バラマンディ・フィッシング]]T
ジョンソンリバーで多目釣り

釣具用品 10KB
釣りには色々な小物が必要なんです。


擬似餌の玉手箱>豪州バラマンディ・フィッシング>'13/9遠征



'13/9/22(日)
〜 3日目は再びジョンソンリバー


朝食 10KB 疲れが溜まっていたようで、昨晩は午後8時半頃にはベットに潜り込み、そのままバタンキュー。朝まで爆睡・・・ではなく、真夜中に寒くて目が覚めた。寒い理由は直ぐに判明。掛け布団は、横で寝ていた嫁さんに奪い取られ、自分は薄いシーツにくるまって寝ていた。どおりで寒いわけだ。嫁さんを起こさないように気を使いながら、掛け布団を奪い返し再び夢の中に。次に目が覚めた時は、薄っすらと夜が明け始めた午前5時半。静かに起き上がり、釣行の準備を始めるとテリーも起きてきた。

 いつものシリアルとバナナを食べながら、テリーと今日の打ち合わせをする。嫁さんは昨日に続いてダイビングをするので、釣りに行く前にリーフフリートターミナルに立ち寄る必要がある。彼女を下ろしてから、北に向うか、南に向うか・・・。この2日間、朝の汽水域は芳しくない。かと言って上流域は、干満による水位の関係もあり悩むところ。アレコレ意見交換をした結果、初日に竿を振ったジョンソンリバーに決定した。

 午前6時半過ぎ、3人の準備が整ったところで出発。ターミナルに寄った後に一気に南下する。この時間帯で対向車線を走っている車は、通勤や買い物の車ではなく、先日と同様、ボートやカーゴを牽引していたり、カヌーを上に積んだ家族連れ。どの車も自然溢れるケープヨーク半島を目指しているのかもしれない。広大な自然の中でテント生活をしたり、釣り三昧な日々を過ごせたらとても幸せな気分を味わえるだろう。

〜 カラ梅雨ならぬカラ雨季 〜


ガソリンスタンド 7KB 今年の雨季は雨が少なく、カラ梅雨ならぬカラ雨季だったらしい。どこもかしこも干からびていて、山火事が多かったようだ。日本ではタバコの投げ捨てなど、火の不始末が原因だが、オーストラリアでは自然発火が多々あるらしい。油分を多く含んでいるユーカリ類は、乾いて火が付けは一気に燃え上がるに違いない。

 当然雨が少ないので、河川の状態はすこぶる悪く、水質も悪くなりがち。しかも、水量が足りずに上流域までボートを進めることは出来ない。ジョンソンリバーにおけるフレッシュウォーター・エリアでのスーティーグランターやジャングルパーチ狙いのポッパーゲームはとてもエキサイティング。しかし、今季は、テリーの得意とする"瀬渡りの術"をもってしても、行けるエリアは限られてしまうようでとても残念なのだ。

 午前7時過ぎにバビンダの町を通過。この町の目印となっていた国道脇にある大きなサトウキビ工場は、いつも白い水蒸気の煙を出していたが大掛かりな解体作業が始まっていた。聞くところによると、解体をするのがインド人で、スクラップの殆どが中国に輸出されるらしい。労働コストの安いインド人が、人海戦術で解体作業を担当。経済発展が著しく、大量な鉄などを必要としている中国は、スクラップの売り先として解体屋のお得意 午前8時、いつものボートランプから出船。ここのボートランプは、とても滑りやすく危険なので要注意。多分、何人もの釣り人が足を滑らせて尻様らしい。

 少ししてイニスフェイルの街に到着。ガソリンスタンドに立ち寄り、燃料を補給する。無鉛レギュラーガソリンは157.9セント/L。一方、軽油は162.9セント/Lとガソリンよりも高めに設定されている。日本とは逆になっているが、環境に対し悪い方にペナルティを課し、環境負荷の小さい方に誘導しているようだ。

