バラマンディ・フィッシング]]U
ケアンズの大晦日

大晦日の夕食 8KB
ケアンズの大晦日は御馳走

擬似餌の玉手箱>豪州バラマンディ・フィッシング>'14/12遠征



'14/12/31(水)
〜 釣行最終日はジョンソンリバー 〜


シリアルの朝食 8KB 今朝も5時過ぎに起床。毎朝、目覚まし時計も必要なく、丁度良い時間に起きられるのは、我ながら凄い。横でまだ眠っている嫁さんを起こさないようにベットから抜け出て釣行の準備に取り掛かる。今日は嫁さんとは別行動。彼女はグレートバリアリーフでダイビングをするのだ。テリーと朝の挨拶をしながら釣行最終日の行き先をジョンソンリバーに決定。初日に行って激シブで懲りてしまったが、それから日が経っているので改善されている事を期待した。

ガソリンスタント 7KB 朝食はいつものシリアルにデイツをトッピング。庭で収穫したポポーをたっぷり頂きエネルギーをフル充填。午前6時半過ぎ、準備が整った嫁さんを乗せて出発した。最初に寄るのはウールワースに併設されているガソリンスタンド。850km走って給油したのが101リットル。1回の給油に、私の愛車である四輪駆動車の2倍、100リットル以上入るのが凄い。しかも、ボートを牽引していて燃費が8.4km/Lとは、かなり燃費が良いのではないだろうか。市街地は交差点が少なく、郊外は、信号機がなくグルグルと円を描いて曲がるランナバウト(環状交差点)。この新車には、オートクルーズ機能が付いているので、無駄なアクセルのオンオフもないため、燃費が良くなっているのだろう。

 タイビングツアーの出発地点であるリーフフリートターミナルを目指し、ケアンズ市街を走りながらテリーから話を聞く。ケアンズにも店を構えている女性に人気のあるブランド ルイビトンは、オーストラリアに3つのクロコダイルファームがあるらしい。オーストラリアの建設物は個性的な形をしている物も多いが、世界中にデザインを募集し決めているとのこと。地震がない国なので日本に比べ建築基準が緩く、デザインの自由度が高いのかもしれない。

〜 豪州と日本の経済事情 〜


嫁さんはダイビング 11KB ダイビングツアーの集合時間よりも随分早くターミナルビルに到着し、嫁さんを送り出す。彼女には、のんびりと周囲を散歩しケアンズの朝を満喫してもらい、今日一日、ダイビングを楽しんでもらう予定。一方、私達は、嫁さんのルアーがアチコチに引っ掛かってポイントを潰すことなく、思う存分釣りが出来るのでストレスなく竿が振れそうだ。

 釣り場までの道のりは、およそ1時間。車中ではオーストラリアと日本の経済事情について、まじめな話までしてしまう。オーストラリアの人口は増加傾向にあり、失業率は6%とされているが、実際は原住民であるアボリジニを含め国民の2割が働いておらず、まじめに働いている国民が、税金を沢山、国に払っているとの事。一方、日本は近年、人口が頭打ちになり減少傾向に転じた。失業率は4%を切っているが、景気回復が遅れている事を伝える。
 
ガソリンスタンド 9KB 因みに2000年に導入されたオーストラリアの消費税は最初から10%で変更なし。食料品などの生活必需品に消費税はかかっていない。一方、日本の消費税の導入は、オーストラリアよりも早い1989年。3%から始まり、1997年に5%、2014年に8%に引き上げられた。そして、2017年にはついに10%へ。「消費税って今、何%だっけ?!」と、時々、頭の中で混乱する事もあるが、諸外国の税率を知り日本の台所事情も考えると、更にその先があるように思えてくる。

 仕事のやり方でこの国と違うのは、残業は一切しないこと。日本では、残業が当たり前であることを話すと、「何故、そうまでして働くのだ?」と質問をされてしまう。この問答は過去に何度もやり取りしているので、その都度、彼に答えているが、資源を持たない極東の小さな島国の日本が、国民の勤勉性を下支えにして頑張った事が、敗戦国から世界2〜3位の経済大国に成し得た理由の1つかもしれない。

