バラマンディ・フィッシング]\
愛しのラブリバーへ

ティム 8KB
トイレはマングローブ林の中でね


擬似餌の玉手箱>豪州バラマンディ・フィッシング>'12/9遠征


'12/9/16(日)

〜 愛しのラブリバーへ 〜


朝食 5KB 午前6時少し前に起床。少しずつ夜が明ける雰囲気を楽しみながら釣りの準備を進め、カリカリに焼いた塩っ気タップリのベーコンと目玉焼きをトーストともに食べてエネルギー充填。午前7時半過ぎに出船した。ポイントへの移動中、アボリジニの血を引くティムにアボリジニ語をアレコレと教わるが、トイレを「カカー」と呼ぶことは直ぐに覚えられた。やはりどんな言語でも、下ネタから入ると覚えやすいのである。(笑)

 本日攻めるのはラブリバーアーチャーリバーの河口から外洋に一旦出て、海岸線沿いに南下した所にある。周囲に道路はなく、アクセスは海からのみ。アボリジニ達もワザワザここまでボートで来ないので、殆ど手付かずの場所なのだ。タイミングが良ければ、相当な釣果が望める釣り人にとっては楽園。釣り人が恋焦がれるから"ラブリバー"なんて名前にしたのではないか?と思いたくなるような良いフィールドなのである。

 少し冷たく感じる風を頬に受けながら、一気に河口を抜けて海に出る。波は穏やかでボートは揺れず快適この上ない。途中、鳥山とボイルがあったのでポップクイーンを投げまくったが、ルアーに反応する魚は不在。ベイトは小さく、これを捕食している魚も小さく群れも直ぐに消えてしまう状況だった。ベイトを追いかけていた魚は多分、小型のクイーンフィッシュだろう。子供の頃はそうでもないが、大きくなると獰猛な顔つきに変わるヤツ。とてもパワフルで狙って釣りたいソルトエリアのターゲットだ。

 白い砂浜が印象的な河口からアーチャーリバーに入る。巨大なペリカンが賑やかに私達を出迎えてくれた。本日使うメインタックルは、昨年の釣行で魚をバラシまくった反省を踏まえてグラス素材で作られたメガバストマホークF4-59Tとした。この小さな河川の両岸は、複雑なストラクチャーや倒木なとがないため、適当に投げて巻くだけのイージーな釣りが出来る。いかにフッキング率を上げるかが大きな課題なのだ。反面、魚の反応が適当にあればいいのだが、コツリともないと狙うべきポイントがない分、テンションが一気に下がりやすいというマイナス面を持っている。





〜 シャローフラット・ゲームの開始 〜


フィンガーマーク 4KB 大きな池になっている上流を目指しながら、テリーが"シャローキング"と呼んでいるロングAを撃ちこんで行く。開始20分が経過したところで彼がロングAで40cm程のフィンガーマークをキャッチ。この魚は名前のとおり、親指で印を付けたような模様が特徴的。塩焼きにして食べればとても美味しそうな魚である。釣れたのは、全くストラクチャーがない河川のド真ん中。水深は浅く、魚がモゾモゾと動いた後に出来るマッディなパッチが見えるような場所。テリーはこれらのマッディパッチを狙い撃ちしていた。

 すかさず岸際のマングローブ狙いから、河川中央部にあるシャローエリアのマッディパッチ狙いに変更。ロングAをキャストし、強めのジャーキングをしているとドカンと出た。魚は53cmのバラマンディ。ここは周囲にストラクチャーがないので、それほど苦労なく魚を引き寄せることが出来るので初心者にも心優しい釣り場だろう。私に続いて、ティムがロングAで60cmのバラマンディをキャッチ。魚は、まだまだいそうだ。

フィンガーマーク 5KB なんの前触れもなく、シャローフラットエリアでガツンと来るから気が許せない。周囲をキョロキョロ見渡しながらキャストを続けて、55cmと60cmのバラマンディを連発。サイズUPは難しい感じがするが、このサイズなら、際限なく釣れそうな気配が漂っている。テリーがサラナでバラしたポイントにルアーを放り込むと、大きなエイが姿を現した。どうやらこの一帯にはエイが集まってきている様子。うっかりこんなヤツにルアーを引っ掛けようなものなら大変なことになってしまうため、極力、ボトムにルアーを近づけないように気を使うことにした。

