バラマンディ・フィッシング]]W
初めての落水体験

ライアン 8KB
ビーガンになったライアン君

擬似餌の玉手箱>豪州バラマンディ・フィッシング>'18/3遠征



'18/3/19(月)
〜 家購入時はシロアリ注意


シリアルの朝食 11KB 昨夜は午後9時半に就寝。夜中に一度トイレで起きたが、完全に目覚めたのは朝の5時前。同じタイミングでテリーも起きだし、シリアルの朝食を食べながらアレコレと話をする。今日、私は丸一日、ガイドのウィルと釣り。一方、テリーは息子ライアン宅のリフォームで朝早くから手伝いに行くらしい。ライアンは中古住宅を買ったがそのままでは住めないので、シロアリ対策を含めて大規模なリフォーム中。大工さんにまかせっきりではなく、自分達も家作りで汗を流すというのがオーストラリア流らしい。シロアリは深刻な問題で、手を抜くと数年で家中がボロボロに食い荒らされてしまう。オーストラリアで家を購入する場合は、外見だけでなく目に見えない壁の裏側や柱、床下は要チェック。木造建築は多くの場合、シロアリにやられているので相当な出費の覚悟がいりそうだ。

テリー&ウィル 9KB 昨日、ウィルは全く竿を振らなかったので、どれくらいの腕前か判らなかったが、人柄も良くフィッシングガイドとしての腕も確からしい。確かに一日ガイドをしてもらって、私達夫婦共々で好印象を持った。釣りをするにあたっては、ボートポジションが良く、寄せた魚も的確にランディング。女性同船者への配慮も怠ることなく対応していた。因みに、本日予定しているデントリーリバーでは、今シーズン、ウィルと客、テリーの3人で上流へ行き、一日で200匹釣ったとのこと。今日は、もちろんそのポイントにも案内してくれる予定。それを聞いて、今日から同船者の事を気にせず、どっぷりと釣りを楽しめそうでワクワクしてきた。

 午前6時半ピッタリにウィルが迎えにやってきた。OZは時間にルーズだと言われているが、テリーのみならずウィルもその点はキッチリしている。はたから見ていても彼らの間柄はとても良く、私はこの関係が長く続くことを望むばかりだ。

〜 一日200匹のデントリーリバーに


ビーチ 7KB テリー宅を出発し、北に向って突っ走る。すれ違う車は、圧倒的に四輪駆動車が多い。ニッサンやトヨタはとてもメジャーだが、日本では見掛けないイスズ、マツダ、ミツビシのピックアップトラックも沢山走っている。この中で、特に目を引いたのがトヨタのハイラックスWキャブ。日本では2017年9月に発売されたばかりで、走っているのを目にする機会は極めて少ないのだが、コチラでは既にメジャーな車のようだ。トヨタ車は耐久性があり故障知らず。しかも高性能だが、値段が高いのでお金に余裕がある人が購入しているらしい。

デントリーリバーボートランプ 11KB 30分程走った所にあるレッドクリフポイントの近くには、"バランスロック"と呼んでいる石積みがされている海岸があった。近年、観光客が石を積み上げて写真を撮り、インスタグラムで紹介している。前回の遠征でもあったのだが、そのとき以上に、石積みが増殖していた。海が荒れて波が打ち寄せれば一瞬でなくなってしまうのだろうが、また誰かが石を積み始めるようだ。

 そこから更に30分走ると、サトウキビ畑の一角に建設中の大きな養殖場が右手に見えてきた。ウィルにバラマンディ養殖場かと尋ねると、エビを大規模に養殖するらしい。聞けば、つい2週間前、記録的な大雨により大洪水が発生。サトウキビ畑だけでなく、街中が茶色い水に浸かったとのこと。いずれにしろ、ひとたび洪水が起きれば、一帯が水没するような場所で養殖をするなんてリスクが大きいように思うのだが・・・。

