもの虹を見る事ができた。その中で最も感動したのは、手前とその向こう側にできた2段がまえの虹。そんな虹を見るのは生まれて初めてだったので、思わずバラが釣れるようにと虹に願いをかけた。豪州人にしてみれば、この時期は一日の中で雨から晴れ、晴れから雨へと目まぐるしく天気が変わるので、毎日虹を見ているので珍しくもないようだ。ガイドには私がえらく喜んでいる事が奇妙に写っているのかもしれない。

〜日曜日は嫌い〜


 デントリーリバー川岸に到着。テリーは「日曜日は嫌いだ」と言い捨てる。彼の目線の先、ボートランプ直ぐ近くにある駐車スペースには明らかに釣り人のものと思われる車が5台も止っている。手早くボートを降ろし、乗船したとたんに雨がぱらついてきた。「やはりトシはアメマグネットだ」とテリーが笑う。本降りにはなりそうもなかったが、取り敢えずカッパを羽織って竿を振り始めた。
 1発目は昨日に続きライブリーペッパーを操っていたMASAさん。ボート直下で40cmUPのバラが食ってきたが残念ながらフッキングには至らなかった。続いて、テリーがDDパニッシュを使い25cmの小バラをキャッチ。あまりにも小さかったので照れ笑いをしていた。その後、上流に向かってポイントを転々と移動し、河川の合流点でMASAさんがライブリーペッパーで45cmをキャッチした。
 昨日は、全く気にならなかったが、ポイントへの移動中、釣りをしている人達を何組か見た。殆どが餌釣りでアンカーを降ろし、じっくりと腰を据えて釣っている様子。ルアーを使う釣り人なら、移動していくので後からポイントへ入ることができるのだが、餌釣りの場合はそうではない。昨日、まとめ釣りができたポイントにも、どっかりと餌釣りの人が陣取っており、入りたくても入れない。テリーが「日曜日は嫌いだ」と言う理由がよくわかった。

〜ティータイム〜


おやつはいつもの甘いパン 5KB  10時から15分間のティータイム。ガイドはコーヒーを用意していてくれるが、前述したとおり私は日頃コーヒーを飲まないので、日本から持参したティーパックを取り出し、お湯をもらって紅茶をいただく。ホテルの部屋にもサービスでティーパックが置いてあるが、飲みなれた紅茶が一番。軽いので何個旅行バッグに入れてきても苦にはならない。
 お茶うけは恒例のピンク砂糖がべったりとトッピンクされた菓子パン。疲れている時はこの甘さでリフレッシュできる。このパンを食べられるのも今日が最後。日本に帰ってくると、ふと食べたくなる時があるが売っていないので残念。じっくりと味わっておかなければ。
 蛇足だが、オーストラリアは小麦生産が盛んな国なので、街中の商店やスーパーで購入するパンはどれも美味しくてありがたい。ホテルでの朝食は、袋の中に何個もパンが入っている御徳用をスーパーで買っておけば手早く済ますことが出来る。

 小休止の後、最初にヒットしたのはスーパー漁師MASAさん。ライブリーペッパーで小ぶりなマングローブジャックをキャッチ。そして、ガイドがスゴイスプラッシュで小さなターポンを釣り上げた。川を溯りウィードエリアに到着。ボートを流しながら岸と平行に生えているウィードのエッジを狙いルアーを打っていく。ここでもヒットしたのはMASAさん。シュガーディープの銀色にバラマンディの45cmが食いついてきた。
 引き続き、3人でウィードエッジを狙いながらトウィッチでバラに誘いをかけるが反応しない。途中、巨大ウナギがボート横を泳ぎ去っていくのを目撃。自分がイメージしているウナギよりも遥かに大きいので、驚いているとガイドはレギュラーサイズだと言う。とすると最大サイズは1m以上になるのか!? この国にはメーターオーバーのミミズもいるようなので、ウナギもきっとデカイのがいるのかもしれない。

〜バラマンディ釣りのキモ〜


 上流に向いながらガイドの指示に従い、ウィードエッジを狙いシュガーディープのトウィッチングで誘いを掛ける。ヒットしたのはまたしてもMASAさん。サイズは40cm程度と小さかったが、小さくてもバラはバラ。1匹には変わりない。どうやらMASAさんは、昨日の午後から引き続きこの川の魚達と波長が合っているようだ。同じルアーを使って同じように攻めているにもかかわらず、私の方にはコツリともアタリがなく、ついついぼやきたくなる。