 さてこれから本番・・・というところで、私のアンタレスDC7が不調となり、キャスト時にバックラッシュが頻発。以前もあったが、またしてもDCユニットがおかしくなった可能性があるかもと心配していたところで、ラインが複雑に絡み合って解けない状態になるバックラッシュが発生。DCシステムが搭載されていない往年のカルカッタコンクエストアンタレスARではこんなことは滅多にないので、アンタレスDC7特有のトラブルではないだろうか。使っていたタックルをテリーに預け、予備として持ってきたコンクエストDC250をのせたシマノ スコーピオンBSR1603Fに持ち替える。キャスト&リトリーブをしながら船尾を見ると、テリーがアンタレスDC7を分解し、なにやらゴソゴソとやっている。大切に使っているリールに傷を付けられるのを気にしていたのだが、バックラッシュが直って手元に帰ってきたリールは、ねじ山をグニッとなめてあった。(涙)

〜 ハニートラップ大活躍 〜


クロダイ 6KB 風が吹く中、飛距離を確保しつつシャローエリアを広範囲に探りたい。何か使えるルアーはないかと、ボックスの中を見渡した時、目にとまったのがハニートラップ95S。複雑なストラクチャーに寄り添い、ベイトを待ち受けているようなバラマンディを狙う釣りではおよそ出番がないルアーだが、ラブリバーのシャローフラットでブン投げて使うことを想定した持って来ていたのを思い出した。

 1投目でいきなりバラマンディがヒット、激しいエラ洗いでルアーを吹き飛ばす。「こりゃいける!!」って感じで、コンクエストDC250を唸らせてフルキャスト。スロートリトーブをしていると、またしても水面が爆発した。サイズはそれほどでもなかったのでゴリ巻きをして一気に引き寄せキャッチ。ハニートラップ95Sをパックリと咥えていたバラマンディのサイズは55cmだった。素早くリリースしてキャストをするとまたしてもヒット。キャッチした魚のサイズは、ぐっと下がって45cmだった。この勢いはまだ止まらず、私が"赤い悪魔"と名づけた40cmUPのマングローブジャックと55cmのバラマンディも追加した。ラブリバーの釣行では、ハニートラップ95Sは絶対に外せないルアーの1つだろう。

エスチュアリーコッド 5KB 先程までとは明らかに別の次元の釣りをしているので、横にいたティムもリップレスミノーを取り出していた。ルアーは、フランスメーカーのセビル社から送り出された3連結のリップレスミノー マジックスイマー。重量があり直ぐに沈むので、キャスト後は直ちにリトリーブ開始。数投目、ティムは、マングローブジャック(40cm)をキャッチした。セビル社のルアーは、どれもこれも私のツボにはまらないようなスタイルをしているのだが、使えば釣れるようだ。

 暫くティムはを使っていたが、やはりシャローエリアでは使いにくい様子。テリーが示したロングAに交換するとヒット連発。私のハニートラップ95Sに反応しない魚がロングAに躍り出る。彼はクロダイ(38cm)をキャッチした後、エスチュアリーコッドのランカークラス55cmUPを釣り上げた。この大きさになると「うわっ、コッドかよぉ〜」だなんて笑い飛ばしたり、バカにできないサイズ。顔つきは獰猛なハタみたいだった。





〜 ロングAでトローリング 〜


ラブリバー 4KB ポイント移動をするついでに、トローリングを試す。3人とも使うルアーはロングA。このルアーの凄いところはキャスティングだけでなく、シャローエリアでのトローリングでも使えること。日本人の感覚からすると、トローリングでロングAを使うなんて奇異に感じるかもしれないが、集魚力はバツグンなのだ。ルアーを流し始めて間もなく、テリーとティムが相次いでバラマンディを掛けたが、魚を引き寄せてくる前にフックオフ。

 トローリングのコツは時折、竿をしゃくってアクションを加えることだろう。一定のアクションで淡々と泳ぐルアーを意図的にバランスを崩してグラッとさせると、追尾していた魚がバクッと口を使うイメージ。常に水中のことをアレコレと妄想しながら竿を持っていると、突然襲ってくる睡魔を防ぐことが出来るハズ。以前は何も考えず竿を持っているだけだったので、開始数分後にはコックリ、コックリ・・・。何度となく居眠りをして、竿を落としそうになったりしていた。