 モスマンの街に入ると大きなウールワースがある。ウィルは前職で、「ここの建設工事をしていたぞ〜」と自慢げに言う。この街にも大型ショッピングセンターが出来て、随分と生活が楽になったに違いない。因みに、ここから直ぐ近くに趣のある教会があるのだが、なんとウィルのお爺さんが作ったらしい。ウィルは、オーストラリアの国民食であるベジマイトは嫌いとのこと。理由は、塩っ辛いから。どうやら若者世代には、ベジマイトが苦手な人が増えているようだ。日本での味噌汁を飲まない若者の増加と似ている感じがする。デントリーリバーまでの道中、色々と真新しい事が聞けて道中は楽しかった。

〜 デントリーのバラマンディ


デントリーリバー 8KB 午前8時、ボートランプに到着。周囲を見渡すと、駐車スペースにボートトレーラーが1台あるのみ。ハイシーズンだと、駐車する場所に困るくらいボートトレーラーで埋まるので、まさに今日は貸切状態なのである。テキパキとボートを下ろして準備完了。ケアンズから走って来る間は晴れていたのに、釣りを始めたら雲行きが怪しくなってきた。ウィルはテリーから私の雨男ぶりをアレコレと聞いていたようで、笑いながらカッパの準備をする。私が渡豪したら、「乾季の真っ只中だろうが何だろうが雨が降る」という話はアチコチに知れ渡っているようだ。

バラマンディ50cm 7KB 水位は高く、水温は24.5℃、一気に上流へと走る。先ずは、水面直下にウィードが広範囲に広がるエリアを"シャローキング"と呼んでいるロングA(15A)を使い、バラジャークで探る。私達は、ウィードの切れ目からバラマンディがルアーに襲い掛かるシーンを想像しながらバラジャークを続けたが不発。続いて対岸に移動し、オーバーハング下を丁寧に撃つ。

 最初に竿が曲がったのはガイドのウィル。ヨーヅリミノーに出た。しかし、この魚はフックオフ。魚をバラして、彼はほっとして胸を撫で下ろしていた。何故なら、、、危うくゲストよりも先に釣っちゃいそうだったから。テリーから、「ゲストのトシよりも先に釣るな」と言われていた様子(笑)。

バラマンディ&ヨーヅリミノー 7KB バラマンディがいた場所にすかさずロングAを撃ち込む。強めのジャークをトントンッとしてストップ。ルアーが浮かび上がった時に狙いどおりバラマンディが吸い込んだ。この瞬間がボート上から丸見え。即合わせしたい気持ちを抑え、魚が反転したのを確認してからの巻きアワセでフッキングする。バッチリとフッキングが決まり、元気良く何度もエラ洗いをするバラマンディを徐々に引き寄せてランディング。ルビー色をした赤い眼を持つ本命魚は50cmだった。

ウィル 10KB バラマンディは1か所に何匹も群れる習性があるので、即座にリリースしてキャストを再開する。因みにリリースする時は、出来るだけ魚には触れず短時間に水の中に戻すことを心掛け、釣れたポイントとは逆方向に魚を放つこと。釣られてヨロヨロした魚が戻ってくると、活性が上がった魚達が一気に沈静化してしまうからと、随分昔にテリーから教えてもらった事を今でも実践している。

 ゲストが無事に本命魚を釣ったのでウィルも遠慮なく竿を振る。間もなく、ヨーヅリミノー40cmをキャッチ。私もこれに負けじとバラジャークを繰り返して同サイズをキャッチした。少しずつボートを上流に進めながら、左岸を撃ってゆく。牛の放牧場の前の草むらエリアでロングAを使って、更に40cmUPを1匹追加した。

 午前10時過ぎ、木陰で15分程のティータイム。ウィルの奥さんが作ってくれたマフィンを頬張りながら、私の危なげな英語で釣り談義をする。テリーは多少なりとも日本語を知っており、なおかつ日本人が聞き取りやすい発音でゆっくり話をしてくれる。しかし、ウィルのコテコテのOZイングリッシュで早口で話すので、身振り手振りを交えながらの意思疎通が不可欠だ。

