バラマンディ・フィッシング]\
サラトガの攻略方法

サラトガ65cm 6KB
ラグーンに潜むサラトガ


擬似餌の玉手箱>豪州バラマンディ・フィッシング>'12/9遠征


'12/9/15(月)

〜 簡易水洗トイレで苦戦 〜


簡易トイレ 3KB 前夜は午後8時半にはベットイン。夜中に3回もおしっこに起きた。日中の水分不足を補うためなのか、夜は体が水分を欲しがり紅茶やらジュースやら沢山飲んだのも一要因かもしれないが、結構寝ていて寒かったのである。おしっこをするためにデッキに出ると、夜空は満天の星。寒くて凍えてくる程なので、服を着込んでベットに潜り込んでいた。日中はクソ暑いにも関わらず、夜はぐっと冷え込むので、この時期のアラクンは体調管理に十分気をつけなければならない。

 眠りが浅かったのか興奮しているのか、午前4時過ぎにはパッチリと目が覚めた。しかし、起きるには余りにも早すぎる。6時まで目を閉じてまどろみながら過ごし、明るくなってからモソモソと起床した。デッキに出て気がついたのだが、ボートはあるのに何故かティムの姿が見えない。もしかして、夜中に船から落水したのではないかと、心配し始めていると、テリーが起きてきた。様子を聞くと、前夜はフットボールの大きな大会があり、ティムはこれを見たくて一旦、アラクンにある親戚の家に行ったと言う。これを聞いて一安心。落水事故だったら、とんでもない事になっていただろう。

 朝食は、シリアルにデイツをのせ、たっぷりミルクを注いだお手軽もの。食後は、テリーがティムをボートを出してティムを迎えに行っている間、トイレに挑戦した。これまで使っていたバイオトイレは修理中なので使用不可。応急対応で設置してあるのはアウトドアや非常用に使う簡易水洗トイレ。サイズは小さくて不安定。水洗なのに水量が少なく、汚物タンクとの仕切り弁は手動だったりして、汚さないように使うのに苦労するような代物だった。ティムから使い方を事前に聞いてあったが、何だかとても落ち着かない。そそうをしないように、十分気を使いながら用を足す。私よりも体が大きいテリーやティムは相当苦労しているだろうと思いきや、この簡易トイレを使うのは緊急時のみらしい。やはり広い大地、開放的な空間でスッキリと事を済ませる方が良いようだ。

〜 沈黙の朝 〜


出発 4KB ティムを乗せて帰ってきたボートに釣具一式を積み込んで7時半出撃した。今日はアーチャーリバーを一気にさかのぼり、淡水エリアを探る予定。今にも座礁しそうなぐらい水深が浅いドシャローエリアで、メインチャンネルを探しつつ蛇行しながら上流に向かう。かなり上流に上がったつもりだが、水はクリアで相当量の海水が入っている様子。気がつけば60cm前後のトレバリーが群れをなして移動していた。

 すかさずトップウォーター系のルアーを準備。私はガニッシュ95、テリーはガニッシュ115、ティムはフランスのメーカー セビルの太くてボリュームがあるオイル入りのペンシイトを取り出した。サングラスを通して水中を見ると、まとまった数の魚が足早に移動している。群れの進行方向を確認しつつルアーをキャスト。早いテンポでアクションさせるが反応はない。

テリー&ティム 5KB 食いっ気があれば群がってルアーに襲い掛かるのだろうが、私達のルアーは見向きもされない。暫くキャストを繰り返していたが、ワンチャンスもなくギブアップ。更にボートを上流に向けて進める。河川が右に曲がっているエリアでは、岸際に寄っているメインチャンネルのディープエリア狙いをするためクラシックバラ+10に交換。グリグリッと力強くリーリングしてルアーをダイブさせた後、トウッチ&ポーズを試す。

 期待していたクラシックバラに反応がないため、豪州遠征で初めて投入するラパラDT10を試す。このルアー、テリーには大不評で、スナップに付けている最中から、「そのルアーはやめろ」と声が掛かる。ハイフロートで大きなリップによる障害物回避性能も高く、トローリングでもストラクチャー周りでも使えるイイ感じのルアー。オーストラリアの釣りにピッタリな気がしてワザワザ買ってきたのだが、思わぬガイドの反応に戸惑ってしまった。