〜 船着場でのGTフィッシング 〜


ボートランプ 13KBや頭を強打しているに違いない。特に干潮で減水途中、コンクリートがしっとりと濡れている時が最も危険。一歩一歩、気を付けて注意深く歩くことを忘れてはならない。

タックルチェック 11KB 因みに、このボートランプ周辺にはオジギソウが生えているので、興味がある方は探してみるのはいかが? ガイドがボートの上げ下ろしをしている間、暇つぶしにもなる。釣れなかった時は、オジギソウの葉っぱを触り、葉っぱの動きと共にペコリと頭を下げるのがよろしいかと・・・。

 釣行を始める前にテリーが私のタックルを入念にチェック。前回2月の遠征で使ったままの状態で今回の遠征に臨んだので、ベストコンディションとは言い難い状態にある。彼は、ドラグの効き具合やら、ラインの状態を確認、ついでにレベルワインダー周辺にオイルをたらして完了した。

 準備万端整って、「エンジン全開、いざ出発!!」っと思ったが、1分もしない内にエンジンをストップ。様々なボートが並ぶ船着場の前に停船し、ジギングでGTを狙うことになった。いわゆるジギングをやるようなジグは持って来ていないので、ジグミノーのサージャーを試す。フルキャストしてカウントダウン。しゃくりあげながら巻き上げたが反応はない。続いて、リフト&フォールも試してみる。サージャーは落とし込むと、ヒラヒラと身を翻しながら沈降してゆくのでバイトを誘発するハズ。期待を込めて数回キャストを繰り返したがコツリともアタリはなかった。

〜 湾ベイトのリフト&フォール 〜


GT 9KB 「何か使えるものはないか・・・」とボックスの中を見渡した時、目にとまったのが湾ベイト。まずは、ボート直下にスルスルスルッ〜とボトムまで落とす。リフト&フォールしながら徐々に巻き上げてくると、いきなりガツンときた。まさに狙いどおりの展開。しかも一投目から。ステラ3000から一気にラインが引きずり出され、ドラグの音が周囲に響く。力強いファイトが結構長い時間続く。徐々にリフトアップしながら魚を寄せてくると、次第にグルグルと回り始めた。この動きで相手はGTだと確信。無理をせず、強い引きを楽しみながら間合いを詰める。ボートデッキに抜き上げたGTのサイズは45cm。湾ベイトを丸呑みしていたこの魚は、朝イチの獲物としては決して悪くない。

イニスフェイル 8KB この船着場周辺は、ゴールデントレバリーやパピヨントレバリー、ターポンが集まってくるらしい。過去の遠征でもこの場所で白いフェザージグを使ってターポンを狙ったことを思い出した。ここはジョンソンリバーの淡水と海から入ってくる海水がぶつかって混ざりあう場所であり、停泊している船の下は格好な隠れ家でもある。水面を見ていると無数のベイトがアチコチでピチャピチャやっている。タイミングが良ければ、トレバリーやターポンのボイルが見られるようだが、今日は魚が沈んでいる様子。

 停泊船を背景にGTキャッチの記念写真を撮った後、2匹目を狙う。湾ベイトを落とし込み、リフト&フォール。すると、またしてもガツン。即座にリールを巻いてフッキングする。確実にフッキング出来ていたと思っていたが、残念ながらファイト中にフックオフ。気を取り直してアタリがあった水深を集中的に探っていると、またしてもチャンス到来。ガツンときたので、ハンドルを素早く巻いて力強いファイトに備える。しかし、コイツも直ぐにフックオフとなり、思わず「あぁぁぁぁ・・・」と声が出た

 ボート直下の反応はなくなったので、数メートル先に停泊している船の下を狙ってルアーをキャスト。停泊している船はいずれもお高い船ばかりなので、ミスキャストでルアーをブチ当てないように細心の注意を払う。船の物陰からグワンと良型がルアーに襲い掛かるのをイメージして暫く様子を伺ったが、ワンチャンスもないまま時間だけが過ぎ去る。粘るような場所でもないため、次のエリアへとボートを走らせた。



