バラマンディ・フィッシング]]T
爆裂!! スーティーゲーム

テリーのヘボックス 11KB
トッププロガイドのボックスの中身は・・・

擬似餌の玉手箱>豪州バラマンディ・フィッシング>'13/9遠征



'13/9/23(月)
〜 4日目もジョンソンリバー


遮音壁 6KB 昨夜は10時前にベットイン。2日間ダイビングをして疲れている嫁さんと先を競うように、夢の中に落ちていった。このまま朝まで爆睡・・・ではなく、またしても夜中に寒くて目が覚めた。やはり嫁さんに掛け布団を奪い取られ、薄いシーツにくるまって寝ていた事に気がついた。ケアンズの9月の夜はちょっと寒いのである。

 午前5時半にベットから起き上がり、釣りの準備を整えた後、シリアル&トーストの朝食をたっぷり摂る。丸一日の釣りは、かなりハードなスポーツ。朝食をしっかり食べておかないと、体力が持たないのだ。食事をしながらテリーと本日の行き先を検討する。初心者の嫁さんが同行するので、バラマンディがメインのデントリーリバーではなく、魚種が豊富でボウズがないジョンソンリバーに決定した。

ガソリンスタンド 9KB 準備が整った午前6時半に出発。冷たい空気を切り裂きながら、新しく出来たバイパス道路を一気に南下する。景観を損なうことなく、事故時の強度だけでなく、騒音や防風機能を備えたお洒落な遮壁を横目で眺めながら、今日はどんな魚達に出会えるか思いを巡らせる。

航空防除 5KB 因みにこの遮蔽壁、中途半端な形状をしているので未完成なものかと思いきや、これで完成しているとのこと。この造形は日本人の感覚と大きく違っている感じがする。

 富士山のような形をした山が良く見えるガソリンスタンドに立ち寄り、車とボートの燃料を補給する。ここでは無鉛ガソリンが157.9セント/L、軽油が160.9セント/L。軽油は昨日立ち寄ったスタンドよりも若干安いが、ガソリンよりも高い価格設定は同じ。軽油が安く設定されている日本と違って、オーストラリアでディーゼル車に乗るメリットはどこにあるのだろうか。

 ジョンソンリバーに近いサトウキビ畑の上ではセスナ機とヘリが何度も行ったり来たりしていた。これらは、風の弱い朝の時間帯を狙って農薬散布の真っ最中。これを見て、今日の釣果が心配になってしまった。テリーの話によると、ここ数年の間で、川の中のウィードベッドがどんどん減っている様子。この原因は農薬、特に除草剤にあるのではないかという憶測があるらしい。当地でどんな薬剤が使われているかは知らないが、殺虫・殺菌剤や除草剤が河川に流れ込めば、生態系に多少なりとも何らかの影響を与えるに違いない。

〜 朝イチの狙いは船着場 〜


テリー&嫁 8KB 午前8時にボートランプに到着。公園内のトイレで用足しをしてからボートに乗り込む。朝イチの狙いは船着場周辺で湾ベイトを使ったジギング。キャストしてから十分に沈め、巻き上げたり落としたりを繰り返す。前日、このやり方でGTの反応が良かったので今日も・・・と思ったが無反応。「おかしいなぁ〜」と首を傾げていた時、TASHI-Rレイド6を使っていたテリーの竿が激しく曲がった。力強く走り回った魚はクイーンフィッシュ。魚は表層を意識しているようなので、湾ベイトをキャストし、着水直後から早巻きする方法にチェンジ。すると嫁さんの方にヒット。余りの強い引きにヒィヒィ言いながら寄せた魚は、クイーンフィッシュに似た魚であるオシアニックという魚。

ボート周り 8KB エリア内にベイトの群れが入って来たようで周囲ではボイルが始まった。ベイトを追いかけているのは、GTやクイーンフィッシュのようなのでポッパーに即座に変更。Gスプラッシュ80ポップクイーンを使って反応を見るがノーバイト。ベイトのサイズが小さかったためか、全く反応がなかったのはルアーサイズのチョイスミスだったのかもしれない。こっそりとポッパーからDDパニッシュに変えて停泊しているクルーザー付近を狙っていたテリーがメッキサイズのGTをキャッチ。コレを見て私達もすかさずクルーザー付近を狙うことにしたが、嫁さんがミスキャストで高額なクルーザーにルアーをブチ当てて傷を付けるのを恐れてこの場をあとにした。