〜 厄介者のターポン


バラマンディ 6KB 小川の流れ込みを数ヶ所チェックしたがいずれも不発。午前11時、潮の変化に合わせてUターン。一気に下って薄暗いスチュワートクリークの中に入る。使うルアーはステーシーver2。ケアンズ近郊のバラマンディ狙いなら必ず持参したいルアーだ。その昔、私がケアンズにシュガーディープDDパニッシュと共に持ち込み、フィッシングガイドの間で浸透していった逸品。魚の活性が低い時、トウィッチの後でポーズを長めに取って水中に漂わせるのが効果的なのだ。狭いクリークの中、キャストの際に頭上に生い茂る枝葉を釣らないよう、十分注意しながらピンポイントにルアーを送り込んでゆく。少しして、狙いどおりにバラマンディがヒット。水中に沈むストラクチャーに潜られないよう、一気に引き上げてキャッチ。サイズは44cmだった。

ターポン 6KB 更なる追加を求めてキャストを繰り返したが不発。クリークから出て本流を下りながら魚を探す。水位が高いため、水中に沈んでいるウィードの上っ面をロングAで探っているとターポン(25cm)がヒット。小さかったのでボートに抜き上げたら、デッキでウンコを垂れ流しながら暴れたのでもう大変。ターポンは生臭い上に、ウンコを出しまくる厄介者だ。

 気が付けば、12時半を過ぎていた。かなり雨が強くなってきたので、雨が避けられる大木の下にボートを停めてランチにする。しかし、ゆっくり食事をしている暇はない。この雨で、濁った水が本流へと流れ込むポイントが狙い目になるハズ。パクパクッと食べて直ぐに釣りを再開した。雨は降っているが気にはならない。作りがしっかりとしたゴアテックス製のカッパは、雨の中でも快適に釣りが出来る。値段は高いが、厳しい気象条件の中でも集中力を切らさず竿を振り続けられるのだ。

〜 初めての落水体験


フェリー 6KB 土砂降りの中、ボートを走らせ川を下る。デントリーリバーを横断するカーフェリーの下流まで進み、マングローブの根が川底からスパイク状に伸びる一帯をチェックする。小さな流れ込みがあるポイントで、開始間もなくステーシーver2を使いバラマンディ(42cm)をキャッチ。その横でウィルがリーズシャッドのコピー中国製シャッド36cmを抜き上げる。魚の活性が上がっているようなので、更なる追加を期待してキャストを重ねていると、命に関わる重大アクシデント発生。

エレキモーター 9KB ブッシュに引っ掛けたルアーを回収して船首から中央部に戻ろうとした際、突然、ボートが旋回し、私は川の中に振り落とされた。ヤバイと思った時には既に遅く、転がり落ちるように濁り水の中へ頭からドボン。川底に足は届かず、完全に水没した。パスポートやスマホ、デジカメはボートの中。釣竿はしっかりと握っていたので、ロストしなかったのが幸いだ。

 立ち泳ぎをしながら、デッキに釣竿を放り込み、ウィルの助けを借りてボートによじ登った。当然ながら全身ズブ濡れ。流れてゆくオレンジ色のレインハットを慌てて回収する。船が異常な動きをしたのは、ルアー回収後、バックする際に水中に沈むストラクチャーにエレキモーターを引っ掛けたのが原因だったようだ。

 1998年から今回で24回を重ねた豪州遠征、今回初めての落水。フェリーが動いている時だったので、私が落水した様子はバッチリと目撃されていたに違いない。デントリーリバーはワニが多数生息しており、悲惨な事故が度々起きている。ウィルが腕を掴んでボート上に引っ張り上げてくれたから良かったが、ボート際でいつまでもバタバタしていたらバックリとやられていたかも。どうやら、落水した私以上にウィルの方が驚いたようで、「暫らく手が震えていた」と彼は後から私に語った。