 各国有名アングラーのガイドをしているだけあって、膨大な数のルアーを年間通じて試している彼の言葉は重い。ルアー自体がダメな場合と、今ここで使うべきではないため NGと言っている場合があるが、今回はどちらだろうか・・・。残念ながら私には私には、聞きたいことを聞けるだけの語学力がなかった。

〜 新たな刺客マッドマレット 〜


マッドマレット&バラクラシック 6KB  3人とも的確にポイントへルアーを打ち込んではいるものの、それらしき反応はなく気持ちが凹んできた。時計は午前9時を回ったが、未だ1匹も釣れておらず、嫌な雰囲気が船上に漂う。しかし、釣れても釣れなくても遠征前半は釣り場のコンディションを広範囲に確認するため、更にボートを上流へと進める。

 最初の1匹はテリーがリバーラットで釣ったビックアイ。パッとみると、よく釣れるGTメッキと同じなのだが、この魚は、その名前のとおり目が大きいので種類の違いに気がつく。メッキの類は群れになっているので、周囲を集中的に探っていると、再びテリーがメッキをキャッチ。先ほど釣った魚と雰囲気が違うので名前を聞くと、ブラッシートレバリーだという。真鍮のように輝くためこの名前が付いているらしい。

 魚の反応があったのは倒木近く。水中に沈む枝周りを良く見ると数多くの小さなメッキが群がっている。小型ルアーを投入すれば一発で食ってきそうだが、本命はバラマンディなのでグッと堪える。ティムがライブリールアーズ(豪州メーカー)のマッドマレット、私がバラクラシックの小型に交換し、倒木周りを探ると2人同時にバラマンディがヒット。激しいファイトを楽しみながら徐々に引き寄せキャッチ。サイズはいすれも55cmだった。

トシ&バラ 4KB テリーはティムにポイントの位置、攻めるべきスポット、ボートポジション等を丁寧に教えながら更に上流へとボートを進める。テリーが指し示した岸際にある大木の付け根の日陰部、ドンピシャにマッドマレットを打ち込むと48cmが踊り出た。

 一方私は、テリーに借りたマッドマレットの小型を試すと鉄砲魚が躍り出た。ルアーサイズを落とすと本命ではない魚がヒットしやすくなる。鉄砲魚を釣って遊んでいる場合ではないため、大きな方のマッドマレットを借りる。岸際の木陰やリリーパッドの周辺を探っていると、狙い通りにヒット。しかし、フッキングに持ち込めなかったため悪態をついていると、後からキャストしたティムのマッドマレットにヒット。あっさりと55cmUPをキャッチ。リリース後、直ぐに58cmを追加し鼻歌交じりに御満悦。こちらは、手元が狂ってルアーが枝に引っ掛かり、情けない状態に陥った。

〜 文章よりも動画の時代 〜


リリーパッド 5KB バラマンディが全く反応しない朝イチの状況とは打って変わり、10時半頃から活性が急激に高まってきた。日が昇り水温が上がってきたためなのか、入れ食いタイムの到来。なんとなく使いこなせていないマッドマレットからシャッドラップ9に交換すると、がぜんエンジンが掛かってきた。テリーもバックシートからシャッドラップ9を投げて、バラマンディを釣りまくっている。その様子をすかさずデジカメの動画モードで撮影する。

 前回の遠征では、遠慮がちに何本か動画を撮影していた。帰宅後に見てみたが、結構イイ感じで撮れていた。やはり文章よりも写真、写真よりも動画の方が圧倒的に雰囲気が伝わりやすいのだ。「百聞は一見にしかず」・・・オーストラリアの景色やバラマンディなど豪州魚のパワフルなファイトは言葉で説明するより、画像で見た方が遥かに伝わりやすい。動画撮影やインターネット上での公開も随分手軽になったのでありがたい。

 前回は、動画撮影は初めてで、どれくらいファイル容量を食うのか、バッテリーの消耗はどうかなど気になることが多かったのだが、今回はデジカメを使った動画撮影を多用するつもりで遠征準備を整えてきた。メモリーカードやバッテリーの予備を用意したりと抜かりがない。そして豪州タイプのコンセントに対応するアダプターも準備してあるため、バッテリーがカラになっても船中で充電ができるのだ。

