豪州バラマンディ・フィッシング]T
再びジョンソンリバーへ

ワニトラップ 5KB
ワニトラップ:餌はニワトリです

擬似餌の玉手箱>豪州バラマンディ・フィッシング>'06/2遠征

'06/2/12(日)

 〜 再びジョンソンリバーへ 〜


マングローブジャック 6KB 前夜はテリー宅に招かれ、彼のガイド仲間であるレス・マーシュと一緒に夕食を御馳走になった。レスはガイド業をする傍ら、タックルショップのBRANSFORDSで働いている。プライベートでは新車のマツダをぶつけた事から始まり不運が重なりメチャ落込んでいたので、食後のマンゴーアイスクリームを堪能しながらテリー夫妻に何度も慰められていた。そんな彼にホテルまで送ってもらい、お礼を兼ねて元気を出してもらうためにトリプルインパクトをプレゼント。きっと今頃は、このルアーでグランター達を釣りまくっているに違いない。

 今朝も6時半にピックアップ。昨日のデントリーリバーはイマイチだったので、初日に釣行したジョンソンリバーで再び竿を振る事にした。日曜日なのでボートランプが出船準備で混んでいるだろうと心配したが、到着した時には既に皆さんは出船済み。空きスペースに車を止めて午前8時にキャスト開始。先ずはTDポッパーでGTを探す。潮があたる島の端っこや岬を狙って強めのポッピングを繰り返した。最初の1匹はテリー。彼がポップRでGT(20cm)をキャッチしたのに続いて、私が30cmと27cmのマングローブジャックを釣り上げた。

 天気予報で今日はモーニングシャワーがあると言っていたとおり、時折、パラパラと雨が降る。カッパを着るまでもない雨なので、そのまま続行。取り敢えず1匹釣っておこうと狙ったGTの反応がイマイチでバラマンディ・ポイントへ移動。ルアーをシュガーディープに交換しトウィッチを始めるとGT(35cm)が食ってきた。「狙っているのはキミじゃないんだよねぇ。」などと独り言を言いながらキャスト&トウィッチ繰り返す。すると物影から50cmはゆうに越えるバラマンディがルアーをチェイス。しかし、直ぐに見切られ反転して戻っていった。きっと何か違和感があったのだろう。試しにルアーを船縁で動かすと、アクションがおかしいことに気が付いた。どうやらトウィッチのやり過ぎで内部構造が壊れた様子。これで歴戦の勇者はお勤めを終えてボックスの中から消える事になった。

 〜 シークレットベイト 〜


テリー&バラ 6KB このエリアには魚がいるので、マングローブの際狙いで岸と平行にゆっくりボートを流して丁寧に探る。次に竿が曲がったのはDDパニッシュを使っていたテリー。30cmのGTをキャッチした後、52cmのバラマンディを釣り上げた。本日初のバラマンディを見てテンションが上がる。またしても1本目をガイドに釣られ悔しい思いをしながら、彼に負けじと正確なキャストとトウィッチを繰り返す。しかし、再び竿が曲がったのはバックシートにいる彼。しかも魚はバラマンディ。

 ルアーを撃ち込むピンポイントは私とほとんど同じなのだが、反応するのは彼が操るルアーなのだ。手を休めて様子を見守ると、魚はルアーを咥えた後、一気にマングローブの中に潜り込んだきり出てこない。この魚は獲れないかもと諦めムードが漂ったが、ラインを緩めたり張ったりしていると幸運にも外へ出てきた。そこで腹を優しくすくい上げるようにして無事にキャッチ。魚は肉付きの良い60cmだった。