〜 チャート系のヨーヅリミノー


ウィル 9KB 普通なら、落水してずぶ濡れでテンションがダダ下がりになるところだが、ケガもなくタックルも無事で私はまだまだやる気満々。ウィルに合図をして、直ぐに釣りを再開した。少しずつ下流にボートを流しながら岸際のシャローエリアを探っていくと爆裂ヒット。私のロングAを咥えたのはGT。この魚はとてもパワフルなファイトで、往年の赤い竿バンタム・スコーピオンをギュンギュンと曲げた。サイズは45cm。銀色に輝く、筋肉質の良型だった。

 納竿時間まで残り1時間を切った。もう1〜2匹追加したいと思っていた頃、ウィルがバラマンディを掛けたがフックオフ。ルアーはチャート系のヨーヅリミノー。テリーは黄色系を使わないが、ウィルのボックスを見ると、チャート系のルアーが入っているのに気が付く。視認しやすいカラーだから使うのか、良く釣れるカラーだから使うのか・・・。

GT 9KB バラマンディがいるピンスポットを見つけたため、2人でルアーを打ち込む。ロングAには反応がなく、直ぐに交換。デプスレス75Fもダメ。何かないかとボックスの中を眺めている時に、再びウィルがヨーヅリミノーで魚を掛けた。しかし、この魚もフックオフ。

 バラマンディ釣りでヨーヅリ(DUEL)ブランドを選ぶなら使うなら、絶対にセッパリ型のアイルマグネットミノー90Fがお勧め。クリスタルミノー系は細身で浮力が足りず、これまで使う事もなかったが認識を新たにした。しかし、彼が使っているミノーは日本で現在販売されているクリスタルミノーとは異なり、ボリューム感のあるフラットサイドボディにガッチリとしたリップが付いているモデル。はたして帰国した時に入手できるものかどうか。

 午後4時30分、ストップフィッシング。最後の一勝負でボートランプ近く、マングローブの根が剣山の様に突き出ているシャローエリアで釣りをしたがカラ振りに終わり魚の顔を見ることは出来なかった。テキパキとボートをトレーラーで引っ張り上げ、ケアンズに向けて一気に南下する。道中は眠いのなんのって。ウィルには申し訳なかったが、助手席で少し眠らせてもらった。1時間半のドライブで、テリー宅に午後6時15分に到着。出迎えてくれたテリーは、「20年も一緒に釣りをしていて一度も落ちなかったのに、どうして今日は落ちたんだ」と、さっそく私の落水をちゃかして笑う。

〜 落水事故による損失


ディナー 10KB テリーも現役ガイド時代、ゲストを落水させてしまった経験がある。往々にして操船とゲストの動きが合わなかった時に落水事故が起きる。運が悪ければゲストが大怪我をするので、ガイドは常に注意しているのだが、事故は起きる時には起きるのである。多少のかすり傷程度なら良いが、病院へ行くような大怪我をすれば折角の豪州遠征も台無し。また、淡水域だと影響は少ないのだが、海水域で落水すると身に付けていたスマホやデジカメなどの電子機器は全部パー。時には、大切なタックル一式も流してしまうこともあるので、たとえ怪我がなくても損失は大きいのだ。

 シャワーを浴びながら、デントリーリバーの水にどっぷりと浸かったウェアをジャブジャブ洗う。冗談抜きで落水時に怪我をしなくて良かったと思う。テリーがガイド時代、お客さんに貸したタックル一式を落水時に失った話を聞いたが、怪我をさせなくて幸いだったと言っていた。シャワー後は、一息付く間もなく夕食タイムとなった。今宵は前日の残りを暖めて、ガーリックトーストと共にパクつく。食後には恒例のアイスクリーム。ライアン宅のリフォーム状況を聞いたりしながら、のんびりとした時間を過ごし、午後9時半にベットイン。

釣行2日目の結果

TOSHI

WILL

ターポン

1


バラマンディ



GT

1




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