バラマンディ・フィッシングⅩⅩⅥ
泥濁りのデントリーでバラ

リーズシャッド
シャッドラップの豪州版ルアー・リーズシャッド
擬似餌の玉手箱>豪州バラマンディ・フィッシング>'23/3遠征
'23/3/8(水)
~ 外来生物のお話 ~

いつものシリアル朝食 13KB 朝は5時半前に起床。昨夜は、激しい雨音を聞きながら寝ていたら、突然 右脚がつった。それはもう痛いのなんのって。独りで布団の中で呻いてしまった。寝ている時に脚がつるなんて滅多にない。この遠征で相当疲労が溜まっており、水分や電解質も足りないのだろう。釣行3日目になるので、体調管理に気を付けて一日過ごそうと自分に言い聞かせる。

キャプテンクックハイウエイを北上 6KB 今日は、ウィルが客を連れてデントリーリバーに行く予定だった。彼らよりも先に行かないとヤバイってな事で、普段よりも早めの出発を予定していた。しかし、ツアーはキャンセルとなったらしい。前夜、デントリー方面の降水量はケアンズよりも多く、コンディションがかなり悪い模様。私たちのように趣味で釣りをするのと、客からお金をもらって片道2時間弱も掛けて走ったうえでノーフィッシュでは、客に魚を釣らせてナンボのガイド業だと相当辛いに違いない。

 朝食はいつものシリアル。オーツ麦も追加し、トッピングはデイツやバナナ、チアシード。更にこの上からたっぷりと蜂蜜を注ぐ。準備万端整えて、午前6時半前に出発。キャプテンクックハイウェイを北に向かって走る。進行方向左手に見える山々に濃い霧が掛かっていた。山の反対側は昨日釣りをしたフレッシュウォータークリークがあるハズだ。機会があれば、もう一回ぐらいは足を運んで竿を振ってみたいと思う。

サトウキビ運搬列車 6KB 車中では、外来生物の話で盛り上がった。既にコイやテラピア、毒ガエルはオーストラリア国内に広がってしまっている。最近話題の外来生物は、南米や中国からのコンテナの中に潜んでいたアリ。これが急激に拡大しているらしい。オーストラリアには「殺人アリ」「世界で最も危険なアリ」と呼ばれている大きなアリ ブルアント(ブルドッグアリ)がいるが、これとは違う。赤い体で、噛まれると腫れあがり、時にはアナフィラキシーショックで死に至るらしい。多分、日本でも問題になっているヒアリの類だろう。クイーンズランド州政府が拡大防止対策をしているが、抑えきれないようだ。

~ 交通事故のお話 ~

モスマンの教会10KB 午前7時前にエリスビーチを通過。かつて、テリーはここで大きな事故を経験したらしい。客とデントリーリバーに行く途中、2人組みのバックパッカーが道路を横断したので停車したら、後ろからツアーバスに突っ込まれた。牽引していたボート船尾は潰れエンジンはオシャカ。周囲には燃料が漏れ出て2次災害の危険があったようだ。聞けば、2人組みは日本人の新婚カップル。テリーは警察官からアルコールチェックを受け、酒を飲んでいなかったことが確認されたのでお咎めなし。事故原因は、ツアーバス運転手の前方不注意になったのだろう。長年、彼にお世話になっているが、この話を聞くのは初めてだった。ガイド歴が長い分、過去には様々な経験があるのだろう。

バナナ無人販売 11KB 曲がりくねった道が続くが、コーナーのアチコチに花束が供えてある。新型コロナの規制緩和で交通量が増え、事故が急増しているのかも。こんな場所で事故って怪我をすると救急車が来るまでに時間が掛かるから覚悟が必要。帰路の居眠り運転等は特に気を付けなければならない。私たちの車は順調に、バランスロック(ロックスタッキング)、眺めの良いレッドクリフポイントゲイビーチタハラビーチペブルビーチを横目で見て、ポートダグラスへの交差点を通過。モスマンの街に至った。

デントリーネイチャーツアー受付 12KB テリーは以前、モスマンの街に入る手前でも大きな事故を経験している。その時は、時速100kmで走っている際に牽引しているトレーラーが突然暴れだして横転。事故原因はトレーラーのリーフスプリングが折れた事。この時は流石に「自分は死んだ」と思ったらしい。私がプレゼントしたベイトリールは押し潰され、フィッシュグリップはサトウキビ畑まで飛んで消え失せた。基本的に100km前後のスピードが出ているため、ひとたび何かあれば重大な事故になる。

 モスマンの街に入ったところでトイレを借りながらの小休止。以前から気になっていたイイ雰囲気の古い教会が道路脇にあるので、周囲をぐるっと歩き写真を撮る。丁度、朝日が窓のステンドグラスに当たり綺麗だった。直ぐ近くにトレーラータイプのバナナ無人販売があり、すかさず購入。産地直売なので2ドル/kgという安さ。大きくて立派、美味しそうなバナナだったので、釣りの合間のおやつで食べたかったのだが、車中に置いておけとテリーに言われてしまう。昔からのジンクスで、バナナは釣果が滑るからボートには持ち込めないのだ。