〜 突然のコンクエスト250DC不調 〜


リール整備 10KB ボートのスピードを緩めた場所は、河口域にある島周りのシャローエリア。マゴチ・ポイントらしいのでアスリート9Fを使って広範囲に探りを入れることにした。ボートが進む前方の水中では土煙が立ち、コチらしき魚が逃げてゆく。逃げた先を狙ってキャストを繰り返したが無反応。魚はいるようなので、いつガツンとルアーを引っ手繰られてもいいように心の準備をしながらキャストをしていると、突然コンクエスト250DCが不調になった。

 ブレーキを緩めても飛距離が伸びず、明らかに何処かがおかしい。直ぐにテリーが原因に気が付いたようで、彼にタックルを渡すとリールを分解し始めた。どうやら原因は、朝イチでメンテナンスした際のオイルが悪戯をしたようだ。ティッシュでリール内部に入り込んだオイルをきれいに拭き取り、組み立てなおして修理完了。いつもどおりの快適なキャストフィーリングが戻っていた。

 シャローエリアのマゴチ狙いを再開。バックシートからおもむろにテリーがキャストすると、一投目でマゴチ(52cm)が食ってきた。ヒットルアーは私が忌み嫌うソフトプラスチックルアー。いわゆるワームの素材には発癌性物質や内分泌撹乱物質が含まれている可能性が高く、自然環境下に放置された場合には人間を含め生態系に悪影響を及ぼしかねない。使わなくて済む物なら、使わない方が環境や健康に対して良いことは明白。自然豊かな豪州の海を、ワザワザ汚染する必要はないと思うのだ。



コチ 11KB マゴチの住処である岬先端のシャローエリアはテリーが釣った1匹で打ち止め。これに続くマングローブの根際をシャッドラップ7を使い丁寧に探っていく。ルアーはイイ感じで狙うべきピンポイントに入っているのだが、魚からの反応はない。バラマンディが潜んでいるであろう、オーバーハング下や水中に沈むブッシュ周りを攻めたが不発。テリーは、バックシートで両手を挙げて、お手上げ状態のジェスチャーをしている。

 どうにもバラマンディの反応が鈍いのでルアーをデプスレスに交換し、広範囲を探っているとGTがヒット。しかし、ファイト中にフックオフ。今朝はGTの反応の方が良いようなので、ポッパーゲームに切り替えた。直ぐに竿が曲がったのはテリーの方。GTがGスプラッシュをガッチリ咥えていた。私のTDポッパーにはマングローブジャックやダツが相次いでバイト。しかし、いずれもフッキングには至らず気持ちだけが先走る。時折、マングローブ際でボイルが起きるようになってきたので、試しにサミー85を投入すると水面炸裂。派手なバイトだったが、見事なまでの空振り。相手はGTだったか、ダツなのかそれともバラクーダだったのかは判らなかった。

 私が悔しがっている中、テリーがリッジ70でメッキサイズのGTをキャッチ。彼はこのルアーで初めて魚を釣ったと喜んでいた。日本人客からのプレゼントらしいが、度々使っていても釣果がなく"ガレージ行き"間近だったらしい。マングローブ周辺は、この魚で終わり。ボートを一気に鮮やかなブルーの海が見える河口まで走らせた。午前11時のティータイムまでもう一勝負してみる。テリーがゴムルアーでメッキを追加している横で、私はTDポッパーを使い魚を探す。少ししてルアーの後方に水面の揺らぎを発見。水中を覗き込むと、無数のナマズが幾層にも折り重なってルアーを追尾していた。まるで群れで泳ぐ"ゴンズイ玉"のよう。多分、数百匹のナマズがいるのだろうが、ルアーを追尾する一匹の巨大な黒い魚のようにも見えた。

