豪州バラマンディ・フィッシング]U
シークレットチューン公開

レギュラーサイズのバラ 5KB
サミー115にレギュラーサイズのバラマンディ


擬似餌の玉手箱>豪州バラマンディ・フィッシング>'06/9遠征

'06/9/5(火)

 〜 シャットダウン!? 〜


バラジャンプ 4KB 明け方はワライカワセミをはじめ、様々な鳥達が大声で鳴きあう。日本だとスズメがチュンチュンさえずりあうってところだが、こちらは本当にけたたましい。放射冷却で冷え込んだので暫くシュラフの中に潜り込み、日が昇るまでグズグズしていた。午前6時過ぎに起床。先ずはテリーが中古で買ってきたホンダの高性能発電機をスタートさせ、バッテリーに充電を始める。朝食はウィードビクスと焚き火で焼いたトーストに、川の水を汲んで沸かした紅茶をいただく。

 シャベルとトイレットペーパーを持って砂場で用を済ませ、7時半に出船した。初日、2日目に調子が良かったキャンプサイト正面のポイントは完全に沈黙。テリーが特製のポールを落としたポイントまでボートを進め、キャストを始めると私の操るTDシャッドに鉄砲魚が食ってきた。バックシートで竿を振るテリーはミスキャストが相次ぐ。ルアーを引っ掛ける度にボートを接近させて回収するため、ポイントが次々と潰れてゆく。彼がこんなにミスキャストをするのは初めて見るが、相当疲れが溜まっているようだ。魚の方も何だかおかしい。昨日から魚の反応が鈍くなっていたが、今朝は完全にシャットダウンしたような感じ。今朝の冷え込みが影響したのか、鉄砲魚を1匹釣ったきり1時間以上コツリとも反応はない。

 魚の姿が全く見えない状況の中、実績のあるルアーを次々取り出し魚の反応を見る。豪州製ウッドルアーのクーラーバングでブッシュ周りを攻めていると、物陰から70cmUPのバラマンディが飛び出しルアーを咥えた。久しぶりのバイト。そのまま反転して川底へ潜るかと思いきや、打ち上げ花火のように派手なジャンプをボート際で3回も繰り返した。最初にジャンプした時は、ルアーが口の中に収まっていたのだが、次のジャンプでルアーが外に出たのを目撃。3回目で口の横に掛かっていたルアーが吹き飛んだ。ルアーを回収するとソルト用太軸フックが見事に伸ばされていた。

 〜 クリスマスツリーポイント 〜


フライフィッシング 獲っておきたかった1本を逃しガックリする。”クリスマスツリーポイント”へ移動し、DDパニッシュのトウィッチを試すとターポン(40cm)が喰ってきた。水面で魚がライズしているのでテリーはフライを取り出し、奇麗なループを描いたキャストを繰り返す。程なく彼は鉄砲魚をキャッチした。ずっと魚が沈黙していたので、てっきりディープに沈んでいると思い込んでいたのだが、実は水面近くに魚が集まっている様子。そこでルアーをこれまで出番のなかったサミー115に変えてみた。

 立ち木群の中にサミー115を放り込みテンポ良く引いて来ると突然水面が炸裂。ミスバイトだったので、そのままドックウォークを続けると再び爆裂バイト。魚は多分バラマンディ。再度、キャストをすると立ち木が込み入った最も厄介な所でズボッとバイト。今度はフッキングに成功したのだが、立ち木の中を左右に泳ぎ回りグルグル巻き状態。特製ポールでラインを手繰り寄せ、50cmのバラマンディを鷲づかみにしてキャッチした。エキサイティングなトップゲームに私だけでなく、テリーのテンションも高まる。2人してトップウォーターを投げまくったが、2本目を上げる前に魚の反応はパタリと止った。

 風が強くなってきたため表層攻めを諦め、シュガーディープに交換。このルアーはシングルフックの装着により、浮力を稼ぐと共に根掛かりを防止し、立ち木の中を遠慮なく攻められるようにしてある。キャスト後にグリグリッとハンドルを回してルアーを沈めてからトウィッチを繰り返す。この方法でバラマンディが2回チェイスしてきたが、バイトには至らなかった。もう少し深いところを探ろうと、キャスティングゲームでは滅多に使わないディープシェーカーを試す。すると1投目にして鉄砲魚(25cm)がヒット。私の様子をバックシートから見ていたテリーは、日本人客から貰ったというチェリーブラッドを取り出し何やらゴソゴソやっている。彼はシングルフックを取り出しルアーに装着したが、ワーム用なのでフックが横を向いてしまう。ペンチでアイを曲げようとしていたので、直ぐに止めさせスプリットリングを間に1個追加する方法を提案した。この方法に彼はいたく感心しキャストを開始。すると1投目に60cmUPのバラマンディが立ち木の中でバイト。彼は猛烈なパワーでファイトする相手を徐々にボートへ誘導していたが、魚は立ち木の中を走り回り最後はフックオフ。

