バラマンディ・フィッシング]]W
新顔ガイドの登場

新ガイド ウィル・プリチャード 10KB
今回の遠征で世話になるウィル・プリチャード

擬似餌の玉手箱>豪州バラマンディ・フィッシング>'18/3遠征



'18/3/18(日)
〜 豪州へ入国


ケアンズ国際空港入国ロビー 9KB ケアンズ現地時間で午前4時、着陸予定のアナウンスが入る。到着時刻は午前4時20分、気温は25℃、天気は雨とのこと。嫁さんから「やっぱり雨男だぁ」と笑われる。乾季のさなかだろうが何だろうが、私が渡豪すると雨が降る事は、ケアンズの釣りガイド達にも知られているくらい有名。今回もまたテリーに「レインマ〜ン」とからかわれるに違いない。着陸前のトイレが混む前に用事を済ませ、身支度を整えて出来るだけ早く飛行機から降りられるように準備する。

ケアンズ天気 11KB まだ暗いケアンズ国際空港に予定どおりに着陸。最後尾に座っているので、降りるまでに時間が掛かるのだが、早めに席を立って通路を進めば結構前まで出られる。急ぐ理由は、入国審査と税関を出来るだけ早く切り抜けたいから。のんびりしていると長蛇の列の最後尾となり、空港の到着ロビーに辿り着くまでに疲れてしまう。入国審査はe-Passportでセルフ対応。機械の前に立ち、パスポートを画面の指示通りに突っ込めば良いのだが、嫁さんがここで引っ掛かった。毎度のことながら、旧姓とのミスマッチで足止めをくらう。これって、パスポートを更新するまで同じ事を繰り返すのだろうか。

 入国カードに食べ物やお薬を持ち込むことを記載してあるため、手荷物チェックに誘導される。予めウエストバッグにまとめておいたガムやアメ、常備薬を手早く取り出し、係員に見せると直ぐにOK。過去には男の一人旅で渡航回数も多いため、毎回スーツケースを開けられ荷物を調べられていたが、嫁さん同伴だとスーツケースを開ける事なく簡単に入国出来るので助かるのだ。午前5時、到着ロビーでテリーの出迎えを待つ。飛行機の最後尾に座っていると、やはり30分ではロビーまで出られないので、待ち合わせ時間には1時間程の猶予が必要だ。

 待っている間、両替店トラベレックスのレートを確認する。ここでは1A$=95.74円だった。成田空港の第2ターミナルでは、90.31円だったので、なんと、5円以上の差があった。ケアンズ市内の土産物店周辺にある両替所なら、確実にレートは下がるのだろうが、空港間の比較ではやはり日本国内での換金の方が良いのだろう。

〜 新顔ガイドの登場


ハイラックスWキャブ 8KB 空港入国ロビーにあったここ数日間の天気予報によると、天気は悪く雨の日が多いようだ。しかも最高気温は30℃前後。日本との気温のギャップに体が早く慣れてくれる事を祈る。少ししてテリーがやってきた。今日から最終日3月24日までの6日間、彼のお宅にホームステイさせて頂くことになっている。再会を喜び合い、スーツケースなどを車に運び入れながら、「トシはアメ・マグネットだ」などと予想どおりからかわれる。15分程でテリー宅に到着。荷物を開いて釣りの準備をする傍ら、シリアルの朝食を御馳走になる。

バラボート 9KB テリーの家族は皆さん元気らしいが、息子のライアンは肉や魚を食べないベジタリアンから更にステップアップ。卵や乳製品をも食べないビーガンになったとのこと。テリーもいつの間にか、肉は口にせず、牛乳も豆乳に変えるなどベジタリアンに。味気ない食事をぼやいていたが、医師の指導の下で体を気遣ってのことだろう。

 食後、一服する間もなく、今日からお世話になるフィッシングガイドのウィル・プリチャードが、青く輝く四輪駆動車でボートを牽引しながら玄関前に滑り込んできた。自己紹介をしながら最近の釣り場の様子を聞く。先週までは大雨続きで、アチコチの道路が水没し寸断されていたような状況。今日は、現時点で雨は降っていないが、カッパは必携。今回の釣りでは、濁っている小川からの流れ出しがメインポイントとなりそうだ。

ウィル 9KB 因みに彼の車はトヨタ・ハイラックスWキャブ。日本では永らく生産中止していたが、今年、復活した話題の車だ。彼の車は、運転席側の屋根近くまでエアーインテークが煙突の様に伸びている格好イイやつ。ケアンズ近郊では度々洪水があり一帯が水没。そんな時に活躍するのが、こんな四輪駆動車なのだ。フィッシングボートは、テリーのボートを譲り受けリペイントすると共に、ミンコタのリモコン操作タイプのエレキを装備していた。車とボートの色合いをちゃんと揃えており、とってもお洒落な感じだ。