 テリーがシャッドラップを使いだすと、もう止まらない。70cmの良型を筆頭に60cm台を連発。カメラを前に、派手なエラ洗いを演出するため、多少手荒いファイトをしながら魚を引き寄せる。ティムにはサポートに回ってもらい、私が掛けた魚を次々とキャッチしてフックを外す。1ヶ所のポイントでいったい何本の魚を出せるのか・・・結局、3人でキャッチしたのは17本。当然、バラした魚もいるワケで、相当数のバラマンディが倒木周りに巣くっていた様子。後半はサイズがぐっと下がって40cm台まで落ち込み、テリーが45cmを釣り上げて打ち止めとなった。


〜 メラルーカの花の下で 〜


ティム&バラ6KB 11時半、メラルーカの濃厚な花の香りが漂う中、木陰でサンドウィッチとソーセージのクイックランチ。手早くお腹を満たして、ボートを上流に進める。開始早々にシャッドラップ9で60cmUPを抜き上げ、横でティムも50cmをキャッチ。続いて、シャッドラップ9で65cmを追加。

 水中に沈む倒木を狙っているとティムがティルサンを使ってクイーンフィッシュをキャッチ。横で竿を振っていた私の方には70cmUPのバラマンディがヒット。しかし、ファイト中にフックオフ。私がバラしたポイントにティムがティルサンを打ち込むと、いきなりヒット。この魚のサイズも良かったのだが、一瞬にしてラインブレイクした。

 海水域だと、水中に潜むカキかフジツボにラインが擦れて瞬時に切れる場合があるが、テリーはラインの切り口を見ながら「多分、良型バラマンディの鋭いエラなどで切れたのではないか」と言う。テリーがラインシステムを組み始めたので、結び方を丁寧に説明してもらう。彼には高いガイド料金を払っているので、積極的に釣りのノウハウを吸収し、少しでも元を取ろうと考えるのが賢い釣り人なのである。

 ティムはジャズを取り出し、ラインブレイクした辺りを狙い撃ち。数投目で水面がガババッと割れて良型のバラマンディがエラ洗いをした。同じポイントを攻めていたテリーのラインが絡みつき、とてもヤバイ状況に陥りつつも無事にキャッチ。サイズは堂々の74cmだった。その後は、テリーと私がシャッドラップ、ティムがジャズを使い、50cm程度のバラマンディを追加。

〜 クロコダイル・フィッシング 〜


手巻きタバコ 5KB 午後1時を過ぎ、カンカン照りになってきたので、日本からワザワザ持ち込んだアイスリュックを試すことにした。前日から冷凍庫に入れて凍らした保冷材を小さなリュックサックに入れれば4時間ぐらいは持つ。サイズはコンパクトで嵩張らないのも助かるのだ。一方、横に座っているティムは、ポケットから手巻きタバコのパッケージと紙を取り出した。彼は器用にクルクルっとタバコを巻いてプカリとふかす。先進国で最も喫煙率が低くなっているオーストラリアでは、日本で普通に買えるフィルター付きのタバコは、メチャ高くて一般人にはそうそう買えないほど。その点、手巻きタバコは比較的買い求めやすい価格と聞く。

 流心にある期待していたロックバーは不発に終わり、更にボートを進めてリリーパットエリアに。ここでは、テリーがゴムのカエルルアー、私がバズジェットJr、ティムは私が提供したZealのポッパー型カエル カスタムフロッグポッパーを試す。するとティムのルアーに爆裂バイト。ジャンプ一発、バラマンディがルアーを吹き飛ばして水中に消えた。

 その後もティムのカスタムフロッグホッパーには反応が良いので、私はエバーグリーンポッパーフロッグを投入。するとバラマンディではなく、ワニの子供が飛び出した。結構な勢いでルアーに襲い掛かり、派手なファイトを繰り返す。フックが外れても同じ場所にルアーを送り込むと、飽きることもなく小ワニは何度もルアーを追い掛ける。このエリアにいるのは口が細い、フレッシュウォーター・クロコダイル。子供といってもワニはワニ。広げた口には無数の歯が並んでいる。この歯でルアーがボロボロになるかと思いきや、このルアーは丈夫な弾力のあるゴム樹脂で出来ているようで、破れたり穴が空いたりせずワニのファイトを楽しませてくれた。