 〜 シークレットチューン公開 〜


マレオチューニング 4KB ”クリスマスツリーポイント”の反応がなくなったので、対岸に移動し昨晩ドキドキしながらナイトゲームを楽しんだリリーパットエリアへ移動。テリーはボックスの下段から大きなマレオを取り出し、水面で力強くトウィッチする。ルアーは大きなポップ音を出しながら水中に気泡を巻き込む。ロングA(15A)を使い良くやるテクニックで、私は”バブルトウィッチ”と呼んでいるが、余りにも見事な捕食音を醸し出しているので、ルアーを見せてもらった。驚く事に彼はマレオのフロントフックを外し、腹と後部のフックを太軸の大きな物に交換している。フロントフックを外す事で頭を浮かせ、強く引いた時に”バブルトウィッチ”をしやすくしているのであった。どうやらこれは彼のシークレットチューンの様子。彼はルアーを握り締めてニンマリと笑った。

 テリーはスイレンの横にマレオを力強くブチ込み、激しくジュボッと音を立ててトウィッチ。するとこの瞬間を狙っていたかのようにバラマンディがドカンと出た。一部始終を見ていたので、これにはさすがに驚いた。フッキングには至らなかったので2投目に期待を掛けると、再び爆裂バイト。残念ながらこれもフッキングには至らない。彼のテクニックをじっと眺めていると三度目のビックバイト。やはりこれもフッキングミス。どうやらこのチューニングは魚を引き寄せる能力を高めるが、フッキング率は極端に落ちるようだ。改善方法は幾らでもあるので、イロイロ試してみようと思う。

 シャローエリアにバラが潜み、水面を意識しているようなので、私はサミー115をチョイス。彼と同じようにスイレンの横へルアーを撃ち込み、ドックウォークを始めるとガボッと出た。フッキング性能はこちらの方が上らしく一発でフッキングが決まり50cmのバラをキャッチ。今度は私がルアーを見せ、ニンマリ笑う番になった。他にも魚がいるようだが反応が止ったのでボートを進める。暫くは水深がある場所が続くため、昨日試したLV-MAX500を取り出す。キャストを始めると直ぐに鉄砲魚(30cm)がヒット。同じ場所にルアーを撃ち込み、リトリーブを始めると次々に鉄砲魚がバイトしてくる。1キャストで2バイト、3バイト・・・。ここの鉄砲魚は異様にLV-MAX500が好きみたいだ。

〜 再びバイブ炸裂 〜


バラ&LV500 5KBテリーが後ろでチェリーブラッドを使い56cmのバラを仕留めた。私は相変わらずLV-MAX500を使い、一旦ボトム近くまで沈めてからシャクリながらジャラジャラとリトリーブする。するとバラ(63cm)が物陰から出てきてバックリとルアーを咥え、猛ファイト。暴れているバラの口周辺にはルアーが見えず、丸呑みされている様子。時間を掛けてファイトしているとリーダーが切れる可能性が高いため、強引に魚を引き上げボートへ抜き上げた。バラの口の中を見るとスッポリとLV-MAX500が収まっていたが、ルアーがつっかえ棒になっているだけで実はフッキングしていなかった。

 リリース後の1投目、今度は70cmUP確実のバラがLV-MAX500に襲い掛かった。ボート下に魚が潜り込み、ミディアムヘビークラスのロッドが弓なりに曲がって竿先が水中に引き込まれる。「うひょょょょょょ〜」と思わず声を出しながらファイトに耐えていたが、魚が反転した際にフックオフ。オーバーハング下のボトム付近に魚が溜まっているようなので、即座にキャストを再開。するとバイト、バイト、バイト・・・。次から次へとバラマンディがルアーにアタックしてくる。この様子を見て、テリーがボックスの中をゴソゴソやりだした。取り出したのは、サビたフックが付いたオシアバイブ。以前からボックスの中に入っているのは知っていたが、98年からの過去11回に亘る彼との釣行で初めて使うのを見た。使い始めて直ぐに40cmのナマズをキャッチ。「なんでオレにはナマズなんだ?」と不満を漏らして、再びチューニングしたマレオに戻す。