 何故か私のロングAには反応がなかったので、一度回収してルアーの状態を確認する。ティムの使っているを見せてもらうと同じ"ゴールドボーマー"なのに塗装が剥げたところから見える樹脂の色が全く違うことに気がついた。普通、ロングAのベースは乳白色の樹脂なのだが、彼のは無色透明の樹脂だった。テリーが使うロングAを見せてもらうと、こちらもやはり透明の樹脂。ルアーをしっかり握ってラトル音を比べると、プレート入りロングAのラトル音ほどの違いはないが、僅かに違う感じ。しかし、釣果の差は案外、こんなところにあるのかもしれない。どうやら最近、ケアンズで出回っている"ゴールドボーマー"は今までのヤツとは少し違うみたいだ。外観では区別が付かないので、購入の際には困ってしまうだろう。

テリー&ティム 5KB ルアーをチェック後、再び後方へキャストしてから、トローリングを始めると一発で食ってきた。ソコソコ良い引きをしていたのでサイズを期待したのだが、気持ち的にはちょっと足りない65cmUPの魚だった。私が魚を掛けた直後、ティムのロングAにもヒット。テリーは直ぐに自分のルアーを回収し、私とティムの魚がボートの後ろで絡み合わないように、魚を誘導する方向について的確な指示を飛ばす。タブルヒットは楽しいのだが、激しいファイトをする魚相手だとトラブルも結構多いのである。無事に2人仲良く55cmの同サイズをキャッチして笑顔がこぼれる。魚のサイズ云々よりも、釣り上げるまでの過程が面白いのである。

 ラブリバーを遡り広い湖に入る手前でボートを停め、アンカーを下ろす。テリーの指示で、ここで暫くキャスト&リトリーブを繰り返す。魚を捜し求めてボートを走らせるのではなく、明らかに時合待ちの待ち伏せスタイル。ルアーをロングAからハニートラップ95Sに戻して、その時を待つ。何も知らないと、全体的にフラットのように思えるのだが、実際は、メインチャンネルがあり、そこにはガーター(溝)が出来ている。このガーターにバラマンディをはじめ様々なプレデター達が潜んでおり、干潮で水位が下がり始めると周囲の水が、無数のベイトとともにガーターに流れ込んでくる。ここで捕食者達のスイッチが入るのである。

〜 巨大エイとの格闘 〜


エイのスパイク 6KB リトリーブの際、ボトムにあたっかどうかの感触が手元に伝わった次の瞬間、ラインが力強く引きずり出された。水面が割れてバラマンデイがエラ洗いをする訳でもなく、左右に走り回る訳でもない。ただ単にズズズ〜とラインが出てゆく。テリーとティムの顔を見ると、「やっちまったなぁ」って言いたげな様子。私のラインの先にいるのは、間違いなく巨大なエイ。ここから暫くの時間、エイとの綱引きが始まった。アタリ針であるハニートラップ95Sを失いたくないので、慎重にやり取りをするしかない。少しずつ、少しずつ引き寄せながら間合いをつめる。暫くすると長い尾をバタつかせた黒くて大きな座布団が浮いてきた。

 毒針の付いた尾っぽを振り回すため、とても恐ろしくてボート内には引き上げられそうもない。最初にペンチで尾から突き出ている20cm程の毒針を引っこ抜いてから、尾っぽの付け根に刺さっていたルアーを回収。その姿をデジカメに納める前に、水底へお引取り願った。エイの毒針は、ノコギリ刃が付いたスパイク。アボリジニ達は、昔、これを棒の先に結んで狩猟に使っていたようだが、こんなのがうっかり足や腕に刺さった時には最悪の日となるに違いない。いつまでも血は止まらず、傷口から化膿するらしいが、近隣にはまともな病院はなく、大変なことになるだろう。

木陰で休息 7KB エイを釣ってからというもの、周囲が気になってしかたがない。サングラスを通して水中をジックリと見ていると、マッディウォーターの中に薄っすらとそれらしき魚体が見えてきた。気がつけば左右のヒレをヒラヒラさせながら泳ぎ回っている姿がアチコチにある。ここはエイが集中的に集まっているエイ・ホールに違いない。テリーからは「2匹目はナシにしてくれ」と頼まれるほど、危うい場所なのであった。

 時折、「ぶにゅん」と手元に伝わる生命感にビビリながらも、ハニートラップ95Sのストレートリトリーブを繰り替えす。エイが敷き詰められているような"エイの絨毯"の上を引っ掛けないように引くには、着水後、直ぐにリトリーブを開始。竿を立ててルアーを浮かし気味に泳がせるのがテクニック。こんな釣り方で50cm前後のバラマンディを3匹、45cmのマングローブジャックを1匹立て続けに追加した。一方、ロングAを使っているティムはバラマンディとクイーンフィッシュを1匹ずつ。テリーは55cm前後のバラマンディを2匹キャッチ。やはり遠投が出来た方が広範囲に探れるので優位なのかもしれない。

