前夜はガソリンスタンドに併設されたレストランでフィッシュ&チップスの夕食。田舎町なので夜に食事ができる場所は、このガソリンスタンドともう1ヶ所しかないらしい。魚の方は白身魚のフライで、まあまあってところだったが、どんぶり一杯ぐらいあった油っこいポテトフライにはホント懲りた。朝食中、テリーですら「昨日のアレには参った」と胃をさすりながらボヤキがでるほどオイリーだった。
朝食はフレークとトーストを軽めに摂り、午前6時にコテージを出発。直ぐ近くのボートランプからボートを降ろし低速で水路を進む。水路を抜けて一気にヒンチンブルック島へ渡るかと思いきや、そのまま本土側のマングローブ地帯沿いに進路をとり、根際をタイトに攻めるようにと指示が出る。
朝イチはシャローエリアで抜群の威力を発揮するロングAでスタート。開始数投目で着水同時ヒット。そして一気に横へ走られ、なすすべもなくフックオフ。魚は明らかにバラマンディだったが、一発目からバラしているのでは先が思いやられた。「ヒンチンブルックのバラマンディは、居着きではなくベイトを求めて回遊しているんだ。」と説明しながらトウィッチしていたガイドのロングAに40cmのバラがバイト。小さかったので一気に引っこ抜きキャッチ。すぐさま私が同じポイントへルアーを打ち込むとバシュッとバイト。しかし、フッキングには至らなかった。魚っ気があるので注意深くアクションさせていると、再びガイドのロングAにバラがバイト。ストラクチャーに潜り込まれグルグル巻きになったが、ボートを寄せてゆっくりポンピングすると魚(50cm)がでてきた。
海峡を横切り、島北側のマングローブ&岩場帯を攻める。ガイドが「おいしいポイント!」と指し示す場所には必ず魚がいると言ってよい。言われたとおり倒木周りをロングAのハードトウィッチングで攻めていると、突然グッドサイズのバラが現われルアーを吸い込んで反転。一気に走ったので、反射的に魚を止めようとスプールに親指を置いてしまい激痛が走る。ひるんだ空きに魚はフックオフ。
「絶対にスプールを触ってはいけない」と頭では理解しているのだが後の祭り。魚をロストした上に親指も火傷をするというアホさ加減に我ながら愕然とする。その後、倒木周辺で2度もチェイスがあったのだが、バイトには至らず魚は姿を消してしまった。チャンスがあっても確実に物にできず、まだまだ修行不足であることを痛感。
朝起きてコテージから島を眺めた時、ガイドが「山に雲がかかっているので強い風が吹く」と言っていたとおり強風が吹き始めた。この時期に北風が強く吹くことは珍しいようだが、この風は島北部を攻めている私達にとって致命的。強い波が岸を強く打ちつけ、みるみる岸際が濁ってくる。辺り一面に濁りが広がるのは時間の問題だろう。濁り始めは好釣をもたらすことも多いので、濁りと澄んだ水の境を丹念に探る。岸際を流しながらキャストを繰り返し、ロングAでナマズ(40cm)をキャッチ。その数分後、ガイドが45cmUPのバラマンディをキャッチした。
風が更に強まり、濁りがきつくなってきたので島の西側に移動。直ぐに旧型のサンダースティックでナマズ(40cm)をキャッチした。この魚は日本のナマズにそっくりなのだが、実は背鰭や胸鰭に鋭い刺があり非常危険。釣れた時のフック外しは、ガイドに任せた方が良いだろう。ガイドは鰭にある刺を私に見せつつ、ペンチでパキパキ切り落としてからリリース。
ナマズを釣ってから数分もしない内に、今度はバラマンディがヒット。「ここにはメーターオーバーが潜んでいる」とガイドが言っていたロッキーエリアだったので、ヒットした瞬間は心臓バクバク。しかし、引きの強さからそんなにデカくないことが判り、リラックスして魚を引き寄せる。キャッチした魚は56cm。餌を十分食べていないようで、腹はペッコリと凹んでいた。
10時半におやつタイムを取り少し休憩した後、潮の引いた干潟に蛇行するガーターを攻める。私はロングAで35cmのバラマンディをキャッチ。一方、ガイドは同じくロングAで3回バイトがあって1本釣り上げた。ガーター内の釣りは、他の場所での釣りと違って非常に慌ただしい。魚は逃げ道が限られ、細い溝の中を行ったり来たりするしかない。一気にラインを引き出し、ボートから遠ざかったと思いきや、反転してボートへ向って走ってくるので、懸命にリールを巻いてラインテンションを保つ。そして再び魚が反転してボートから遠ざかる・・・という繰り返しだ。
強風を避けるためクリークに入って両岸のマングローブの根際を攻める。ガイドが「バラマンディ・ポイント!」と示す場所は、水中にストラクチャーが複雑に絡まりあった所。しかも、「ボグッ」と捕食音がして大きな波紋が広がった。「バラがいるので絶対に引っ掛けるな」と指示が飛ぶ。いつも以上に慎重にキャストをしてトウィッチを始めたが一発でストラクチャーに引っ掛け、バックシートからガイドの嘆く声が聞こえてきた。竿を煽ってルアーを取ろうとしたが、フックがしっかり枝に刺さっておりギブアップ。しかたなく、ルアーを回収するためボートを近づけると数匹の大きな魚が土煙を上げて逃げていった。
このクリーク内では、ガイドがTDシャッドショートリップでGT(25cm)、バラクーダ、ブラックスポットコッド、ナマズを連発。一方、私はリバージでGTを取り逃がし、シュガーディープでゴールドスポットコッドをキャッチしたのみ。午後1時半を過ぎ、腹が減ってきたのでモスキートとサンドフライの攻撃をかわしながらマングローブの木陰で昼食にする。