 デプスレスDコンタクト63を使いながらマングローブの根際を撃ってゆく。クロダイやバラマンディの姿をたまに見るのだが、ルアーに口を使うことはなかった。水中には朝の強い日差しが差し込み、魚達は日陰から出たがらない様子。反応するのはGTやクイーンフィッシュのような泳ぎ回る魚だけか・・・。Dコンタクト63を使ってテンポ良くトウィッチングをしていると、メッキをキャッチ。続いて、嫁さんのにもメッキが食らいついた。ベイトが集まっているのは岬周りのシャローエリア。河口域周辺の同様な場所をランガンしながら魚の反応を探ってゆく。

〜 クリーク内はサイドキャスト 〜


テリー&GT 9KB 5cm前後のベイトはいるのだが、ルアーへの反応はイマイチなので、クリークの中を探ることにした。使うルアーはシャッドラップ5。狭い水路の中で小さなルアーを的確にマングローブの根際のピンポイントに打ち込むのは、普段ルアー釣りをやっている人でも中々大変なこと。コレをド初心者の嫁さんに、やってもらうのだから苦労は耐えない。マングローブの手前、水中にルアーが落ちればOKだが、往々にして岸際に茂る木々の上の方に引っ掛けたり、キャストの際、頭上の枝葉に引っ掛けたりとトラブルが相次ぐ。ルアーを回収する度にポイントが潰れるため、釣りにならない。

おやつ 9KB うっかりしていたのだが、彼女には未だスピニングタックルでのサイドキャストをしっかりと教えていなかった。クリーク内は竿を振れる空間の制限があり、オーバーキャストだけでは難しい。小さなモーションでルアーをキャスト出来るサイドキャストの方法を伝授することにした。最初の内は、笑えるくらいのヘッピリ腰。おっかなビックリでルアーを置きに行くような、軌道が山なりの"ほんわか・ふわふわキャスト"をしていたが、猛特訓のおかげか徐々に竿の振りとラインを離すタイミングが合ってきた。

 キャストのコツは腕を振らず、手首のスナップを効かせて竿を水面と平行に振ること。そして飛んでゆくルアーを良く見て、人差し指でラインを止めて狙っているポイントにルアーを打ち込むこと。人差し指からラインを離すタイミングも重要であり、これら一連の動作がしっかり出来ないと、ルアーの軌道は左右にブレるだけでなく、岸に繁茂しているブッシュの中にルアーをブチ込んでしまったりする。サイドキャストはキャスト回数を増やして、慣れるしかないので彼女にはテンポ良くドンドン投げてもらう。スピニングタックルにしろベイトタックルにしろ、ストラクチャーを狙うバラマンディ釣りにはサイドキャストは絶対に必要なテクニックなので、マスターする必要があるのだ。

〜 肩の怪我の具合は 〜


ヤッカ 8KB サンドフライの攻撃にめげず、苦労して竿を振った狭くて暑いクリークの中は不発。それよりもクリーク入り口の水通しが良い場所の方がルアーへの反応がある。テリーと私がシャッドラップ5で35cm前後のGTを追加。時折、岸際でボイルが起きたり、バラマンディがチラリと姿を見せたりとキャストをする度にワクワクする。しかし、ルアーを引っ手繰るような事はなく時間だけが過ぎてゆく。午前11時少し前、水分補給を兼ねてティータイムにする。

 初日の釣行で、肩を激しくぶつけた太い枝がある木陰にボートを寄せる。肩の怪我の具合は芳しくなく、グジュグジュと体液が出続けている。大きめなサイズのキズパワーパッドは白くパンパンに膨れ、そこから変な臭いが漂う有様。怪我をした初日の手当てが悪く、明らかに化膿しているようだが、元来、ビビリ屋な私はパッドをめくって傷口を見るなんて事はとても怖くて出来ない。