〜 ラパラSR5でFWゲーム 〜


テリー 8KB 木陰で30分程のティータイムを取った後、桟橋付近でシャドラップ5を使って50cm程のクイーンフィッシュをキャッチ。続いて、バラマンディ・ポイントでシャッドラップ9を使いメッキを釣り上げた。河口域でのバラマンディの活性は朝からずっと芳しくなかったので、作戦を変えてジョンソンリバーを一気に上流へと移動する。国道橋周辺のウィードエリアでポッパーを試したが不発。水質はクリアで川底がクッキリ見えるほど。強い日光がダイレクトに水中へ降り注ぐため、魚達の活性は下がっているようだ。

 20分程、ボートを走らせたところで目の前にチャラ瀬が広がった。いつもなら、さほど苦労せずにこのチャラ瀬を乗り越えて新たなステージに突入するのだが、今回は無理。カラ雨季の影響で水量が乏しく、どうあがいても"瀬渡り"は出来そうになかった。しかたなく、ここでUターン。川をゆっくり下りながら、シャッドラップ5を使ってフレッシュウォーターのスーティーグランターやジャングルパーチを拾い釣りしていくことにした。

魚の反応が悪い時はアレコレとルアーを変えるのではなく、実績のあるルアーを使い続ける方が吉となる。ケアンズ近郊河川における、テリーのお勧めは。赤茶色をしたクローダッド・カラーシャッドラップSR5。長年、ガイド業を営むテリーが何度となくボウズから救われたのがこのシャッドラップであり、数々の良型の豪州魚を釣り上げたのもこのルアー。大枚はたいてオーストラリアに遠征してボウズを食らっては目も当てられない。保険を掛けるためにも、小さなサイズのシャッドラップはボックスの中に忍ばせておく必要があるだろう。

〜 ペストフィッシュ・テラピア 〜


テラピア 9KB 速い流れの中からテリーがスーティー(35cm)を引き抜く。水がクリアなので水中が丸見えの状態であり、魚がいる場所といない場所が両極端であることが良く判る。魚がいる場所では、ルアーの後を競うように追い掛けて来るが、魚がいない場所が延々と続く場合もある。状況を良く見ていれば、狙い所が判ってくるので無駄なキャストも減るのだが、ついルアーを投げたくなってしまう。無駄なキャストをしていると、本来ルアーを打ち込むべきポイントを通過してしまったりと大きなチャンスを逃しているのかもしれない。

 流れが緩いエリアに入ると、テラピアを目にする事が増えてきた。ボートから見ると、クロダイっぽく見える魚はみんなテラピア。テラピアは外来魚であり、"ペストフィッシュ"とも呼ばれている。近年、急速に生息域を拡大しているが、私がオーストラリアで初めてこの魚を目にしたのが2004年11月の遠征時。今では、ジョンソンリバーの広いエリアで見られるようになってしまった。前回、2013年2月の遠征では、ド初心者の嫁さんが釣り上げサプライズを起こしたことも記憶に新しい。

スーティーグランター・タイプU 9KB 40cm近い魚も目の前をウロウロしているので、ルアーを何度か通すが見向きもされない。元来、豪州遠征で使うようなバラマンディ用ルアーでは釣りにくい魚なのだが、テリーのシャッドラップ5を咥えた。サイズが小さかったので、ひょいっと引き抜かれたテラピアは婚姻色が出ている綺麗なヤツ。クイーンズランドには食用で入ってきたのか、観賞用で入ってきたのかは不明だが、モロに在来種のスーティーやジャングルパーチと生息域がバッティングしている厄介なヤツなのである。管理釣り場で使うマイクロスプーンや、メバル釣りで活躍するようなルアーを使えば、きっとコンスタントに釣れるのではないだろうか。

