豪州バラマンディ・フィッシングW
渋い時にはトローリング
マングローブジャック 6KB

鋭い歯を持つマングローブジャック


擬似餌の玉手箱>豪州バラマンディ・フィッシング>'00/10遠征

'00/10/24(火)

〜出せる時に出す〜


バラマンディジュース 8KB いつもより30分早い朝6時半にホテル玄関に集合。しかしテリーの顔を見たとたんにトイレへ行きたくなり、急いで用足しをして10分遅れでニッサンパトロールに乗り込んだ。目的地に向かう道中で催してきた時は、ガイドに伝えれば国道沿いの公衆トイレやボートランプのトイレを借りることが出来るのだが、ボートの上でトイレに行きたくなるとちょっと厄介。怪しげな虫達が無数に飛び交う中、牛やワニの視線を何となく感じながら、お尻を大地にさらすことになる。

 私は1回目の豪州遠征でこれを経験しているのだが、どうにも落着かなくて、まともに用を足せなかった苦い記憶がある。従って、遠征中は「出せる時に出す」という心掛けが必要。トイレに行きたくなったら、遠慮なく早目にガイドに申し出ることが大切だ。ちなみに小用の場合は簡単。ボートの船首か船尾に立って用を足すことになる。なるべく船に掛けないようにしながら「バラマンディジュース!!」と叫びながらすると良い。思いっきり放水すれば釣れない時でも気分が晴れる。

 この時に注意しなければならないのが、悪戯好きのガイド達だ。前回の遠征時では、放水真っ最中に”ヨーダ”が船を左右にグラグラ揺らしたり、エレキを使って360°船を回転させたりと散々だったが、今回はテリーの洗礼を受けた。なんと放水中に開いている足の間から、ススススッと私のロッドが伸びてきた。ロッドの先端には私のお気に入りのルアーがぶら下がっており、濃厚なバラマンディジュースがたっぷりと掛かってしまった。悔しいのだが、こういう時に放水作業は急には止められない。

〜雨雲の切れ間から〜


 小雨が降る中、ケアンズ市街を抜けて南下する。途中、雨雲の切れ間から一筋の光が大地を照らしていた。現地では、これを RADDER OF THE ANJELと言うらしいのだが、果たして私達のところに天使が降り立ってくれるのか?天気の様子からすると天使がはしごを登って天に帰ってしまう気がしてならない・・・。本日攻める河川はジョンストーンリバー。過去の遠征で釣行したことのある川なのだが、ボートランプは幾つかあるようで今回初めてアプローチする場所だった。午前8時からキャスト開始。実はボートを降ろしたところが既にポイントで、小魚達がターポンに追われて逃げまわっていた。

グランター&SK-ポップ 7KB テリーから渡された白いフェザーテールジグを遠投し、充分沈めてからリフト&フォールの繰り返し。一度コツリと当たった気がしたがフッキングには至らなかった。同行者は開始早々の1投目から大バックラッシュ。もしゃもしゃと絡まったラインを引きずり出していると、それがエレキのペラに絡み付きダブルトラブル。トラブルを解消した時には既に魚は何処かへ去ってしまった。

 魚のライズがなくなったのでボートランプから上流に向かい、流れがきつくメチャメチャ浅いチャラ瀬へ強引に突っ込む。しかし、あまりにも浅く船底をガリガリ擦ってアプローチ失敗。ボートを流れに任せ一旦下らせた後に、エンジンをめい一杯チルトアップさせ再びエンジン全開で勢いを着けて突入。後ろの方に座っていた私達はガイドの合図とともに、船首へ急いで移動。派手な水飛沫を立てながら物凄い勢いで水面を掻き回すスクリュー音と、船底が川底に当たるたびに響くゴリゴリ音に「座礁」という言葉が頭をよぎったが、何とか無事渡りきる事ができた。普通だったらこんな水深の浅い瀬には挑まないだろう。