プライベートビーチ 10KB 基本的には5日間程度は貼りっ放しで良いパッドだが、状況によっては傷口を確認し、貼りかえる必要がある。取り扱い説明書にも明記されているし、メーカーのWebサイトでも質問コーナーで紹介しているので、一読しておくことが大切だろう。判ってはいるが、ちょっと躊躇うくらい怪我をした部分は化膿してきて嫌〜な感じになっている。

テリー 8KB 甘ったるいパンを頬張りながら、これからの作戦を練る。干満のタイミングを考え、もう少し河口域で魚を探した後、上流の淡水域に走り、トップウォーターゲームに挑戦することになった。15分程休憩した後、エンジンを再スタート。走り出して数分もしない内に、水の色がグリーンに変わった。ここで思わず「グリ〜ンだよぉ!!」と声をあげる。水深がある場所の水色は濃いブルー。風がなく波静かで穏やか河口は、グリーンとブルーが滲み、とても美しい光景だった。

 水中から突き出ている構築物を狙ってサージャーをブン投げ早引きをしたリフト&フォールしていると直ぐにヒット。ボート近くまで引き寄せた魚は、ピックアップ寸前でフックオフ。ヒットした魚はスパニッシュマッカレル(サワラ)だった。投げる度にバイトはあるのだが、フッキングには至らない。「魚が小さいのか・・・?」などと考えながらキャストを続けていると、嫁さんのサージャーを魚が咥えた。彼女が釣り上げた魚は黄色っぽい。初めて見たのでテリーに尋ねると、ヤッカだと言う。どうやらアジの仲間らしい。塩焼きにして食べると旨いのかも。

〜 サウス・ジョンソンリバーへ移動 〜


トシ&テリー 9KB 午前11時半、予定どおり河口域から一気に上流へとボートを走らせる。途中、ボートランプに立ち寄り、公園内のトイレを借りる。男同士だったら、ボート船尾か岸に立って用を済ませばよいが、女性同伴の場合は、トイレで辛い思いをさせないように気を配る必要もあるのだ。トイレの事を心配するあまり、水分を取らなかったりすると確実に午後にはダウンしてしまう。こちらでは、日本のように汗がダラダラ流れず、かいた汗は直ぐに乾いてしまうので、体から水分が奪われている事に気が付かなかったりする。男女とも意識的に水分を口にすることが大切で、オーストラリア滞在中における体調管理の基本中の基本だろう。

 耐震性など全く考慮していないであろう鉄道橋をくぐり、水中に沈んでいる古い橋脚を注意深くかわしながら上流へと進む。水温は30℃テリーが示すシャローエリアをTDポッパーで探ってゆく。直ぐに反応があって、スーティーグランターを立て続けに2匹。更なる追加を狙ってキャストをしていると思わず声が出てしまうくらい派手にドカンと出た。ラインが一気に引きずり出されて止まらない。エラ洗いをしないのでバラマンディてはなさそう。慎重に引き寄せてくると、銀色に光る平べったい魚体が見えた。「よいしょっ〜と!!」と掛け声を掛けてボートの中に引き上げたGTは40cm。淡水域なのに、こんな魚が水柱を上げてトップにドバンと出るからオーストラリアの釣りは楽しいのだ。

〜 きっかけはスウィッシャー 〜


スーティーグランター 9KB シャローエリアをゆっくり上流に向って進む。私達の目の前をウロウロと泳いでいる魚達は全部テラピアであることを知りビックリする。以前に比べ増えているのは気がついてはいたが、"少しずつ増えている"のではなく、爆発的に増えていると言っていいくらい、場所によってはウジャウジャいる。このテラピアを釣ろうとテリーがシャッドラップ5のトウィッチングをしていたら、横からバラマンディが出てきてルアーを吸い込んだ。ギュインギュインと竿を絞り込んだバラマンディは45cm。自分が釣ったわけでもなく、サイズも小さかったが、随分久しぶりにバラマンディの顔を見たような気がして嬉しくなった。

 TDポッパーに反応がなくなったので、何か使えるルアーはないかとボックスの中を探る。目にとまったのはベビートーピードをWペラに改造し、キッチンホイルを巻いたWスウィッシャー。このルアーをスナップに付けようとしていたしていたのをテリーが見て、「そのルアーは止めとけ」と言う。そのアドバイスを聞こえなかったフリをしてキャスト。