〜 河口のロッキーエリアで勝負 〜


ランチテイム 7KB 水位がどんどん低下し、アチコチで瀬が出て来た。座礁に注意しながら、茶色いタコクラゲがプカプカ浮かぶメインチャンネルをたどって、大きな池の中央部にボートを進める。移動はもちろんトローリングをしながら。ロングAを引いて2匹バラした後に、60cmUPをキャッチ。続いて、80cmのバラクーダを釣り上げた。ティムは60cm弱のバラマンディ。テリーは中国製ルアーのスカッドを使ってバラマンディを1匹追加したが、その後ヒットした良型のバラマンディにフックを持って行かれて悔しがっていた。

 午後1時、木陰を探してボートをとめて昼食にする。今日は、前夜の残りのOZビーフやハム、缶詰のツナとトマトを適当にパンに挟んでパクつく。味付けは塩とコショウ、マスタード。シンプルが一番旨いのである。炎天下の釣りで注意するのは、水分の補給。しかし、水だけ飲んでいては体に良くないので、塩やコショウを多めにサンドウィッチに振り掛け、塩分の補給も怠らない。心地良い風を感じつつ20分程休んで、午後の部を再開した。

 先ずは池から一気に下って、河口近くのロッキーエリアまで移動した。このエリアだけ何故か岩盤が剥き出しになっており、とても印象的な場所。明らかに他の場所とは違うシチュエーションなので、攻め方も違ってくる。基本的にコッドの楽園なのだが、GTやクイーンフィッシュの巡回コースだったり、時として良型のバラマンディも岩陰に潜んでいるらしい。ここでは、昨年の釣行湾ベイトが爆発したので真っ先に使ったが、コツリともアタリはない。続いてレンジバイブを岩壁ギリギリにキャストしてフォーリング。反応がないのでリフト&フォールを試す。3人がそれぞれの方法で魚を探ったが魚の顔を見られず、対岸のマンクローブ際狙いに変更。

カキ 7KB ここで私が使うルアーはロングA、テリーはハイジャッカー、そしてティムはジャズ。いずれもマングローブの枝葉が覆いかぶさる茂る隙間を撃ち抜き、日陰の中にルアーを入れ、強めのジャークで魚を誘き寄せる。反応があったのはテリーのハイジャッカー。この魚は残念ながら針掛かりの位置が悪かったようでフックオフ。続いて竿が曲がったのはティム。60cm程度のバラマンディなのだが、かなり力強いファイトを繰り替えす。

 マングローブの中に入られると、根にはカキ殻が大量に付着しているのでラインを一瞬にして切られてしまう。かなり強引に魚を引っ張り出し、ボートデッキに抜き上げた。魚は獲れたのだが、今回のファイトでジャズの尾部に大きなクラックが入って使用不可に。中国で作られているこのルアーは、使っている樹脂が弱いようなので"消耗品"と割り切るしかなさそうだ。





〜 バラマンディ入れ食い 〜


マングローブジャック 5KB ロングAに交換したティムが小さなコッドを釣ったっきり反応がなくなったので、大きくUターンして再び上流部の池を目指す。水位がぐっと低下しているため、メインチャンネルのショルダー部分を強く意識してショアラインシャイナーR50を泳がせる。シャローエリアをヨロヨロと泳いできたベイトを、メインチャンネルの溝の中で待ち受けているプレデターがいるハズ。数投すると直ぐに答えが返ってきた。突如、水面が割れて良型のバラマンディが激しくエラ洗い。見事にルアーを吹き飛ばされた。

 直ぐにルアーを回収し、ヒットした場所に打ち込むとまたしてもガツン。何度も何度も力強く水底に突っ込む引き方は、明らかに先程のバラマンディとは違う。魚の顔をしっかりと見たかったので、慎重にやり取りをしていると赤い魚体が浮いてきた。魚はマングローブジャック(45cm)。ルアーをガッチリとくわえていたので、一気にゴボウ抜きしてキャッチ。続いて、テリーがOZフィッシャーマンみんなの憧れ、ゴールデントレバリー(55cm)をロングAでキャッチ。さすがにGTの仲間だけあって、タフなファイトを繰り返す。テリーが魚と対峙している様子はとても勉強になるので、暫く竿を振る手を止めてやり取りを見守った。