ガイドによるとオーストラリアのマングローブは21種類。その内、18種類がヒンチンブルックにあると言う。注意深く木々を観察すると葉の形や根の張り方など、確かに少し違ったマングローブがある。実がつく時期なら、形状が異なるので違いがもっとハッキリするだろう。
昼食後は別のクリークに入る。ここでの1本目はシュガーディープで釣ったバラクーダ。続いてサンダースティックで40cmUPのGT。そしてクリークが大きく曲がったコーナーで66cmのバラマンディをキャッチ。この2つのルアーの使い分けは、シュガーディープは水深がある場所、サンダースティックはシャロー。因みに、ステーシーver2は水深がある場所、ロングAはサンダースティックと同じシャローで使用している。
その後、クリークの出口でサンダースティックで60cmUPのバラクーダと40cmのバラマンディを追加。ガイドはロングAでコチ(55cm)、ゴムルアーで小さなGTを釣り上げ、次のクリークへ向った。
クリークへ入って直ぐにガイドがDDパニッシュでバラマンディ(55cm)をキャッチ。彼が同じポイントへルアーを打ち込むと再びバイト。しかし、フッキングには至らなかったので、私に「同じ所へ投げろ!」と指示を出す。示されたポイントは涎が出そうな大きなストラクチャーがあるわけでもなく、普通にマングローブの枝葉が水面に覆い被さっている何の変哲もない所。ルアーをDDパニッシュに換え、ピンポイントへ打ち込み、トウィッチを始めると直ぐにバイト。しかしフッキングミス。続けてキャスト&トウィッチを繰り返すと時々ルアーの近くで反転する魚影が見える。
魚はいるが私の操るルアーにバイトしないのを見て、ガイドがアクションのタイミングを指示。彼の掛け声に合わせ、トウィッチとポーズを繰り返す。着水後、2回トウィッチをしてポーズ。再び2回トウィッチをしてポーズの繰り返し。キモはどうやらポーズの長さ。私が行うポーズのタイミングより若干長く時間を取る。死にそうな魚が時々激しく動いた後、動かなくなって漂うような状況をイメージした演出だ。魚はルアーがノーテンションでフワフワ~と漂っている時にバイトをする。
バラマンディNo1ガイドによる個人レッスンをみっちり受けながら、50cm前後のバラマンディを立て続けに3本キャッチ。これで打ち止めかと思いきや、ガイドがDDパニッシュを打ち込んで50cmを1本追加。「ええっ!まだいるの?」って感じで半信半疑でキャストをすると45cmが躍り出た。直ぐにリリースしてキャストをすると1投目に激しいバイト。そして猛烈な勢いでラインを引きずり出す。マングローブ林の中に入り込まれると絶対にキャッチできないので、強引なポンピングで引きだそうと踏ん張ったが、枝に巻かれてフックオフ。明らかに今までの魚とはサイズが違った。最初に小バラ達がバタバタと釣れ、その下に潜むデカバラが刺激されて動き出したような感じだ。
ボートを寄せ、水中の枝に絡まったルアーを回収。普通はこれでポイントが潰れ、魚は逃げてしまうのだが今回は違った。ポイントから静かに脱出し、アンカーを降ろしてボートポジションを確保。ルアーをステーシーver2に交換し、キャスト&トウィッチで45~50cmを立て続けに3本キャッチ。そしてガイドが中国製ミノーで45cmを釣り上げて打ち止めになった。結局、僅か30分程の間、この1ヶ所で10本のバラマンディを引きずり出した。まさにハニーホール。一体、水中はどんな光景なのだろうか?潜って魚の様子を見てみたい衝動に駆られた。
クリークから出て島周りを流す。午後4時を過ぎた段階で、ステーシーver2でコッドをバラシた後、GTをキャッチ。ガイドは私のタックルを試しに使ってゴールドスポットコッドを釣り上げた。納竿時間までには少しあるので、もう何匹か釣っておこうと思っていたが、気が付けばヒンチンブルック島と本土との間にある海峡は強風で白波が立ち大荒れ状態。急いでパックアップをし、波よけのためにカッパを着込んだ。
次々に押し寄せる波を巧みにかわしながらボートを進める。波しぶきが掛かるぐらいならまだ良いが、大きく船がバウンドし波間に強く叩き付けられる事も度々。振り落とされないように椅子にしっかり座り、踏ん張ってこれに堪える。島の方を振り返ると周囲の海は茶色く濁っていた。50分間のラフティングで全身に波をかぶり塩だらけになりながらも本土側のボートランプへ到着。
手早くボートを引き上げ、宿に戻ってシャワーを浴びてホッと一息ついく。夕食は前夜と同じガソリンスタンド&レストラン。ボリュームのあるハンバーガーをコーラで押し流して終了。夕食後はテレビを見ながらガイドと雑談したが、ラフティングでどっと疲れたためか早めにベットへ入った。
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TOSHI |
TERRY |
バラマンディ |
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GT |
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バラクーダ |
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マゴチ |
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キャットフィッシュ |
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エスチュアリーコッド |
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