 さて、テリーが使うこのDDパニッシュが、近頃ケアンズのショップで取扱われ始めている。日本国内では、野池のバス釣りでは使いにくく、マス狙いにはサイズが大きすぎて潜り過ぎ、使う場所やシチュエーションが極めて限られるため不人気ルアーだと思うが、こちらでは様子が少し違う。店頭販売価格はA$20ぐらいで、他のルアーに比べ明らかに高い。実は、私をはじめ、「ぎじたま」読者の皆さんが豪州へ持ち込んだこのルアーがプロのガイド達に認められ、ショップが扱うようになった経過があるらしい。テリー達は暫くバラマンディ釣りのシークレットベイトとして扱っていたが、釣り大会でのデモンストレーション等でその動きを披露した事がきっかけになり知名度が急上昇したのだ。テリーによるとDDパニッシュ以外にもシークレットにしてある日本製のルアーが幾つかある様子。どうやら「バラマンディを釣りたければ「ぎじたま」の豪州釣行記を参考に」ってところみたいだ。

 〜 ポッパーゲーム 〜


バラマンディ60cm 5KB 突然、大粒の雨が降ってきたので慌ててカッパを着用する。今の時期は雨季なので、本来ならこんな天気が当たり前なのだが暫くぶりの雨模様。きっとこの雨で魚の活性が高まるハズなので集中力を維持したままTDポッパーを投げ続ける。すると期待どおりに水面が炸裂。GTが次々と襲い掛かり、メッキサイズの20cmから、猛烈なパワーで竿を引き絞る40cmまでサイズにムラはあるものの3匹を立て続けにキャッチした。

 前述したが、ここで言うGTはパピヨントレバリー。グレートバリアリーフに生息する巨大に育つGTは滅多に河川内へ入ってこないが、この種類は汽水域から淡水域に生息し、河川内でスポーニングするとのこと。バラマンディのようにジャンプはしないが、持続力のある力強いファイトはコイツを専門に狙っても面白いくらいだ。

 カッパを脱いだり着たりしながらTDポッパーを流し続けていると、GTのバイトを遥かに凌ぐ爆烈バイト。直後に水面が割れ、銀色に輝く魚体が頭を激しく振りながらジャンプ。マングローブの中へ潜り込まれないように、テリーは即座にボートをバックさせ沖へ魚を誘導する。その間、何度もエラ洗いを繰り返しバラマンディ釣りの醍醐味を堪能した。徐々にボートまで魚を引き寄せ、彼がすくい上げて静かにデッキへ横たえる。ハラハラ・ドキドキ感を存分に楽しませてくれた魚は60cmだった。

 その後、私がマングローブジャック(35cmUP)、テリーもTDポッパーを使いGT(40cm)をキャッチした。午前10時過ぎに菓子パンとマンゴー、ビスケットを食べて小休止。一服した後に訪れた河口の砂浜エリアでサヨリを発見。それならばと、シルエットが似ているシュガーミノースリムを試しに流してみると、バラクーダ(35cm)がチェイスしてきた。魚の姿が見えた付近に数投するとルアーをパックリ。この魚は歯が鋭いので1匹釣っただけでルアーはガリガリに傷ついてしまった。

 〜 ウィードエリアでバラ狙い 〜


スカムフロッグ&バラ 5KB 上流に向ってボートを走らせる。GTアイランドでTDポッパーにGTのバイトがあったがフッキングミス。反応が鈍いのでさらに上流へ溯りウィードエリアへ到着。ここでフロッグ系ルアーをアレコレ試して魚の反応を伺う。テリーがウィードの上でポッピングしていたカスタムフロッグ・ポッパーに激しいバイト。その力強いファイトは明らかにバラマンディ。ウィードの中に潜り込みんだ魚(60cm)をポンピングで引き寄せ無事にキャッチした。この魚はもしかしたら
一昨日、私が逃した魚かもしれない。時折、私の操るスカムフロッグにもバイトはあるのだが、魚は口の小さいスーティーグランターのようでフッキングには至らない。

 更にボートを進めながら魚を探す。河川の中央部、ウィードの切れ目を流していたNWアミーゴに爆裂バイト。明らかにバラマンディのようだったがフッキングには至らず悔しい思いをした。ウィードエリアを抜け、木陰部を狙って岸打ちを繰り返す。余りに魚の反応がないので、テリーのひんしゅくを買いながらもプロップダーター80に交換。野池のバス釣りでは、小バス相手にソコソコの成果を出しているので自信を持ってキャストを始める。そして・・・ド太いスーティーグランター(40cmUP)がボートデッキに横たわったのは、ものの数分後のことだった。

