豪州バラマンディ・フィッシング Z
「ナイトメア〜」の連呼

看板 7KB

ルールを守って楽しい釣りを!

擬似餌の玉手箱>豪州バラマンディ・フィッシング>'02/12遠征

'02/12/19(木)

〜タリーリバーでギブアップ〜


フィッシャーズクリーク 5KB  昨晩は、私達とガイドが順番でシャワーを浴びた後、翌日に備えてタックルを簡単に整備。テリーとアレコレ話をしたかったがベットへ横になった瞬間に爆睡してしまった。で、今朝は午前5時半に起床。朝食はシリアルにたっぷり蜂蜜とミルクを入れて胃に流し込むという簡単なものだった。いつも昼食前におやつとしてパンを食べるので、こんな軽い朝食でもOK。ちゃんとトイレを済ませた後、車に乗り込んだ。

 前日から吹き荒れた風のおかげで案の定、島周りの海は濁っていた。潮の干満による濁りはまだ良いが、風による濁りは底荒れがしているのでヒンチンブルック島では釣果が厳しいらしい。そこで30分ほど車を走らせ、タリーリバーで釣りをすることにした。サンドフライの猛攻撃をかわしながらマングローブの根際にテンポ良くルアーを次々に打ち込む。虫除けスプレーを掛けまくっているのだが、サンドフライは薬が十分掛かっていない袖の隙間や靴のメッシュ部のところを容赦なく刺し、後から赤く腫れ痒くてたまらない。

 キャスティングには全く反応がないため、トローリング(ドラッギング)に変更。活性が低い時にはトローリングが有効であり、釣れれば魚もデカイ。「釣り雑誌に掲載されているデカバラや大会で釣られるモンスターのほとんどは、キャスティングではなくトローリングで釣り上げられている」とガイドが言う。時々、竿をしゃくりルアーにアクションを与えながら実績のあるポイント周辺を繰り返し流すが、一度もアタリがないまま時間が過ぎる。

〜再びヒンチンブルック島へ〜


ヒンチンブルック島 5KB ついに僅か2時間弱でギブアップ。粘っても釣れそうもないため場所を換えることにした。ガイドのテリーは「バットチョイスだった」と私達に謝る。何処に行こうか迷った結果、フィッシャーズクリークのボートランプから船を降ろし、ヒンチンブルック島へ再び渡ることにした。

 午前9時半、ヒンチンブルック島の島周りを攻める。しつこいサンドフライやアブを追い払いながらキャストを続けるが魚の反応はない。午前11時に手早くおやつを食べ、直ぐにキャストを再開。正午の段階で、相棒のルアーに得体の知れない魚の1チェイスがあっただけで、私は一度も魚を見ないようなシビアな状況だった。午後になると再び風が強く吹き始め、白波が立つようになってきた。

 午後1時過ぎ、ガイドの操るロングAに本日初バラマンディがバイト。場所はマッディな小さい流れ込みの中。やっと1匹目が見られるかと期待したが、フッキングが悪くバラシてしまった。ピーカンで強風、朝から3人で竿を振ってノーフィッシュという状況に、バラマンディNo1ガイドと言われるテリーもさすがにお手上げ。彼は「ナイトメア〜」と何度も嘆いている。午後1時半過ぎ、強い陽射しを避け、風が当たらないエリアのマングローブの木の下へ停船し、昼食を摂りながら暫し休憩となった。

ヒンチンブルックの釣り 4KB 昼食後は本土側に広がるマングローブ林の中のクリークを攻める。シャローでは船が近づくと時折、土煙が巻き起こるため、どんな魚だろうかとキョロキョロしていると、マングローブの幼木に寄り添う黒っぽい魚が目に止った。ガイドに訪ねるとチヌだと言う。「これを使え」と彼から手渡されたのは、ちょっと不格好なシャッド。渡豪前に雑誌でチラリと見た覚えがあるスカジットの新商品テリージャークだった。このルアーの名前は、ガイドのテリーからとったもの。彼の得意とするジャーキングテクニックを一般の釣り人でも楽しめるようにと作られたルアーのようだ。チヌの鼻先へテリージャークを送り込み、トウィッチしながら誘いを掛ける。すかさず魚はこれに反応し、バイトするがフッキングには至らない。バス釣りのサイトフィッシングのように、しつこく狙ってみたが魚に逃げられてしまった。

〜「ナイトメア〜」の連呼〜


ロックフィッシュ 6KB 午後2時半過ぎ、本土側のマングローブクリークが不調に終わったため、海を渡り再びヒンチンブルック島を攻める。岩場地帯に潜む魚を狙っていると相棒が「あれっ!?」と声を上げる。竿は曲がっておりハンドルも重そう。ビニール袋でも釣ったのかと横目で見ていると、ボロ雑巾のような黒くて汚らしいゴミが浮いてきた。船縁まで寄せてきたゴミを良く見ると横にヒレが付いている。ボロ雑巾だと思っていたそれは、口の中が奇麗な青色の魚だった。アンコウのようなその魚の名前を聞くと"ロックフィッシュ"だという。"ロックフィッシュ"とは岩場につく根魚の総称のようにも思えるのだが、コイツはヒレに毒があり、刺されると病院へ行かなきゃいけない危険な魚らしい。