 狙っても釣れないテラピアは無視して、シャッドラップ5を投げまくる。20〜25cmクラスのスーティーとジャングルパーチ、マングローブジャックをポツポツと追加。「ここらで何か面白いものは釣れないかなぁ・・・」と思っていたところで、"スーティーグランター・タイプU"と呼んでいる、赤目のスーティーがシャッドラップ5を咥えた。スーティーグランターには幾つかの種類があるようで、体つきが違ったり、色合いが違う魚がいるのだが、このタイプは目が真っ赤に充血しているヤツ。豪州遠征を始めた頃は、結構頻繁に釣れた気もするのだが、この頃は余りお目に掛かっていないような感じがする。

〜 テリー流サンドウィッチの作り方講座 〜


トシ&スーティー 10KB 午後1時、木陰に入ってランチタイム。お昼はいつも基本的に同じパターンの船上お手軽サンドウィッチ。今回は、テリー流サンドウィッチの作り方を動画に納めてみた。遠征時の昼食は、毎日ずっと同じなので5〜6日間の連日釣行ではさすがに飽きてくる。そんな時はパンを変えたり、ハムの変わりにツナが出てきた時もあった。キャンプをした時は、前日夕食の残り物であるステーキやソーセージ、バラマンディをパンに挟んで贅沢なサンドウィッチを作ったことを思い出す。

 食中毒を起こしにくい食材をベースに具材として選び、クーラーボックスの中で保管。炎天下で失った塩分やミネラルを補給し、食欲を増進させるため、塩や胡椒、マスタードはたっぷりと使う。オーストラリアのパンは、小麦の生産国だけあってさすがに美味しい。自分で作る大きなサンドウィッチ2個分が昼食となるのだが、食べきれない場合はカメや魚達の食事として小分けにして川の中へ流させてもらうこともある。私の場合、完食出来なければ、体調が悪くなって来ている証にもなっている。



 今回のデザートはパパイヤ(ポウポウ、ポポー)。マンゴーに比べて糖度は低いのだが、ちゃんと熟しているのは、結構美味しいのである。マンゴーは果肉をサイの目にする独特なカット方法があるのだが、パパイヤはいたって簡単。スパッと切って、皮を剥くだけ。本当はバニラ・アイスクリームでも添えて食べたいのだが、そこは我慢のしどころ。パパイヤは庭先でも簡単に栽培できるらしい。日本人にとっての柿みたいな位置づけの、お手軽な果物のような気がする。



〜 シルバーグランターの登場 〜


シルバーグランター 8KB 昼食後、直ぐにテリーが30cmほどのスーティーをキャッチ。徐々に風が強まる中、小さなシャッドラップはキャストコントロールが難しくなってくるが、出来るだけオーバーハング下など日陰の部分を狙ってルアーを打ち込む。ポロポロとスーティーグランターを追加しながら、川を下っているとターポンの群れを発見した。ターポンは小さな白色や銀色のルアーに良く反応するので、クロータッドカラーからシャッドカラーのシャッドラップ5に交換。すると、バイト連発。ルアーを大きく広げた口で吸い込んで、一気にジャンプしてフックを外して逃げてゆく。しっかり針掛かりさせたハズなのだが、上手くフッキング出来ない事態が続き、結局ターポンはキャッチ出来なかった。

私がターポンにもて遊ばれている時、テリーはシルバーグランター(38cm)をクロウタッドカラーのシャッドラップ5でキャッチ。浜名湖に数多く生息するキビレに似ているのだが、顔付きが若干違う。同じような釣りをしていても、この魚種は何故か私のルアーには反応しない。釣れるのはいつもテリーなので、何か釣るためのコツがあるに違いない。銀色に輝く、ちょっと格好が良いシルバーグランターを横目で見ながらキャストを繰り返していると、テラピア・ゾーンに突入した。

 テリーは早速、シャッドラップ5でテラピア(25cm)をキャッチ。一方、私は新たなアタリ針を探すため、日本から持参してきたルアー各種をアレコレと試す。今回の遠征で期待していたのが、P'sファクトリーのS字系シンキングペンシルであるエスタ70。スローに引くとヨタヨタと体を振りながらS字軌道で泳ぐのでアピールは大きいのだが、テラピア達は全く無関心。

