豪州バラマンディ・フィッシング]V
青い目のバラマンディを再捕獲


グリーンアイ バラマンディ 4KB
希少青い目のバラマンディ


擬似餌の玉手箱>豪州バラマンディ・フィッシング>'07/2遠征

'07/2/15(木)タリーリバー、16(金)ケアンズ

〜 グリーンだよぉ 〜


キリンビール 8KB 朝、5時15分に起床。昨晩、テリーは遅くまで親戚達と入院中のオヤジさんのことで電話でやり取りをしていたらしい。私は半ば遠征の中止を腹の中で決めていたのだが、テリーは予定どおり出発するぞと言う。空模様を眺めた時、雲行きが怪しかったが、朝食中に雨がバラバラと降り始めた。朝から雨が降っていれば、確実にパッキングをし、それなりの覚悟で釣行できるので気分的には楽。昨日より30分早い午前6時、ワイパーをハイスピードに設定して南に向って走り出した。

 本日チャレンジする場所はタリーリバー。車中では、恒例の潮位確認。満潮が朝8時で潮位が3.1m、干潮が午後2時で潮位が1.1m。6時間で2mの高低差が出てくる。潮位が高いうちに上流部を攻め、徐々に釣り下る作戦を取ることにした。砂糖キビの精製工場があるバビンダを通過した頃から雨が上がり、晴れ間が広がった。雨のお陰で埃が落ち、牧場や畑の緑が鮮明になり目に飛び込んでくる。その景色を見て思わず「グリーンだよぉ〜」と叫ぶ。突然、私が意味不明な言葉を発したので、テリーが怪訝な顔をして「トシ、どうしたんだ?」と尋ねてくる。そこで、日本のビールのCMで使われている流行語であることを説明。これを理解した彼は、ことある毎に「グリーンだよぉ〜」と叫び始めた。

〜 厳しいガイド業 〜


OZマガジン 7KB 午前7時20分にジャングルパーチが沢山生息しているラッセルリバーを通過。続いて、ジョンソンリバーの水色を横目でチェックして走り去る。車中ではお互いの仕事についてアレコレと話をする。彼はガイド業をやって18年。朝が早くて帰りが遅い釣りガイトの仕事を始めた頃は、家のことを一切任される奥さんのマリアさんの機嫌が度々悪くなったそうだ。子育ての真っ最中だった頃は、買い物にも行けず、友達と遊びにも行けず相当ストレスが溜まっていたに違いない。これまでのガイドでは、幸い大きな事故などは経験していないが、一番のトラブルは「客が1匹も釣れないこと」だと言う。因みに昨年は200日以上釣行して、完全ノーフィッシュが2回あったらしい。テクニックがなくても釣れる時は簡単に釣れるのだが、どんなに釣りが上手な人をガイドしても釣れない時がある。釣りは自然相手だから、ボウズはどうしようもないのだが、高いお金を払う客としては納得できない時もあるだろう。

 アメリカや欧州からやってくる釣り人は、デカバラを両手で抱きかかえて釣り人が笑っている写真を示し、テクニックがないにもかかわらず「デカバラを釣らせろ」と無理を言うようだ。中国などのアジア系は釣ることを楽しむというより、釣った魚を食べることに重きを置いている様子。必ず釣った魚が旨いかどうかを聞いてくるらしい(笑)。日本人は温厚でマナーが良いという評価。多くの人が「ぎじたま」を読んでくるので予備知識があり、一日楽しく過ごせると言う。しかしその一方で、誰もが簡単にバラマンディが釣れると思い込んでいる傾向があって困ると言う。「バラマンディはそんな簡単に釣れる魚ではないことを伝えてくれ」と彼から頼まれた。当サイトが誤った認識を読者に植え付けているかもしれず、これについては申し訳なく思う。98年4月の初遠征から数えること13回。豪州に済んでいる釣り人にはとても叶わないが、日本にいる時も絶えず、バラを釣るためのイメージトレーニングをしているわけで、積み重ねた経験ってものがある。魚の数を伸ばすには、やはりこの経験値が物を言うと思う。メーターオーバーが釣れるかどうかは、経験よりも運の方がウエイトが大きいかもしれないが・・・。