 テリーの顔を見てニヤリと笑い、次の1匹を狙ってプロップダーター80を投げ続ける。すると今度はデカいバラマンディがヒット。魚とやり取りをしている最中にはバックシートから「リラックス、リラックス」と声が掛かる。そろそろ姿が見える頃かと思った時、悔しいかなルアーがスッポ抜けてしまった。これは純正の華奢なアウトバーブフックを使っていたのが原因。フッキングしやすいがバレやすいため、このフックを嫌っているのだが、交換するのが面倒でそのまま使っていた自分が情けない。

 〜 再びウィードエリアでバラ狙い 〜


おまもり 10KB 午後1時半過ぎ、いつものようにパンにレタス、ハム、トマトを挟み、マスタードと塩、コショウで味を調えてサンドウィッチを作り、豪州製のダイエットコーラで胃袋へ流し込む。自然が溢れるこの一帯を賞賛していると、彼は岸辺に生えている奇麗な花(ワイルドデイジー)や水際を這っているアシのような植物を指し示す。これらの植物は外来種とのこと。日本と同様、人間の営みによって魚以外にも沢山の外来植物が持ち込まれ、豪州の生態系に入り込んでいるようだ。彼との釣りはとても勉強になる事が多く、お礼を兼ねて私のオリジナルステッカーをプレゼントした。現在、新たに製造中のボートの片隅にでも貼ってくれる事だろう。

 昼食後は、TDポッパーでジャングルパーチ、スーティーグランターを1匹ずつキャッチ、バブルクランクに2バイトあった。一方、テリーはポップRでジャングルパーチ、スーティーグランターを1匹ずつ釣り上げた。午後は時折、遠くで雷が鳴り始める。強い陽射しが射したり、小雨がぱらついたりと天候が目まぐるしく変わる中でキャストを続けるが、どうにも魚の活性が低いようなのでUターンしてウィードエリアへ戻る。途中、ボート下を大きな魚が何匹も横切るが、正体は丸々太ったボラと大増殖している色黒いテラピア。いずれもルアーでは釣りにくい魚であるため無視して突き進む。

 ウィードエリアでは再びフロッグ系ルアーを使ったバラマンディ狙い。私の操るマンズのザ・ポッパーにはノーバイトなのだが、テリーが操るカスタムフロッグ・ポッパーにはバラマンディが何度も激しいバイト。ウィードの上に体を乗り出してバイトするシーンはまさに見物だった。バラマンディ達は、よほどこのルアーが好きらしい。ポッピングした時の音とスプラッシュが彼らの食欲を誘うみたいだ。また、ハードルアーと違って、口の中に入れた時の違和感が少ないため、フッキングミスしても何度も繰り返しルアーにアタックするのでチャンスが増える。こいつはきっとサラトガにも有効だろうと確信を持った。

 〜 落水に注意〜


ジョンソンリバー 4KB ボート船首にイスをセッティングし映画のタイタニック気分を味わいながら、河口エリアまでエンジン全開で一気にブッ飛ばす。もし船底やエンジンにストラクチャーがヒットしたら、川の中に落っこちる可能性もある。しかし、波しぶきを浴びながら、立ち疲れた足をブラブラさせて感じる爽快感は、航空機に喩えるとファーストクラスシートに値した。

 どのガイドも細心の注意を払って操船しているのだが、それでもたまに落水事故が起きる。テレビカメラで撮影していたスタッフがカメラを担いだまま沈したり、船首でフライをキャストしていた人がよろけて沈したり、ボートが方向転換をした際によろけて振り落とされたりと色々あるようだ。いずれも大事には至らず濡れた服は直ぐ乾いたのだろうが、カメラを水没させたのは損失が大きかっただろう。幸い私は今まで落水したことがない。日頃はスポーツを特にやっていないので昔に比べ足腰は弱くなっているが、遠征が決まった時から毎夜、寝る前にスクワットをやっている効果が現われているのかも。

