
 ジェットスター機内の夕食は、午後10時に提供された。私達は注文していないので、隣席の人が食べるカレー料理を横目で見ながら匂いだけ嗅がせてもらった。空港内のフードコートで食事をしていなければ、この時間帯まで飢えを凌ぐのはとても辛いだろう。機内食を注文してあっても、飛行機に乗る前に何か口にしておくことをお勧めする。食事時間が終わると、間もなく消灯。暫らくは手元を照らすライトを灯して文庫本を読んで過ごした。
 ケアンス到着の2時間前、現地時間の午前2時半に室内灯が灯り全員が起こされる。前夜は到底、熟睡は出来ず、何度も席を立ってトイレに行ったり、通路で軽く屈伸運動をしたりして体をほぐしたりしていた。午前3時頃、気流の悪い所を通過するため、席に戻ってシートベルトを着用するよう機内アナウンスが入った。どれくらい揺れるのか分からないため身構えていたが、さほどでもなくパイロットの飛行ルートの選択に感謝した。その後のアナウンスによると、現地ケアンズ到着予定時刻は4時35分。出発が遅れた影響もあり、当初予定より10分遅れとなった。そして、現地の天候は雨とのこと。「やっぱりなぁ〜」と声が漏れてしまう。
 スーツケースを受け取るバッケージレーンに行く途中、係員に声を掛けられパスポートと入国カードの提示を求められた。自分が使うお薬や、お土産のお菓子を持っているので、入国カードには医薬品や食べ物の所にチェックを入れてある。「これは何か?」と尋ねられるので、簡単に説明してOKサインをもらった。予想以上に時間が掛かったのが、スーツケースの受け取り。成田空港で一番最初に荷物を預けたので、バッゲージレーンにスーツケースが流れてくるのは遅いだろうとある程度は予想はしていたが、ちょっと心配になるくらい遅かった。しかも、今回は2か所のバッゲージレーンに荷物が流れているので、見逃さないよう注意が必要だった。
 先に出てきたのが私のスーツケース。目立つ色のスーツケースに、釣り関係の大きなステッカーを沢山貼ってあるので離れた場所からでも一目瞭然。一方、一緒に預けた嫁さんのスーツケースは地味な黒色系のスーツケースで他の人との区別が難しい。中々スーツケースが出て来ないので、間違って誰かに持ち去られたか、別の航空便に乗せられてしまったかも知れない。「バッゲージロスト」の言葉が頭に浮かんだが、辛抱強くレーンを見ていると、私のスーツケースが出て来たレーンとは違うレーンから遅れて出て来た。
 国際線到着ロビーに出られたのは午前5時55分。いつもなら着陸後、1時間も掛からない内にケアンズの湿度が多く含まれた外の空気を吸えるのだが、今回は随分と時間が掛かってしまった。ホームステイと釣りでお世話になるテリーとの待ち合わせ時刻は午前6時。トイレに寄り、空港施設から出ると丁度テリーが到着したタイミングだった。挨拶を交わした後、テリーから出た言葉は、「トシはレインマンだ〜、トシが来たら雨になった〜」。ここ数日間、雨が降らなかったのに、私が来たら雨。しかも今日は、相当まとまった雨が降るらしい。従って、「今日は釣りは止めて、市内観光とショッピングに行け」と言う。
 私がケアンズに行くと「必ず雨が降る」と周囲から言い続けられている。しかも、訪れた時が雨が全く降らないような乾季のド真ん中においても雨が降ってしまう。ホームステイでお世話になるテリー家族やその友人達からは「レインマン」とか「アメ・マグネット」などと呼ばれるほどの雨男なのである。因みに、ケアンズは日本と季節が逆になるので今は秋。11月から4月は雨季で、当然雨が降る確率は高い。しかも、今はサイクロン・シーズン。オーストラリア気象局によると、今シーズンはオーストラリア北部の海水温が平年より高く発生しやすい状況にあり、平年が11個発生に対し今シーズンは「平年より発生が多い」という確率が73%とのこと。
 テリーの案内で緑豊かなお庭を眺めたり、未だ完成しない古いトラックのレストア状況を確認したりして、ゆったり過ごす。因みにトラックには太いタイヤがはめられ、荷台もほぼ出来上がっていた。既に大きなエンジンも載せてあり、サビサビのボロボロだった鉄くずのようなトラックが見違えるように整備されていた。キャビンの部分は、現在、塗装を依頼中とのこと。どんな感じに仕上がるのかとても楽しみだ。朝食はいつもの様に、シリアルにバナナとデイツをトッピングし、その上からたっぷりとハチミツを注入。牛乳をドボドボっと注いでパクパクっと食べる。
