バラマンディ・フィッシング]]
初めてづくしのグリーン島

ク゜リーン島ビーチ 10KB
グリーン島のビーチは残念ながら釣り禁止です


擬似餌の玉手箱>豪州バラマンディ・フィッシング>'13/2遠征


'13/2/21(木)〜23(土)午前

〜 グリーン島に向けて出発 〜


サンドフライ 6KB 今日から2泊3日のグリーン島。この島は世界遺産グレートバリアリーフの最も大陸側に位置する、ケアンズから日帰り可能なアイランドリゾートとして有名な場所。一周歩いて40分程、エメラルドグリーンの海と白い砂浜で囲まれた小さな島で宿泊場所は一ヶ所しかない。日中は観光客で賑わうが、ケアンズへの最終船が去った後は、極少ない宿泊客だけの静かなプライベートアイランドへと変わることを職場の同僚から聞き、旅行先としてチョイスした。

高速艇 7KB グレートバリアリーフは世界的にダイビングスポットとして有名な場所でもある。「ここでダイビングをやらないなんてことはありえない」と嫁さんに説得されて、渋々やることにした。そもそもシュノーケリングすらやったことのない私が、「ボンベを担いで果たして10mも潜れるのか?」「レンタルした機器の不具合で溺れたらどうするんだ?」など、数多くの心配事が頭の中に溢れてずっと緊張。朝は暗いうちから目が覚めてしまい、明るくなるまでの時間、ベットの中でグズグズしていた。

 なんだか足が痒いので良く見てみると、足の甲を中心に赤くプックリとサンドフライに刺された跡が何個もあった。肌の露出部には虫除けスプレーをたっぷり塗ってあったのだが、ビーチシューズのメッシュ部が刺されていた。万全な対策を講じていたつもりだったが、まさかシューズの上から刺されるとは・・・。帰国後も暫くの間は、この痒さに悩まされそうだ。

 トーストとオムレツの朝食を食べ、マリアさんが用意してくれたランチボックスを持って午前9時過ぎに出発。グリーン島は観光地なので、物価は押しなべて高いらしい。無駄なお金を使わなくて良いようにと、水やソフトドリンク、果物も持たせてくれたテリーに感謝をしながら、リーフフリート・ターミナルで別れる。桟橋から高速双胴船(カタマラン)に乗って1時間弱の快適なクルージングでグリーン島へ到着。船内で気が付いてはいたのだが、島に到着すると周囲は中国人ばかり。今にも島の中央部に、中国の国旗が立てられてしまいそうな感じだった。

〜 グラスボート初体験 〜


グリーン島 8KB 中国人の多くが男女問わず、とにかく何処でもお構いなしに大きな声で会話をしている。しかも、とても早口なので、近くにいるとどっと疲れてしまう。日本人スタッフに話を聞くと、先週までは旧正月の大型連休で毎日1,000人以上の来島があったらしい。日本のバブル絶頂期には、この島は日本人で溢れていたので、私達は決して中国人についてとやかく言える立場ではないが、今現在の世界経済の縮図がここで垣間見られるような感じだ。

グラスボート 10KB 浜辺近くのベンチで昼食を摂った後は、グラスボートに乗った。これまで様々な船に乗ったが、グラスボートは初めての体験。観光地のグラスボートなんて・・・と、それほど期待はしていなかったが、思っていた以上に数多くの魚やサンゴが見られてビックリ。ふと、テリーに彼が複数所有するバラ・ボートの1艇の船底をくり抜き、透明アクリルをはめてグラスボートにして欲しいと頼んだ事を思い出した。当時、全く相手にされなかったが、もっと本気で頼めば良かったかもしれない。

 ガラスごしに大型のGTが船の下を悠々と泳ぐ姿を見た時は、思わず「おおっ〜」と声が出てしまった。さすがにグレートバリアリーフ、海の中には釣って面白そうな魚がウヨウヨ。グラスボート初乗船は、良い意味で期待を裏切った体験だった。狭い船内でも多数の中国人に囲まれて何だか肩身が狭い感じもしたが、日本語のテープによるアナウンスもあったりして、30分間のクルーズを楽しめた。

 船長が最初に挨拶をした際、「今日は何処の国から来たか?」と国名を順に挙げながら乗船客に聞いていたが、日本語のテープを流してもらうためにも中国人に負けてはいられない。もちろん国際紛争に発展してはならないが、小さな船の中では自国をしっかりアピールする必要があるだろう。