ゴールデントレバリー 4KB 少しずつボートを移動させ、バラマンディが集まっている場所を探す。午後2時半過ぎ、テリーがロングAで50cmのバラマンディを釣ったことがきっかけとなり、入れ食いがスタートした。テリーとティムのロングAに次々とバラマンディが襲い掛かる。水深が浅いため、使えるルアーがどうしても限られてくるが、私はあえてロングAを使わず、ブゥビィから始めフェイクベイツNL1ショアラインシャイナーR50を試す。残念ながら私の目論見とは違っていずれのルアーも不発。どうにも反応がないので、ハニートラップ95Sに交換しキャストを開始するとナマズ(50cm)が食ってきた。バラマンディの活性が上がっている時にナマズなんて釣っている場合ではない。明らかに攻め方が間違っているため、観念してロングAを竿先にぶら下げた。

 午前中に気がついたボディの樹脂の違いが、再びここでも出てしまった感じ。私の"ゴールドボーマー"への反応はやはり悪い。大して違いがないようにも思うのだが、魚の反応が違うので、人間には良く判らない何かがあるハズ。このことについて、じっくり探求をしたかったが、ゆっくりしていると時合が終わってしまうのでパス。彼らが使うロングAでは届いていないエリアを広範囲に狙う作戦に切り替え、ルアーをZBLシステムミノー139Fに交換。すると1投目で水面炸裂。複数のバラマンディがルアーを追尾して襲い掛かった。そして、ここからZBLシステムミノー139Fの独断場に。サイズは今遠征のレギュラーサイズである60cm弱だが、笑えるほどバラマンディが次から次へと口を使った。何でも遠くに飛べば良いってものでもないが、射程距離が長いと、こんな時に助かるのである。

〜 "山たて"が決め手 〜


ティム 3KB 私達がアンカーを下ろしている場所は、丁度、2方向から流れてくる濁った水が重なり合う魅力的なVゾーン。こんな場所はベイトが溜まりやすく、流れのヨレもできるのでプレデター達も潜んでいる。いかにも「釣れて当たり前」ってなポイントなのだが、そもそも、GPSも使っておらず、何もない、だだっ広い場所で、「どうしてこのピンポイントにボートを停められるのか?」と不思議に思う。テリーに聞いてみると、やはり彼は周囲の地形等を活用して、しっかりと"山たて"をしているのである。

 ボートを走らせている最中も、常にマングローブの木々の茂り具合や、遠くに見える特徴的な木々や地形をちゃんと観察していて、頭の中の情報とスリ合わせをしている様子。私にとっては、どこもかしこも同じ風景に見えてしまい、全てが"美味しいポイント"に見えてしまうような魅力的な場所ばかり。そんな広大なエリアで、竿を出すべきポイントをピタリと決められるのは凄い能力だと思う。しかも、干満の具合もしっかり予想して、タイミングが合っていなければ別の場所で時間を潰し、再び入り直すこともチョクチョクやっているのだ。

 ZBLシステムミノー139Fで釣れるのは十分判ったので、他のルアーについ浮気をしたくなる。テリーやティムからすると、私の行動は「何故、今釣れているのにルアーを変えるのか?」と不思議に思われているらしい。正直、1つのルアーを長く使っていると飽きてしまうという点があるのだが、日頃から「釣れている時こそ、別のアタリ針を探すのが大切」と考えているため、つい他のルアーを試したくなる。このおかげで、これまでいくつもの爆釣ルアーを見つけてきたわけで、テリーもその恩恵を受けているハズ。

 今回取り出したのは、ペラ付きのリップライザー130(輸出使用)。"輸出使用"とパッケージにシールが貼ってあったが、装備されているフックはヘナチョコ針なので太軸フックに交換済みのヤツ。大柄なルアーなため、あまり無理をして大遠投するのではなく、近回りをじっくり攻めてみる。キャスト&リトリーブを取り返していると、いきなりガツンとルアーをひったくった。明らかにバラマンディやマングローブジャックの引きとは違う。GTか何か・・・暫くして姿を現したのは銀色に輝くクイーンフィッシュ(60cm)だった。

