豪州バラマンディ・フィッシングW
アンビリバボゥ


素敵な出会い!? 児島玲子さん

擬似餌の玉手箱>豪州バラマンディ・フィッシング>'00/10遠征

'00/10/23(月)

〜返り討ち?〜


 10月22日(日)の夜8時過ぎに名古屋空港から飛び立ったカンタスQF50便(ボーイング747)は、翌朝、着陸降下時に機体を随分揺らしながら雨降るケアンズ空港へと降り立った。今回乗った機体は頭上のランプが切れていたり、荷物棚のフタがきっちり閉まらなかったり、座席の布地が破れているなど内装の傷みがアレコレと気になっていた。数年前までは世界一安全な航空会社と言われていたが、トップの座は既に他社に譲ったと聞いている。内装の傷みは飛行性能には全く問題ないのだろうが、何となく不安感を抱いていたので無事に着陸でき、同行者K(HIRO)ともどもホッと一安心した。

 食品(鮭入りのアルファ米と卵入り即席スープ)を持ち込んでいたので荷物検査に若干時間がかかったが、没収されずに入国手続き完了。空港ロビーへ出ると旅行代理店トレードウィンズの現地スタッフA氏とY氏のお出迎えがあった。まだ夜も明けない早朝4時過ぎに、スタッフ2人が迎えに来てくれるというVIP待遇に感心しながら挨拶を交わした。
 よくよく話を聞くと同じ便でシマノ系釣り番組「釣りロマンを求めて」のスタッフと、モデル出身のアングラー児島玲子さんが乗り込んできており、A氏はそちらのお出迎えだったようだ。(彼女のことは釣り番組でしか知らなかったのだが、帰国後、インターネットで調べてみると某大手ビールメーカーのキャンペーンガールだったり、写真集を出していたとり、随分活躍しているモデルさんだったので驚き。当然のそのボディにもね)

 これから4日間、船で沖へ出てカジキを狙う玲子さんたちと別れ、私達は常宿のアウトリガーホテルへ向かった。車中では、スタッフから天気の様子や釣果状況について情報収集。遠征中の天気は事前にインターネットでチェックし、特に大きな崩れはないと認識していたのだが現地は雨。残念ながら雨は直ぐには上がらず降り続くらしい。前回の釣行では雨の影響で連日悲惨な思いをして懲りていたので、今回はリベンジのはずだったが、あっさり返り討ちにあった感があった。

〜アンビリバボゥ〜


 ホテルに到着後は一服するまもなく、慌ただしく食事を取りながらピックアップ時間の朝7時に間に合わせるためにタックルの準備に取り掛かった。遠征に持ち込んだタックルはメインで使うミノー用にOFTのジャーキング62Bアンタレスver2(ナイロン20lb)、トップウォーター用にメガバスのF2-57XTDZ103H(淡水限定使用 ナイロン14lb)の組み合わせ。また予備としてダイコーのアームズスティックASC-66Mカルカッタ50XT200XTを用意し、リーダーは50lbを使うことにした。
 リールについてはアンタレスver2を除き、どれも耐塩性に問題があるので塩水域での使用は極力避けたいのだが、目をつぶった。ちなみに今回持参したルアーは過去最多の123個。オーストラリアで直ぐにでも日本製ルアー専門店が開けそうなくらいの数を2つのプラスチックケースに詰め込んできた。

 約束時間の10分前に4日間お世話になるガイドのテリーホールマンがホテルのロビーに到着。久しぶりの再会を喜びあい、固く握手をしてボートを牽引しているサファリに乗り込んだ。時折強く降る雨の中、テリーの友人が経営するオーストリッチ牧場を横目で見ながら時速80〜100kmで国道を南下。この雨は2週間ぶりで、昨晩はポートダグラスで50mm、ケアンズ南部では25mmの雨が降ったとのこと。今は乾季なので、このタイミングの悪い雨にテリーは「アンビリバボゥ 信じられなぁ〜い」と連発。「TOSHIが雨を連れてきた。お前はアメ マグネットだ」と言う。確かに、毎度ケアンズを訪れるたびに雨が降っている気がする。