 豪州遠征に費やす費用も、一昔前に比べると随分高くなっている。今回の航空運賃は年末年始の特別料金で目玉が飛び出るような価格だが、全世界を震撼させたリーマンショック以降、フィッシング・ガイド料金も含め、費用は右上がりに上昇している状況にある。ガイド料金について言えば、車とボートの燃料代が大きく下がらない限り、今後安くなることはないだろう。豪州遠征を続けるためには、日々、質素に暮らし遠征費用をコツコツと貯める必要がある。

〜 ゼブラじゃなくてザブラ 〜


コトヒキ 9KB 午前8時15分、ジョンソンリバーのボートランプに到着。テリーがボートをトレーラーから降ろしている間、周囲を歩いてマンゴーを拾ったり、草花の写真を撮ったりする。日本ではまだ高価な果物であるマンゴーが足元に転がっていたりして、何だかヘンな感じがする。日本が輸入しているマンゴーは、メキシコ、フィリピン、タイ、台湾からの物で8割以上を占めているので、オーストラリア産が口に入る機会はとても少ないだろう。だから、こちらにいる時に、新鮮な物をたっぷり食べておきたいのだ。

GT 7KB 準備が整い出船。先ずはサウス・ジョンソンリバーにボートを走らせ、私が"GTアイランド"と呼んでいる中洲周囲をTDポッパーで探る。普段なら、何かしら反応があるのだが、ルアーを追い掛ける魚の影もない。試しにテリーがZBLシステムミノー50Sを投入すると、可愛らしいストライピー(コトヒキ)が釣れた。
 
 彼は私とのアラクン遠征以来、このルアーが大のお気に入りとなったようで、ちょくちょく出番がある。「ゼブラは凄いぞ、ボウズな〜い」と繰り返し言っている。「ゼブラじゃなくて、ザブラと呼ぶんだよ」と伝えても、直らない。発音しにくいのか、「ゼブラ」という言葉が頭の中に刷り込まれているのかは不明だが、日本のルアーが遠く離れたオーストラリアで愛されているのはメーカー側の人間でなくても嬉しく思う。

 水温は30℃。小さなベイトは岸際にウジャウジャいるのだが、TDポッパーには全く反応がない。そこで、ZBLシステムミノー50Sに交換したところ2連続バイト。しかし、ルアーを追い掛けてくる魚を見ると笑えるぐらいに小さい。とてもちっちゃな魚がコツン、コツンとルアーへ果敢にアタックしているのだ。このエリアで時間を費やして粘っていてもダメっぽいので、大きく移動することにした。

〜 マゴチハウスは空家?! 〜


砂浜 7KB 移動した先は河口周辺。"マゴチハウス"と彼が呼ぶ、岬周りや、ちょっとしたビーチのシャローエリアで魚を探す。最初にTDポッパーを使って様子を伺うが、それらしき反応なし。続いて、マゴチ狙いでアスリートF9など過去に実績があったルアーを投入したが、こちらも不発。エリア内に群がっているベイトはどれも小さいので、DコンタクトZBLシステムミノー50Sも試したがアタリはない。

 テリーは「強い日差しの中、ベイトが小さく、マゴチがいない。」「マゴチハウスは空き家だ」などとボヤいている。ここでは15分程竿を振ったが、テリーがシャッドラップSSRで狙っていなかったGT(35cm)をキャッチしたのみ。「活性の高いGTの群れが回ってきたのかも!」と期待したが、この1匹のみで後が続かなかった。

ミューズリーバー10KB 場所を移動してマングローブ帯の日陰部分を集中的に探る。延々と続く、マングローブの根際周辺にロングAを打ち込んでゆくが不発。途中にある桟橋をDDパニッシュで角度を変えて何度も丁寧に探っていると久しぶりに強烈なヒットがあった。しかし、水面近くに姿を現した魚は、銀色に輝くバラクーダ。目の前でガッと口を開き、ルアーを振り払って逃げていった。ルアーを飲み込まれリーダーが歯に当たっていたら、一発でリーダーをブチ切られていたに違いない。

