豪州バラマンディ・フィッシング\
小バラ乱獲モード突入

秘密のラグーン 6KB


近所の野池にそっくりなラグーン


擬似餌の玉手箱>豪州バラマンディ・フィッシング>'04/11遠征

'04/11/24(水)

〜 ミッション・インポッシブル 〜


 前夜、ホテルに到着し一服していると猛烈な雨が降ってきた。叩き付けるような雨が断続的に降り、まるで台風が突然襲来したかのよう。外出できる状況ではなく一人寂しくホテルの部屋でカップラーメンとカロリーメイトを食べていると雨が上がった。今がチャンスとばかりホテルを出て、ケアンズを訪れた際には必ず利用するスーパーマーケット「ウールワース」へ向った。店内が一部立ち入り禁止になっていたので、覗き込むと天井から滝のような雨漏りがしておりフロアーが水浸しでびっくり。天井が抜けちゃうほど凄い雨だったのだ。

 朝6時過ぎ、雨の中を出発した。「昨夜の激しい嵐は今の時期には珍しい現象。畑に充分水分が行き渡ったので農家も喜んでいる」と、今日も世話になるガイドのテリーが言う。しかし、天気予報によると今日・明日は100mm前後の大雨が降り、強風が吹き荒れるらしい。いくら何でも大雨と強風の中で竿を振るのはキツイだろうが、取り敢えず釣行は決行。ケアンズの街を抜けひたすら南下し、途中に幾つもあるクリークを覗きながら2人で溜息をつく。予定していたラッセルリバーは泥濁りでガイドが思わず「マンマミィ〜ア〜」と叫ぶ。ジョンソンリバーは大増水。リバプールクリークマライアクリークは真っ赤っか。そしてタリーリバーも超マッディーな状態。「今日、客にバラマンディを釣らせるのはミッション・インポッシブルだ」とまで言い出す始末。

〜 秘密のラグーン? 〜


ラグーンボートランプ 5KB どこに行くべきかガイドはマジに困っている様子。散々悩んで怪しげなラグーンへ到着した。車中でカッパを着込んで、外に出て周囲を見渡す。ボートランプなんて洒落たものはなく、ボウボウに伸びた雑草で覆われたドロドロの斜面の先には、水を張った田んぼの様な浅瀬が広がっている。ゆっくりと車をバックさせながらボートを降ろしに掛かるが、台車の後部が泥に突き刺さりボートを降ろせる位置まで下がることができない。タイヤを何度もスリップさせながら斜面を上がったり下がったりして徐々にボートを水面に近づけた。

 タックル一式をボートに乗せた後、泥で足を汚さないように台車伝いで私が乗り込む。ガイドは膝近くまで泥に潜りながらボートを力一杯押し、やっと水面に浮かばせることができた。釣り客のために、こんな苦労までしてボートを浮かべるようなガイドは他にいるだろうか?当然、帰る時にも同じ労力が掛かるハズだ。豪州の一般釣り人も、こんな場所ではボートを出さないだろう。

 初めて挑戦するこのエリアは全長2km程度の細長いラグーン。大雨が降ったにもかかわらず水の濁りはない。周囲は樹木で囲まれ、水中から倒木が所々で頭を出しており、私が普段釣りをしている野池にソックリな雰囲気だ。「フローターがあれば絶対に攻めたい場所だ」と話をすると、「ワニがいるから止めとけ。」とガイドが笑いながら答える。彼にこのラグーンの状況を聞くと、「年に2〜3回、他に何処にも行く場所がなくなった時にしか来ないので様子は全く判らない。」と寂しいことを言う。もしかしたら秘密のラグーンに案内されたかと思ったが、緊急避難・最後の切り札的な場所だったようだ。

