オーストラリア国旗 2KB

バラマンディ・フィッシング]Z
何処に行く?

朝食 5KB
朝食はミルクたっぷりのシリアルと紅茶


擬似餌の玉手箱>豪州バラマンディ・フィッシング>'10/12遠征


'10/12/16(木)

〜 何処に行く? 〜


ジョンソンリバー 5KB まだ薄暗い早朝から野鳥達の大きな鳴き声で目が覚める。日が昇り始めると今度はセミの鳴き声で騒がしくなった。シリアルを食べながらテリーと本日のプランについて話をする。豪州釣行3日目となる今日は、当初の予定だとKoombooloombaダムで、巨大バラマンディとスーティーグランターを釣りに行く予定。しかし、天候が危ぶまれ、道路状態にも不安があったため中止。2日連続デントリーリバーに挑戦という選択肢もあったが、今後の事も考えてケアンズの南にあるジョンソンリバー方面へ足を伸ばすことにした。ジョンソンリバーはケアンズから約1時間程のところにある大きな河川。魚種が豊富で、バラマンディ以外にも色々釣れてオーストラリアでの釣りを手軽に満喫できる楽しい場所なのである。

 午前6時半、ケアンズを出てひたすら世界最長の国道と言われるブルースハイウェーを南下する。山際には霧が立ち込め、道路の両脇にある畑ではサトウキビが青々と育っていた。本来、今の時期はライチの収穫時期らしいが、花の咲きが悪くて着果量が少ないらしい。私の大好物であるマンゴーも今年は雨が多過ぎて不作とのこと。テリーと話をしていると、とかく雨が多いという話になりがち。それぐらい今シーズンは雨が多く、釣りをする条件は厳しいみたいだ。ジョンソンリバーに向う途中、幾つかの河川を通過するが何処も濁りがキツイ。

 煙突から白い水蒸気をモクモクと排出しているサトウキビの製糖工場があるバビンダを通過。そろそろノース・ジョンソンリバーに架かる橋を渡る頃。橋の手前でスピードを落とし、川を覗き込むと、ビックリするほど真っ茶色。そのまま暫く車を走らせて、サウス・ジョンソンリバーの水色も確認したが、こちらは茶色を通り越して真っ赤に見える程の酷い有様。道路横のバナナ畑の排水溝からは赤い水が流れ出ているのが良く見え、トラクターで耕したばかりのサトウキビ畑もチラホラ見える。前夜の降雨により、畑の赤土が河川へ大量に流れ込んでいるようだ。

 テリーの話によると、近年、流域の畑地化が急激に進み、土壌が流出しやすく濁って釣りが出来ない回数が増えているらしい。オーストラリアの農業は日本に比べ、経営規模が遥かに大きいのが特徴。大型機械や飛行機を使って一気に作業を進めるため、周辺環境への影響が大きいに違いない。Google Earthで確認すると、流域はパズルのように農地が組み込まれているのが良く判る。1区画の大きさは、一体どれくらいあるのだろう。濁りの原因はともあれ、私たちは何処に行くべきか・・・国道脇の空きスペースに車を寄せて暫し考えた。

〜 マグレブリバーへUターン 〜


マグレブリバー 4KB デントリーリバーは濁っても何とかなるのだが、ジョンソンリバーの濁りがキツイ時は、無理して竿を振っても釣果が期待出来ない。検討した結果、サイズは期待できないがスーティーグランターの数釣りが楽しめるマグレブリバーにボートを浮かべる事にした。ハイウェーをUターンし、今来た道をひたすら戻る。途中、シルバーグレーの4WD車が路肩に留まっていたので、「あの車は故障してるのかな!?」とテリーに聞いてみると、車内でスピードカメラを使って速度違反を取り締まっているポリスだと言う。パッと見ただけでは取締り中の警察関係車両には全く見えないのがちょっとズルイ気がする。先程、真っ赤なスポーツカータイプのパトカーを見たばかりなので、違反車を集中的に取り締まっていたのかもしれない。

 午前8時半、バビンダのサトウキビ製糖工場近くの交差点を右折して少し走ると、マグレブリバーのボートランプに到着。ジョンソンリバーより濁りは若干軽いものの、とても喜べるような状況ではない。この河川では、魚のサイズに合わせた小さめなポッパーやミノーが主体。とりあえずスピニングタックルにはTDポッパーSWを結び、ベイトタックルにはアスリート・クイックレスポンスをセットした。

