豪州バラマンディ・フィッシング]T
いつもと違うデントリーリバー

ターポン 5KB
小さいけどグットファイターのターポン

擬似餌の玉手箱>豪州バラマンディ・フィッシング>'06/2遠征

'06/2/11(土)

 〜 バナナは御法度 〜


 腕時計のアラームが鳴り、朝5時に起床した。時差が1時間あるので日本はまだ夜が明ける前の4時頃で、普段ならまだ夢の中だろう。ベットサイドに備え付けられている目覚し時計は故障しているようで、肝心なアラームが鳴らなかった事に気がついた。前夜、もしやと思い腕時計のアラームをセットしておき大正解だった。朝食は、前日の昼に食べ残したパンとコーラ、そして昨夕、ケアンズへ帰ってくる途中で立ち寄った無人販売所で買ったバナナをパクつき手早く済ませる。バナナの価格は1kg当たりA$1。本数にすると5〜6本ってところ。パパイヤに似たポーポーも試しに1つ買ってみたが、こちらはイマイチ甘みが足りなかった。因みに豪州ではバナナをボート内に持ち込むのは御法度。米国と同じく、「釣果がすべる」って事で縁起が悪いとされるが、腹の中に納めておくのはOKだ。

 6時半にホテル玄関先に滑り込んできたガイドのテリーの車に乗り込み、先ずは作戦会議。タイドグラフで満潮と干潮の時間及び潮位を確認する。日本と違い、干満の差は2m近くあるので、何時ごろ何処のポイントで釣りをするか予め想定していないと釣りにならず、下手をすれば急激な水位の低下によりボートがクリーク内に取り残されたり、浅瀬で座礁する可能性もある。検討した結果、昨日はケアンズの南方、ジョンソンリバーへ行ったので、今日は北方にあるデントリーリバーへ向うことにした。

 〜 デントリーリバーへ 〜


サラトガ 7KB デントリーリバーへ向う道中はサラトガ(アロワナ)の話題で盛り上がる。前回のキャンプ&フィシッシングでは、度重なるチャンスを尽くミスした後にやっとの思いで60cmを1本釣ったのだが、私としては全く満足していない状況。話を聞くと90cm以上のサラトガが釣れる河川もあるようだが、そこまでは片道7時間以上必要になるロングドライブ。近隣で釣れる所もあるのだが、多くがプライベートエリアであり放流された魚のため一般人の釣りは出来ないようだ。

 日本でサラトガを拝める場所は、水族館か大手ペットショップのみ。その古代魚を思わせる風体はあくまでも鑑賞魚であり、釣った経験がある人は極めて限られているだろう。ガイドは私の思いを受け止めてくれ、今回の遠征中にサラトガを釣る事が出来るよう段取りをつけてくれるようだ。

 ワラビーが出没する牧場を横目で見ながらひたすら北上。セミが大合唱をしている森を抜けるワインディングロードで窓を開けると、嗅ぎなれないユーカリの花の香りが車中に入ってくる。虹色をシンボルとしているゲイの方々が集まるビーチを通過し、ポートダグラス、モスマンの街を抜けて午前8時にボートランプへ到着した。手早く準備を整えてキャストを開始。バラマンディとGTの両方が狙えるポイントで私はスゴイスプラッシュ、ガイドは悟空を使い魚を探す。ガイドが使うこのシーバス用ルアーは日本人をガイドした時に貰った物。彼はミノーとして使うよりは、むしろポッパーとして使い捕食音を演出している。何年か前に私が初めてSフォーを持ち込み、彼の前で強くジャークさせてバブルサウンドを出していた事を覚えていたようだ。

 〜 ポッパーで魚を探す 〜


テリー&バラ 5KB 数日前の釣行でバラマンディを見つけたという場所でも魚っ気は全くなかったため一気に河口まで下る。要所要所でポッパーを使い魚を探す事から始めた。開始1時間、やっと本日の1匹目となるGT(35cm)が私の操るGスプラッシュ80に襲い掛かった。このルアーはあまり注目されていないようだが、集魚効果が非常に高い実力派のルアー。ガイドも以前私がプレゼントしたこのルアーをいたく気に入っており、高温で変形しボロボロになった今でも使っている。私がGスプラッシュ80で1匹釣ったのを見てすかさず交換し、群れをなしてアタックしてくるGTを2人で楽しんだ。