 朝7時からボートに乗り込み、炎天下の中でキャストを繰り返して釣れたのは、ボロ雑巾のような根魚1匹のみという激シブ状態。度々、豪州コーラとレモネードで水分補給をしながらキャストを続けるが反応がなく、まさにナイトメア(悪夢)を見ているかのよう。ガイドの指示によりロングAサンダースティックシュガーミノーシュガーディープなど実績のあるルアーを水深に合わせ使い分け、ピンポイントに打ち込むが、魚の影すら拝めない時間が続く。午後になれば悪夢から目が覚めるかと思いきや状態は変わらず、ガイドの「ナイトメア〜」という嘆きが度々バックシートから聞こえてきた。

〜トップ炸裂〜


GT50cm 5KB ガイドが「バラポイント」と指差した一帯は底が見えるほどのドシャロー。シャローに強いロングAをチョイスし、引きまくるが無反応。ガイドもなすすべがなく言葉が少ない。どうせ釣れないなら気持ち良くルアーをブンブン投げる釣りをしようと思い立ち、ボックスから取り出したのはリップルポッパー。ガイドがテリーの場合、多分100%使わないルアーだが、役に立つ時もあるだろうとボックスの中へ忍ばせてきたルアーだ。

 キャスト開始数投目でいきなり水面がド派手に割れ、ルアーが吹き飛ばされた。ルアーを回収すると、この一撃で塗装がガリガリに剥げていた。すかさず同じ場所にキャストをし、早めのストレートリトリーブをすると再び水面が炸裂。吹き飛ばされたルアーを見るとガッチリ歯形が付いていた。魚の正体はバラクーダのようだ。これで船上は一気に活気づき、3人がトップを投げまくる。暫し沈黙の後、再び水面が炸裂したのは私が操るリップルポッパー。首を振りながらS字を描く独特のアクションが効いたようだ。猛烈な引きに耐え、ポンピングで引き寄せる。やっと浮かび上がってきたのはバラクーダではなく50cmのGTだった。

 〜意気消沈!?〜


ゴールドスポットコッド 6KB トップゲームで高まったテンションは長く続かず、なんの反応がないままキャスト&トウィッチを繰り返す。バックシートからガイドの「ナイトメァ〜」という声が再びポツポツと漏れる。過去の遠征では、魚の反応が乏しくても彼がこんなに嘆くような状況はなかったが、今回は相当こたえているようだ。客に魚を釣らせてこそガイド業が成り立つわけで、彼はそのことを最も知っているガイド。私達に魚を釣らせたいという気持ちがヒタヒタと伝わってくるため、それに応えようと決して諦めずに竿を振るが、自然相手なのでどうにもならない。

 午後4時過ぎ、魚が動き始めた様子。ガイドがK-TENの9cmシンキングでバラマンディをロスト。その直後に、同じスポットで彼は45cm前後のナマズを2匹立て続けにキャッチ。あっという間の3連発にびっくり。ポイントはシラサギが魚を狙って立っている干潟のサイドエッジだった。バックシートからの猛チャージに私達も気合いが入る。マングローブが生い茂るクリークの両サイドをテンポ良く撃ってくと、私の操るアスリートS9にゴールドスポットコッド(右写真)とブラックスポットコッドが立て続けにヒットした。

フィッシャーズクリーク 5KB 午後5時半にタックルを片づけ、ボートランプまでの遠い道のりを波を切りながら全速力で突っ走る。今日は、ジュゴンや海ガメを見ることができて嬉しかったが、魚が釣れないのは辛かった。私がコッド2匹を釣ったのが午後5時前後。朝7時から竿を振り始めてやっと3匹だった。一方、同行者はボロ雑巾魚1匹、ガイドはキャットフィッシュを2匹という驚くほどの貧果。コテージへ戻る車中では、ガイドが「明日はデントリーリバーまで行くぞ」と冗談を言う。ここからデントリーまでは、ざっと5時間の道のり。今日の釣果を考えると「それも1つの選択肢かも」とマジで考えた。

 晩飯はテリーの奥さんマリアと息子のライアンを交え、彼女の手料理ラザニアを囲んで楽しく食事をとる。ライアンには今年3月に逢ったばかりだが、身長がぐいぐいと伸び私と同じくらいに育っている。とても14歳には思えず驚くばかり。私のカタコト英語に付き合ってくれ、豪州における真夏のクリスマスの楽しみ方について教えてもらった。

2日目の釣果結果

TOSHI

TORU

TERRY

ロックフィッシュ




GT




コッド(ゴールドスポット、
ブラックスポット)




キャットフィッシュ






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