〜 タリーリバーへ到着 〜


タリリバーボートランプ 4KB 観光客に人気のあるミッションビーチへ向う交差点を通過し、タリーの街を横目で見ながら一目散にタリーリバーへ向う。遠征釣行最終日を飾る釣りができるようにと、指と腕、足まで使ってクロスを作り、神様に祈りをささげる。2時間半のロングドライブで到着した川は、額に皺を寄せたくなるほど濁っていた。しかし、ワザワザここまで来たのだから、釣りをするしかないと腹をくくる。ボートランプはフカフカした砂が堆積した砂浜。ここは丁度1年前に大スタックした嫌な思い出がある場所だ。現時点は満潮なので容易にボートを降ろすことができるのだが、戻ってくる頃は水位が上がりきっておらず苦労することが容易に予想できた。2mの水位差はとても大きいのである。

 取り敢えず予定どおりに上流へ向う。水温は24℃で高温を好むバラマンディには少し低い感じ。ボートを進めて直ぐに鉄橋が目の前に出現。バックシートを外してエンジン高ギリギリのところを、身をかがめて慎重に潜り抜ける。橋をくぐった直ぐ右側に小川が流れ込むポイントがある。TDポッパーを試すとJPがバイトしたがフックオフ。エサ7シャッドラップ7)で探りを入れるとバラマンディが2回チェイスしてきた。今のところは余り深追いはせず、ボートを上流に進める。ツバメが飛び交うブルースハイウェイの橋と鉄道の橋を次々に潜り抜ける。チョコレート色をした小川の合流点で小魚のライズを発見。ラージシケーダの表層テロテロ引きにターポンがバイトしたがフッキングには至らなかった。生命感のあるポイントには、必ずルアーに反応する魚がいるハズ。続いてエサ7を投入し、トウィッチすると案の定、34cmの小バラが食ってきた。バックシートでアレコレとルアーを試していたテリーの方は、マンズS5+で小バラのバイトを1回取ったのみ。

〜 青い目のバラを再捕獲 〜


タリリバーの橋くぐり 4KB 大した雨が降ったわけでもないのにタリーリバーが濁っている理由を聞くと、川の両側に広大なサトウキビ畑が広がっているからだと言う。農場から流れ出る水は茶色く濁っており、時として農薬も含んでいるからタチが悪い。場合によっては魚が完全に沈黙するから怖いのである。兎に角、水位が高いうちに上流へ上がり、濁りの少ないエリアを探そうと周囲を注意深く探る。

 午前10時をまわった頃、テリーがアスリートで60cmバラを仕留めた。私の操るアイルマグネットミノーザブラシステムミノーにもチェイスはあるのだが、目前でUターンしてバックリとは食ってこない。何かが違う・・・何となく違和感を感じながら、ティータイムをとり、一服することにした。おやつはフルーツが混ざったシリアルバー。手軽にカロリーとビタミン、植物繊維を補給でき、カロリーメイトのようにパサつき感がないので私のお気に入りだ。近所のスーパーで売っているようなので、土産で買ってかえろうと心に決める。

バラポイント 6KB 10分程でティータイムを終了。今日は曇っているので体力の消耗が少なく、釣っていて体が楽なのである。バラマンディグラスが岬状に伸びているポイントをティルサンで探っていると小バラ(36cm)をキャッチ。釣り上げる際に、他の魚影も見えたのですかさず再投入すると即座にヒット。僅かにサイズアップした程度だったので、一気にゴボウ抜きをしてキャッチする。魚のサイズは44cmで、なんの感動もなかったのだが、目を見てビックリ。思わず「グリーンだよぉ〜!」と叫んでしまった。覗き込む角度によって目の色が青や緑に変化をする、青い目を持つバラマンディだった。青い目のバラマンディにお目に掛かったのはこれで2回目。1回目は2003年9月にヒンチンブルック島近郊で釣った45cm。どうして目が青くなるのかは不明のようだが、遺伝的な変異があるのだろう。タリリバーとヒンチンブルック島は近いので、この一帯に青い目のバラマンディがある程度の数で生息しているのかもしれない。

〜 ショートバイト連発 〜


テリー&バラ 5KB 青い目のバラを釣ったことで神の怒りに触れたのか、キャストコントロールが難しくなるほどの強風が突然吹きまくった。ボートコントロールすら難しく釣りにくいのだが、40cm程のバラとターポンの活性が急上昇。次々とルアーにアタックしてくる。しかし、ミスバイトが続き、キャッチしたのはレギュラーサイズのバラとターポンを各1匹。この場所での高活性状態はそれほど長くは続かず、いつのまにやらパタリと魚の反応が途絶えてしまった。

 上流域は真っ黒な雲で覆われており、私達が竿を振るエリアでも直ぐに雨が降ってきそうな気配になってきた。事前にカッパを着込んで準備万端整えて釣りに集中する。ここまでの釣りで、小川の合流点にバラが集まっていること、40cmほどのバラがルアーに反応するが食いは浅いこと、フックアップした後のファイトに元気がないことが判ってきた。「兎に角、今日は小川の合流点狙いだ!」って感じで、小さな流れ込みや、小川の合流点を見つけてはボートをステイさせて、拾い釣りをする作戦を取る。どのポイントでもバラの姿を見ることができるのだが、何故かショートバイトばかり。

