番外編:沖縄・西表島フィッシング
赤い悪魔マングローブジャック
スギさんの スーパースプーク にMJがドカ〜ン
'15/9/22(火)
〜 朝日を浴びてスイッチON 〜
釣行2日目の朝は午前6時に起床。宿泊している ココナッツビレッジ の前に広がる浜辺を嫁さんと散策し、朝日を浴びてスイッチを入れる。拾う人がいないのか、足元には水族館の売店コーナーで販売しているような大小様々な貝殻やサンゴが沢山落ちており、暫し貝殻拾いに夢中になった。朝食は午前7時半から。メニューはアオブダイの焼き魚と、ゴーヤチャンプルー、ニンジンシリシリ、納豆と卵など。前日同様、御飯は山盛りなので食べ切れるか心配だったが、朝の散歩のお陰かお腹が空いていてパクパクと完食した。
午前9時前、 マリンボックス の宮城さんが可愛らしい車で迎えに来てくれた。ダイビングを楽しむ嫁さんとここで別れ、私は G・Loomis GL2 SJR720 と シマノ・バンタムスコーピオンBSR1603F を握り締め、迎えの車に乗り込む。 マリンボックス まで5分程走って、本日同行するスギさんと合流した。お昼のお弁当は準備してくれてあるので、近所の スーパー星砂 で飲み物をたっぷり買う。離島だけあって商品はどれも少し割高のようだが、今ここにある物しかないので背に腹は変えられない。アチコチにコンビニや自動販売機がある本土とは違うのである。
〜 ザラスプークにドカン 〜
午前9時半に出船。ボートに積み込んだスギさんのタックルは、 ダイワ・ハートランド501 FMB 、 ロベルソン アンバースポット 、 Stalke R トップウォーターロッド に、金色に輝く カルカッタコンクエスト101 と カルカッタコンクエスト51 を組んだ3本。いずれもボート上での取り回しを考えたショートロッドで、トップウォーターを強く意識したタックルだった。「船上ではずっと酒を飲んで、たまに竿を振るくらい」との冗談話を聞いていたが、タックルを拝見するとシッカリと的を絞ったチョイスになっているようだ。さすが西表島釣行20年の経験がタックルにも現れていた。
カヌーが10艇近く浮いている湾を通過し、午前10時前に 仲良川 河口の岩場地帯に到着した。スタートは ベビートーピード をWペラに改造したスウィッシャーから。結構、適当な改造なのだが、実力は豪州遠征で実証済み。ジョボジョボと引いていると、狙いどおりドバンッと出た。しかし、魚のサイズが小さいのか、フッキングには至らない。昨日の釣行では、トップウォーターは嫁さんに任せて、自分はミノーやシャッドを試したが見事に惨敗。今日はその反省を活かし、トップウォータールアーをメインに使って頑張ることにしたのだ。
ボート中央部にどっかりと座って竿を振るスギさんは エクスカリバーフック が付いた ザラスプーク(スーパースクープJr) を使っている。「そんな大きなルアーに出るのか?」と疑問に思っていたが、少ししてドカンと出た。捕食音が派手だった割りに魚が直ぐに寄ってきたので、魚を確認すると20cm程のマングローブジャック。「へぇ〜、 ザラスプーク で釣れるんだ」と驚いていたのも束の間。今度は、 X-80SW で同サイズのマングローブシャックを釣り上げた。スギさんはトップウォーターしか使わないと勝手に思い込んでいたのだが、場所毎にルアーを選んで使っていた。過去の実績を踏まえ、何処でどんなルアーを使うべきなのか、頭の中にインプットされているに違いない。
〜 切り札 極小ポップRの登場 〜
岸際を丁寧に撃っていくと、 ベビートーピード(改) に、次々とマングローブジャックやクロダイの子供達がアタックしてくる。ルアーには果敢に襲い掛かってくるのだが、ボート上から見ていても明らかにサイズが小さくてルアーを食い切れていないのが丸判り。リトルジャック の コイキ に交換すると20cm程のマングローブジャックがパックンチョ。この河川のアベレージサイズは、どうやら昨日釣行した クイラ川 よりやや小さいようだ。続いてヒットしたのはスギさん。ちょっと懐かしい スミス のトップウォーター カクーン で同サイズのマングローブジャック を釣り上げた。
全体的にルアーへ反応する魚が小振りなので、往年の名品、 レーベル の極小サイズ ポップR ( R50 ティーニーポップR )を投入した。このルアーは今回の遠征用にと、ワザワザボックスの中に入れてきたルアー。遠くまで来てボウズだと辛いので、イザとなったらビーチエリアでメッキアジでも狙おうかと思っていたのだ。
