番外編:沖縄・西表島フィッシング
切り札はポップRとシャッドラップ

マトフエダイ 8KB
ポップRでマトフエダイをキャッチ

擬似餌の玉手箱>豪州バラマンディ・フィッシング>番外編: 沖縄・西表島遠征



'15/9/23(水)
〜 御当地食のスパム 〜


西表ココツビレッジ 8KB 朝6時に起床し、"プライベートビーチ"を散策してのんびり過ごした後、7時30分から朝食。ここで思わず「ええっ???」と聞き直すような事をオーナーから伝えられた。「今日の夕食と明日の朝食は、都合によりありません」とのこと。隣近所にコンビニがあったり、飲食店が沢山あれば心配ないのだが、近隣に店数は少なく、どこも離れていて閉店時間も早い。しかも、最終日は帰りの際にフェリー乗り場まで送迎車で送ってもらえるハズだったのだが、バスを停めて各自で行って欲しいとのこと。バス停が近くにないので聞いてみると、バスが来たら手を上げて停めれば良いらしい。しかし、バスは1日4本しか運行していない。いつ通るか判らないような島のバスを待つ事に、不安を感じざるを得ない。

ボリューム満点の食事 8KB 急用が出来てしまい客の世話が出来ないようだが、「新たな放置プレイのサービスかも!?」と勘ぐってしまうほど。「客商売としてコレで良いのだろうか」と強く疑問に思いつつ、朝からボリューム満点の御飯をパクつく。今朝は野菜の卵とじと焼き魚にスパム、卵焼き、納豆にお味噌汁が付いていた。納豆用に生卵が付いているので卵が随分ダブっている感じがする。これだけ卵を食べれば元気ハツラツなのである。

 焼き魚に添えられていたのがスパム。沖縄方面では、とにかくスパムを良く食べているようで、御当地を代表する食べ物だ。シンプルにスライスした物を食べるだけでなく、おにぎりやハンバーガーの具になっていたり、卵とじや野菜炒め、サラダに入っていたりする。歴史的な背景から当地で沢山食べられるようになったのだろうが、今後はスパムを食べる度に沖縄・西表島遠征の事を思い出すだろう。

 午前9時丁度に、マリンボックスの宮城さんが私達を迎えに来てくれた。「ツアーの送迎はまさにかくあるべし」といった感じのジャストタイム。長年ガイド業をされているだけあって、時間厳守は当然なのだろう。まずは、スーパー星砂に寄り、食料と飲み物を買い込む。ついでに明日の朝食用にと菓子パンも購入しておいた。この島では、今買っておかないと、夕方には売れ切れている可能性が高い。食物は物がある時に確実に買っておく必要があるのだ。 

〜 初めてのマトフエダイ 〜


マリンボックス宮城さん 9KB 本日ガイドをしてくれる宮城さんは、昨日までの釣果や釣り場の様子などをガイドのヨネちゃんや同船していたスギさんから聞いている様子。私達が余り釣れていない事を知り、普段は行かない飛びっきりのスペシャルポイントへ今日は連れて行ってくれるという。午前9時半に西表港(祖納港)に到着、素早くボートに乗り移って釣り場に向った。青い空と緑色の海の境を見つめながら、両腕を天に向けて伸ばして大きく伸びをする。

 前方を見ると、水面に黒い円形フロートが沢山浮いている。アレは何かと宮城さんに尋ねると、黒真珠の養殖棚とのこと。一般的な乳白色の真珠はアコヤガイから採るが、黒真珠はクロチョウガイから採る。黒真珠を養殖で採るための養殖方法を確立したのが石垣島であり、いまや石垣島や西表島が世界一の生産を誇っているらしい。クロチョウガイの養殖は難しいと聞くが、技術確立をするまでには長い年月と努力が注ぎ込まれたのだろう。

マトフエダイ 4KB 小型のエンジンボートなので、スピードは緩やか。水中を覗き込む余裕すらある。手が届きそうな所にある珊瑚の合間には、濃紺や赤色、黄色をした色鮮やかな魚達が泳いでいた。船底が透明なグラスボードだったら、さぞや楽しいに違いない。目が慣れてくると、海底にゴロゴロとナマコが転がっていた。1ヶ月くらい天日干しにすれば、中国人に大人気な高級食材 乾燥ナマコになるだろう。

 午前10時、クイラ川の河口に到着。初日にヨネちゃんのガイドで竿を振った川だ。昨日までの釣行で極小ポップRがベストマッチであることが判っていたので、最初から本気モードになって遠慮なくコレを使う。キャストを始めて直ぐに水面炸裂。寄せてきた魚は、マングローブジャックのように見えたが体色が違った。この魚、オーストラリアで釣った事があるフィンガーマークのような黒っぽいスポットがあった。宮城さんに魚の名前を聞くとマトフエダイとのこと。確かに斑点が的のようにも見える。判りやすい名前を付けたものだ。感心しながら初めて釣った魚をデジカメで写真を撮っていると、肝心な的が体表から消えてしまっでガッカリ。