〜 シュノーケリング初体験 〜


ルミックス 8KB グラスボートの後はシュノーケリングに挑戦する。先ずは、この旅行のために買った嫁さんのルミックスDMC-FT4を水中カメラにドレスアップ。今回はこのカメラを使って水中写真や動画撮影にチャレンジするのだ。当初の予定では、2日間の釣りにおいても水中撮影をするつもりだが、釣り初心者同船において「それ何処じゃなかった」という状態だったり、水中で使うためのゴムパッキングを何故か忘れたりと撮影環境が整わなかったため、撮影できないでいた。今日は防水対策をしっかり整えて、操作方法も確認して準備完了。

 続いて、シュノーケリングに必要な用具一式をレンタルショップで借りる。島内ホテルの宿泊客は、シュノーケルなどを滞在期間中無料で借りられるサービスを受けられる。ショップのスタッフに、ホテル宿泊者の証明である青い海ガメのシールを見せると優先的に対応してくれるので、お得感が漂う。

 嫁さんにレクチャーを受けながら、日焼け防止とクラゲ対策で全身黒タイツの通称クラゲスーツを着込む。このスーツ、完全に乾いていれば良いのだが、誰かが着た後の物だと、ピタピタ濡れていて着用の際に気持ち悪いことこの上ないので覚悟が必要なのだ。また、全身にピタッと張り付く素材なので、体型がモロに出てしまうのも気になるところ。

シュノーケリング 7KB クラゲスーツを着た後は、足ヒレとマスク、シュノーケルを装着する。足ヒレは、フローターフィッシングを散々やってきたので戸惑いはないのだが、ずっと気になっていたのがマスクとシュノーケル。いずれも、「水が入って来た時にどうするか?」というのが私の最大の心配事。特にシュノーケルは「突先のテッペンから水が入ってきたら、息が出来ないじゃん」という生死に関わる根本的な事。「強く息を吐いてから、空気を吸えばいい」と彼女は簡単に言うが、「吐き出す息が残っていなかったらどうするのだ?」「吸った時に波を被ったら、海水を大量に飲んじゃうじゃないか?」という素朴な疑問が頭の中をグルグル巡る。

 元来、"物事を頭でちゃんと理解してから取り組みたいと"いう性格のため、大雑把で怪しげな説明だけでは恐ろしさだけが先に出る。簡単に言うと"ビビリ屋さん"なのだが、年間何人も海で溺れ死んでいるのでこればっかりは致し方ない。アレコレ心配しながら入水したが、まさしく"案ずるよりは産むが易し" 。実際に泳ぎ出してしまえば、息継ぎもうまく出来てパタパタと足ヒレを煽りながら泳ぎまわれたのである。

 慣れたところで、水中カメラを借りて動画撮影にも挑戦。モンガラカワハギの仲間(ムラサメモンガラか?)をしつこく撮影していたら、魚が怒り出してこちらに突進してきたり、スーツに噛み付いたりしてビックリ。まさか魚に噛まれるなんて、思ってもいなかった。嫌なものは噛み付いて排除するという行為が、餌ではないルアーに反応する魚の習性と同じなのかもしれない。彼らには手がないので、口を使うしかないのだろう。



〜 洋上に浮かぶポンツーン〜


ダイビングスクール 13KB グリーン島2日目は、スキューバダイビングに初挑戦。水中深く潜っても息が出来るなんてホント素晴らしい事だが、「果たして自分に出来るかどうか」「パニックになって、溺れはしないだろうか」と心配ばかりが先にたつ。朝食をレストランで食べてから、初心者対象のダイビングスクールを受講した。参加した人達の中には、私と同様に全くの初心者がいるので、なんとなくホッとしながらスタッフの話を注意深く聞く。ダイビングにおける基礎知識を頭の中に短時間で詰め込み、高速双胴船で暫く走った先にあるポンツーンに向った。

ポンツーン 6KB 船内は相変わらず中国人が幅を利かせ大きな声を出して話をしているが、スタッフは日本人が揃っていて日本語が通じるのがありがたい。判らないことや困ったことがあれば遠慮なく尋ねられるし、その後も気に掛けてくれる。船内で繰り返し上映されるビデオや、備え付けのパンフレットには出てこない情報もスタッフから得られるので、せわしなく働いている彼らのタイミングを見て話をしてみると良いだろう。

 グレートバリアリーフに浮かぶポンツーンには40分程で到着。天気に恵まれ揺れる事もなかったので、快適な船旅だった。先ずはシュノーケリングをやって緊張している体をほぐす。そもそも、これまで足が付かないような大海原で泳いだことはないので、シュノーケリングですら少しビビリ気味な感じ。