 ジョボジョボと音を立てて引き始めると、これまでポッパーに反応しなかったスーティーグランターがガバガバ出て来た。トーピード(改)をバックリ食ったのは体高のある35cmの立派なスーティー。コレぐらいのサイズになると、鯛っぽい姿をしたこの魚の格好良さが際立ってくる。テリーにルアーを見せて、"してやったり"とニヤリと笑う。

 テリーとのトップウォーターゲームではポッパーが主体。彼自身は、プロペラが付いているルアーの効力を余り信じていないようで、ガイドサービスを受けているとこの手のルアーは全く出番がない。これまでの豪州遠征の経験で、ポッパーには出にくい状況が度々あることに気がついていたが、スウィッシャーへの反応の違いには驚いた。このスウィッシャーがきっかけになり、午後は怒涛のトップウォーターゲームに雪崩れ込むのであった。



〜 バブルクランク祭り 〜


グランター 9KB 午後1時過ぎにランチタイム。30分程、木陰で休んで再び竿を振り始める。竿先にぶら下げたのはバブルクランク。サンドウィッチを頬張りながら、持参した数多くのルアーの中からコイツを選んだのは、プロペラ付きのルアーでボートの移動スピードに合わせて表層をテンポ良く引けるから。垂直に立ったチタン製リップに付いている穴の効果は定かではなく、名前からイメージさせるような泡は何処にも発生していないように見えるのだが、このルアーは釣れるハズ。

嫁&ターポン 8KB 派手なピンク色をしたバブルクランクを投げ始めて直ぐにジャングルパーチがヒット。ボートに抜きあげる際にフックが外れ、ポトリと落としてオートリリース。続いて、大型のスーティーグランターがルアーを追尾しガボガボとやってきた。リトリーブしながら、竿先を軽くトウッチしたらバシャッと水面が割れて色黒の40cmをキャッチ。この後も、私一人が入れ食い状態に突入。マングローブジャック(30cm)、30〜35cmのスーティーグランターを3匹追加した。

 それまで沈黙していた嫁さんに当り針であるバブルクランクを手渡すと、直ぐに竿が曲がった。しかし、魚の引き方がスーティーやマングローブジャック違う。「何だろう・・・?」と様子を伺っているとジャンプ一発。正体はターポンだった。午前中に釣ったオシアニックヤッカなど、どうも彼女は私達が釣る魚とは違う魚を引き寄せるパワーがあるらしい。

 ボート内に取り込んだターポンは、メチャメチャ暴れるのでとても危険。しかもウンコを垂れ流しながらバッタンバッタンと跳ねるので厄介なのである。特別に生臭いので、私もテリーも出来るなら触りたくない魚なのである。しかし、恐れを知らない彼女は、大胆にも生臭くてヌルヌルするこの魚をムンズと掴んでカメラを前にしてニッコリとポーズ。リリース後、手袋がウンコと生臭い粘液でベタベタになったのを知っても後の祭り。テリーと私は、笑いたいのをグッと我慢するのみ。

〜 爆裂!! スーティーゲーム 〜


バブルクランク 7KB バブルクランクへの反応が良いので、予備の物をボックスから取り出して投げると水面爆裂。スーティーグランターが岸際のオーバーハング下から飛び出してきて次々とルアーに襲い掛かってくる。ボートを更に進めると、今度は25cm前後のジャングルパーチが連続バイトした。ジャングルパーチはスーティーグランターよりも小振りなためかフッキングには至らないのだが、果敢に何度もルアーへ飛び出してくるのが楽しい。

 フッキングの悪さはフックサイズダウンしてロングシャンクの物に交換するか、スプリットリング2個付けにすれば改善できるハズ。しかし、今は川の流れに合わせてボートを流しながら釣り下っているところ。目まぐるしくポイントが変わる状況で、そんなことをしている時間がもったいない。手返し良くピンポイントにルアーを打ち込み、ノンアクションのストレートリトリーブでルアーを回収する。