 20分程ボートを走らせ河口域に到着。最初に訪れた場所は、干潮を向えるためクリーク内の水が一気に河口へ流れ出し、激流となっている。テリーは巧みにボートをコントロールし、その真っ只中にボートをステイさせて「早く岸際を狙え!」と指示を飛ばす。訳も分からず、取り敢えず言われるままにルアーをキャスト。「こんな激しい流れの中にルアーを投げたって釣れっこない」という先入観があるためか、キャストから回収するまでが、ただ単に慌ただしいだけで面白くもなんともない。一通りルアーを撃って次の場所へ移動したのだが、どうやら先程の場所は、海から上がってきたデカバラが、激流でクリーク内から流されてくるベイトを捕食するスペシャルポイントだったようだ。

 〜 ロックエリアのポッパーゲーム 〜


GT 5KB ラン&ガンを繰り返し、マングローブ林近くのロックエリアに到着。水位が低下し、普段は水中に沈んでいる岩の塊が姿を現し始めていた。ここではポッパーをチョイス。水面から頭を出している岩に引っかけないように、強めの連続ポッピングで魚をおびき寄せる。最初に魚が出たのはテリーの操るポップR。彼は40cmUPの真っ赤なマングローブジャックをキャッチ。続いて私のTDポッパーに、爆烈バイト。デカバラがバイトしたかと思うぐらい激しい水柱が立ったが、ルアーを咥えていたのは良型のGTだった。

 テリーが言うには、このロックエリアでは過去にバラマンディを1匹しか釣っていないので、ルアーに出る魚はマングローブジャックかGTだと言う。バラマンディが釣れなくても、竿をギュンギュン引き絞る良型が釣れればOK。次の魚を期待してキャストを重ねていると、テリーの投げたルアーにビックバイト。フッキングには至らなかったので、2人同時にそのポイントへルアーを撃ち込む。同じコースでテンポ良くポッピングしていると再びテリーのルアーにバイト。直後に銀色の魚体を翻しバラマンディが躍り出た。数分後、彼の手の中に納まった魚は尾鰭が立派に発達した66cm。つい先程、彼はこのエリアで釣れる魚はマングローブジャックかGTだと言ってたのに、竿を激しく曲げたのは体格の良いバラマンディ。「またしてもガイドにしてやられた」と悔しい思いをする。

 彼に負けてはならじとTDポッパーを使い、強めのポッピングを繰り返し魚を探す。陽射しがぐっと傾き、夕方遅くなってくると45cm前後のGTが連続バイト。ルアーを目掛けて何度も魚が襲い掛かり水柱が立つ。結局、良型GTを3匹とマングローブジャックを1匹、テリーはGT2匹とマングローブジャックを1匹釣り上げ、2人で声を揃えて「夕方の干潮大好き!」と叫ぶ。終了予定時間はとうに過ぎていたが、残り5分、残り2分・・・と言いながらも結局は30分以上も延長。

 真っ黒い雨雲が近づいてきたので全速力でボートランプへ戻り、ボートを素早くピックアップしてケアンズへ向う。夕焼け空に、数百羽の巨大コウモリ(フルーツバット)が帯状になって夕食に向う光景に驚き、ヒッチコック監督の映画を思い出す。車中では、ギッチリと書き込んだ手帳を見ながら本日の釣果をカウント。今日はフレッシュウォーターはイマイチだったが、河口域で楽しい釣りが出来たので2人とも満足度は高い。テリーは「遅くなったので、マリアに怒られる〜」と言いながらアクセルを踏み込む。午後7時過ぎ、私達はすっかり暗くなったケアンズ市街へ滑り込んだ。


3日目の釣果結果

TOSHI

TERRY

バラマンディ



GT

10


ジャングルパーチ



マングローブジャック



スーティーグランター



バラクーダ





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