 海風が強まり横風が出てきたので、キャスティングの精度を上げるためデプスレスに交換。マングローブの根際をテンポ良く撃ってゆく。1バイトあったが、魚種は不明。その後、全くアタリが途絶えたので、木陰にボートを停めて10時半にティータイムにした。本日のお茶のお供はミューズリーバー。日本でもここ数年、手軽に食べられるシリアルとドライフルーツを混ぜたこの手の商品が出てきてはいるが、こちらでは随分前から売られており、種類も豊富なので飽きない。小腹が空いた時にはピッタリの食べ物で、手軽に食物繊維も取れて有難いオヤツなのである。


〜 豪州まで来てナマズ釣り 〜


ナマズ 10KB 一服した後、河口周辺でボートを走らせる。河川の水は濁っているが、海から海水が大量に入って来ている場所は、透明度が高くブルーやグリーンに見える。サングラス越しに水中を見ながら魚を探していると、沈んでいる倒木周辺でナマズの大群を発見した。その群れは大きく、数十匹どころか、数百匹ぐらいはいそうな感じ。1匹のサイズは50cm前後あるので、結構な迫力がある。

桟橋周辺 7KB 巨大なゴンズイ玉に向けてデプスレスを投げ込むが反応なし。試しにZBLシステムミノー50Sに交換し、トウィッチをするといきなりヒットした。相手はナマズであることは判っているが、日本のナマズとは引きの強さが違う。立派な尾鰭や胸鰭などが付いているので遥かにパワフル。相手がナマズだからと思って、舐めてかかると痛い目にあうのだ。オーストラリアまで遠路遥々来てナマズ釣りをするのはどうかとも思うが、釣り応えは十分ある。

 今回、掛けたナマズ(50cm)も元気満点で、何度もリールからラインを引きずり出した。その挙句、水中に沈んでいたブッシュの中に潜り込んで手こずらせる。枝葉に絡んだラインを外しながら、なんとか無事にキャッチ。背鰭や胸鰭に鋭いトゲがあるのでオーシャングリップでガッチリと掴んだ後、十分注意しながらフックを外す。

 ナマズの大きな群れは、1つの意志を持っているかのように黒い塊になって移動している。水の透明度が高いため群れは容易に見つけられ、再びZBLシステムミノー50Sを投げ込む。着水後、少し沈めてトウィッチを始めると、群れの中の1匹が口を開けてルアーを咥えたのが見えた。一拍おいてフッキングする。周囲に障害物がない事を確認しながら、魚のファイトを楽しんでからキャッチ。サイズは先程と同じ50cmだった。

〜 酷暑下でのバラの釣り方 〜


バラマンディ 11KB 今日の最高気温は33〜34℃になるらしいが、午前中には既に30℃を超えている。強い日差しで肌を焼かないように日焼け対策をし、こまめに水分補給をしていないと午後まで体が持たないような暑さ。魚が釣れていれば、気合も入るが、反応が乏しいので気持ちが萎えてくる。集中力が低下するとキャストミスが増え、マングローブの根に引っ掛かったルアーを回収する行為で、更に体力を奪われるという悪循環に陥りやすいので要注意なのだ。

 魚が釣れないまま、ずっとマングローブの根際を狙っていると気分的に滅入ってくる。こんな時に、いかにも釣れそうな、桟橋などのマンメイドストラクチャーがあると気持ちが切り替わってやる気が出てくる。実際は、誰もが狙うポイントであり、魚がルアーにスレていたり、既に誰かに攻められて魚を抜かれた後だったりすることも多いのだろうが、探ってみる価値はある。

桟橋 9KB マンメイドストラクチャーを攻める際に、テリーが指定したルアーはDDパニッシュ。フックを太軸に交換してあるのでスローシンキングになっているのだが、日差しが強く、魚の活性が下がっている酷暑の時には、むしろルアーをゆっくり沈めてやった方が良いらしい。

 ストラクチャーにブチ当てるぐらいのつもりでタイトにキャストして、着水後は暫く沈ませ、おもむろに強めのジャーク。5秒ほど放置してルアーを水中に漂わせた後に再び強めのジャーク。そして、放置・・・。寝ているバラマンディを起こすつもりで、これを何度も繰り返す。