 テリーのフィッシングガイド業を丸々引き継いだウィル・プリチャード。現在、37歳で嫁さんと2人の子持ち。子供が小さいので毎日が戦争状態で大変らしい。つい最近では、バスプロ、「俺達。」の秦 拓馬氏のガイドも務めている。テリーが保障するだけあって、ガイドとのして腕前は確からしい。

〜 初日はジョンソンリバー


ピラミッド山 テリーを交え、アレコレと雑談しながら、今日の行き先を決定。やはり初日は、ボウズなしの手堅いジョンソンリバーへ行くことになった。ケアンズの街から出てひたすら南下する。テリーは日本人が聞き取りやすい発音に変え、しかもゆっくりと話をしてくれるので会話のやり取りが出来る。しかし、ウィルはネイティブそのままの豪州英語で話てくるので、つい聞き漏らしてしまう。それでも釣りに関する話題は、英単語が使われるのが常。ぎこちないまでも、なんとなく会話が成立するのが楽しい。彼はケアンズ市内に住んでいるのではなく、"ピラミッド山"の直ぐ近くに住んでいるらしい。得意な釣りは、ダム湖でのクランクベイトを使ったモンスター級バラマンディ狙い。後で使っているルアーを見せてもらうのが楽しみだ。

ジョンソンリバー 6KB 午前8時過ぎにイニスフェイルの街に到着。ドロが堆積してズブズブでとてもスリッピーなボートランプからボートを下ろし、サウス・ジョンソンリバーをひたすら上る。40分程、走って1か所目のポイントに到着。岸際を小型のシャッドで狙うと言う。私は懐かしのハードコアSH60SP、嫁さんには、「コレで釣れない魚はいない」と私が信じているド定番のシャッドラップSR5を使ってもらう。トウィッチして濁った水の中をヒラヒラと泳がせる。イメージでは開始早々にガツンと出るハズだったが不発。少しして更に上流へとボートを進めた。

スーティーグランター 11KB ルアーをSR5に変え岸際を狙っていると、いきなりバラマンディが出た。魚は船尾近くでガババッと水面近くでエラ洗いをしてルアーを吹き飛ばした。サイズは50cmUP位かと思いきや、目の前で見ていたウィルが70cmクラスだったという。「豪州遠征でファーストフィッシュを逃すと釣果が伸びない」というジンクスがあり、今回もそのパターンにはまりそうで怖い。フックが曲がっていないか、ショックリーダーが傷ついていないかチェックしてキャストを再開。川岸が崩れ土砂が水中に雪崩れ込んでいるような変化を狙い打ってゆく。再びヒットしたのは私のSR5。明らかに先程の魚とは違う引きに、姿を見る前からスーティーグランターだと判ってしまった。ボートに抜き上げたスーティーは25cm。小さくても1匹は1匹。出来るだけ魚に触れないように丁寧に扱ってリリースする。

 雨が降ったり、晴れ間が出たりと目まぐるしく変わる天候の中、午前10時にティータイム。ウィルの嫁さんの手作りマフィンをガップリと頬張る。のんびりとお茶をして良いような釣果ではないため、一服する間もなく、キャストを再開。岸際の倒木周りでボイルが起きたので、すかさずSR5を打ち込むと狙いどおりにヒット。30cmのスーティーをキャッチした。

〜 ジョンソンリバーのバラ


ランチ 10KB 岸際をSR5で撃ちながら、更にボートを上流まで進める。水深の浅い場所では、アイマのポッパー、エアラコブラを試すが無反応。魚の姿が全く見られないため、正午になった時点でUターン。川の流れに合わせて釣り下る。時計を見ると、スーティーを釣ってから2時間以上が経過。午後12時半を回り、腹が減ってきたので小川の流れ込みの所でアンカーを下ろし、昼食にした。食事のメニューはテリーと全く同じ。セルフでパンにレタス、ハム、チーズなどを挟んでパクつくというシンプルな物。

嫁さんのキャスト 7KB 私たちがボートを停めている場所は、バラマンディがいかにも潜んでいそうなポイント。20分程で食事を終わらせ、直ぐに釣りを再開した。小川の流れ込みを狙ってキャスト。濁り水が交じり合っている何処かに魚がいるハズ。開始早々、ウィルが声を上げた。嫁さんが引いていたSR5にバラマンディが反応してチェイスしていたらしい。当の御本人は、そんな事には全く気が付かずリトリーブ。もしこの時、彼女がワンアクションでも入れておけば、バラマンディがガバッとルアーを吸い込んだかもしれなかった。