このチョイスが大当たりで、マングローブジャック、クロダイ、バラクーダを怒涛のごとく釣りまくった。昨日の釣行で大苦戦したのがウソのよう。小さなポッパーを使えば、笑えるぐらいに魚が反応するのである。切り札を早々と出して正解だった。
スギさんは、私の好調さを見てベビーポップX を取り出し、ポコポコとやりだした。すると直ぐに20cm程のクロダイをキャッチ。小さなサイズの ポップX の存在は知っていたが、実物を見た事がなかったので手に取ってじっくりと拝見する。野池のフローターフィッシングに夢中だった頃、このルアーがあれば小バスやブルーギルを釣りまくっていたに違いない。
午後12時過ぎ、スギさんが RS150 でメッキアジを釣って昼食タイムとなった。今日も御飯とおかずが山盛りのお弁当。プラスチックパッケージに、笑えるほどギュウギュウに詰まっている。熱い地域は体力消耗が激しいので、しっかりと食べないと体を維持できない。お弁当を買い求めるこの地域の人達は、野外で働く人がメインで食欲が旺盛に違いない。
御飯を頬張りながら、アレコレと四方山話をして、20分程で休憩時間を切り上げてキャストを再開した。午前中に引き続き ポップR をポコポコやっていると、今までとは違うバイトがあった。ルアーが吸い込まれたのを確認し、ステラのハンドルを素早く巻いてフックング。40cm程の魚がいきなり水面上に飛び上がった。
細長い魚だったのでアレ・・・?と思っていると、バックシートから「ターポンだ。」と声が上がった。当遠征で初めて掛けた魚だったので慎重に扱ったつもりだったが、ファイトの途中でフックオフ。豪州遠征で度々経験しているのだが、ターポンを釣るのは結構難しいのである。因みに西表島に生息するターポンは、パシフィックターポン。シャローエリアでウェーディングしながら、フライで狙ったらさぞや楽しいに違いない。
〜 ロングAも活躍 〜
極小 ポップR の快進撃は続く。クロダイ2匹を追加した他、30cm前後のマングローブジャックが次々とルアーに襲い掛かった。一方、スギさんは小魚相手に飽きたようでルアーを ロングA(15A) に交換し、サイズアップを狙い始めた。少しして、30cmUPのクロダイを釣り上げた後、"招かれざるお客さん"バラクーダ(50cm)が水面で爆裂バイト。ロッドをギュンギュンと曲げるほど激しく抵抗したが無事にキャッチした。
ガイドをしてくれているヨネちゃんも、雑談をしながら竿を振る。プロペラが付いているルアーに魚が良く反応するということで、 バングオー の スピナーテール のようなスタイルの自作ルアーを投入していた。水面でヨタヨタさせたり、ジュボッと音を立ててダイブさせていると見事にマングローブジャック(35cm)が出た。
ルアーサイズを上げればバイト数は減るが、魚のサイズは上がることを確認。自分もルアーを変えようか迷いながら動画撮影をしていると、スギさんは極小マングローブジャックを ロングA でキャッチした。ここのマングローブジャックはとてもアグレッシブ。スギさんは照れ笑いをしながら、魚をカメラの前に出してくれた。
VIDEO
更なる追加を期待してキャストを重ねていると再びスギさんが ロングA で30cmUPのマングローブジャックをキャッチ。 ロングA は、オーストラリアのバラマンディ釣りで必要不可欠なルアーだが、西表島でもそのポテンシャルを発揮できるようだ。まだまだこのエリアは魚が出そうな感じだったが、観光客を乗せた大型のゴムボートが大波を起こして入って来た。釣り人に配慮して岸際を進んでくれているのだが、これがむしろ良くないのかもしれない。
10人程乗ったボートの行き来で、岸際がすっかり泥濁りになってしまった。この影響でアタリがパタリと途絶えてしまったので、Uターンして塩分濃度が高い下流域に戻ることにした。カヌーやネイチャーウォッチングのツアーが結構この河川に入るらしく、魚が釣れているタイミングで来られてしまうととても興ざめしてしまう。
〜 "酔拳"ならぬ"酔釣" 〜
塩分濃度が高い下流域まで戻り、岸際を狙ってルアーをバンバンと打ち込む。使うルアーは ザラ・パピー 。 ロングA など大きめなミノーを暫く試したが、やはり魚の反応はイマイチなので自然に使うのは小さなルアーになってくる。 ザラ・パピー を岸際にキャストしピコピコと動かしているとドバンッ。マングローブジャックやクロダイが度々ルアーにアタックしてくる。しかし、魚が小さいようでフッキングも決まらない。何度かチャンスを逃した後にキャッチしたのが、25cmのマングローブジャックだった。