〜 バラマンディ・グラスに潜むバラ 〜


バラマンディ 9KB ルアーをシャッドラップ5のシャッドカラーに戻し、岸際に繁茂する草の際を狙っているとバラマンディが出た。時計を見ると午後3時少し前。サイズは小さかったが、やっと本命魚がルアーに反応したので普段よりも丁寧に引き寄せ無事にキャッチ。サイズは45cmしかなかったが、嬉しい一匹だった。バラマンディが潜んでいたのは、私が過去に名付けた"バラマンディ・グラス"で、日本にあるキシュウスズメノヒエとかアシカキと同じような匍匐型の雑草のところ。

支流ブリッジ 8KB "バラマンディ・グラス"は、岸際から無数の茎が伸び絡まりあいマットを形成して浮いているので、その下には小魚やエビ類が集まりやすい場所となっている。もちろん、日陰を好むプレデター達も身を潜めるには格好の場所なのだ。因みに、この草は茎がメチャ丈夫なので、ルアーを引っ掛けると回収するのが面倒。キャスト精度が問われるので、ピンポイントを狙う際には集中力を高めて丁寧にキャストをする必要がある。

 45cm程度のバラマンディが1匹釣れれば、周囲には同程度の魚が集まっているハズだが、"バラマンディ・グラス"のエリアは単発で終わってしまった。ボートを進めながら、今度はウィードエリアを攻めてみたが、全く反応がない。狙う川岸を度々左右入れ替えながら、右肩が痛くなるほどキャストを繰り返して魚を探したが、ルアーを追う魚の姿すら見えなかった。ボートランプに戻ってきたのは午後4時半過ぎ。今日はこれで納竿かと思いきや、テリーは「これからもう一勝負するぞ」と言う。やはり彼も今日の釣果は納得出来ていなかったらしく、本流は諦めて支流へとボートを進めた。

〜 ターポンの後は本命魚 〜


テリー&ターポン 9KB 初日に嫁さんが良型のバラマンディを釣ったポイントで竿を出してみたが不発。やんちゃなOZボーイズが遊んでいる小さな橋をくぐって、更に支流を進む。前方に小さな泡や無数の波紋が見えたので、即座にシャッドラップ5を投げ込むと、狙いどおりにターポンがルアーを吸い込んだ。元気良くファイトするターポンの引きを楽しみながら、一気にボートデッキに引っこ抜く。デッキでウンコを垂らしながら跳ねて暴れた魚のサイズは45cmだった。

 素早くリリースして次の魚を狙う。幸いにして群れは消えず、目の前に集まっているようなので2人でルアーを矢継ぎ早に打ち込む。リトリーブしてくると、バイトの嵐。次から次へとターポンが私達のルアーにアタックしてくる。頻繁に反応があるのは、魚が何であれ楽しくて仕方がない。テリーは手馴れたところでXラップCD7を使ってササッと2匹をキャッチ。一方、私はフッキングミスが相次ぎ、やっとのことで1匹追加した時には群れが何処かに消え失せてしまった。

バラマンディ 9KB ターポンの群れがいたエリアから少しボートを進めてアンカーを打つ。狙う場所は目に見える倒木ではなく、水中に沈んでいる倒木らしい。私の偏光サングラス(タレックスレンズ)を通しても全く見えないので、そこに倒木があることを知らない人は多分キャストをせずにスルーしてしまうような場所なのだ。竿を振り始めて直ぐ、水中に沈むストラクチャーにルアーを引っ掛けた。何処にどんな格好のストラクチャーがあるのか全くイメージ出来ていない状況なので、ルアーが引っ掛かるのは無理もない。いつもなら直ぐにルアーを回収しにボートを寄せるところだが、今回はそのまま置き竿にしてテリーのタックルを借りて続行する。