 眼下にはインストラクターに抱えられながら体験ダイブをしている人が見えたり、水中スクーター"スクーバ・ドゥー"が気持ちよさそうに進んでいるが、「もしかしたら、足がツルんじゃないか」とか「シュノーケルの先端から海水が入ってむせたらどうしよう」などアレコレ心配している自分に気が付いた。

〜 ダイビング初体験 〜


ポンツーンでの昼食 7KB シュノーケリングを楽しんだ後は、ビュッフェスタイルの食事をいただく。各国から訪れた人を対象にするため、様々な食べ物がケースに並んでいるが、中国人の方々の迫力に負けて思うように料理が取れない。無理せずに後から取りに来ようと、一旦席に戻って食事をし、空になった皿を持ってくと既に料理はきれいになくなっていた。やはり遠慮してはいけないのである。

 ダイビングの順番が回ってきたのでスタッフの指示に従いながら器具を装着する。ダイビングの様子はテレビで何度となく見ているので、頭の中でイメージは十分出来ているのだが実際に自分がやってみると体はガチガチ。少しずつ潜りながら、ゆっくりと呼吸をして気を落ち着かせるが、ゴーグル内に海水が少しずつ入り始めてきた。

ダイビング 5KB インストラクターは、結構早いテンポでどんどん深く潜らせようとするのだが、私の心の準備は追いついていない。多分、2mも潜っていないのだろうが、何だか息苦しく我慢できなくなってきたのでパニックになる前に一旦浮上した。インストラクターさんは、私のボンベから出ている計器を見て「もっと大きくゆっくりと呼吸をして」とアドバイスをくれる。他の人に比べて、エアーの減り方が随分少ないらしい。

 どうやら私は、緊張するあまり呼吸は浅く、息をするのを我慢していたようだ。息をしていないので、苦しくなるのは当たり前なのだ。息を沢山吐かないと、沢山吸えないらしく、浅い呼吸を繰り返しているとどんどん苦しくなるんだそうだ。

 ここでギブアップしては、嫁さんの前で格好が悪すぎる。ゴーグルをキッチリ装着しなおしながら、呼吸を整えて再チャレンジ。インストラクターに手を引かれながら徐々に深く潜ってゆく。途中、耳が痛くなってきたので、耳抜きを2回程やって無事に海底へタッチダウン。上の方を仰ぎ見るとシュノーケリングをして遊んでいる人がいたり、水中スクーターが動いていることに気が付いた。それまでは、自分の目の前にいるインストラクターさんを見失わないように必死だったが、気持ちに余裕が出来てきた。サンゴの近くに群れている色鮮やかな魚達や、海底に転がっているナマコを見つけたりと、恐怖心よりも楽しさが増してくる。

〜 ナポレオンフィッシュの登場 〜


ナポレオンフィッシュ 5KB 突然、目の前に現れたのは巨大なナポレオンフィッシュ。サイズは70〜80cmくらいだろうか。こんな魚が近寄ってくるとは知らずにビックリ。しかも体を寄せてきて、大きな目玉をギョロギョロさせて私達を見る。多分、餌付けがされているのだろう。目の前で手をヒラヒラさせると、口をパックリと開けておねだりしてきた。人に触られるのを嫌がるかと思いきや、口の中に手を入れてもOK。暫く私達にまとわり付いていたが、餌がもらえないことが判ったのか、そのうち何処かへと姿を消した。

ニモ 13KB 海の中に潜って、改めて実感したこと・・・それは「魚はいるところには沢山いるが、いないところには全くいない」ってこと。魚がいないようなところで、ルアーを何百回投げても釣れないハズ。日頃、竿を振っているエリアに潜って、魚の様子を見てみたいと思うのは、多分私だけではないだろう。

 十分楽しんだところで、体験ダイビングが終了。後から知ったのだが、10m以上潜っていたらしい。ポンツーンに上がった時は、「水中で溺れなくて良かった〜」と思わず言ってしまったほど。スタッフの皆さんから「もう1本潜りませんか」と声を掛けてもらったが、疲れていたことを理由にしてパス。

 一方、嫁さんは私の周りをフワフワと泳いでいるだけでは物足りず、もう1本追加。体験ダイブよりも、もっと楽しめる場所へ案内してもらえるようだ。彼女が潜っている間、私は一度体験してみたかった半潜水艇に乗り込み、海中の様子を楽しむことにした。半潜水艇は潜水艦のような形をしている船。水中に沈むわけではないが、座席がある場所が水面下なので窓から珊瑚礁や魚達を眺めることが出来る。