ルアーを極小 ポップR に交換し、スピニングタックルでポコポコやっているとバイト連発。やっぱりこのルアーは凄い。シャローエリアでスクールしているような若い魚達にとって、この小さなポッパーは無条件に体が反応してしまうくらい魅力的な存在なのだろう。魚が小さいのでフッキングが難しいのだが、20cm程のクロダイは針に掛かってくる。
時計は午後3時を回り、 オリオンビール をグビグビ飲みながら竿を振っていたスギさんは、用意してきた缶ビールをついに飲みつくした。大自然の中、ビールを飲みながらボートで釣りをするなんて誰もが憧れる贅沢な休日の過ごし方だろう。スギさんは、ビールを飲みながら時々竿を振るのが西表島でのいつものスタイルらしいのだが、ビールが切れると不調に陥り魚のバイトは遠のきキャストミスも出て来た。ジャッキーチェンさんの映画に" 酔拳 "というのがあったが、スギさんの場合は、さしずめ" 酔釣 "とでも言おうか・・・。アルコールが入っていた方が調子は良く、酒が切れてくると歯車が狂ってくるらしい。
〜 やっぱりプロペラルアーもイイね 〜
暫くアタリが遠のいたが、午後4時頃になって魚が動き始めた。スギさんが得意の スーパースプークJr を使いカコ〜ン、カコ〜ンとラトル音を響かせていると、ドカンと水面が割れた。竿をギュンギュンと曲げた魚は30cm程のマングローブジャック。仕留めた後、同ルアーでメッキを追加した。
スギさんが2匹釣り上げた間、私は明日の釣行のためにアレコレとルアーを試しながら魚の反応を伺っていた。水中を攻めるよりもトップの方が反応は良く、魚を釣るのだったら、小型のポッパーがベストチョイス。数は減るが、サイズアップを狙うなら大きめなペンシルベイトが良さそうだ。そして外せないのが、プロペラが付いたスイッシャータイプのルアーになるだろう。
本日の釣行終了間際、ギリギリ最後まで粘って、河口域のロッキーエリアを探った。小さなベイトはチラチラ見えるのだが、ルアーに反応する魚は乏しい。諦めずにキャストをしていると、私の スキッタープロップ にドカンと出た。派手な水しぶきが上がったのでドキドキしながら魚を寄せてくると、チラリと見えた魚体は銀色で細長い・・・。マングローブジャックかと思いきや、バラクーダだった。鋭い歯で、ルアーを壊されないように、ラインを切られないようにと気を配りながら無事にキャッチ。サイズは40cm。本日最後の魚がバラクーダだったことでチョット残念感が残ったが、プロペラルアーの有効性を確認できたのでヨシとしよう。
〜 食べ過ぎだぁ 〜
午後4時45分、帰港。タックル一式を車に積み込み、ひとっ走りして午後5時20分に ココナツビレッジ へ戻った。既に嫁さんはダイビングから帰ってきており、風呂も済ませてくつろいでいた。午後7時に夕食。テーブルに並んだ料理は、地魚グルクンの唐揚げをはじめ、お刺身、地場野菜を使った炒め物や煮物に汁物、そして大盛りの炊き込み御飯が並びボリューム満点。体育会系の合宿をしている学生の食べる量ぐらいあるのだが、どれも美味しいのである。宿泊した部屋はビックリするほどボロいが、食事は満足度が高い。ビールをグビリと飲みながら、「食べ過ぎだぁ」と言っている嫁さんからダイビングの様子を聞く。
参加したダイビングツアーは、彼女が若かりし頃、お世話になったという西表島ミスターサカナ ダイビングサービス 。西表島で30年以上、ダイビングツアーをやっている老舗らしい。今回は、サンゴで作られた" 奇跡の島 "と呼ばれる バラス島 の東のスポットや 仲野沖 のリーフ、 クロミスヘブン に潜ったとのこと。海の透明度は非常に高く、ダイビングには最良の日だったようだ。「一緒に潜れば良かったのにぃ〜」としきりに彼女は私をダイビングに誘う。「地に足が着いていない怖さ」だけでなく、「海水が入ってきたら息が出来なくて、溺れたら怖いじゃん」という明らかにビビリ度120%の理由で丁重にお断りをしている。やっぱり私は、十分空気が吸える場所で、竿を振って魚を釣りたいのである。
釣行2日目の結果
TOSI
SUGI
YONE
バラクーダ
3
1
メッキ
2
クロダイ
5
2
マングローブジャック
8
6
1
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