クロコダイル 5KB 子ワニとひとしきり遊んだ後は、ルアーをWペラのコーリングアップに交換。ウィードエリアなのでプロップに水草を引っ掛けないように気を使いながら、水面をジョボッ、ジョボッと力強くかき混ぜて魚の反応を伺う。すると突然水面が割れ、ルアーが水中に引き込まれた。エラ洗いはせず、直線的なファイトをするのでバラマンディではない。魚の正体は何だろう・・・丁寧なやり取りで徐々に間合いを詰めて寄せてくる。ボート際に姿を見せたのは銀色に輝くクイーンフィッシュだった。サイズは45cm。このエリアは完璧に淡水域なのだが、ソルトエリアで釣れる魚がヒットしてビックリ。オーストラリアにはクイーンフィッシュ以外にもGTやナマズ、サメなど、海水域と淡水域を行き来する塩分濃度の変化に対応できる魚種が多いことに気がつく。

 このウィードエリア周辺では、その後、テリーがB52を使ってド派手なバイトを2回と45cmのバラマンディを得たが、これで打ち止め。梅干を食べながらボートを大きくターンさせ下流に向う。ボートを流しながらシャッドラップ9で岸際に横たわる倒木を次々と撃ってゆく。ティムがジャズで50cmのバラマンディを追加した後、テリーがハルコ2.5+で僅か25cmのバラマンディをキャッチした。大きくてボリュームがあるルアーに果敢に挑んだ魚がこのサイズだったので、さすがに彼もビックリ。

〜 ラパラのDTシリーズ 〜


ティム6KB いかにも魚が付いていそうな倒木の前にアンカーを降ろし、じっくり狙う。最初に反応したのは私のシャッドラップ9。力強いファイトを繰り返した魚は、私が赤い悪魔と名付けているマングローブジャックだった。続いてテリーがハルコ2.5+を使って35〜40cmの小バラを2連発。何故か思い描いているような良型が釣れないので首を傾げている。そこで私か取り出したのがラパラDT16。即座に鉄砲魚を釣ったが、どうにもこのポイントで使うにはシックリこなかったので、ルアーをDT7に交換する。

 テリーの顔をチラリと横目で見ると、とても渋い顔をしてルアーを変えろと言ってくる。「折角、日本から持って来たので試したいのさ」と言いながらグリグリとリトリーブをするとナマズがヒット。これを見て彼は「それ見たことか〜」って感じで笑っている。因みに日本のナマズと違って、オーストラリアのナマズは危険なヤツなのである。ヒレにノコギリ歯が付いたようなスパイクあり、刺さると簡単に折れて皮膚の下に残り、そこから化膿してくるので油断してはいけない。

ラグーン 4KB 意地を張って使ったルアーで釣れたのがナマズでは余りに悔しいので、なんとか本命を釣ってやろうとキャストを重ねる。暫く使っているとガツンと力強いヒット。小振りだったが、狙っていたバラマンディが躍り出た。ラパラのDTシリーズは、とってもアメリカンな香りがするディープダイビング・クランクベイト。名前が潜行深度を示しているので使い勝手が良い。ガイドがNGを出すほどでもないように思うのだが、「ほかにもっと釣れるルアーがあるからそっちを使え」ってぐらいのことなのだろうか。

 DT7でバラマンディを釣ったのがきっかけになり、一気にこのポイントに潜むバラマンディの活性が上がった様子。ティムがハルコ3+で55cmキャッチした後、77cmと55cmを立て続けに追加。他にも何回かバイトがあるらしいので、まだまだ魚は潜んでいる感じ。私のDT7にも再びチャンスが訪れたが、ジャンプ一発でフックオフ。テリーのルアーにもバイトはあるのだが、フックアップには至らない。3人のうち、ティムだけが入れ食っている状態で、彼の顔は緩みっぱなしだった。