〜 小バラ乱獲モード突入 〜


ターポン 5KB 先ずは手前のウィードが生えているシャローから攻め始めた。日本を旅立つ時に、何となく気になってボックスへ入れてきたトラウト用ルアーのラージシケーダを試す。ケアンズ近郊の釣りではクランクベイトを使う習慣がないようで、小さくてプリプリと泳ぐクランクの動きは絶対魚に効果があるハズ。特にスーティーグランターやターポンに効くんじゃないかと思っていた。ガイドは賑やかなラトル音を響かせ、表層を引き波立てて泳いでくるルアーを初めて見てとても感動している。

 開始早々、水面が割れターポン(30cm)が飛び出した。続いて、矢継ぎ早にターポンを2匹追加(30〜35cm)。この様子を見て安心したのかガイドがキャストを始めた。すると彼はいきなりシャッドラップでバラマンディ(30cm)をキャッチ。そして同サイズのスーティーグランターとバラマンディをバタバタっと釣り上げた。小さいとはいえバラマンディを見ちゃったからには、即座にルアーチェンジ。ハードコアSH60SPをセットし、少し水深のある倒木周りでトウィッチをするとバラマンディ2匹(30cm)とターポン1匹がルアーに襲い掛かった。

テリー&64cm 6KB 釣れる魚のサイズが小さいので照れ笑いをしていると、ガイドの竿が激しく曲がった。「オイオイ、マジかよぉ〜」と羨ましげに暫しファイトの様子を眺めていると、大きな魚がぶわぁ〜とボート際に浮いてきた。彼は魚を優しくすくい上げてキャッチ。シャッドラップで釣ったバラマンディは64cmだった。

 バケツをひっくり返したような猛烈な雨がカッパを叩き付ける中、最奥部にある小川の流れ込みエリアにアンカーを降ろし陣取った。ガイドはカッパを着ているにもかかわらずパンツの中までびっしょりと濡れ、「寒い、寒い」と言いながらボートの隅に座りこんで試合放棄。しかし、このエリアは程よい感じの濁り水が流れ込み、魚の活性が高まっている様子。

 私は防水・透湿性の優れた高価なカッパを着ているので内側は全く濡れず快適に竿を振ることができる。叩き付ける雨は私達の気配を消して好都合。シャッドラップをトウィッチすると小型のバラマンディ2匹とターポン1匹をキャッチ。そして前日購入したティルサンを試して僅か10分の間にバラマンディ(30〜40cm)を4匹追加。その他にもフッキングミス多発。正に小バラ乱獲にモード突入だ。豪雨の中、黙々と竿を振る私を見て、ガイドは「トシはクレージー・フィッシングマシーンだ」と呟いた。

〜 ラッツ&ホース 〜


ラッツ 6KB 正午を過ぎたが魚の活性が高いので、もう少し頑張ろうとキャストを重ねる。ラグーン中央部の倒木周りに魚が集まっているようで、ガイドはシャッドラップでバラマンディを2匹、ウィップラッシュでバラマンディ、スーティーグランター、ターポンを夫々1匹ずつ追加。一方、私はティルサンで1匹、TDスクーバで2匹のバラマンディ(30〜46cm)をキャッチした。

 雨が小振りになった午後2時頃に遅めのランチをいただく。即席サンドウィッチを頬張りながら後半戦に備えてルアーを選んでいると、いくつかのルアーが膨張し変形していることに気が付いた。原因は昨日と一昨日の高温だろう。チェックしてみるとTDシャッドTDスクーバハンクルミノー・・・もしかしてダイワ系のルアーばかり?ダイワ系のルアーは使用している樹脂が他社とは違うようだ。過去の遠征では一度もこんな事がなかったが、基本的には不用意に炎天下にボックスを長時間置いていたのがマズかった。次回の遠征にはボックスにステッカーやアルミシートを張るなど高温対策を忘れずにしてこよう。