〜 飛びっきりのスペシャルポイントとは何処に?! 〜


船浮港 8KB 続く魚が釣れず、ルアーを交換。ウォーターランドのWスウィッシャーでジョボジョボやっているとド派手な水柱が立った。マングローブジャックかと思いきや、またしても別の魚。フッキングには至らなかったが、水中に見えた魚は大きなダツだった。クイラ川の河口はイマイチだったので、次は滅多に行かない飛びっきりのスペシャルポイントに案内してくれる様子。

ボートクルージング 7KB ボートを進めて小さな川の河口に来たが、潮位が低くて川の中に入れないとの事。年に数回しか釣行せず、この場所で竿を出すのはマリンボックスのツアーのみ。ほぼ手つかずのエリアで入れ食いを体験出来るらしい・・・。しかし、ボートが入れなくては意味がない。目の前に珊瑚礁が広がる船浮港に立ち寄り、トイレ休憩をして次の場所へと移動する。

 午前11時20分、予定していた次の河川も水位が低くて入れない。宮城さんに川の名前を聞いたが、名もなき川とのこと。川の中に入れれば、ここもほぼ手付かずのフィールドなので入れ食いが楽しめるらしい。しかし、入れなければそんなお話を伺っても意味がない・・・。この場を諦めて再び次の場所へと移動する。

 水中を覗き込むと、手を入れれば届きそうな所に珊瑚礁がある。珊瑚を傷つけないように水深がある場所を探してボートは低速でゆっくり進む。従って、いつまで経っても目的のエリアまで辿り着けない。どうやら今日の午前中は、ボートクルージングで終わりそうだった。「いったいスペシャルポイントは何処なのだ!!」と心の中で叫ぶしかなかった。

〜 嫁さんとサメとのドタバタ劇 〜


マングローブジャツク 9KB 昼12時ジャストにアヤンダ川に到着した。開始5分、嫁さんのヘッポコ・キャストで飛んでいったイエローマジック・プラス1にドカンと水柱が立った。捕食音が立派だったので、良型が期待できた。リールからはラインが引きずり出され、彼女はボート上で「うひゃ〜」と叫んでいる。ボートの数メートル先でファイトしている魚に手こずっていると、突然、大きな黒い影が泳いできてルアーを咥えている魚を追い掛けだした。

本日のベストポイント 8KB その魚はメーターオーバーのサメ。嫁さんが掛けた魚が確実に標的になっているようなので、「バレても良いから!!」と強引に引き寄せてもらう。サメから逃げようとする魚のファイトは相当なもの。それに対処する嫁さんの動きは、コミカルなドタバタ劇を見ているようで思わず笑ってしまう。彼女がゼイゼイしながら獲った魚は、40cm程の立派なマングローブジャックだった。

 過去の遠征を思い出しても、必ずと言って良いほど嫁さんの方がデカイ魚を仕留めている。山なりの何処に飛んで行くか判らないようなヘッポコ・キャストでも釣れてしまうから西表島はスゴイ。嫁さんが良型魚を釣るのは、きっとガツガツと釣り急いでいる私と違って、無欲で殺気を消して釣りをしているからに違いない。

 その後、河口エリアで彼女が15cm程の可愛らしいコトヒキを追加。キャストを重ねながら川を上流に上り、本日の宮城さんお勧めのベストポイントに到着した。そこは大きな岩が張り出し、水面に覆いかぶさるように茂った樹木の下は日陰。水中には崩れ落ちた大きな岩が沈んでおり、何処を狙っても魚がルアーに躍り出そうな所だった。先ずは、狙いやすい水中に沈む岩の周りから狙う。着水同時ヒットを期待しながら、精度の高いキャストを繰り返すが不発・・・。



〜 朝からの釣果は僅か2匹のみ 〜


マングローブジャック 10KB 続いて狙うのは張り出した大きな岩の下側。岩にルアーをブチ当てないように気をつけながら、日陰になっている奥へとルアーを打ち込む。キャストはイイ感じに決まっているのだが、魚が全く反応しない。何かが影響して、魚の活性がガックリと落ちている様子。宮城さんが指し示すオーバーハング下のピンポイントは、過去のツアーで必ず魚が釣れたスペシャルポイントらしい。良型魚を確実に引きずり出して欲しかったので、そのスペシャルペイントは嫁さんに譲る。期待を裏切らず、彼女は慎重にキャストを決めたのだが、魚は沈黙したまま。数投目・・・嫁さんがミスキャストをして水面から遥か上の枝葉を釣ってしまいジ・エンド。ルアーを回収するために、スペシャルポイントを潰してしまった。