バラヒット 5KB 昼飯を食べる時間を惜しんでラン&ガンを繰り返し、私がエサ9マンズS5+でターポン1匹とバラ2匹を追加、テリーがマンズS5+CCプレデターシュガーディープでターポン1匹、バラ2匹、スーティーグランター1匹をキャッチ。これ以外にミスバイトは数え切れないほどあった。魚の居場所は判っており、ルアーにも反応するのだが、フッキングミスやルアー目前のUターン(通称ウインドーショッピング)が相次ぐ状態に暫く頭を抱える。ミスは私だけでなくテリーも繰り返しているので、単純にテクニックだけの問題ではなさそう。ヒートした頭を少し冷ますため、午後1時半に遅めの昼食を摂った。

〜 発想の転換 〜


 お昼はいつものようにパンにハム、レタス、トマト、玉ネギを挟み、塩、コショウ、マスタードで味を調えたサンドウィッチをパクつく。話題はもっぱら、ショートバイト対策。フックは勿論、新品同様のヤツを使い、ルアーサイズ、トウィッチの回数やポーズのタイミングまでアレコレ考えてみた。魚の反応はちゃんとあるので悲観する必要はない。これが無反応だったら、釣行最終日に気分がガクンと凹んでしまったに違いないが・・・。ここで発想を転換。これまで「何とかして魚に合わせよう」と考え込んでいたが、「自分達のルアーに反応する魚を拾い釣りすればイイじゃん!」って感じで開き直ることにした。別にトーナメントに参戦しているわけでもなく、同船者と競い合っているわけでもない。ボートの機動力を存分に使い、自分の技量で釣れる魚だけを釣れば良いのである。ほんのチョット考え方を変えただけで、気持ちが随分楽になった。豪州での釣りを楽しむことを忘れていたことに気がついた。

トシ&バラ 6KB 上流へ向うに従い、放水管や取水塔、階段などマンメイドストラクチャーが増えてきた。これらの場所にも魚がついているかと思いきやルアーには全く反応ない。従って、マンメイドストラクチャーはチェックする場所から切り捨て。小川の流れ込みに狙いを絞ってポイントを探し回る。暫く上流へ上っていくと3人組のボートを1艇発見。見れば賑やかに話をしながらルアー釣りをしている。バラの食いが浅かったのは、彼らが原因だったのか?ここで私達はUターンすることを決め、来た時に魚の反応が良かったポイントに立ち寄りながら、釣り下ることにした。

 バラのストックが最も多いと思われる小川が流れ込む小さなワンドにボートをステイさせる。開始2投目でエサ8に52cmがヒット。リリースした直後の1投目で、本日初めて見る70cmUPのバラがルアー目前まで来てUターン。これには相当悔しかったので、何とか釣り上げようと、テリーとともにバラが戻っていった辺りを集中爆撃。しかし、エサ8を咥えたのは45cm。バックシートで竿を振っていたテリーも中国製の怪しげなディープタイプのミノーで同サイズをキャッチした。デカバラよりも若いバラの方が活性が高く、先にルアーに反応してしまう様子。ルアーサイズを上げてみると、全体的にルアーへの反応が低下してしまうので、エサ8で押し通す。

〜 砂浜で大スタック 〜


陸っぱりテリー 6KB 更に下流へ下りながら、小川の流れ込みをチェックする。エサ8で55cmと58cmを連発し気を良くしてキャストを続ける。ボートを流していると、ウィードの上にいた青首の大型鳥ジャバルーが見事にウナギを仕留め、なんとかして飲み込もうと苦労している様子を目撃。鳥も大きいが、くちばしに挟んだウナギもデカイ。こんな奴等が生息できる豪州の自然の懐の大きさに改めて感動する。近くにボートでは入れないクリークがあったので、岸に上陸して竿を振る。テリーがロングAで1バイト、私のザブラシステムミノーにもバイトがあったがフッキングには至らずこの場から退散。