嫁&テリーWヒット 8KB このルアー、きっと浜名湖のクロダイやキビレのトップウォーターゲームでも威力を発揮するに違いない。リップ素材にチタンを使っているところや、ペラを含めたパーツ一式をこのルアーのために作っているところが極めてバブリー。過去の日本のバブル経済を彷彿させる。たとえ泡が出なくても、狙っている魚がボコボコ湧いて出てくれば、「泡がゴボゴボ出なくたって良いんだよぉ〜」と言ってあげたい。既に生産中止となっているので、帰国したら売れ残っている物を探して全部買い占めてやろうと心に決める。

 因みに、2015年5月のオーストラリア・ミッチェルリバーでの釣りでも、随分活躍した経過がある。抜け落ちやすい尾部のヒートンの径をサイズアップして、ソルトフックを装着。名前を少し変えてソルト仕様として実績を重ねれば、ブリーム系のトップウォーターとしてオーストラリアで定番ルアーになると思うのだがいかがだろうか。

〜 珍客到来 その正体は!? 〜


カメ 8KB 嫁さんがバブルクランクの扱いに慣れてきたようで、スーティーグランターやジャングルパーチをテンポ良く釣るのを横目で見ながらキャスト&リトリーブを続ける。突然、彼女が「何か掛かったぁ〜」と声を上げたので振り返ると、ギュインと竿を曲げている。バブルクランクにバイトしたシーンは見ておらず、水面で跳ねる様子もなく、そのファイトは、ひたすら重いだけの感じ。

 「ウィードか木の枝でも引っ掛けたのか?」と思っていたのだが、竿先を見ると確かに動いている。テリーと2人で様子を見守っているとと、ルアーを咥えた相手の正体が判明。珍客到来、なんと魚ではなく地味な色をしたカメだった。

 1998年から豪州遠征を始めて今回で21回を数えたが、ルアーでカメが釣れたのは初めての出来事。日本にいるカメと違ってとてもすばしっこく、爪が鋭いヤツで、フックを外すとデッキの中をバタバタと走り回った。過去にテリーがカメに悪戯をして御自慢のG・Loomisの竿先を折ったのを覚えているので、丁重に扱ってリリースした。それにしても我が嫁は、珍しい物ばかり引き寄せてくる。きっと何か天性の素質を持っているに違いない。



〜 やはりバラ釣りにはシャッドラップ 〜


テリー&バラ 7KB テリーはトーピードを使って40cm弱のスーティーグランターを釣ったが、どうも彼のスタイルではないらしい。途中からシャッドラップ5を使って、私達が撃ち損じたポイントを丁寧に狙い始めた。午後3時を少し回った頃、バックシートから「バラマンディ!!」と言う声が掛かった。直ぐに振り返るとテリーの竿がしなり、水面が割れる。サイズは大きくないのだが、そのファイトは私たちが楽しんでいるスーティーグランターなどとは別のレベルだった。釣れたのは40cmクラスの若いバラマンディ。周囲には他にもいるハズなので、ヒットした所を中心に3人で集中砲火をする。

 "やはり"と言うべきなのだろうが、再びバラマンディをヒットさせたのはテリー。私達のバブルクランクには反応がなく、狙っていた魚はシャッドラップを咥えた。テリーは私の顔を見て、シャッドラップを見せながら"先程のお返し"って感じでニヤリと笑う。どうやら彼は、このエリアにバラマンディが潜んでいる事を知っていて、キッチリと狙っていたようだ。

 やはりバラマンディ釣りにはシャッドラップか・・・。朝から1本もバラマンディを釣っていないので羨ましい気持ちがこみ上げてくるが、ルアーにバコバコと出るトップウォーターゲームも貴重な体験なので捨てがたい。終了時間ギリギリまでトップウォーターの釣りにこだわる事にした。

〜 豪州遠征最後のシメは 〜


ボートランプ 9KB テリーは明朝、朝イチの便でアラクンまで飛ぶ事になっている。連日、私達の対応で多忙を極めていたため、今日は早めにケアンズに戻って丸一週間に渡る船上生活の準備をする必要があるらしい。従って、いつもより早い午後4時が納竿時間。それまで1匹でも多く、釣りたい一心でキャストを重ねる。こんな中、25cm程の小さなスーティーグランターを釣った際、ハプニングが発生。バブルクランク尾部のヒートンが抜け落ち、ペラなどの金属パーツ一式を紛失したことに気が付いた。こんな事にならないよう、あらかじめ瞬間接着剤でヒートンを固定してあったのだがダメだった。やはり1サイズ大きな径のヒートンに交換すべきだったと反省する。