クロダイ 10KB フレッシュウォーターエリアは全くダメな感じなので、ボートをUターンさせて海水濃度が高いエリアまで下る。午前10時頃にマトフエダイを釣ったっきり全く魚とは縁遠くなっていた私にも久しぶりにヒット。極小ポップRに出た魚はメッキアジだった。時計を見ると昼の12時半を回ってる。私が釣った魚は朝から僅かに2匹のみ。余りの貧果に、大きなため息が漏れた。

 腹が減っては戦は出来ぬ。木陰にボートを寄せて、手早く弁当を食べ、休憩する間も惜しんでキャストを再開した。潮が切り替わり、海水が流れ込み水位が上昇してきたが魚の活性は低いまま。丁寧なキャストを心掛け、ルアーに多彩な演技をさせて魚を誘ったが、竿が曲がることはない。釣れない川で竿を振っていても時間がもったいないので、別の河川へ移動することにした。

〜 イメージどおりのトップウォーターゲーム 〜


宮城さん&マングローブジャック 10KB 「午後はココが本命の場所です」と宮城さんから聞く。この河川も名前が付いていないような小さな川の様子。塩分濃度の高い河口から、クリークの中へ静かにボートを進めながら両サイドを撃ってゆく。この場で私が選んだのは3本フックのWスウィッシャーであるAプロップ コーリングアップ。水面をジョボショボさせた後、少しポーズをとり再びジョボジョボと水をかき混ぜる。これを繰り返していると狙いどおりにドバンッと出た。ルアーを咥えたのは30cmオーバーのマングローブジャック。開始間もなくヒットしたので、テンションは一気に高まった。

コトヒキ&シロャットラップ 9KB 続いて、竿が曲がったのは後ろで竿を振っていた宮城さん。20cm程のマングローブジャックを2本フックのコーリングアップでキャッチ。ここには、もっと大きなマングローブジャックがいるらしいが、今はサイズについて贅沢を言える状況ではない。それよりも数を釣って、午前中の貧果を払拭したい気持ちで一杯なのだ。キャストを重ねていると、私のコーリングアップに再び出た。捕食音はせず地味な出方だったので、マングローブジャックではない。魚の姿が見えるまでは慎重にやり取りをする。ボート際に寄ってきた魚はクロダイ(30cm)だった。「Wプロップルアーを使ってトップで釣る」というイメージ通りの展開で、心はウキウキ状態。西表島の魚には何故かプロップルアーが効くようだ。

 川幅が狭くなってくると、キャスト精度が一段と重要となってくる。嫁さんの様に、どこに飛んでくか判らないようなテンプラキャストや山なりのフワフワ・キャストをしていると頭上の木々に引っ掛けてしまう。ここぞと言うポイントで同船者にルアーを引っ掛けられるとホントに辛くなってしまう。投げる度にルアーを枝葉に引っ掛けるようになった嫁さんに苛立ちを強く感じながらもグッと我慢。ミスキャストをしているのは本人も十分承知しているので、そこを強く責めても意味がない。このツアーに同行してくれている事に感謝しつつ、こちらのリズムも狂ってきたのでこの場から退散。

〜 小型ペンシルベイトとSR5も忘れずに 〜


バラクーダ 8KB Uターンして河口エリアを攻めてみる。いつもオーストラリアのバラマンディ釣りで活躍するロングA(15A)を試すとワンバイトあり。魚が小さいようでルアーを咥え切れていないようだった。ここで活躍したのが、宮城さんが使っていた小型のペンシルベイト。宮城さんのフェイスブック繋がりで、読者の方がハンドメイドのペンシルを作って送ってくれた物らしい。チョコチョコ動くルアーを追って、クロダイがワラワラと寄ってきてパクッと咥えるのが見えた。きっと小型のTDペンシルレッドペッパーマイクロ同ベイビーを使えば、入れ食い間違いなしの凄い事になってしまうんじゃないか!?。ここにそのルアーを持って来なかったのが残念でならない。西表島遠征を予定している皆さんは、ボックスの中に忍ばせておくことをお勧めする。

ポイント 11KB ルアーを追尾する魚達のサイズが小さいので、使うルアーをロングA(15A)からアスリートF9に交換。トウィッチングをしていたら、コトヒキが食ってきた。魚がいる場所といない場所が明確に区分されているようで、いる所では何匹も姿を見るが、いない場所は不思議なぐらい気配がない。余りにも反応が悪いので、午前中に竿を振った名もない川に入ってみる。ガイドの宮城さんによると、この川は"絶対に釣れるボウズなしの川"らしいが、プロップダーターに小さな魚が3バイトしたのみで、魚の顔を拝むことは出来なかった。