〜 痛恨のアタリ針ロスト 〜


夕マヅメ 3KB その後、リップライザー130に反応がなくなったので、再びZBLシステムミノー139Fに戻す。フルキャストをした先でドカンとバラマンディ(50cm)が出た。素早くリリースして再びフルキャストをするとまたしてもヒット。サイズがデカかったので慎重にやり取りをしてボート際まで寄せる。浮かび上がったのは大きなバラクーダ。「嫌なヤツがきたな」と思った瞬間、こちらの気持ちが伝わったのか、ショックリーダーをブチ切って当たり針を咥えたまま水中に姿を消した。こんなことだから、バラクーダは釣り人に嫌われるのである。ガイド達が、この魚を粗末に扱う理由が良く判る。ZBLシステムミノー139Fを失ったのはホント痛手だった。

 池の中には60cm程度のバラマンディが中心なので、河口域までトローリングをして移動。小さな島周りでB52を使い、ビックバラ狙いをしてみた。必ず何処かにビックママが潜んでいるハズであり、このポイントは実績もあるのだが、不思議なことに今日は魚っ気が全くない。続いて、いつもクイーンフィッシュがスクールしているエリアで湾ベイトを試すが、こちらも不発に終わる。少しずつボートを移動し、キャストを重ねているとテリーがジャズで50〜55cmのバラマンディを2匹、ティムがB52を使い40cmのバラマンディをキャッチ。私はZBLシステムミノー11Fに反応した魚をハニートラップ95Sで仕留めた。この魚はスッポリとルアーを飲み込んでおり、引き寄せるまでに時間が掛かっていたら、リーダーが切れていたかもしれず、とても危うかった。

テリー&バラ 4KB 午後5時半にラブリバーをあとにする。風が出て波立っているのでテリーとティムはカッパを着込んで準備万端。一方、私はカッパを取り出すのが面倒に感じて、そのままで出発した。そのため、アーチャーリバーに戻るまでの間、見事なまでに塩水を被ってグチャグチャ状態。おまけに荒波を乗り越えた際にボートが大きくバウンドして、私が何度もデッキで転がるほどスリリングな船旅となった。

 普通ならここで直ぐに母船ピクーに帰艦するのだろうが、根っからの釣り人3人は、周囲がすっかり薄暗くなっているにもかかわらず、夕マヅメのワンチャンス狙いで竿を振る。結果的にはティムのペンシルベイトに2回チェイスがあっただけ。

 母船ピクーに戻って直ぐに服を着たままシャワー室に。そしてコックをひねって温水シャワーを浴びながら、洗濯を兼ねてゴシゴシと服を擦って一枚ずつ脱ぐ。本来ならドップリと肩まで湯船に浸かりたい気持ちもあるのだが、そうもいかず首筋に熱めのお湯を当てて疲れを取る。この間、2人のOZは食事の準備。テリーはキープしてあった良型のバラマンディを3枚におろし、ティムはスパゲッティーを茹で上げる。スパゲッティーには、私のお気に入り、ケアンズから持ち込んだマリアさん手作りのホットチリ入りのミートソースをからめて出来上がり。

〜 羊達の沈黙!? 〜


夕食 5KB オーストラリア産の赤ワインをグラスにたっぷり注ぐ。知る人ぞ知る当国はヨーロッパ諸国をしのぐ程のワイン生産国。もちろん、値段はピンキリなのだが、お手頃価格でとっても美味しいワインがある。今回、用意してもらったボトルも、一口飲んで思わずグッと親指を立ててしまうほど美味しいワイン。今日の釣果をアラクンの大地に感謝しながら、何度もグラスを傾けた。

 食後は、本日の釣果結果をノートにまとめ、明日に備えてルアーのチューニング。歪んだアイを修正し、変形したフックとリングは交換。ついでにザラついているリーダーも組み直して・・・何かと色々とやることがあった。紅茶を飲みながら、黙々と作業を続ける。

 食事の後片付けとシャワーが終わったテリーとティムは、ノートパソコンの画面に表示されているグーグルマップを見ている。今日竿を振ったエリアについて、何やらアレコレと話をしてたが、突然笑い始めた。彼らが指し示す画面を覗き込むと、見ていたのはアニメーション。農夫がヒツジの毛を刈るという、ちょっと大人向けのヤツ。ワインでほろ酔い加減になった男達3人は、こんなアニメを見てガハガハと笑って疲れを吹き飛ばし明日に備えるのであった。



3日目の釣果結果

TOSHI

TIM

TERRY

バラマンディ

20

10

9

バラクーダ

2



フィンガーマーク



1

GT



1

マングローブジャック

3

2

1

ナマズ

1


1

クロダイ


1


コッド


2


エイ

1



クイーンフィッシュ

1

1




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