〜 慣れないブッシュウォークに苦戦 〜


ティム 野ブタの足跡6KB 支流合流点付近にボートを接岸。竿を1本と数個のルアーを持ってボートを降りる。直ぐ近くに1m程のクロコダイルの子供を発見したのでポッパーフロッグを投入すると、またしても高反応。飽きもせず何度も激しくルアーに襲い掛かる子ワニと少しの間遊んでいたが、いつかはルアーをロストしそうなので頃合を見て切り上げた。この間、テリーはちゃっかりロングAで45cmのバラマンディをキャッチ。負けてならじとロングAを使い始めた私の方にもバイトがあったがフッキングには至らなかった。

 この支流はとても短く、上流に向って歩き始めると直ぐに行き止まり。実は、本命ポイントがこの先にあるらしい。ここから暫くブッシュを歩いて秘密のラグーンに行くとテリーは言う。「場所ははっきり判らないが、多分あっちの方だろう」と大雑把に方角を示しながら歩き始めたテリーとティムの後を慌てて追い掛ける。「こんないい加減な感じで、道に迷わず果たして目的地に辿り付けるのか?」と素朴な疑問を抱かずにはいられない。彼らはブッシュウォークに慣れているため、雑草がはびこる雑木林の中を大股でザクザクと突き進んでいるが、こちらはとてもそんな早いペースで歩けるハズもない。どうしても遅れがちになるため、必死に追いすがるしかない。

 雨季には川底になっているであろう複雑な地形を辿りながら歩いていると、辺り一面にトラクターで田んぼを耕した後のような光景が目に飛び込んできた。土は硬く、大きな塊の凸凹になっているため、歩きづらくてしかたがない。うっかりすればグキッと足首を捻ってしまいそうな嫌な感じ。何故こんな地形があるのか尋ねると、「野生のブタが軟らかい土の歩き回ったからだ」とのこと。広がり具合から考えてみても、とても1頭や2頭の野ブタの仕業には思えない。ヨロヨロと凸凹の意地悪エリアを切り抜けて暫く歩くと、やっとラグーンに到着した。

〜 秘密のラグーン 〜


ラグーン野豚水遊び場 7KB そこは水面にリリーパッドが広がる野池みたいな場所だった。岸際には所々で野ブタが泥遊びをした跡がある。いかにもバラマンディやサラトガが潜んでいそうな場所なので、否応もなくテンションが上がってくる。竿先にぶら下げたのはポッパーフロッグ。開始数分後・・・水面が爆発したかのような捕食音がして、大きな水柱が立ってルアーが引き込まれた。一拍おいて竿を立てた瞬間にラインがバンッと音がしてブレイク。水面に残された波紋から相当大きなバラマンディだったと思うが、ハッキリ姿を確認できないまま周囲は沈黙した。

 私がガックリしている直ぐ横で、テリーが白いゴム製の大きなカエルルアーを使ってサラトガを掛けた。雷魚のようにリリーパッドの中をグネグネとファイトし、随分てこずらせた魚は堂々の65cm。彼が使っていたルアーは、足をギュ〜と伸ばしても切れない、とてもイヤらしい素材でできている軟体カエルだった。

リリーハッド 7KB 鼻歌交じりで白い軟体ガエル使っているテリーを横目で見ながらリーダーシステムを組み直し、Zealカスタムフロッグポッパーに交換。次はこちらの番だと鼻息荒くキャストをしていると、再びトラブル発生。キャストの際に何故かスナップが伸びきって、カスタムフロッグポッパーがラグーンの中心部までふっ飛んでいった。強い横風が吹いていたため、着水したルアーが水面を滑るように流れてゆく。風下の岸際近くまで寄って来そうなため、岸伝いに先回り。水際まで水草が茂った湿地部があったので入っていこうとしたところで、近くにいたティムからストップが掛かった。

 「ワニがいるからやめろ」 確かに彼が言うとおりだった。ふっ飛ばしたルアーの事ばかり気にしていたが、聞き耳を立てると小ワニが鳴いている。何処かに親ワニがいるかもしれず、不用意に水際で立っているとバックリやられるかもしれない。そう遠くない所に見えるルアーを諦めるのは辛いところだが、渋々と諦めた。手持ちのウィードレスタイプのルアーがなくなったため、ポケットに突っ込んであったチャグペッパーに交換。スイレンの葉っぱが、まばらな場所を狙ってキャストをする。