〜渋い時にはトローリング〜


 浅瀬を無事に渡りきったところで、ガイドからポッパーを出せとの指示があった。チョイスしたのは最近発売されたばかりのSK-ポップ。購入後、初めて使ったのだがコイツは凄かった。早めの連続アクションで物陰から魚達が次から次へと出てきてアタック。グランター2匹、ジャングルパーチ2匹をいいペースで釣り上げた。ガボッと派手な音を立てて飛び出た魚もいたのだが、残念ながらフックオフ。「魚は確実に40UPはあるグランターだ」とガイドが言う。一目顔を拝みたかった。

 「バラが渋い時にはトローリングで良い時がある。デカイヤツは水深のある川底にべったりと張り付いているので深く潜るミノーやシャッドが良い。」とガイドが話す。過去の遠征では一度もトローリングはやったことがないのだが、バラが潜んでいそうなポイントをタイトに狙い撃っていても反応がないので、3人揃ってルアーを流してみた。

 トローリング中は、特にアクションを加える必要はないらしいが、テリーの様子を見ていると時々大きくシャクリを入れていた。ルアーが川底をゴリゴリと引き過ぎる場合はロッドを高めに構え、浮き過ぎた時はロッド低めに構えると良いようだ。注意点は持っているロッドを落とさないこと。(笑) 長時間、トローリングをやっていると、いつのまにか睡魔に襲われるので、しっかりと両手でロッドを握り締めていないと、いつか川の中に落とすハメになる。

テリー&バラマンディ 6KB このトローリングで同行者は本日1匹目となるグランター(25cm)をベビーシャッド75SPでキャッチ。続いて、テリーがマンズのストレッチS5+で本命のバラマンディ(今遠征最大魚67cm)と30cmのグランターを釣り上げた。トローリングでバラが釣れるかどうかは半信半疑だったのだが、ガイドがしっかりと手本を見せてくれて納得した。釣り上げられた奇麗なバラマンディを暫し観察しながら写真撮影。70cm近くなるとバラマンディの姿には迫力が出てくる。そして大きく赤く光る目には輝きを増す。

 ストレッチは以前購入して嫌な思いをしたので敬遠しているのだが、バラマンディの反応が悪い時にキッチリと成果を出すところはさすがだ。少しこのルアーを見直してあげよう。ちなみに私が引いていたTDシャッドには無反応だった。午前11時、ガイドがスゴイスプラッシュでグランターを釣った後、ちょっと遅めの休憩をとる。いつものピンクの砂糖がべったり付いた菓子パンにパクパクと食らい付きエネルギーを補給した。

〜バックシートが有利〜


 小休止後、私はSK-ポップでグランター、ジャングルパーチ、CCプレデターでGT(34cm)を釣り上げた。一方、同行者はポップRでグランターをキャッチ。そして小さな流れ込みが合流するところにあるストラクチャーでバラのアタックがあったがロスト。シャッドラップで巨大なテッポウウオ(アーチャーフィッシュ)、シュガーディープでGT(43cm)を釣り上げた。テリーはストレッチS5+ポップR、白いフェザーテールジグを使いグランター、DDパニッシュで35cmと55cmのバラをキャッチした。

 午後2時前、テリーが再びバラを釣り上げた。実はこのバラは、私がストラクチャーを狙っていた時にギラッと姿を見せたヤツ。すかさず同じポイントへルアーをぶち込み、誘いをかけたが無反応。ボートが流れていくので仕方なく諦めたのだが、バックシートに座るテリーが同じポイントへDDパニッシュを投げ込み、クイックイッとアクションを加えるとガツンときた。上がってきたバラのサイズは55cm。「それはオレのバラだぁ〜」と思わず言うと、「トシは諦めたじゃないか」とニヤリと笑いながら言う。「ヒィ〜くやしぃ〜!!」