〜 岸から幼魚を乱獲 〜


 正午前、スイレンがあるシャローエリアへ突入したところで、ルアーをアムニス1にチェンジ。即座に30cmの鉄砲魚を釣り上げ、魚がいる事を確認。テリーはスイレンの横へマレオを撃ち込み、バブルトウッチをするとバラが躍り出た。フックアップには至らなかったが、このパターンはやはり強力で連続バイトがある。「ならば私はサミー115で勝負だ」と、バラがマレオに出たポイントへアプローチ。すると「バフッ」とバイト。フッキングには至らずルアーを回収している最中に、テリーが同じ場所へキャスト。すると水面が割れてマレオが水中に引き込まれた。今回はフッキングがバッチリ決まって52cmをキャッチ。彼の勢いは止らず、続けて50cmUPを釣り上げた。一方、私は岸に背を向け、沖に向ってLV-MAX500をキャスト。ガラガラとリトリーブし、30cmの小バラを追加した。

クロコダイル注意看板 7KB その後、テリーは移動した先のユーカリの大木が沈むエリアで豪州製ウッドルアーのリーズルアーを使い60cmのバラをキャッチ。私はサミー115LV-MAX500で2匹逃した。気温は28℃を超え、朝方の冷え込みは嘘のよう。気温が上がるに従い魚の活性が一気に高まったようだが、ポイントさえ絞り込めていればトップでもボトムでもルアーに反応する状況に、どちらをメインにすべきか戸惑ってしまう。

 午後1時半にキャンプサイトへ戻り、テリーの奥さんの手作りコンビーフとトマトのスライスをパンに挟んでサンドウィッチを作る。豪州コーラをグビグビと飲みながら、日本から持参した小袋のあられを開けてテリーに勧める。彼は黒いノリが余り好きではないようだが、「ジャパニーズ・テイスト〜」なんて言いながら、あられに手を伸ばす。一服してから午後の部をスタート。ボートを出すには炎天下で暑すぎるので、暫くは木陰になっている岸から竿を振る事にした。岸際には「クロコダイル注意」の看板が設置されている。泳ぐ事はもってのほか。水際で釣りをすることも危険行為なのである。周囲に気を配り、なるべく岸際に立たないよう注意しながらキャストを開始した。

 テリーはエサ・セブンシャッドラップSR7)でバラ、マウスオールマイティー、鉄砲魚、ナマズの幼魚を乱獲。どんな風に釣っているのか彼の様子をチェックすると、岸際に密生しているウィードのポケット(穴)に小型のルアーを撃ち込み、トウィッチをしている。バイトするのは、イレギュラーアクション後にゆっくり浮き上がる瞬間。ボートの釣りでも同じなのだが、トウィッチ後の動きが実はキモだったりする。ポーズの取り方で釣果が大きく違うのは、ここにポイントがあるのだ。私は浮力の強い大きめなルアーしか持ってこなかったので、ポケットの中に潜んでいる魚達には見向きもされない。彼に豪州製ウッドルアーのティルサンを借りてウィードの穴を丁寧に狙い撃っていると、小バラが突ついたがフッキングには至らなかった。

〜 ルアーをサイズダウン 〜


テリー&バラ 陽射しが傾いた午後3時にボートを出し、立ち木が並ぶ”クリスマスツリーポイント”へ直行。ここで実績のあるルアーを次々と試したが反応がない。思い切ってルアーをサイズダウンし、ハードコアSH60SPを試してみる。この狙いはズバリ的中し、即座に50cmのバラが飛び出した。相変わらずこのエリアにはお腹を空かせた魚が潜んでいる事が判ったので、ハードコアSH60SPのトウィッチでボートの周囲をぐるっと攻める。すると今度は25cmの小バラがヒットした。余談だが、過去にハードコアシリーズは数種類発売されたが、個人的にはSH60SPが最も使えるルアーだと思っている。最近は店頭から姿が消え、寂しい限りだ。豪州のガイド達はこのルアーを始めて見た際、皆さん顔がニヤけたのを思い出す。ハードコアというネーミングが日本人が思う以上に、エロい響きがあるようだ。

 小型のルアーに反応している様子を見て、テリーもルアーサイズを大幅に下げテールダンサー(TD7)を取り出す。キャスト直後にトウィッチを始めたとたん、バラマンディがルアーを引ったくり目前で猛ファイトを繰り広げた。その力強さから70cmUPは確実かと思いきや、ボートに引き上げ計ってみると64cm。長さはなかったが体高があり、肉厚の立派な魚だった。続いて彼は55cmのバラもキャッチ。数匹釣った事により、このエリアに潜むの魚の活性が高まったようで、結構良いサイズが出始めた。私はルアーをテールダンサー(TD9)に交換。トウィッチをした後に、数秒のポーズを取るとルアーを引っ手繰られた。激しくエラ洗いをしたバラは確実に60cmUP。立ち木の中に潜られないよう慎重に対処したのだがフックオフ。ルアーを回収しフックを見ると、カルティバST46はあっさりと伸ばされていた。やはりフックはST56クラス以上じゃないと、豪州遠征では安心できない。その後、35cmのターポンを追加しこのポイントを後にした。