 ガイドから、午前中釣ったセイゴ、フッコサイズの魚を「ラッツ」、デカイ魚を「ホース」と呼ぶことを教わった。私が釣っている魚はラッツばかり。「どうしてデカイ魚をホースと呼ぶのか?」と訪ねると、「強い馬力(ホースパワー)でグイグイ引くからだ」と説明してくれた。判りやすい理由に「なるほど〜」と思わず納得。「ラッツ&ホース」とは面白い言葉の響きだ。これをホームページのタイトルや商品名、チーム名に使ってみようか。そう言えば昔、「ラッツ&スター」っていう顔を黒く塗った人気グループがあったっけ・・・。一人犯罪を犯して捕まっちゃったけど。

〜 アスリートの魔術 〜


 ガイドがウイップラッシュショアラインシャイナーで35cmのバラマンディを2匹、スーティーグランターを1匹を釣り上げた。私はラージシケーダでターポン、スーティーグランターを1匹ずつキャッチ。次に今回の遠征でまだ出番がなかったアスリート・クイックレスポンスに交換しトウィッチを始めた。するとラッツサイズのバラマンディが魔法に掛かったかのようにワラワラと湧き出てきた。これまで使っていた他のルアーとは魚達の反応が明らかに違い、次々とアスリートに襲い掛かる。しかし、フッキングミスしたり、ルアーの直前で反転したりと悔しい思いを重ねるばかり。

 ラッツに遊ばれていると、突然70cmUPのデカバラがアスリートを吸い込み、複雑に入り組んだ倒木へ向って一気に走った。この時、使っていたロッドは柔らかいデストロイヤーF2-57X。オープンエリアだったら何とかなるだろうが、ストラクチャーが多いエリアで予期していないデカイ魚を掛けるともう大変。竿がのされて、なす術もなく倒木の中に潜り込まれてフックオフ。この時、ラッツの下にはホースが潜んでいることを、ハッキリと認識した。

 余談だが、ガイドからの注文もあり、帰国後アスリートフローティングタイプを買い求めた。しかし、近隣の釣具店に置いてあるのはどれもシンキングタイプ。馴染みの釣具店を通じて問屋とメーカーの在庫を探してもらったが、確保できたのは僅か2個。メーカーサイドではシンキングに力を入れており、フローティングタイプは暫く作らないとのこと。結局、静岡県内中の釣具店をぐるぐる巡り、かき集めるハメになった。こんなに釣れるルアーを何故、メーカーは供給しないのだろうか?

〜 ニックネーム改名 〜


バラマンディ73cm 5KB アスリートでラッツサイズのバラマンディを釣り上げ、ホッとしたところでガイドの猛チャージ。彼はシャッドラップでラッツを釣った後、ストラクチャーの中にあるピンスポットにシンキングのシーウォッチャーで打ち込み、底に沈んでいるデカバラを狙った。根掛かりが必至なので高度なテクニックが必要なのだが、彼は見事に魚を掛けた。ストラクチャーに潜り込もうとする魚を上手にコントロールしてオープンエリアへ引きずり出し、無事に73cmをキャッチした。

 私は相変わらずアスリートでラッツサイズのバラマンディにもて遊ばれ、辛うじて30cmを1匹追加。その後、テールダンサーに交換して同サイズをキャッチ。一方、ガイドは古いニルズマスターで小さいバラマンディとターポンを1匹ずつキャッチし、午後5時半過ぎにパックアップとなった。ドロドロのボートランプから苦労して脱出し、ヒンチンブルック島への玄関口であるカードウェルの街へ向う。

 車中では、今回の大雨を踏まえて私のニックネームを改名。私が豪州遠征に来ると、乾季だろうが何だろうが必ず雨が降るというジンクスがあり、雨を引き寄せる「Rain Magnet」と呼ばれていた。しかし、今回の雨の激しさから「Rain Maker」に変更するぞとガイドから宣言されてしまった(笑)。

 今回の宿泊先は以前利用したことがあるデイリーユースコテージの「マラリープレイス」。夕食はテリーが腕を振るってくれ、ステーキ&ベジタブルを堪能。食後は、日本から持ち込んだ釣り雑誌を見ながらルアー談議で盛り上がった。

4日目の釣果結果

TOSHI

TERRY

バラマンディ

15

11

スーティーグランター



ターポン





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