 道中、幾つかの川の様子をチェックしていくのだが、どの川も「うぅ〜ん、マッディ、ノーグッド」とテリーは渋く唸る。バラマンディ釣りにおいて、雨による濁りは最悪のコンディションを意味する。オーストラリアは赤い台地と言われるだけあって、一雨で赤土の濁りが河川に入ってしまいバラマンディは沈黙する。日頃、マッディな野池や河川で釣りをしているので少々の濁りなんて気にしないのだが、こちらではそうもいかないようだ。

 1時間半のドライブで到着した場所は、初めて釣りをするリバプールクリーク。手際良くボートを降ろし、タックルのチェックを受けた後にキャスト開始。やはり魚の反応はなく、上流に向かって一気に船を走らせ、「バラマンディハウス」とテリーが呼ぶ倒木周りや、ウィードエッジを丁寧に攻めるが反応なし。徐々に川を下りながらポイントにバシバシとルアーをブチ込んで魚を探す。最初のヒットは午前10時。ヒットさせたのは案の定、ガイドのテリー。過去の遠征でも彼はきっちりと操船をしながらバックシートから確実にポイントへルアーをブチ込みバラマンディを釣り上げる。彼が使っていたルアーはシーウォッチャー(9cm)。しっかりフッキングしていたようだったのだが、残念ながらバラしてしまった。ここでもテリーは一言、「アンビリバボゥ〜」。

〜豪州1匹目〜


バラマンディ 41cm 7KB その5分後、私の操るハスキージャークにヒット。しかしこれもあっけなくフックオフ。面倒だったのでフックを交換していなかったのが原因で、純正フックはあっさりと伸ばされていた。ガイドに「なんで交換しておかないんだと」ボヤかれながらスプリットリングも含めハードタイプの物に交換し、気を取り直してキャストを続けると幸運にも再びヒット。

 記念すべき豪州1匹目の魚は僅か41cmのバラマンディ。このサイズだと迫力あるバラマンディ本来のパワフルな引きは楽しめず、結構簡単にランディング出来てしまった。サイズが小さかったので油断していたのだろうが、フックを外している際にバラマンディが暴れ、鋭いエラが指にあたった。気が付くと人差し指と中指の3ヶ所がサックリと切れ、服やズボンに鮮やかな血が飛び散っていた。バラマンディのエラはスズキと同様、非常に尖っている。ちなみにオーストラリアの魚は、バラに限らず背鰭が尖っていたり、鋭い歯を持っていたりと素手で触るには危険な魚が多いので要注意だ。

 川を下りながらウィードエッジを攻めていく。テリーがハスキージャークを使い38cmのバラマンディをキャッチした直後、再び私がハスキージャークで34cmをキャッチした。さすがにこの小ささには拍子抜けしてしまったが、取りあえずは記念撮影をして優しくリリース。サイズに不満そうにしている私にテリーが「小さくたって、いつかはビックサイズになるんだ」と一言。そう確かに一匹は一匹。釣れたことに深く感謝し、大きく育つことを祈らなければ。

〜ターポンエリアに突入〜


ターポン&テリー 7KB いつもなら、午前10時前にはピンクの砂糖がべっとりと付いたパンを食べながらのティータイムになるのだが、今回は12時近くなってからのティータイム。一息ついたところで、川が左に大きくカーブした水深の深いポイントへ移動しアンカーを打った。テリーはおもむろに白いヘッド&白い羽根付きのフェザージグを取り出し私達に配った。

 ターポンフィッシングの開始である。正直言って私はこの釣りが苦手。軽いジグを大遠投して十分沈め、時々しゃくってやるだけの簡単な釣り。しかしこれが中々難しい。2年前に釣行した際にチャレンジした時は、上手くアタリがとれず面白くも何ともなかったという記憶がある。

 やってみると、やはり20lbのナイロンラインを巻いてあるベイトタックルでは軽いジグを思うように投げられず、しかもアタリはとりづらい。スピニングタックル&PEラインなら苦もなく魚をフッキングさせてやるのだが。一発目はやはりテリーがキャッチ。45cm以上はある銀色のスタイリッシュなターポンを釣り上げた。何回か、コツッとアタリはあるのだが、上手くフッキングできずにいると、同行者のフッキングがビシッと決まった。ターポンのパワフルな引きに翻弄されながらも46cmを無事キャッチ。彼にとっては、コイツが待ちに待った記念すべきオーストラリアの1匹目。ボウズを免れたのでこれで一安心だ。