 朝のうち雨がパラついたが、天気は一気に回復しドピーカン。まもなく正午を迎えるが、気温は32℃であり、これから更に上がるだろう。よくよく考えると遠征最終日というのに、朝から一度も魚の感触を味わっていないので気分は凹みぎみ。このままではマジでヤバイと思い、ガイドに魚の誘い方について改めて教えをこう。「バラはハードトウィッチが好き。ゴン、ゴン、ストップ、ゴン、ゴン、ストップこの繰り返しが効く。」これまで何度も聞いた事のあるコメントであり、これが「バラ釣りのキモ」。十分理解し実践しているつもりなのだが、バラが反応する動きを演出できていないようだ。

 アレコレとトウィッチするタイミングを変えたり、竿の振り幅を変えたりしてキャストを繰り返しているとコツッと待望のヒット。しかしバラはバシャッとジャンプしてフックオフ。バラはヒットさせるのも難しいが、確実にキャッチするもの難しい魚でありゲーム性が高い魚である事を再確認した。

〜一瞬の出来事〜


 昨日に続いてデントリーリバーでは必ず立ち寄るクリークのドン詰まりにある「研ナオコポイント」へ到着。まだ魚を釣り上げていない私が船首に立ちキャストを開始。前日より水量が減り、水が落着いた感じがする。水中の倒木がはっきり判るので、ルアーを根掛かりさせないよう巧みに操作しながら、潜んでいる魚にテールダンサーを見せつける。数投目で待望のヒット。しかし、掛かりが浅かったようであっという間にフックオフ。「ここで1匹釣らなきゃ後はないかも」と慎重に次のチャンスを狙ったが、反応がなくMASAさんに選手交代。

ランチ 6KB 彼に交代して直ぐにヒット。やはり私のアクションとはどこか違うようだ。バラは倒木の下に潜り込み、やっと浮いてきたと思ったら、今度は船底に鋭く潜り込んだ。船尾でビデオカメラを回していたテリーは、私にビデオ撮影を託しMASAさんのアシストに付く。下に潜り込んだバラはガイドが強引にラインを引っ張っても上がってこず、残念ながらフックオフとなった。

 場を荒らしてしまったので「研ナオコポイント」で粘るのは諦め、流れに乗って川を下る。僅かな小川の流れ込みの所でアンカーを打ち、朝から全く釣れていない私からキャストを開始。数投しても反応がないのでMASAさんもキャストに加わる。彼による1投目のキャスト・・・。ルアーがストラクチャーの横を通過したとたんにバラがガツっとアタック。ギュイ〜ッとドラグが鳴り障害物の中に突っ込んでいった。そしてラインブレイク。一瞬の出来事でMASAさんはなすすべもなく、アタリ針のシュガーディープをロストした。

 〜ロストチャンピオンは誰?〜


 午後1時過ぎ、強い陽射しを避け木陰で遠征最後の昼食。即席サンドウィッチを頬張りながら午前中の反省をした。魚の食いは渋いとはいえ、ガイドが案内してくれるポイントには確実に魚がおり、数は少ないがMASAさんは魚を出している。一方、私は朝から魚を1匹も手にする事ができず、テンションは最低レベルまで落ち込んでいた。どうすれば魚が反応するのか悩みに悩んだ。

 過去の遠征では、魚は出すがフッキングミスが多いため「ロストチャンピオン」という称号をテリーから頂戴したが、今回はチャンピオンになるほど、ヒットの回数もないのが寂しい。昼食後、ガイドは立て続けに2本の60cmUPバラをロストし、おまけにターポンもロスト。ヒットしたのが小バラの場合は、周りのバラの活性を上げるため、直ぐにはランディングせず泳がせていたり、敢えてフッキングせずにオートリリースをしたりと小技をきかせるのだが、今回はマジでロストを重ねた。「ロストチャンピオン」という称号は彼に返した方が良さそうだった。