 投げる場所を少しずつ変え、ルアーを引くコースを変え、沈める秒数も変えて・・・とアレコレやっていると、DDパニッシュに何か触れた感じが手元に伝わってきた。再び、同じ所にルアーを打ち込んでカウントダウン。暫く放置して強めのジャークを入れてポーズを取ったら、ルアーを強烈に引っ手繰られた。

 どれだけこの瞬間を望んでいたことか。イメージどおりにダラマンディがルアーを咥え、目の前で激しくエラ洗いを繰り替えす。サイズはそれほどでもなかったが、カキ殻が付着しているような支柱などにラインを擦らないようにコントロールして無事にキャッチ。サイズは59cmと小振りではあったが、体高がある肉厚のグラマラスな体型に見とれてしまった。

〜 シャローエリアのマゴチ狙い 〜


コチ 8KB 今日は1か所で何本も上げるのは無理っぽいので、次の場所へと移動する。向った先は小さなビーチ前。ティータイム前にマゴチ狙いをした場所は空振りだったが、このエリアは所々に岩が入っている。しかも、ボートを進めると前方に砂煙を上げて逃げる魚もチラホラ見えるので、期待が持てた。使うルアーは、ベイトの色に合わせて選んだ銀色のデプスレス。釣り方は、ストラクチャーに付いているバラマンディーの狙い方とは正反対。シャローエリア一帯がポイントなので、岸に向ってルアーをブン投げて巻くだけの単純作業。

 テクニックと言えるかは疑問だが、ワンポイントアドバイスとすれば、水中でパッチ状に色が変化している場所があればそこを狙うこと。色の変化があると言うことは、周囲とは何かが違うこと。窪みだったり、ウィードベットだったり、ターゲットフィッシュそのものズバリだったり。ルアーが、パッチの場所を通るようにリトリーブをすれば、確実に釣果には差が出る。変化を見つけるには、高性能な偏光サングラスが必携なのだ。

 ポイントに到着して数投目でヒット。マゴチ特有の持久力のある粘り強いファイトを楽しんでからボートに抜き上げた(61cm)。因みに、マゴチはルアーを咥えると、バックリと口を閉じてしまうのでバレにくいのだが、フックを外す際には注意が必要。中々、口を開かないだけでなく、激しく頭を左右に振って激しく抵抗する。エラの先端には鋭いトゲがあるので、ザックリと手を切られないように気をつけたい。

〜 昼食後はノース・ジョンソン川 〜


ランチ 9KB 余りにも暑くて釣果も乏しいので、早めの昼食にした。今回は、いつのハムではなく、ツナ缶を開けてトマトとレタスの間に挟み込む。激辛マスタードをパンに少々塗って、塩、コショウを振る。毎日同じパターンだと、さすがに飽きてくるのでガイドの気遣いに感謝。昼食では、空になった胃袋を満たすだけでなく、体内から失った水分と塩分を十分補給することも大切で、これをしっかりやっておかないと、午後の部で電池が切れたかのように一気にへたってしまう。

 30分程、木陰で休憩した後、エンジン再始動し、クリーク内に入ってみる。前方にターポンが水面に波紋を作っていたので、ZBLシステムミノー50Sを試してみる。直ぐに反応があり、数回バイトがあった後、フッキングに成功。力強く走り回るターポンに翻弄されつつも、グッと堪えていたがフックオフ。ルアーを回収し、フックを見たら、2本伸ばされていた。キャッチ出来なかったのは残念だったが、幅広い魚種に対応するZBLシステムミノー50Sには驚くばかり。

 続いて、竹が沢山生えているクリークに入る。ここはバラマンディの実績があり、嫁さんも以前このクリークで釣り上げていたが、今回、魚は全くおらず、いるのはサンドフライのみ。水温を測ってみると32℃。主だったストラクチャーを狙ってはみたものの、ワンチャンスもなかったので、この場から退散。テリーの「ジョンソンリバーの下流域は死んだ」という言葉を残し、ボートをノース・ジョンソンリバーの中流域に向けて、一気に走らせた。