バラマンディ 6KB 暫くボートを走らせ、ウィードエリアにボートをとめる。「複雑な流れヨレとウィードのエッジがバラマンディの潜んでいる場所だ」とテリーから説明を受ける。小さなポイントなのでルアーを引っ掛けないように十分注意してキャストを開始。直ぐにテリーの竿が激しく曲がった。直後に水面が割れてバラマンディが激しくエラ荒い。やはりファーストフィッシュはガイドが釣り上げる。新色である鮎カラーのB52をスッポリ吸い込んでいたのは色黒の55cm。ファイトしている際に他の魚の姿も見えたため、彼がヒットさせたポイントにすかさずアスリートを打ち込む。何度かコースを変えてリトリーブしたが反応がない。

 アスリートに続いてK2F122リップライザー130を試すが不発。私の場所からは水中に沈んでいるウィードが見にくかったので、船尾エンジンの上にあるバックシート上に仁王立ちになってピンポイントを狙う。テリーが「オレのルアーを使ってみろ」と言いながら、先程バラマンディを釣った鮎カラーのB52を貸してくれた。人様の当たり針を借りてまで釣りをするのは好きではないのだが、彼の掛け声に合わせてトウィッチとポーズを繰り返すといきなり爆裂ヒット。使うルアーとアクションの付け方の違いで、魚の反応がこうも違うのかと驚くばかり。アドバイスを受けながら、ウィードに潜られないように注意して強引に寄せたまでは良かったが、ボート際でフックオフ。サイズは目測で50cmUPだった。

 〜 今日はボウズかも 〜


排水パイプ 5KB 大口径の排水パイプから大量の水が流れ出しているポイントに到着。以前はこんな立派な排水管ではなく、近年整備された物。ここは流れがあり、水深もあって、直ぐ横には木々が茂って日陰がある。いかにも魚が潜んでいそうな一級ポイントに見えるので、少し時間を掛けて探りを入れる。試してみたのは、税別で4,500円もするオグル。キャストしてからカウントダウン。流れに馴染ませてから軽くトウィッチを入れたり、スローに引いてみたりとアレコレ試すが反応はない。アカメ攻略で話題となったこのルアー。バラマンデイが釣れたらさぞやカッコイイだろうと以前からチョクチョク試しているのだが、釣れたためしがない。成功体験がないので自信を持って使えず、結局ボックスの奥に仕舞い込んだ。

 続いて狙ったポイントは、小さなクリークの合流点。20〜30cmの魚が群れているので、Dコンタクトを取り出し小刻みなトウィッチで誘ってみる。しかし、ルアーが近づくと魚は散ってしまう。ジャングルパーチかスーティーグランターかと思っていたのだが、近づいて見るとテラピアの群れだった。テラピアはここ数年、近隣の河川で異常に増殖し、生息域がバッティングしている在来魚を脅かしている。親が子育てをする魚なので生存率が高く、あっと言う間に広がるようだ。豪州政府が、"ペスト・フィッシュ"と呼んで持ち込みや持ち出しによる拡散を禁止しているが、その効果は現れていないように見える。

風景 3KB 午前10時半過ぎ、木陰でティータイム。これまで釣れた魚はテリーが釣ったバラマンディ1匹のみ。ボソッと彼が「今日、トシはボウズかも」と冗談なのか、マジなのか判らない口調でつぶやく。ちょっと気にしていた時に、この一言はキツイ。「えええぇぇぇぇ〜」と顔を引きつらせながら、声を上げるしかなかった。20分程休んだ後、上流へボートを進める。テリーがスゴイスプラッシュでスーティーグランターのタイプU(赤目)をキャッチ。表層は彼に任せて、私は蝦夷ミノークレイジークレイドルを使い水中を探っていたが全くアタリがなかった。

 ポッパーに反応する魚がいるならと、すかさずTDポッパーSWに交換しポッピングをするが無反応。「TDポッパーSWではちょっと刺激が強過ぎるから」とガイドが差し出したのがスゴイスプラッシュ。彼は適当にポッパーを選んで使っているのではなく、ポップ音やスプラッシュの程度によってしっかり使い分けているのであった。「このルアーはいいぞ」とテリーは言うが、そもそもこのルアーは、随分昔にTDポッパーと共に私が彼に紹介したルアーではないか。それ以前は、「ポップRが最高だ」と言っていたガイド達が、こぞって「スゴイポップは凄い」だの、「TDポップは最高だ」と言い出した経過は忘れていない。