ターポン&TOSHI 7KB ターポン釣りでは一人取り残された感があったが、やっとフッキングが成功しパワフルな魚とのやり取りが始まった。物凄い勢いで突っ走り、リールからラインを引きずり出す。思わずスプールを親指で押えた瞬間、「うわっ あちちちちちぃ!!」と声が出た。親指の腹をラインの摩擦熱で火傷してしまった。ぐいぐい川底に向かって泳ぎまくるターポンをロッドワークで引き寄せ、よいしょっとランディング。サイズは堂々の52cm。

 ターポンの口は他の魚の構造とは異なり、四角形にカッポリと開くのが特徴だ。大きく開いた口でズボッと水と餌を同時に吸い込むようになっている。餌にガブッと食いつくタイプではないので、フッキングが難しいわけだ。また、他の魚に比べとても生臭い。ニオイの事をテリーに言うと、「ウーマン スメル(女性のニオイ)」と返事が返ってきた。オーストラリアの女性はよっぽど生臭いのか!?

〜立て、立て!!〜


マングローブジャック 4KB ターポンエリアで各自1匹ずつ釣り上げた後は再び川を下る。テリーがTDシャッドで35cmの可愛らしいバラマンディを追加し、午後2時近くになって遅めの昼食をとった。相変わらずセルフサービスでパンにハム、トマト、レタス、チーズを挟み込んで作ったサンドウィッチをパクつくという超簡単な食事。これから4日間同じメニューが続くのだが、腹が減っていることもあり結構美味しくいただける。

 30分程で昼食を済ませた後は河口まで下りながら、ひたすらタイトなキャストが続く。厳しい状況の中、どうにか私がシャッドラップラパラで超小型のマングローブジャック(28cm)、テリーがDDパニッシュでマゴチ(55cm)を釣り上げた。
 一方、キャストがきまらずマングローブへ何度となく引っ掛けていた同行者は、集中力が切れてギブアップ寸前。ついにデッキへ座り込んだ。テリーがしきりに「立て、立て!! キャスト、キャスト!!」とせかすが、既に戦意喪失のようで暫し小休止。 たまにしか釣行しない彼が、年間100日前後釣りをしている私や、250日はガイド業をこなしているテリーと同じペースでルアーをタイトにポイントへブチ込む事自体に無理があるのかもしれない。

 バラマンディ釣りではキャストの精度が最も重要であり、同船者がいる場合はスペースの関係でオーバーヘッドキャストが主体となる。特にオーバーハングになっているようなポイントでのキャストは水面にルアーを叩き付けるくらいの力強さが必要であり、ユルユルフワフワポッチャンというキャストではポイントから遥か上にある木の枝を釣りかねない。
 枝にルアーを引っ掛けるとボートを寄せて回収するため、引っ掛ける度に次から次へとポイントが潰れていく。引っ掛けるぐらいならポイントの手前へ落とし、ルアーを急いで回収し再度キャストする方が賢明だ。
 ちなみに水面にルアーを叩き付ける事は、ルアーの存在を魚達に判らせる意味もある。着水時に敢えて多きな音を立てたり、水面で力強くトウィッチをすることでゴボッゴボッと音と泡を出して魚を呼び寄せるテクニックも有効だ。

〜初日残り1時間〜


 テリーと二人でバラマンディポイントを叩いていたが、暫くすると沈黙していた同行者のエンジンに再び火が入りキャスト再開。そして久しぶりのヒット。初日の釣行残り1時間の段階になってシュガーミノーSPオフセットリップを使い豪州遠征初のバラマンディ(31cm)をキャッチした。この1匹で一気にエンジン全開!バラクーダ(35cm)、マングローブジャック(25cm)、マゴチ(45cm)を立て続けに釣り上げた。

 一方、私はアスリートミノーSPでターポン(35cm)、シュガーミノーSPオフセットリップでマゴチ(55cm)を追加。テリーがDDパニッシュでマングローブジャック(28cm)を釣り上げた。納竿は午後5時。帰りの道中は大雨が降った。車中での話題は当然ながら、この憎っくき天候の話。「TOSHIが来ると雨が降る。やっぱり雨を引き寄せるアメ マグネットだ」と何度も繰り返していたが、納得してしまう自分が妙に情けなかった。

1日目の釣果結果

TOSHI

HIRO

TERRY

バラマンディ




ターポン




マングローブジャック




マゴチ




バラクーダ





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