〜 ウィードエリアでまさかのGT 〜


ガイドのテリー 10KB 所々、岸際をロングAで探りながら魚の反応を見るが反応はない。水温は32℃から32.5℃、そして33.0℃と上流に上がるほど高くなっている。サトウキビ列車の鉄橋をくぐり、少し行くとウィードエリアに到着。日差しが強いので、ウィードの下には魚が集まっているハズ。周囲を見渡していたテリーが、ウィードのエッジ部にバラマンディの姿を見つけたので狙ってみる。

 使うルアーはZealカスタムフロッグポッパー。過去、中空ボディのポッパータイプのフロッグをアレコレ試したが、コレが一番魚の反応が良い。既にメーカーがなくなってしまっているので入手難。当然ながら、中古市場に出回っているのを見つけた時に購入するのだが、スカート部が溶けていたりして程度が悪い物が多いのが残念なところだ。

GT 10KB ウィードの上にパフッと落とし、チョコチョコ動かしつつ、ウィード内にポケット状に開いているオープンスペースでボコッと音をさせる。少ししてウィードエッジで、水面が割れてドガンと出た。魚はバラマンディか大きなスーティーグランターかと思ってやり取りしていたが、どうも走り方が違う。慎重に寄せてみると体色が黒いGTだった。未だかつてウィードエリア内でGTを釣った事がなかったので、テリーも私もこれを見てビックリ。ルアーが見えないので、ボディだけ何処かに千切れ飛んだのだろうと思い込んでいたが、キャッチしたGT(49cm)の口の中を見ると、カスタムフロッグポッパーを丸呑みにしていた。

ポッパー丸飲み 8KB ウィードの下には、魚が集まっているので、アンカーを降ろして暫くこの場所で粘ってみた。テリーはバラマンディがいる場所を集中的に狙っている。バラマンディは、何度かルアーの様子を見にウィードの下から出てくるが、口は使わずウインドーショッピングをしているかのよう。

 一方、私は広範囲にルアーを投げまくって様子を伺う。水柱が立つような派手なバイトを含め、3回バイトがあったがフッキングには至らず、悔しい思いを繰り返した。「ルアーにアタックしたのは、ビッグ・スーティーだ」とバックシートに座って私の様子を見ていたテリーが教えてくれる。

 中空ボディのルアーはフックがボディ本体に隠れているので、しっかりとフッキングさせないと針掛りしなていない場合が多い。ルアーを丸呑みにして口を閉じている魚が、口を開いた瞬間にスッポ抜ける事が多々あるのだ。水中にルアーが引き込まれたのを確認してから余分なラインを巻き取り、フルフッキングをしていたがいずれも空振りとなってしまった。



〜 ウィードエリアを再アタック 〜


桟橋 9KB ウィードエリアの反応がなくなったので、少しポイントを休ませることにした。、ボートを走らせ、近くのクリークに移動する。狭くて小さなクリークなのでエレキを使って静かにゆっくりと進みながら、両サイドの岸際のブッシュやオーバーハング下、水中に沈んでいる倒木周辺をシャッドラップ8で狙い撃つ。クリークの中の水温も33℃。流れがなく、水温が高いような場所には、魚はいないようで、一度も魚の影すら見ないまま、このクリークから抜け出た。

 本流に戻り、更に上流へと上がる。ここにもウィードエリアがあったので、カスタムフロッグポッパーを試すとバラマンディが爆裂バイト。確実にルアーを咥えていたハズだが、フッキングミスでスッポ抜けた。このウィードエリアの範囲は狭く、直ぐにウィードの上をルアーを通し切ってしまった。時計を見ると、GTを釣ってから1時間が経っていたので、戻って再アタックしてみることにした。カスタムフロッグポッパーには反応がないため、ジッターバグ飛豚73プロップを試すが不発。午後4時近くとなり、残り時間が少なくなってきたので、一気に下流のボートランプに向ってボートを走らせる。

 釣行は本日が最後。両岸の風景を目に焼き付けておこうと、キョロキョロしながら写真にも収める。いつの間にか整備された素敵なプライベート桟橋があったり、ピンクや赤、黄色い花が咲く大木が何気なく川岸にそびえ立っていたりして、ボートに乗っているだけでも楽しめる。