 バラを釣る時には、船首よりもバックシートの方が有利に思う。一人目がバラを見つけ、二人目がバラを興奮させ、三人目が確実に仕留めるというパターンだ。魚の活性が高く食い気満々の時は、当然船首にいてイチ早くポイントへルアーを投げ込んだ方が有利なのだが、活性がメチャ低い時には、むしろ後ろのポジションの方に分がありそうだ。

〜ボロボロのルアー〜


ランチ 7KB 河川では潮の干満に合わせて川を上ったり下ったりして釣りをしている。ポイントによって水位が高い方が良い所、逆に低い方が良い所があるようだ。今回も昼メシを食べる時間をずらしてまでロッドを振り続けていたが、全体的に魚の活性はイマイチ。さすがに腹が空いたので午後2時過ぎに遅い昼食を食べた。

 食後は、暫しお互いのタックルを見せながらのルアー談議。相変わらずテリーが使うルアーはボロボロ。日本国内でここまで1つのルアーを使い込む人はいないだろう。ちなみに今回彼が頻繁に使っているDDパニッシュは日本人客からもらった2本の内の1本。元々はアユカラーだったようだが、既に塗装が全て剥げ落ち、乳白色のプラスチックが剥き出しになっていた。オーストラリアの魚は歯が鋭いヤツが多いので塗装が剥げるのは早い。ウッドプラグなんてあっという間にボロボロになってしまう。「ウッドプラグに刻まれたキズを眺めながら昔を思い出す」なんて事はこちらでは出来ないことだったりして。

 昼食後は河口域を攻め、私はシュガーミノーで35cmのマゴチと同サイズのマングローブシャックを釣り上げた。このマングローブジャックは見事なほど鮮やかな赤色をしていた。一方、同行者はシュガーミノーで53cmのバラマンディと46cmのマングローブジャックをキャッチ。ガイドは同行者のハンドメイドルアー”HIROルアー”を使いGTを2匹キャッチ。雨が激しくなってきた午後5時に納竿。

〜デジカメ受難〜


 遠征中は何かとハプニングがあるものだ。今回は同行者が雨の中使っていたデジカメ(ニコン:クールピクス880)が故障。使っているうちにモニターが誤作動したり、電源が入らなくなってしまった。今のデジカメは防水はおろか、防滴処理もされていない電子機器の固まりなので、一般のフィルムカメラ以上に水には気を付けなければならないが、彼は少々甘く見ていたようだ。私の場合、基本的には雨が降っている場合はフィルムカメラを使用。パラパラと降る小雨程度の時は、デジカメ(リコー:DC3)を使い手際良く撮影して水分をタオル拭き取り、乾いている服の内ポケットにしまっていた。また移動中はカメラ類を防水バックや防水ケースに入れている。

ボートランチ 5KB 実はこの日、デジカメに関わる事件がもう1つあった。ガイドがボートを引き上げている間に雨宿りをしていたトイレに、同行者がデジカメを忘れてきてしまった。この事に気がついたのは、既にケアンズに向かって車を走らせている最中だった。「あそこは若者が多いので、戻ってもカメラはないかもしれない。」とガイドはとても心配そうに言う。ボートを牽引しているので非常に危険な行為なのだが、即座に国道の道幅いっぱいを使ってUターン。激しい雨の中、15分かけて戻り、幸運にもデジカメを見つけることができた。

 デジカメの動作不良は、宿に帰りドライヤーを使って乾かすと見事に直ったのだが、後日再び雨の中で使用したために故障してしまった。目まぐるしくモデルチェンジが繰り返され、日々高性能になるデジカメは、修理に出すより新たに購入した方が安上がりらしい。今後は高画質への追求ではなく、コンパクトな防水タイプのデジカメの販売がされることを切望する。

2日目の釣果結果

TOSHI

HIRO

TERRY

バラマンディ




ターポン




マングローブジャック




グランター




ジャングルパーチ




GT




テッポウ魚




コチ






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