 ルアーをWペラのトーピード(改)に交換し、ジョボジョボやって35cmのスーティーグランターを追加。終了間際、嫁さんが痛恨のミスキャストでブッシュにルアーを引っ掛けた。水面上に提灯のようにぶら下がったルアーに本日最大級のビッグバイト。この捕食音には船上の3人がビックリした。多分、良型のバラマンディなのだろうが、その魚は大きな波紋を残して姿を消した。

 本当に最後の最後でデカイのが出れば、台本通りのドラマが展開。豪州遠征最後のシメとしては申し分なかったのだが、捕食音だけで終了となった。午後4時を少し回ったところでタックル一式を片付け、エンジン全開でボートランプまで突っ走る。

〜 ケアンズに向けて疾走 〜


バナナ畑 8KB 午後5時にイニスフェイルの街を出て、90km弱離れたケアンズに向けて時速100〜110kmで疾走する。車窓から見えるのは暫くの間、延々と続くバナナ畑。どの木にもバナナを保護する大きな袋が掛けられているが、袋掛けや収穫してなど主だった作業は全て手作業。そもそも、苗の植え付けも手作業らしい。日本人を含むアジア系の若者たちが汗を流していると聞く。突き刺すような日差しの下、広大な赤い大地で砂埃にまみれ、相当ハードな仕事をしているに違いない。フィッシング・ボートへのバナナ持ち込みはタブーとされているが、バナナ一本にありがたみを感じずにはいられない。

 バナナ畑に続いて広がるのがサトウキビ畑。こちらは大型の収穫機やトラクターが大活躍。農薬散布はセスナ機やヘリを使うなど、機械化が進んでいる。収穫物を運搬する鉄道も敷かれているので、手作業の部分は少ないようだ。サトウキビの生育ステージを見るとバラバラ。人の背丈を遥かに超えて青々と育っている畑もある一方で、株がまだ繁茂していなかったり、パサパサに枯れ込んでいたりと色々ある。日本のように農作物が一年一作というのではなく、年がら年中、ブロック毎に区分けして栽培しているのだろう。

Tボーンステーキ 9KB 途中、ガソリンスタンドに寄りつつも、午後6時過ぎにはテリー宅に到着。かなり早いペースで車を走らせたようだ。一番にシャワーを使わせてもらい一息付いている間に、テリーは今日の後片付けと、明日から3週間続く、アラクンでのガイド業準備のために荷造りを進めている。明朝6時半に家を出て、3週間もの長期にわたり母船ピクーで寝泊りを続けるらしい。宿泊場所と釣り場が直結している環境で、毎日釣りをしながらお金を貰えるなんて、釣り人にとって天国のように思える。しかし、わがままな客を相手に炎天下での精神と肉体共々、相当堪えるらしい。

 夕食はマリアさんが作ってくれた、お馴染みのボリューム感溢れるTボーンステーキ。いつも思うのだが、これにゴハンと味噌汁が付けば最高の御馳走なのだが、ステーキのお供はビールかワイン、そしてパンとなる。食事中の話題はアチコチに飛ぶが、一番記憶に残ったのは、当サイトの恒例企画"ぎじたまSEABASSダービー"の協賛メーカーでもあるウォーターランドのミラクル・ジムこと、村田 基氏とのエピソード。テリーの胸には、随分昔に村田氏からもらったペンダントが今でもぶら下がっている。ほろ酔い加減になった食後には、山盛りのバニラ&チョコアイスクリームを頂き至福の時を味わった。

釣行4日目の結果

TOSHI

ASAKO

TERRY

クイーンフィッシュ



1

オシアニック


1


GT

4

1

2

カメ


1


ヤッカ


1


スーティーグランター

10

3

2

バラマンディ



3

ジャングルパーチ

1

1


マングローブジャック

1



ターポン


1




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