 この船なら溺れる心配もなく安心して海の中をじっくりと見られるのだが、船内は冷房がガンガンに効いており濡れたクラゲスーツを着ていた私は震えてしまった。乗り込む際にスタッフからバスタオルを受け取っていなければ、凍え死んでいたに違いない。オーストラリアは、レストランや船、飛行機内などで、とてつもなく冷房が効いている場所があるので要注意なのだ。



〜 フィーディング・ショーの舞台裏 〜


桟橋餌付け 8KB グリーン島でのお楽しみはダイビングやシュノーケリングのほか、巨大ワニ見学やナイトウォーク、ヘリコプター遊覧など色々ある。2泊3日の滞在期間中、私の活性が最も上がったのは、夕方、桟橋で行われる魚への餌やり"フィーディング・ショー"。桟橋の上から見ていても、大きな魚達が餌を求めてガバガバやっており十分楽しめるのだが、もっと楽しめる方法がある。それは、"フィーディング・ショー"の真っ最中に、シュノーケリングをしながら桟橋の下へ潜り込むこと。水面だけでなく水中でも、ド迫力の光景を目の当たりにしエキサイティングなのである。

 スタッフが投げ込む魚の切り身に反応して最初に集まるのは、色とりどりの小魚達。続いて、徐々に大きな魚が集まってくる。そして、大きな捕食音を立てながら色黒いGT類が猛スピードでやってくると、水面は大爆発。物凄いボイルが目の前で繰り広げられるため、「自分が食われてしまうのではないか?」と恐怖すら感じるほど。

 竿を振れば目の前にいる数々の良型を、さしたる苦労もなく釣れそうな気がするのでとても悔しい。「ただ魚を見るだけ」というのは、私にとってホント"蛇の生殺し"ってヤツだった。因みにフィーディング・ショーはグリーン島の宿泊客しか体験できない特典。ホテルに滞在する人は、日中借りたシュノーケリング用具一式を返却せずに確保しておくことを勧める。



〜 自然と人との調和 〜


夕陽 6KB ケアンズへ向う最終の船が出ると、島内は一気に静けさが訪れる。ビーチは夕焼けを眺めながら散策するのに丁度良い具合に開けているので、時間とともに刻々と変化する空を見ながらゆったりとした時間を過ごせる。この時間帯、釣師にとっては絶好のタイミングなのだが、とても残念なことにビーチは釣り禁止。フィーディング・ショーで目撃した魚達が、目の前を泳いでいるハズなので、「何処かでボイルが起きないか?」と朝夕ビーチを散策した際に気にしていたが一度も拝めなかった。

 夜は"ナイトウォーク"と称して、自然観察会が行われる。ホテルに備え付けの懐中電灯を各自持って、遊歩道や桟橋を歩き夜行性の動物を観察するというもの。ワクワク感たっぷりなのが、暗くなると岸近くのシャローエリアに寄ってくる海ガメ探し。真っ暗い海をライトで照らすと、水面上にポッコリと出たカメの頭を見つけることが出来る。因みにガイドは英語で説明するのだが、言葉は理解できなくても何を話しているかは想像できるので心配は要らない。

ダイビングスタッフ 8KB 最終日の明け方、突然の大雨で目が覚めた。1時間程で止んだのだが、短時間で相当量の雨が降って驚いた。雨は止んでも空は雨雲で覆われ、海もあまり美しくなかったのでヘリコプター遊覧はパス。朝食後は、40分程掛けて島をぐるっと一周した。この島の面積は12ha、サンゴのかけらが積もって出来たらしいが、砂浜が広がるエリアだけでなく、とても滑りやすい岩肌がむき出している岩礁帯もある。また、日本では見たこともないような植物がニョキニョキ生えている海岸があったりと、小さな島なのにその表情はとても豊かなのである。

 グリーン島滞在では素敵な出会いもあった。ポンツーンでの体験ダイビングでお世話になった日本スタッフの皆さんが、"ぎじたま"の豪州遠征釣行記を読んでいることを知ってびっくり。お話を伺うと、休日はマイボートを使ってバラマンディなどの魚を釣りまくっているらしい。なんとも羨ましい話で、機会があれば是非一緒に竿を振らせてもらえたらと思う。

 日本スタッフさんのように島を訪れる数多くの観光客をサポートする様々な人達がいるからこそ、安全を確保しつつ、豊かな自然に与えるダメージを最小限にコントロールしているに違いない。わがままな観光客相手に仕事をするのはとても大変なことだとは思うが、「またここに来たいなぁ」と思わせるのは、ただ単に豊かな自然があるだけではダメで、人との出会いや繋がりが大切なのではないだろうか。

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