 大木の下にジャングルパーチが潜んでいそうだったのでSR5を投げ入れるとビンゴ。サイズは25cm程度と小さかったので、一気に引き寄せると、後ろからワラワラと同サイズの魚が群れて付いてくる。こんな時には同船者が近くにルアーを投げ込めばWヒット、トリプルヒットも可能。しかし、嫁さんはこのタイミングに合わず、好機を逃した。

トシ&ウィル 10KB このエリアは魚の活性が高いようなので真剣にキャスト&リトリーブを繰り返す。狙いどおりに本命魚のバラマンディがロングA(15A)に出た。サイズは56cm。このサイズなら群れているハズなので周囲を徹底的に狙うが後が続かない。今日は全体的に魚の活性が低いため、ピンポイントにルアーを打ち込まなければ魚は出ない。従って、キャストがおぼつかない嫁さんは苦戦を強いられた。

 一旦、イニスフェイルのボートランプまで戻り、トイレ休憩のために陸へ上がる。男性の場合は、ボートの船首か船尾から気持ちよく放出すれば良いが、女性はそうも出来ない。公衆トイレがある場所は極めて限られているので、タイミングを逃すと女性に辛い思いをさせてしまう。「トイレが心配だから釣りに行きたくない」なんて言われないように男性は気を配る必要がある。

〜 電子アンカー付きのエレキ 〜


ジョンソンリバー 8KB 岸に上がって腰を伸ばした後、再びボートに乗り込んで、今度はノース・ジョンソンリバーを遡る。ジョンソンリバーは2つの川があり、イニスフェイルで合流し海に流れ込む。片方の河川のコンディションが悪くても、もう片方が良い場合もあるので何とかなるのがジョンソンリバーの良いところ。魚種も豊富なので、私は以前から「ボウズなしの川」と呼んでいる。今日は、朝から竿を振っても嫁さんは1匹も釣り上げていないので、ノース・ジョンソンリバーに望みを掛ける。

ミンコタ・エレキ 10KB ウィルはGPSナビ画面を横目で確認しながら、無数にある小さな流れ込みを探してボートを進めてゆく。実績のあるポイントはマップ上にマーキングをしてある様子。また、エレキにGPS情報をインプットすれば、流れの中でもアンカーを使わずとも自動でその位置をキープ(電子アンカー機能)してくれる。一方、これまでお世話になっていたガイドのテリーは、そんな電子機器は使わない。彼の頭の中にインプットされている情報を引き出して、何処を眺めても同じような風景の中から的確に流れ込みのある場所を見出していた。釣れそうなポイントにはアンカーを下ろして竿を振る。アンカーの上げ下ろしは、結構な重労働だが、これを一日に何度も繰り返す。長年ガイドをしていたテリーの知識と情報量、そして体力と経験は凄いと今更ながらに思う。

 嫁さんには豪州製ルアーのクーラーバングや定番ルアーのシャッドラップを使ってもらい、私はステーシーver2でバラマンディを探す。何ヶ所目かの流れ込みチェックで、やっとステーシーver2にバラマンディ(52cm)が出た。そこは、枝葉が覆いかぶさるピンポイント。引っ掛けないようにルアーを打ち込み、強めのトウィッチと長めのポーズをやって、どうにか釣れた魚。この魚は経験を積んでる人じゃないと釣れない魚だろう。嫁さんは度々ルアーを枝葉に引っ掛け、ルアー回収によりポイントを次々と潰してゆく・・・。

〜 ボウズなしの川なのに 〜


ルアー回収した嫁さん 7KB 今日の天気は、雨が降ったり止んだり。しかも、陽射しがさすと一気に暑くなる。この様な条件の下、精度の高いキャストを繰り返すのは大変。カッパを脱いだり着たりしながら調整するのは面倒なのだが、体調管理の点からすれば、カッパを着ずに全身ズブ濡れになったり、逆にカッパを着込んで蒸れていては宜しくない。今回の遠征には、丈夫で作りがしっかりしたお値段の高いゴアテックスのカッパを新調。おかげで「濡れる」「蒸れる」といった不快な思いをしない。カッパの性能は、ロッドやリールと違って価格帯によって明確な差がある。雨で不快な思いをしたくなければ、お金を惜しまず袖口やチャック部分の防水性機能がしっかりした透湿性能が高い物を買うべきだろう。