 〜 テリーのシークレットポイント 〜


シークレットポイント 6KB 彼が差し出してくれたスゴイスプラッシュを試してみると、直ぐに反応があって1バイト。更に岸際を撃っているとジャングルパーチ(23cm)が飛び出した。これで目出度くボウズなし。前方に見える富士山を想わせる山に向ってボートを進めながら、とにかくポッパーを撃ちまくる。岸際のブッシュから魚がルアーを追って出てきて途中でUターンする事が多々あったが、それでも2人でスーティーグランターをポツポツと拾い釣りする。

 小さなクリークに入り岸にボートを付け、ポッパーをぶら下げた竿を1本持って陸に上がる。ここからはテリーのシークレットポイントに御招待。チャラ瀬を上がり、薄暗いクリークの入り口に立つ。フルキャストしろとの指示に従い、訳もわからず暗闇にキャスト。ポッピングすると、直ぐに水面が割れ白い飛沫が飛んだ。フッキングには至らなかったため、再び同じ場所にキャストすると狙いどおりにヒット。小さいスーティーグランターがポッパーを咥えていた。

シークレットポイント 6KB 目が慣れてきて気が付いたが、ここは綺麗な水を湛えた淵になっており、水浴が出来るような場所だった。水底には岩があったり、ウィードが繁茂していたりと素敵な場所。さらに大木の太い枝から、ターザン遊び用のロープが垂れ下がっていた。「全然、シークレットポイントじゃないじゃん!!」とテリーに突っ込みを入れる。

 岸際に立ち水中をじっと見ていると、魚達が木々の下に集まっている場所を発見。テリーが指差した樹上には鳥の巣があり、魚はここから落ちてくる木の実や糞を狙っている様子。ちょっとフライ気味にスゴイスプラッシュをキャストして水面にポトンと落とすと、魚が反応。しかし、集まっている魚が小さ過ぎ、ルアーを咥えるまでに至らない。借りたスゴイスプラッシュは、御自慢のフェザーが付いていなかったが、純正のフサフサしたフェザーが付いていたら、魚達はもっとアグレッシブだったかもしれない。

 〜 やっぱりトップは最高 〜


昼食 5KB ボートに戻り、更に上流へと向う。テリーがスゴイスプラッシュから変えた小さなポッパーに魚達が好反応。釣れる魚のサイズがどれも小さかったので、「小型のミノーやリップレスミノーを使えば根こそぎ釣っちゃうかも〜」とスケベ心満点で試してみる。Dコンタクト蝦夷ミノーユラメキを岸際に打ち込み、スローリトリーブや軽くトウィッチして魚の反応をみたが、コツリともアタリはない。余りにも反応が違うので、彼に使っているルアーを見せてもらった。手に取ると、カップ形状はオチョボ口、お腹にスリット状の溝が入ったゲンゴロウみたいな形。これまで見たこともないポッパーだった。ルアー名とメーカーを聞いたが、良く判らないが中国製だという。「価格が安くて、良く釣れるぞ」と自慢する。

 試しに使ってみると1投目で20cmのスーティーグランターをキャッチ。直ぐにリリースしてキャストを再開すると、あっと言う間に同サイズを2匹立て続けにキャッチ。これ以外にもバイトは連発するのだが、フッキングミスが相次ぐ。多分、扁平なボディ形状が原因に違いない。ここ数年、中国製だからと言って馬鹿に出来ない物が次々と登場しているのは事実。これだけ簡単に数釣りができるルアーなら、ケアンズ近郊の釣具店ではきっと定番の商品になるだろう。

スーティーグランター 5KB 午後1時、木陰でランチ。パンにレタストとトマト、ハムやツナ缶をはさんでパクつく。食後は雑談をしながらルアーの整理をする。午後は、大きめなサイズのミノーが一切不要な様子な感じなのでポッパー数個とクランクベイト1個だけを残して他は全部片付けた。スタートは3Dポッパー。開始早々から小型のバラマンディらしき銀色の魚が飛び出した。確実にルアーを咥えたがフックオフ。直ぐに周囲を撃ち直したが釣れたのはスーティーグランター。その後、バイトが相次ぐが、何故かパックリ咥えないのでルアーチェンジ。可愛らしいピンク色のポッピーを取り出した。今回初めて使うスカジットデザインズのポッパーなのでテリーと2人で動きをチェック。