〜 ロングAでバラジャーク 〜


バランマディ 8KB ボートランプの近く、ヨットなどが停泊しているハーバーまで戻ってきた。残り時間は1時間。夕方から曇ってきたので魚の活性が高まることを期待して、タイムリミット限界ギリギリまで竿を振る。TDポッパーをメインに使い、ラン&ガンでテンポ良く魚を探す。シラサギがいる場所にはベイトが集まっているため、重点的にチェック。数投で反応がなければ次の場所へと移動する。水深が浅く、オーバーハングしている場所や倒木周りはロングAを試す。

バラマンディ 10KB マングローブ帯の根際をゴールドボーマーで撃っていると、テリーのルアーにドカンと出た。マングローブの中に潜り込もうとするので、かなり強引に魚を引き寄せ、こちらが優位に立てるオープンウォーターでファイトする。彼がキャッチしたのは、ちょっとスリムな感じがするバラマンディ(45cm)。小さくてもバラはバラ。魚を傷めないように素早くフックを外してリリースする。

 周囲には他にもバラマンディがいるハズ。金黒には反応がなくなったので、銀色のロングAに交換し、バラジャークを繰り替えす。その昔、豪州遠征を始める前までは、「ミノーは投げて巻くもの」と思っていたのだが、ガイドのテリーからバラジャーク(ジャーキング)のテクニックを教えてもらってからは格段に釣果が上がった。

 ルアーを打ち込んだ場所から出来るだけ移動させず、泡と音、そして多彩なアクションで誘い、魚の活性状況に合わせてポーズをとる時間を調節するのがテクニックのキモ。シャローエリアでロングAを使ったジャーキングは、ケアンズNo1の凄腕ガイド テリーにスパルタ方式でやり方を教え込まれたので、4日間の連日釣行で疲れていても両腕は勝手に動く。



〜 タグ付きバラマンディをキャッチ 〜


タグ付きバラマンディ 8KB 少しして再びバラマンディが出た。先程釣った魚より引きが強く、目の前でエラ洗いも炸裂。数少ないチャンスなので慎重に魚とやり取りをして無事キャッチ。サイズは51cm。魚を良く見たら背中にウィードが絡みついたタグが付いていた。今回の遠征でタグ付きのバラマンディを釣ったのは2匹目。4日間で16匹しか釣れていないのに、うち2匹にタグが付いているなんて驚きの確率。一体、何匹のバラマンディにタグを付けているのだろうか。

GT 9KB 遠征最後の締めはGT狙い。ルアーをポッパーに変え、潮が動いている岬周りのシャローエリアをスピーディーにチェックする。悔しいかな、帰る頃になると魚の活性が高まり、ポッパーへの反応がよくなるのだ。TDポッパーの早めのポッピングにGTが次々にアタックしてくる。

 猛烈に引きまくった45cmをキャッチした後、40cmを立て続けに2匹追加。まだまだ、釣れそうだったが、テリーから終了の声が掛った。

 テリーが手馴れた手順でボートをトレーラーに乗せ、午後5時半過ぎにイニスフェールの街を出る。車中では手帳を見ながら、本日の釣果をチェックする。テリーが釣ったのは、僅かに3匹。いつもは客よりも魚を釣ってしまう名(迷?!)ガイドなのだが、後半は私が釣りに専念できるよう操船に集中し、あまり竿を振らなかったから数が伸びなかった。横風が強い時でも、彼は竿を振る客の技量に合わせてベストなボートポジションを維持してくれるので、とても釣りがしやすいのだ。きっと、彼の客でリピーターが多い理由の1つでもあるのだろう。



〜 ケアンズの大晦日 〜


大晦日夕食 9KB ケアンズに向って爆走している時に携帯電話がなった。電話主は私の嫁さんだった。当初の予定では、マリアさんが彼女をピックアップするハズだったが、電話を掛けてもマリアさんに繋がらなかったらしい。待ち合わせ場所のリーフフリートターミナルに辿り着くには、まだ30〜40分掛りそう。彼女には申し訳なかったが、もう暫く周辺で散歩やショッピングなどして時間を潰してもらうことにした。