テリー&アロワナ 6KB タバコを吸って一休みしていたハズのティムが、相次いでルアーをロストした私に何の遠慮もなく50cmUPのサラトガをキャッチ。そして、ラグーンの奥で竿を振っていたテリーが、白い軟体ガエルでロングトムとガニッシュでサラトガ(45cm)を追加した。確実に良型のバラマンディとサラトガが潜んでいるこの秘密のラグーンをたっぷりと楽しみたいのだが、時計は午後5時を周り日が傾いてきた。

 残り時間を気にしながらキャストを重ねているとにビックバイト。しかし、フッキングには至らずその後もルアーを追尾し、何度もアタックしてくる。食い方からすると、バラマンディではなくサラトガの方。ルアーをダブルフックに変えてあるジッターバグに交換し、ややスローにポコポコポコとやっていたらドカンと出た。

〜 サラトガの攻略方法 〜


サラトガ 6KB 猛烈なファイトをするサラトガを相手にバタバタと慌てている私に対し、常に声を掛けてくれるプロのガイドが近くにいてくれるのは心強い。無我夢中で魚を引き寄せ無事にキャッチ。ジッターバグをバックリと咥えていたのは65cmのグラマラスなヤツだった。

 サラトガを釣る時には、雷魚のトップウォーターゲームをイメージすれば良い。早いアクションには魚が付いていけないようなので、リトリーブスピードを落とすのがキモ。また、スズキやバラマンディのような吸い込み系の捕食ではなく、バックリと咥えるバイト系の魚。口の周りが硬くてフックアップしにくいので、ルアーを咥えたのを確認したらガッツリとアワセを入れる。ウィードがあると雷魚のようにグネグネと潜り込むため、やや強引なやり取りをして早めに引き寄せる方が良いだろう。

 目が付いている位置や、口の開き方を見れば判るように、この魚は捕食場所が水面付近であることが良く判る。従ってトップウォータールアーを使って釣るのが最も楽しいのだ。日頃、雷魚釣りをしている方々には、是非ともサラトガ釣りを体験して欲しいと思う。因みに日本国内のペットショップで買おうとすると1匹が何万円、何十万円もする魚。しかし、ここに住むアボリジニ達は焼いてペロリと食べてしまうのである。多分、骨が多くて臭みが強いのではないか。機会があったら一度食してみたい魚なのである。

 私が釣ったサラトガを最後に時間切れ・・・と言うか、テリーとティムは私が魚を手にするのを待っていてくれたのである。太陽は西に傾き日差しが和らいだ頃、このラグーンを後にする。多分、これからの時間が最も魚の活性が上がりそうなのだが無理は禁物。道なき道を歩くため、暗くなってからのブッシュウォークはとても危険なのだ。カンを頼りにボートを停めてある場所まで30分程掛けて歩く。途中から自分達の足跡を見つけたので、逆にたどって歩けたので気持ちは軽かったが、歩幅の広い豪州人2人に取り残されて一人ポツンと見通しの悪いブッシュの中を歩くのは遠慮したい。


〜 夕食はやっぱり分厚いステーキ 〜


夕食 4KB 午後6時、無事にボートに辿り着いた。ここからは一気に下流へと下る。今にも座礁しそうなドシャローエリアを、メインチャンネルを探しながら慎重に通過。母船ピクーに戻るまでに、2か所のポイントで竿を出してみたが不発だった。暗闇が近づいている河口エリアに停船しているピクーに帰還。直ぐにシャワーを浴びさせてもらいホッと一息つく。今宵、赤ワインを片手に頂くのは、分厚いステーキ。そして、日本から持ち込んだインスタント味噌汁をつけた。昔のOZビーフが随分硬かったように思うが、最近の肉は結構柔らかくなっている感じ。とても美味しく頂いたのだが、やはり御飯が食べたいと思うのは日本人だからか。

 午後9時には早々とベットに潜り込んだ。左手の掌がむくんでいたので湿布を貼る。どうやら今回の遠征に持ち込んだコンクエスト250DCは、私の手には少しサイズが大きいようだ。まだまだ続く釣行にへこたれなければ良いのだが。

2日目の釣果結果

TOSHI

TIM

TERRY

バラマンディ

12

13

14

GT



2

鉄砲魚

4


1

クイーンフィッシュ

1

1


マングローブジャック

1



ナマズ

1



サラトガ

1

1

2

ロングトム



1



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