クロコダイル 4KB 本流に戻り、反射板入りのロングAを使いトローリングをする。キャスティングで魚が出ない時は、トローリングで思いがけない釣果を得る事が度々あるようで、実績のある場所を繰り返し流す。最初にヒットしたのはガイドのテリー。釣れたバラは小さかったが、トローリングに反応する魚がいる事が判り、僅かなアタリも逃すまいと手にする竿に集中する。数分後にヒットしたのはMASAさん。これもやはりサイズは小さかった。
 それにしても・・・トローリングなんて誰がやっても同じハズと信じたいのだが、釣れるのは私ではなくMASAさん。同じルアーを使っているのに何で違うんだろ?使っているラインやフックが違うなど、ほんの僅かな違いだとは思うのだが、いくら考えても答えは出ない。

〜クロコダイル&鉄砲魚〜


 鬱蒼とした熱帯雨林のジャングルに覆われたデントリーリバーの支流に入り込む。川を溯りながら良さそうなポイントにルアーを打ち込むジャングルクルーズだ。テリーは小さなクロコダイルを発見し、しつこくルアーを鼻先に送り込む。するとバグッと激しくバイト。一気にボートデッキへ引き上げたとたん、フックが外れワニが船の中をバタバタと走り回る。
 その様子は良く滑るフローリングの部屋で、前後の足を激しく動かし一生懸命走りたがっている小型犬のよう。一方、私達は足を噛まれるのはゴメンなのでワニが近くに走り寄ってくる度にウワァ〜と言いながら足を上げ、船上はさながらパニック状態になった。

念願の鉄砲魚 8KB 午後3時過ぎ、豪州遠征も残すところあと2時間と迫った時、やっと本日1匹目となる魚を釣り上げた。テイルダンサーのトウィッチングに飛び付いてきたのは30cmもある鉄砲魚(アーチャーフィッシュ)。鉄砲魚は5回に渡る遠征で1度も手にしたことがなく、以前から是非釣ってみたいと思っていた魚である。
 鉄砲魚はその名のとおり、水中から樹上にいる虫を目掛けて水鉄砲のように水を吹きかけ、水面に落ちたところを食べるというインセクトイーターのはずだが、昨日はMASAさんの操るライブリーペッパーにもヒットしており小魚も追いかけるフィッシュイーターでもあるようだ。

 因みに、ケアンズではもう1種類釣ってみたい魚がいる。その名はクイーンフィッシュ。河口域でのトップウォーターゲームの対象魚として人気が高いと聞く。そのファイトは物凄く、柔なバスタックルで釣り上げる事は至難の技らしい。

 念願の鉄砲魚を釣って記念撮影をしていると、バックシートでテリーはDDパニッシュを使い鉄砲魚とターポンを連荘で釣り上げている。DDパニッシュはリップを入れると12cmもあるのだが、30cmにも満たないこれらの魚がバイトしてくるなんてちょっと凄い。私達も負けじとキャストをするがルアーを見切られているようで後が続かず、Uターンして本流へと戻ることにした。

〜やっぱり日曜日は嫌い〜


 最後の望みをかけて、川の流れに船を任せながらロングAを使ってウィードエッジの集中攻撃をしつつボートランプに向う。残り1時間弱となった段階で、テリーがチェックベイトを使い63cmのバラをキャッチ。魚は確実にいるはずなので活性の高いヤツを拾い釣るしかない。時計をチラチラ見て残り時間を気にしながら、ロングAの集魚力を信じてウィードエッジの際を狙ってキャストを続ける。

 しかし、心に描いていた劇的なドラマは何も起こらず午後4時半過ぎに納竿。ボートランプに到着し、ボートを引き上げにかかったが、左後輪がパンクしている事が判明した。平坦な所まで車を移動し、手早くパンクしたタイヤの交換作業に取り掛かり15分少々で完了。予備タイヤを積んでいて良かったとホッと胸をなで下ろす。ガイドのテリーはぼそっと一言。「やっぱり日曜日は嫌いだ・・・」

 最終日の釣果は下記のとおり。私にとって過去の遠征の中でも最悪の釣果となった。
メインロッドに使っていたOFTのジャーキング62Bは穂先が少し柔らかい感じなので、トウィッチがピシッ、ピシッと決まる固めのロッド(大口径ガイド付き)が欲しい。ラインは伸びがあるナイロンではなく、PEにすべきだったと反省している。釣れないと腕ではなく、タックルのせいにしたくなるものだが、これは釣り人の悲しい性かな。

5日目の釣果結果

TOSHI

MASA

TERRY

バラマンディ




ターポン




マングローブジャック




アーチャーフィッシュ




クロコダイル






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