 シャッドラップ8を使い、水中に沈んでいる見えない倒木を探っていると狙いどおりにバラマンディがヒット。フッキングもバッチリと決まったが、テリーから借りた竿(G.Loomis)が思った以上に柔らかく扱いに戸惑った。魚のサイズは58cmだったが、この竿のおかげでスリリングな引きを存分に楽しめた。実はテリーが掛けた魚をバラさないのは、この竿に秘密があったのだ。単純にペナペナと柔らかいのではなく、魚の急な激しいファイトにもしなやかに追従するのが魅力。ケアンズ近郊でバラマンディを狙うなら、魚のサイズも考えるとガチガチの硬い竿を使うより、しなやかに曲がるような竿の方がバラしも少なく楽しいのかもしれない。



〜 象はピーナッツを食べる!? 〜


ジョンソンリバーボートランプ 8KB その後、バラマンディらしきアタリが1回あったのだが反応がなくなった。試しにスピニングタックルに持ち替えてシャッドラップ5を試すと、いきなりバラマンディがヒットした。先に釣った魚よりも一回りは確実に大きく、ステラ3000からは何度となくラインを引き出される。徐々に間合いを詰めて無事にキャッチ(63cm)。赤い眼がとても印象的な魚だった。丁度、このエリア内には小さなベイトが群れが上げ潮にのって入って来たようで、ルアーサイズを落としたのが良かったらしい。ターポンが水面をピチャピチャやっていたのも、これらのベイトを捕食していたようだ。

 テリーはちょくちょく、小さなルアーで大物を釣った際に「象はピーナッツを食べる」と喩え話をする。体の大きな象でもピーナッツを食べるのだ。デカバラだって、いつも大きなベイトを食べている訳ではない。夕食を腹一杯食べた後でも、おつまみのピーナッツに手が伸びる私達と同じく、食後に小さなエビやベイトをゴボッと吸い込んでいるかもしれない。要するに、釣り人としては、バラマンディに労せず食べられる物をタイムリーに提供すれば良いのだ。大きなルアーには大きな魚が出るのは真実だが、捕食しているベイトのサイズに合わせる「マッチ・ザ・ベイト」の考え方も大切であることを痛感する。

テリー家族 9KB 更なる追加を求め水中の見えないストラクチャーをテリーと2人で狙うが、次々にルアーが水中に沈む見えないストラクチャーに引っ掛かった。ボート際にはラインを張った合計3本の竿が立ち並び、ルアーを投げるコースを塞いでしまったため、これにて本日は終了。バラマンディについて言えば、全体的に活性が低くイマイチの感があったが、数多くの魚種を釣る事が出来て楽しかった。「どんなに渋い時でも、ジョンソンリバーで竿を振れば何とかなる・・・」ふとそんな言葉を思い出した。

 午後6時にボートランプを出て、1時間少々でテリー宅に到着。部屋で片づけをしている時、足の甲が妙にムズ痒いことに気がついた。視線を足元に落とすと・・・ポツポツと赤い点々が。いつの間にかサンドフライに刺されていたらしい。サンドフライ対策は万全だと思っていたが、やはり今回も穴があった様子。暫くは痒み止め薬のお世話になりそうだ。

 トルタリーニとガーリックトーストの夕食には、テリーの息子 ライアンが同席。彼はいっちょ前に、あご髭をなんかを生やしていて大いに笑えた。しかも、運動せずに毎日ハイカロリーの食事をしているため、2月に会った時よりもお腹タプタプのおデブちゃん。お互いのお腹の肉を摘み合ってジャレながら、再会を喜ぶ。彼については子供の頃から知っているが、益々典型的なOZの体つきに近づいているのが良く判った。

釣行3日目の結果

TOSHI

TERRY

バラマンディ

3


GT

2

3

クイーンフィッシュ

1


マングローブジャック

1


スーティーグランター

4

3

ジャングルパーチ

1


ターポン

2

2

シルバーグランター


1

テラピア


2

マゴチ


1



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