〜 タックル談議 〜


テリー&バラ 6KB 午後4時過ぎ、温存してあった”パッピークリーク”へ突入。昨日はクリーク入り口近くの方が魚の密度が高かったため、静かに進入し丁寧なキャストを始めた。開始早々にテリーが中国製コピールアーのショアキャッチで55cmのバラを仕留める。ふと岸際を見ると何かがガサガサと動いている。良く見るとメーターオーバーのイグアナ。近くにはクロコダイルの寝床もあった。船底を擦りつつ倒木群を乗り越え、頭上から垂れ下がる蟻だらけのツタ類を掻き分けて怪しげな雰囲気が漂うクリーク奥深くへボートを進める。昨日、魚が潜んでいた倒木やブッシュ周りを丁寧に攻めるが、何故か今日は無反応。相変わらず最奥部は水が死んでいるようなので、狭いクリークの中で強引にUターン。帰路は攻めきれていないブッシュに角度を変えてルアーを通す。しかし、反応はなくギブアップ。薄暗く沈黙したクリークを後にした。

 本流へ戻り、タックル談議をしながらキャストを繰り替えす。やはり話題は私が持ってきた最新機種のアンタレスDC7。ミラクルジムこと村田氏は「これからはハイギアリールが世界基準になる」と述べていたが、ギア比7.0の非力なリールは巻き抵抗の大きなクランキングには向かず、ビックワンとのファイトも気になるところ。その昔、ハイギアリールが一時注目された時代があったが、広くは受け入れられず消えていった経緯もある。私のタックルを暫く使ったテリーの感想は、「6ft以上のロッドでポッパーなど引き抵抗の少ないトップ系のルアーを使うのが良いだろう」とのこと。私の頭の中の整理では、最もオールマイティーに使え、長時間使っても疲れないのがアンタレスAR。巻き着心地が気持ち良くとてもスムーズなのだが、リール高がやや高く長時間の使用では少し疲れやすいのがコンクエスト100。スプールの回転がピーキーで多少扱いにくいが、ソルトでの大物狙いに安心なのがアンタレスver2。コストパフォーマンスに優れるのが往年のカルカッタ200ってところ。

 彼がメインに使っているタックルは、G.Loomis GL3 C742-Bと日本人客からプレゼントされたコンクエスト250DCの組み合わせ。彼は「DCシステムはいらないので、ソルト対応のコンクエストが欲しい」と話す。因みに豪州でのG.Loomisの評価は非常に高く、有名プロの多くが使用しており、雑誌も頻繁に紹介されている。軽くて扱いやすく、丈夫で非常に粘りがある事がポイントらしい。日本ではティファが輸入代理店として販売していたが、近年やめてしまったようで残念だ。

〜 やっぱりOZビーフ 〜


 午後5時半、シャッドラップで50cmのバラをキャッチ。同時にテリーもチェリーブラッドを使い同サイズをヒットさせたがフックオフ。周囲を探っていると再び彼のルアーにバラマンディがヒットしたがファイト中にフックオフした。午後6時に納竿。腹ペコだったので、大急ぎで夕食の準備をする。今宵は豪州産の赤ワインを飲みながらのステーキ。「オーストラリアへ来たからにはOZビーフを食べなきゃ」って感じで牛肉にかぶりつく。日本の牛と違い、牧場という名の荒れ地に放牧されているため肉質は硬め。おまけにテリーがキッチリと焼いて脂を落としたので噛みごたえのあるステーキだった。

 付け合わせはブロッコリー、ポテト、ニンジンとオレンジ色をしたスイートポテトの温野菜。日本人なのでやはり銀シャリ御飯が食べたいのだが、こちらでは米は食べず肉と野菜をひたすら食べるだけ。デザートはしっとりとしたプラムケーキに、たっぷりとカスタードクリームを掛けていただく。満腹でほろ酔い気分。川の水を焚き火で温め、温水シャワーを浴びる。夜風が冷たく、裸でいると寒さも感じるため直ぐにシュラフへ潜り込み午後9時前には就寝した。

4日目の釣果結果

TOSHI

TERRY

バラマンディ



鉄砲魚



ターポン



ナマズ



マウスオールマイティー





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