 河口の砂浜近くにあるマングローブが生い茂るストレッチを流す。「釣れそうなのだが、ここでは釣ったことがない」なんてガイドは言っている端から、彼の悟空に爆裂バイト。激しいファイトの後にボート横へ浮いてきた魚は45cmUPのバラマンディだった。お客様を差し置いて本日一匹目のバラマンディをキャッチ。もちろん私はこの魚を見てバラ・モードにスイッチしたが、時既に遅く岸際を撃てども、撃てども魚の反応はない。風が強く吹き始めた河口を後にして一気に上流へ向った。

 濁りが目立つ中州周りや合流点をGスプラッシュ80でチェックしながら、どんどん上流ヘ向って溯る。時々現われる倒木等のストラクチャーやマングローブの幼木を狙っていると、2回もGスプラッシュ80にバラマンディの激しいバイトがあったがフッキングミス。濁りが原因なのか、強い陽射しが原因なのか判らなかったが、全体的には活性が低いようなので、水質が奇麗なエリアを探してボートを走らせる。風が余りにも気持ちが良いため、移動中は居眠りを連発。竿を落としそうになってテリーに笑われながらも、エンジン音を聞きながら快適なうたた寝を満喫した。

 〜 いつもと違うぞ!? 〜


テリー 7KB デントリー・ワイルドライフ・サファリのボート乗り場で、そこで働くスタッフと暫し情報交換。今日は明らかに川の様子がいつもと違うようで、スタッフは「魚のライズが何処にもない。いつもと様子が違うぞ」と言っていた。雨が降っていないにもかかわらず水質は濁っている。この濁りは下流から上げ潮に乗って押し上がってきているようだ。ボート乗り場周囲を軽く攻めた後、腹が減ってきたので木陰にボートを突っ込んでティータイム。菓子パンと熟したマンゴーを食べながら、日本から持ってきた大手釣具メーカーのカタログをテリーに見せ新商品を説明する。パラパラとページをめくりながら、お互い日本の商品サイクルが非常に短い事を嘆く。

 お茶を飲んだ後は、ドシャローの瀬渡り。テリーはボートを巧みに操って進入路を見極め、何度も入り直しながらも少しずつ上流に向う。瀬を渡りきると水質が改善され、再びイイ感じのエリアが目前に広がった。岸際の木陰部や倒木周囲にテールダンサーを正確に撃ち込み、丁寧に攻めてマングローブジャックをキャッチ。テールダンサーはノーマルフックを付けたままだったのでグニャグニャに変形。即座にフックを交換した。テリーは私のタックルを使ってシャッドラップを投げる。アンタレスARの滑らかさに驚き、キャストを繰り返しているとジャングルパーチが食ってきた。

 上流からボートが1艇下ってきた。私達がこれから行こうとしていたエリアを先に攻められてしまった様子。釣果を尋ねると「全く駄目だった」とのこと。どうにもフレッシュウォーターエリアは芳しくないため、午後1時半に遅い昼食を摂ってから再び下流域へ戻る事にした。私は暑さで体力が消耗してきたため、食後に少し仮眠。テリーはリールのラインを巻き直すため、絡まったラインと格闘。1時間程、休憩時間を取った後に再開し、デントリーリバーを釣り下って行く。

 〜 どっちが多い? 〜


バラマンディ57cm 5KB 開始早々、ウィードエッジを攻めていたテリーのルアーにバラマンディがバイト。しかし、フッキングには至らなかったので、そのポイントへすかさず私が浮力の高いロングA(14A)を撃ち込む。2回トウィッチの1ポーズをするとバラマンディ(57cm)がサクッとルアーを吸い込み反転。すかさず巻き合せをしてフックセット完了。ウィードの中に潜られないようにと一気に勝負してランディングした。

 昼食後、魚のバイトは全くないのだが、私とテリーはオナラの連発。炎天下の中で脱水症状にならないようコーラやレモネードなどの炭酸飲料をガブ飲みしたり、マンゴーをたっぷり食べたのが原因だろうが、それはもう見事なほどオナラが出る。バックシートからバラマンディの捕食音のような音が聞こえてきた時には、思わず振り返りテリーの顔をマジマジと見るほど。一方、テリーからは「トシはグゥグゥと鳴くグランターだ」と笑われる始末。2人ともお腹が痛いわけではないのだが、オナラが止まらない。テリーに「今日はオナラの数とバイトの数はどちらが多い?」と尋ねたら、「いったい何が言いたいんだ? そんな事、聞くな!」と笑いながら言い返してきた。