 軽くキャストしてポッピングしてみる。イマイチな感じなので再びキャストしなおして、力加減を調整。丁寧にポッピングしてみるが、どうにもシックリこない。これを見ていたテリーがバックシートから、「前後のフックを両方ともサイズダウンしろ」とアドバイスをしてくれた。さっそく使わないルアーからフックを移植し、試してみると見違えるように変身。そして、いきなりスーティーグランターが飛び出した。これをきっかけに、ポッピーで20〜25cmのスーティーグランターが入れ食い状態。とにかく、次から次へと魚が出る。これらの殆どがタイプTと呼んでいる一般的なグランター。しかし、1匹(33cm)だけ、唇の分厚いタイプWが混ざっていた。

 〜 やめられない、とまらない 〜


崩壊橋 4KB 午前中は極めて魚の反応が悪く、今日はボウズを覚悟したほどだった。しかし、昼食後は全く別の河川で竿を振っているかのように、魚の反応が良く入れ食い。完全に漁師モードに突入し、キャスト、ポッピング、ヒット&キャッチ、リリースを精度の高いマシーンの様に淡々と繰り返す。もう、やめられない、とまらないのかっぱえびせん状態になった。魚はみんなスーテイーグランターで、滅多に姿を見ることが出来ない体の体色が一部白く変化したアルビノがルアーを追い掛けるのも確認できた。一体何が変わったのか判らないのだが、この極端な変化には驚かされる。もちろん、使っているポッピーが扱いやすく、ピンポイントにビシビシとキャストが決まり、魚を引き出しやすい事もあるのだが、テリーが使う怪しげな中国製ポッパーにも良く反応している。試しにグリフォンMR-Xを試したが、かろうじて2匹釣ったにとどまり、水中系よりも水上系ルアーの効果が光っていた。

 午後3時過ぎ、帰りの時間を考慮しUターン。ポッパーに反応が良く手を休めずキャストしまくっていたのだが、同じくやめられない、とまらない現象が起きていた。それは生理現象であるオナラ・・・。過去の遠征でも毎回経験しているのだが、不思議なことに渡豪後2〜3日経つと釣りの最中にオナラばかり出るようになる。日本にいる時は毎日、ヤクルトやヨーグルトを食べているが、オーストラリアではその習慣がパタリと途絶え腸内環境がガラリと変わるからなのか?それとも、こちらに来てから毎朝、シリアルをたっぷり食べるから?もしくは、釣行中の水分補給として飲み慣れない炭酸飲料をガブ飲みするからなのだろうか?そのどれもが、原因として当てはまりそうで、また全てがリンクしているのかもしれない。水面ではポッパーが醸し出すポップ音、船上では私のお尻から出るオナラの音で賑やかになり、これに被せるようにテリーがナイスサウンドなオナラを響かせる。

マングローブジャック 6KB 川の流れにボートを任せながら、次々と現れるオーバーハング下や、倒木周りにルアーを打ち込んでポッピング。頭上にはワライカワセミがいて、大きな笑い声のような鳴き声を繰り返している。ミスキャストをして枝葉を釣ってしまったり、フッキングミスで魚を逃したりした際、絶妙なタイミングでワライカワセミに鳴かれたりすると、冗談抜きでイラッとする。「あいつらは、絶対にこっちを見てないているんじゃないか!?」とテリーに言うと、「メイ、ビ〜」と笑いながら答えが返ってきた。

 37cmのマングローブジャックを釣った辺りから、ルアーに反応する魚種が増えた。20〜30cmのジャングルパーチが釣れたかと思うと、40cm前後のターポンがルアーを咥えたまま宙を飛ぶ。テリーは中国製ポッパーに飽きたのか、途中からスゴイスプラッシュに変えていたが魚は相変わらず良く反応していた。このまま時間が永遠に続けば良いのに・・・マジにそんな風に考えながら竿を振る。「残り10分だ」と言うテリーの残酷な声に聞こえないふりをして、魚を釣り続ける。結局、予定を10分延長して納竿となった。

 午後6時半、私達の帰宅を待って腹を空かせていたマリアさんとライアン、彼のお兄さんのアシュリーを加え夕食となった。今宵はイタリアやフランスで良く食べられているラビオリ。そして、こんがり焼いてとても良い香りがするハーブトーストとワインをたっぷり頂き幸せ気分に浸る。食後は明日からのヒンチンブルック島3日間釣行のために近所のショッピングセンターに買出しに出掛け、慌しく準備を整え午後10時にベットイン。

3日目の釣果結果

TOSHI

TERRY

バラマンディ


1

スーティーグランター

22

14

ジャングルパーチ

4

1

マングローブジャック

1

1

ターポン

1




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