 ウィードから出たり入ったりしてウインドーショッピングを繰り返す小バラをなんとか釣り上げようと、テリーと2人で夢中になってしまったが、気がつけば時計が午後4時を示す。私達にはケアンズまで長い道のりがあるだけでなく、砂浜地獄のボートランプを攻略しなければならない。エンジン全開で川を下る。ボート高ギリギリの鉄橋を慎重に潜り抜け、ボートランプに到着したが、そこは単なる砂浜のビーチが広がっていた。昨年と同様、直ぐに船底が川床につき、前に進めなくなりスタック。すぐさまボートから飛び降りて、ザバザバと水を掻き分けながらクソ重いボートを引きずる。人力で引っ張れるところまで引っ張って、台車を牽引したニッサンサファリをバックさせる。ボートまで台車を近づけることができれば良いのだが、砂が深くて立ち往生。ボートを積んでないのに車がスタックするようでは、とてもボートを積み込むことなんかできない。

タリリバーボートランプ 4KB ビーチを2人で隈なく歩き、硬くてしっかり砂が締まっている場所を探して車を駐車。汗だくになりながらボートを移動させ、車と台車、ボートが一直線になるように配置する。長いロープで台車とボートを繋ぎ、車を前進させてボートを引きずり上げることにした。テリーがアクセルを踏み込み、勢い良く車を発進させると、物凄い音と共に太いロープが負荷に耐えられず破断した。

 僅かではあったがボートが岸へ上がってきたので、今度は台車に設置してある手巻きウインチのワイヤーを最大限に伸ばしてボートにセット。渾身の力を込めてウインチのハンドルを回しながら少しずつ巻き上げてボートを引き上げる。やっとの思いでボートの積み込みが完了。およそ1時間、砂浜との格闘を繰り広げグッタリしてしまった。

〜 日本へ向って 〜


タックルショップ 7KB タリーリバーのボートランプからケアンズまでは、およそ160km。来る時は雨の影響もあって2時間半ほど掛かったが、帰りは順調に走って2時間弱で到着。夕食はスパゲティで手早く済ませて、近所のウールワースへ買い物へ出掛ける。職場や友人達へのお土産に大量のティムタムやシリアルバー、ミントキャンディーを山ほど購入(総重量3kg以上)。レジでは身のこなしが女性っぽい小太りのお兄ちゃんから、「チョコレートボ〜イ」と甘い声で呼ばれ、熱い視線で見つめられた。これにはさすがの私も背筋がゾッとしたが、思わず「サンキュ〜」と口走った自分が悲しかった。

 帰宅後は荷物を整理してキッチリとパッキングし、帰国の準備をする。お世話になったテリーにはルアーをアレコレと選んでプレゼントし、午後11時にベットイン。翌朝6時半、ワライカワセミのけたたましい鳴き声で起床。窓を開けて寝たら肌寒く、明け方はブランケットにくるまるほどだった。朝食はマンゴーやパパイヤのドライフルーツが入ったシリアルを食べ、荷物を全て車に積み込みタックルショップへ向う。昨年も帰国時に立ち寄った釣具店だが、店名が「ケアンズ・タックル&ベイト」から「タックルワールド・ケアンズ」に変わっていた。取扱う商品はエサ釣りからトローリング用品まで豊富に揃っている。昨年に比べ日本製と中国製のルアーが随分増えてきている。勿論、日本で良く見るラパラやストームなどのブランドも置かれ、奇妙キテレツ、極彩色の豪州製ルアーのシェアがどんどん減っているのがとても寂しく感じる。

カンタスエアライン 4KB ケアンズ空港に向う途中、テリーの旧宅に立ち寄り、息子のライアン君に挨拶をする。ここでテリーからIM6のブランクで作ったハンドメイドのロッドをプレゼントされた。長さは6ft程度。全体的に柔らかいけれども粘りがあるヤツ。ティップを持ってグッと曲げても折れないという凄さ。「豪州の釣りでは柔らかすぎ。日本のバス釣りに使ってくれ」と言う。ありがたく頂き、大切にパッキングしてバズーカに仕舞い込む。

 カンタスのボーディングタイムは12時だったが、9時半過ぎには空港に到着。テリーと固い握手を交わし、再会の約束をして別れる。ここからは日本の我が家に向けての一人旅。団体客が入る前に、タイミングよく出国手続きを済ませ、免税店をブラブラ見ながら時間を潰す。空港内の本屋では釣りの雑誌も取扱っているため、アレコレ見繕って購入。エアコンの故障で20分程、離陸が遅れた機内で6日間の釣行を思い出しながら、釣り雑誌をパラパラめくって次の遠征計画を頭に描き始めた。

Terry's message

February 2007 was very hot , But Toshi & Terry caught 80 Barramundi , too many rats ! We hope they will size up next year , goo luck see you in September .


6日目の釣果結果

TOSHI

TERRY

バラマンディ

11


スーティーグランター



ターポン





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