 本日のケアンズの天気予報は、平均気温24℃、最高気温27℃、最低気温23℃で雨時々曇り。降水量は、150mm以上。雨はずっと降り続くのではなく、短い時間に相当な量がまとまって降る。食事後、テラスでのんびりお庭を眺めていたら、猛烈な雨が降ってきた。雨季の雨は、バケツの水をひっくり返したかのような大雨になる事がある。何年か前、ケアンズ市内のスーパーで買い物をしてる時、大雨で天井が抜けて店内に滝の様に雨水が流れ込んでいるのを目撃したのを思い出した。
 5年ぶりに入館するケアンズの水族館。ケアンズ市街地内にあり、どこからでもアクセス良好でお勧めなスポット。大きな水槽では、大型バラマンディが何匹も悠々と泳いだり、ノコギリエリが特徴的な口吻を左右に振りながら泳いでいたのを思い出す。入館料は大人48A$。以前は、もう少し安かった気がする。規模からするとちょっとお高い気もするが、ココでしか見られないようなオーストラリア固有の魚達をじっくり鑑賞出来るので、おのずと気持ちが盛り上がる。
 大型水槽では、巨魚達は中層から下層を泳ぎ、小型魚は上層にいる。物陰に定位する魚と回遊する魚との魚種の違いなども確認できて学ぶ事は多い。以前、訪れた時にはとても珍しいノコギリエイが泳いでいたが、今回は見つけられずに残念。ノコギリエイとノコギリザメの違いを理解したので再び観察したかったのだが、その雄姿は見られなかった。因みにこの水族館は、熱帯雨林に住むヘビやトカゲ類、カメやカエルも数多くの種類が展示されている。これらが苦手な人は、足早に先へ進むことをお勧めする。
 シュノーケリングやダイビングをする人に人気なのが、珊瑚礁の海 グレートバリアリーフに住む魚達を展示する大きな水槽。2階までつながっており、見ごたえ十分。水中トンネル内を歩けば、また違った視点で魚達を観察。朝イチなら、さほど混雑していないので写真や動画撮影も楽しめるだろう。
 ケアンズ水族館は午前10時半過ぎに入館し、退館したのが午後1時。2時間半近く、たっぷりと楽しんだ。昼食は、街中を少しうろついて、ナイトマーケット横の小さなベトナム&タイ料理店に決定。胃腸に優しそうな米粉麺フォーをチョイス。野菜と鶏肉がたっぷりと入ったライスヌードルを頂き、一服する間もなく店を出てお土産を買いに大手スーパーのウールワースへ突入した。ここでは、チョコレートやスナック菓子、フィッシャーマンズフレンドをまとめ買い。
 その後、ケアンズ最大のショッピングセンターである、ケアンズ・セントラル・ショッピングセンターまでブラブラと歩いて移動。ダイソーを見つけたので店内を散策すると、どれも価格は100円相当ではなく3.3A$以上だったのが衝撃的だった。中国で製造された商品に付いているラベルが日本語で書かれており、日本で買えば100円なのにココでは300円以上出さなきゃ買えないだなんて、ちょっと不思議な感じがした。
 テリー夫婦にピックアップしてもらう約束の時間を大幅に過ぎたが、無事に合流してテリー宅へ向った。夕食はテリーが台所に立って料理したバラマンディとフライドポテト。そしてたっぷりの野菜サラダ。バラマンデイは、今日のために釣って冷蔵庫内でキープしておいてくれたらしい。水族館とショッピングで歩き回ったので、脚はパンパン。そしてお腹はペコペコに減り、食事が美味しいのなんのって。
 食後は、私のリクエストでコーンカップにタップリとアイスを乗せ、これに「強い子のミロ」が合言葉のネスレ MILOの粉末をトッピング。腹一杯食べて至福の時間を過ごした。明日のケアンズの天気予報・・・気温は23℃〜28℃。天気は雨。しかも一日中降るらしい。もうとっくに覚悟は決まっているので、雨対策を完璧にして午後9時にベットインした。
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