GT 8KB ステーシーver2でマングローブジャック(25cm)をキャッチした後、暫らくして猛烈なバイトがあった。魚は一気に突っ走り、リールからラインを引きずり出す。バラマンディだったら水面でエラ洗いをするのでバラマンディではない。ジャンプしないのでターポンでもない。ファイト中、横へ横へと走るので、GTのスレ掛かりじゃないかと予想した。数分間掛けてボート際まで引き寄せ、ガイドに魚をネットですくってもらう。キャッチした魚は、予想どおりのサイドフッキングしたGT(47cm)だった。

toshi&asako 河口域から結構な距離を遡った場所だと思うが、マングローブジャックやGTが釣れてしまうのはちょっと不思議。ジョンソンリバーは何がヒットしたのか、魚の姿を見るまでドキドキ感を味わえるので楽しい。更なる追加を求めて、小川の流れ込みをアチコチとチェックしたが不発。午後4時45分にストップフィッシングとなった。結局、嫁さんは雨の中、頑張って竿を振り続けたがノーフィッシュで終わった。ボウスなしの川であるジョンソンリバーだったが、今日のコンディションは初心者にとって相当厳しかったとしか言いようがなかった。

〜 ビーガンとベジタリアン 〜


マッディーのボートランプ 10KB 30分程、ボートを走らせてボートランプに戻ってきた。干潮で水位が大きく下がり、ドロで覆われたスリッピーな傾斜面が露出している。朝は水位が高かったので、こんな凄い状態だとは思いもしなかった。いつもはドロが溜まっていないのだが、先日までの大雨の影響で大量のドロが運ばれてきたようだ。こんな時はとても危険で、ボートランプで足を滑らせて頭や腰を打って大怪我をしたり、ボートを牽引する車がスリップして坂を上れなくなったりするらしい。

 さすが、トヨタのハイラックスは、スリップすることもなく楽々とボートを引き上げ、イニスフェイルを街を後にする。ウィルの住むピラミッド山の近くまで来ると、物凄い大雨になった。ワイパーをマックススピードにして走り抜ける。彼は私達をケアンズに送り届けた後、再び何十分も掛けてここまで戻って来なければならない。往復1時間は掛りそう。ガイド業を続けるなら、ケアンズに住むべきなのだろうが、今住んでいる場所が一番良いらしい。ガイド業っホント大変。気力・体力がないと、仕事としてやっていけないだろう。

ジョンソンリバーボートランプ 7KB 土砂降りの中、無事にケアンズに戻ってきた。久しぶりにあったテリーの息子ライアンは、90kgをゆうに超えた体重を20kg以上も減量。肉や魚、牛乳などの乳製品等を摂らないビーガンになっていた。日本では、まだまだビーガンについて知る人も少ないだろうが、いずれは広まってくるだろう。因みに、テリーも健康管理のためベジタリアンに変身。医者からアレコレと食事について制限されているらしい。

テリー家族 12KB 私が豪州遠征を始めた頃、彼らは分厚いOZビーフやフライドポテト、油で上げた魚、ラザニアなどをたらふく食っていた。少食の私に対して、「もっと食え、もっと食え。日本人の根性を見せろ〜」なんて言っていたのに、今ではお肉を全く食べないらしい。極端に食生活が変わってしまい、呆れるばかりだ。やはり日本食は、栄養バランスが取れていて体に良いハズ。おもてなしの心と日本食は、セットで諸外国にPRすべきだと思う。

 ビーガンベジタリアンを囲んだ夕食は、鶏肉と大きめにカットしたニンジンやジャガイモ、マメのグリル料理とガーリックパン。グラスワインを頂きながら、お腹一杯になるほどお料理を頂いた。食後は恒例のアイスクリーム。ベジタリアンがアイスクリームを食べて良いのか疑問だったが、今宵は特別らしい。

 午後8時、嫁さんをケアンズ空港へ送る。私はこのままケアンズを拠点に釣りを続けるが、彼女は一人で西オーストラリア州のパースに向けて旅立つ。彼女と再び合流するのは5日後の23日早朝。旅先で色々やらかしそうだが、外国での一人旅は慣れているので余計な心配はしなくて良いだろう。無事にケアンズに戻ってくることを祈って彼女と別れ、私達は空港をあとにした。

釣行1日目の結果

TOSHI

ASAKO

バラマンディ



GT

1


マングローブジャック

1


スーティーグランター



ジャングルパーチ

1




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