 川の中より河口の方が魚の密度が高い様子。クリークの中は水が淀んでおり、コンディションは悪いようなので、塩分濃度の高い河口域を集中的にチェックした。ルアーをシャッドラップSR5に交換し、トウィッチをしていると20cm程のコトヒキと50cmオーバーのバラクーダが相次いでヒット。やはりシャッドラップSR5は"エサ"と呼ばれるだけあって良く釣れる・・・。岩盤エリアを重点的に探っていると、更にコトヒキを追加。

〜 釣れてないから残業 〜


コトヒキ 10KB 嫁さんに本日の"当り針"を譲って、ボックスの中から予備のシャッドラップSR5を取り出す。2人揃ってトウィッチングをすると、バイト連発。彼女がコトヒキを釣った後、私がマングローブジャックやコトヒキとは違う色合いの魚を掛けた。ボート際まで寄せて抜き上げたところでポトン。釣り上げることは出来なかったが、魚の名前を宮城さんに聞いてみると、オキフエダイではないかとの答えがあった。フエダイの仲間はとても多いので、是非ともカメラに収めたかったのだが、二度目のチャンスは訪れなかった。

マングローブジャック 10KB いつしか時計は午後5時をまわり、帰港時刻が迫る。宮城さんから「今日は釣れていないので残業です」との言葉を受けて、もう一踏ん張り。2級河川である仲良川の河口起点周辺の岩場でシャッドラップSR5を使い私が20cm程のマングローブジャック、嫁さんがクロダイを追加。午後5時半、最後の望みを掛けた岩場地帯で、嫁さんの竿に良型のマングローブジャックがヒット。40cmクラスだと思われたが、力強いファイトに何度もラインを引きずり出され、その度に彼女の口から「ひぃぃぃぃぃ〜、いゃゃゃゃ〜」と声が出る。

 そろそろ魚を引き寄せないと危ないかなと思った時、急に魚が反転。一瞬、ラインテンションが緩くなったタイミングでフックがスッポリと抜けた。まさかのフックアウトで、その場にへたり込む嫁さんに声を掛けながらも、自分がその魚を掛けたかった・・・と悔やむ。これがラストになって3日間のフィッシング・ツアーが終了。30分弱、ボートに揺られ西表島の景色を眺めながら港に戻った。

〜 最後の晩飯は沖縄チャンポン 〜


宮城さんを囲んで 8KB 今日の釣りはかなり体力を使ったようで、陸に上がってからも少しフラフラした感じが続いた。フィッシングプレッシャーが低い西表島は、ガバガバと入れ食い状態で釣れるイメージを持っていたのだが、思いのほか渋い釣りだった。「遠くに行けば良く釣れる」なんて幻想は、何度もオーストラリア遠征で打ち砕かれてはいたものの、今回の遠征は不完全燃焼だった。

  ボートから手際よくタックル類を下ろし、車に乗り込む。宿に戻る途中でマリンボックスに立ち寄り、3日間のフィッシング・ツアー料金を支払った。料金は税込みで10万円を超え。金額を聞き、ボートから陸に上がった時と同じようなフラつきを感じたが、この料金は仕方がない。日本国内でマングローブジャックや鉄砲魚などの魚をトップウォーターで釣れる場所は極々限られているのだ。同種の魚が釣れるオーストラリア・ケアンズ近郊のフィッシング・ツアーと比べたら安いものである。

沖縄チャンポン定食 8KB 歴戦の釣具が雑然と置かれている店内を拝見した後、3日間お世話になった宮城さん、ヨネちゃんと記念撮影。そのまま宿まで車で送ってもらい、挨拶をして別れた。今宵、晩御飯はないので、一服する間もなく徒歩で15分以上、1km程離れた所にあるひとみ食堂に向う。暗くなってからでは、街灯もない道のりなのでとても怖いのである。

 食堂に向う途中、今朝、家主から渡された夕食チケットを持っていないことに気がつき、トボトボと宿まで歩いて戻った。これで往復20分間のロス。食堂店内に入りイスに腰掛けると、疲れがどっと押し寄せて来たのが判った。折角なので沖縄、西表島の料理を食べたい・・・選んだ料理は沖縄チャンポン定食。長崎チャンポンのような麺類かと思いきや、御飯の上に野菜類がどっさりと乗った、とてもヘルシーな料理。味とボリュームは文句なし。疲れた体に西表島の恵みが染み込むのを感じられるような食事だった。


釣行3日目の結果

TOSI

ASAKO

MIYAGI

バラクーダ

1



メッキ

1



クロダイ

1

1

1

マングローブジャック

2

1

1

コトヒキ

3

2


マトフダイ

1




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