 オナラをブリブリしながら、ひたすら川を下る。途中、テリーの友人ケビンが釣りをしていたので情報交換したが、こちらも釣果は芳しくない模様。ウィードベット周りや倒木、中州周りや岸際の木陰部など要所要所で竿を振るが、魚の反応がないのでラン&ガンを続ける。流れが緩慢で小さなワンドになっているポイントで、水面をピチャピチャやっているターポンの群れをやっと発見した。群れを散らさないようにシュガーディープを静かに投げ込み、トウィッチをすると小さいながらも元気の良いターポン(35cm)が一発で食ったきた。写真を撮ってすぐさまリリースし、再度ルアーを撃ち込んで2匹目をキャッチ。このワンドはウィードがあり、水中には倒木が沈んでいるので絵に描いたようなバラマンディ・ポイント。他とは違い魚っ気があるので、すかさずアンカーを降ろし少し粘ってみる。

 〜 お客様より先に 〜


テリー&チヌ 5KB ここで竿が曲がったのはテリー。彼はターポン狙いで銀色に輝く小さなストレッチS5+を使っていたのだが、食ってきたのはバラマンディ。魚は目の前で何度も華麗なジャンプを繰り返しルアーを外そうとしたが、口の中にスッポリと収まっている。最後には力尽きてボート脇へ体を横たえたところをランディング。サイズはマズマズの61cmだった。

 本来、この魚はお客様である私に釣らせなければならない一匹だったのだが、ガイドが先に釣ってしまった。彼は「またやっちゃったよ」って感じで私に謝る。しかし、こればかりは仕方がない。年中バラマンディを釣っているプロと、年1〜2回しかやれないアマチュアの差は歴然だ。状況に応じてトウィッチングのタイミングを変えたり、ルアーサイズを変えたりする様子は一緒に釣りをしていて大変参考になる。まぁ、それにしても、テリーが「狙え」と指し示すポイントには必ずバラマンディが潜んでいる感じ。どの場所も釣れそうで、見渡す限りオイシイポイントに見えるのだが、魚がいる場所をピンポイントで見つけていく技は彼ならではの能力だ。

 バラマンディが捕食しているベイトのサイズが小さいようだが、スモールサイズのルアーは今回持参してこなかった。テリーからストレッチS5+を借りて2匹目を狙ったが、このポイントでは彼が釣った一匹で終わった。アンカーを引き上げて細いクリークの中へ移動。水質は悪く茶色に濁っているが、水中に沈んでいる倒木を巧みに避けながら進みキャストを重ねる。ここでもガイドが客を差し置いてストレッチS5+で30cmのチヌ(ブリーム)をキャッチ。彼はこの時期に、このエリアでチヌが釣れる事を非常に不思議がっていた。

 〜 マンズルアーに脱帽 〜


デントリーリバーボートランプ 5KB 午後4時半を過ぎたが風がなくてクソ暑い中、ウィードエッジを攻めながら釣り下る。太陽が傾き始めたためか、魚の活性が高まってきた様子。テリーがマンズのストレッチS5+で30cmUPの小バラを釣った後、私にもチャンス到来。ストレッチS5+シャッドラップに2アタックあったのだが、フッキングには至らず涙を飲む。続いて、ストレッチS5+で35cm前後のターポンを2人同時にヒット。その5分後、私のルアーに待望のバラマンディ(54cm)が躍り出た。

 このストレッチS5+はパッと見には格好悪いが、その戦闘能力には脱帽。ボディーサイズがほぼ同寸のマーゲイに比べスタイルは洗練されておらず、いかにもマンズのルアーって感じ。しかし、このストレッチS5+は一流のプロが長年愛用するだけあって確実に釣れるルアーの一つ。B級ルアー代表格のフロッグマントゥーファーを作った「トムマンおじさん万歳」って感じだ。残念なのは、我が家の近所では入手不可能なことだろう。更なる追加を期待したが終了予定時間を大幅にオーバー。後ろ髪を引かれる思いで午後5時半に納竿となった。テリーから今日の記念にストレッチS5+を頂き御満悦。そしてケアンズへ帰る途中、BRANSFORDSに立ち寄った際にストレッチS5+を発見。思わず2個もバイトしてしまった(笑)。


2日目の釣果結果

TOSHI

TERRY

バラマンディ



GT



ジャングルパーチ



マングローブジャック



チヌ



ターポン





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