ヤモリ 5KB 私は相当疲れていたようで助手席で眠り込み、気が付いた時にはケアンズ市街地に入っていた。無事に嫁さんと合流できてテリー宅に向う。ダイビングの様子を聞くと、海のコンディションは良く、3本潜ったとのこと。私にも是非一緒に潜って欲しいようだが、水中でサンゴや綺麗な魚達を見るよりも、「息が出来なくなって溺れたらどうしよう」という恐怖心の方が勝ってしまうのでパスなのだ。

 午後7時にテリー宅に到着。出迎えてくれたのは、壁や天井でチョコマカ動き回るゲコー(ヤモリ)達。明かりに虫が集まってくるので、これを食べに夜になると何処からともなく現れてくる。日本にも各地にヤモリはいるようだが、私が住む家の近所周りでは見た事がないので興味津々。シャッターチャンスを狙って何度もカメラを構えるのだが、こちらの動きを気づかれ直ぐに逃げられてしまう。

ケアンズの花火 4KB 今宵は9時から花火が上がるらしい。ケアンズの花火は見た事がなかったので、食事を済ませてから行くことにした。大晦日の食事は、ポットチキン。ポテトやカボチャ、玉ネギにグリーンピース、ブロッコリーがお皿に盛られた。シンプルな料理らしいが、とても美味しく、ハーブトーストと赤ワインを頂きながら、今日の出来事や明日の予定について話をする。

 花火は街中へ行くのかと思いきや、懐中電灯を持ち、丘の中腹まで歩くらしい。虫除けスプレーを掛けて、いざ出陣。坂道を10分程歩くと、ケアンズ市街が見渡せる開けた場所に出た。この場所には近所に住む御家族や子供達も来ていて、一緒に15分間程の花火を楽しんだ。

〜 サンドフライの餌食 〜


サンドフライ 5KB 帰宅後、身の回りの片づけをして帰国の準備をする。嫁さんがしきりに「アチコチが痒い〜」と言っているので、服をめくって見てみるとサンドフライに刺された赤いポツポツが両脇腹にかけて無数にあった。刺された跡をざっと数えても40か所くらいありそう。今日のダイビングや夜の花火観覧で刺される場所はないハズなので、やれたのは昨日のデントリーリバーに違いない。

前日の釣行写真を確認すると、彼女はシャツの裾をズボンの中に入れず外に出していた。きっと、クリークに入って釣りをしている間、シャツとインナーの間にサンドフライが入り込んで刺されたに違いない。無数に刺された跡を見るとまさに、「サンドフライの餌食にあった」という表現がピッタリくる。薄い布地やメッシュ部は、サンドフライの攻撃をかわせないので注意が必要なのだ。

 気をつけるのはシャツの裾だけでなく、ズボンの裾の部分も要注意。足首やくるぶし辺りは良く刺される場所なので、ズボンは裾をコードで絞り込めるタイプの物が良い。因みに、今回、私は靴下を履いてクロックス・サンダルで釣りをしていたが、クロックスの穴の所で靴下の上から刺されてしまった。

 サンドフライに刺された時は、痛くも痒くもなく気づかないのだが、後から赤くなってきて猛烈に痒くなる。何度も刺され続けているうちに、体の中に免疫が出来るので痒みは大した事はなくなる。しかし、彼女に免疫はなく、最低1週間はこの猛烈な痒みに悩まされ、およそ1ヶ月間は痒みが残るだう。掻きむしってしまうと、傷が残ってしまうのでぐっと我慢すること。過去に色々な痒み止めを試したが、ムヒアルファEX(クリームタイプ)が一番効くように思う。体温が上がった時などは、痒みがぶりかえすので暫くは辛い思いをすると共に、豪州遠征の事を思い出すだろう。(2015/2/11現在 彼女の脇腹には、サンドフライに刺された跡が未だに残っている。)

釣行4日目の結果

TOSHI

TERRY

バラマンディ

2

1

GT

4

1

ストライピー


1

ナマズ



マゴチ

1




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