~ 雨季には虹に願いを ~

デントリーリバー ボートランプ 11KB バラマンディの養殖場Hook-A-BARRAを通過する頃、空に虹を発見。朝まで雨が降っていたようで大気中の水分が多い証拠。今日の天気は、晴れ時々雷雨とのことで目まぐるしく空模様が変わりそうだ。この時期は雨季なので、熱帯モンスーン気候ならではの天気。早朝や夕方に一時的に雨がザッと降るパターンが続く。雨が上がった後、太陽を背に受けると虹を見る事が多い。ケアンズに滞在していると、日本にいる時よりも虹を見る機会が多いのだ。虹が消えるまでの短い時間で、すかさず「今日こそは釣れますように」と願いを掛けた。

クロスウェイク111F-SSR  9KB 午前8時15分にデントリーリバーのボートランプに到着。手際よくボートを降ろして、船上でタックルを準備する。因みに私のスピニングタックルは、ステラ4000MHGとテリーから借りたGルーミスGL3 6ft ミディアムファーストアクションの組み合わせ。ベイトタックルは、コンクエスト250DCパームス エッジEGC-606アンタレスARスコーピオンBSR1603Fコンクエスト250DCは、私の手に多少大きく感じるのだが、猛烈なファイトをする豪州魚との対峙では200クラスのリールよりも堅牢さとパワーがあり、ドラグが強いコンクエスト250DCの安心感は捨てがたい。

 ボートランプ周辺の水質は悪く、泥濁りで流れもない。ボートを10分程、上流へと走らせ実績のあるポイントをチェックしてゆく。今日は、新たに豪州遠征ルアーボックスに忍ばせてダイワクロスウェイク111F-SSRを試すことにした。地元河川でスズキを狙う際は、表層をヨタヨタとゆっくり引くだけなのだが、水面でポップ音が出せたり、ダータープラグのように演出出来る事に気づきロングAとイイ勝負が出来るんじゃないかとピンときた。

~ クリークの中で ~

バラマンディを狙うテリー 10KB バラマンディグラスの周辺をバラジャークして探ったが反応なし。活性の高い魚がいるかどうか早いテンポで確認しながら、更に上流へと進んでゆく。期待していた青い桟橋のポイントも不発、その近くの流れ込みを見ると良さそうな感じ。クロスウェイク111F-SSRには反応がなく、シャッドラップSR8に交換し、トウィッチ&ポーズをするといきなりバラマンディが出た。しかし、残念ながらフックオフ。サイズは50cm前後だろうか・・・魚は他にもいる可能性があるため、アンカーを降ろして少し粘ってみた。シャッドラップSR8のトウィッチ&ポーズを繰り返したが反応がなく、往年のエンゼルキッス115Fアイルマグネット105Fを投入。残念ながら反応がないのでポイント移動する。

クリークの中 12KB 初日の釣行でバラマンディを釣ったポイントは、増水で周囲一帯が水没していた。新トリプルインパクトを使い、水没しているバラマンディグラスの上をカシャカシャと賑やかに引いてみた。ドカンと出れる事を祈って広範囲に探ってみたが、魚の気配はなく見切りをつけて次の場所へとボートを進める。牧場脇のクリーク入り口で、クロスウェイク111F-SSRにジャングルパーチが食いついたが、引き寄せる途中でフックオフ。薄暗いクリークの中へ静かにボートを進める。水色は悪かったが、クロスウェイク111F-SSRのヘッドが黄色く塗られており、思いの外、視認性が良くて有難かった。

テリー&ジャングルパーチ 12KB クリーク内で魚を探すため、テリーはポッパー、私はミノーをメインに使って様子を伺う。ここでテリーのTDポッパーにヒット。竿先にぶら下がったのは、可愛らしいジャングルパーチだった。時計を見ると午前11時近い。なんと、この魚が本日のファーストフィッシュ。昨日、ボウズをくらったので、1匹釣るまでの道のりが長かったこと。コンディションが良ければ、クリーク内では次々とルアーを追尾する魚達が見えるのだが、今日は全く気配がない。魚は何処に行ってしまったのだろう?日差しが強くなってきたので、木陰にボートを止めて15分程、体を休めながら紅茶をすする。

 クリーク内をフラットラップチヌペンを使いチェックしたが魚っ気が全くないのでUターン。本流へと戻り上流へとボートを進める。天気は良好で、心地よい風が吹いている。しかし、午後からは急に崩れてストームになるという天気予報。午前中、真面目に竿を振って、小さなジャングルパーチが1匹しか釣れていない事にテリーは相当プレッシャーを感じているようだ。既にガイドを引退した身なので、もっと気楽な感じでよいのだが、遠路遥々、日本から来た私に魚を釣らせたいと思っている気持ちがヒシヒシと伝わってくる。

~ 往年のエンゼルキッス ~

トシのティータイム 14KB 水位の上昇と濁りが激しく、テリーの知るポイントは何処も壊滅状態。期待していた合流点では、前回よりも水位が1m上昇。クロスウェイクアイルマグネットミノー105Fリーズシャッドを使い丁寧に探ったが、魚信はなかった。今日は午前10時半頃に満潮、夕方に干潮を迎える潮回り。もっと水位が下がらないと攻めようがないため、いつもより少し早め、正午にランチタイムとした。今日のお昼はツナ缶をカパッと開け、ささっとツナサンドを作ってパクパクっと食べる。釣れている時なら、直ぐに竿を振り始めるのだが、水位がもう少し下がるのを待ちながらの休憩となった。

バラマンディ一級ポイント 12KB 一服した後、更に上流へとボートを進める。デントリービレッジの桟橋では、若者達が川の中に飛び込んで騒いでいた。このエリアはクロコダイルが多いので、その光景を見たテリーは厳しい顔をしながら「とても危険で、クレージーだ」と繰り返し言った。この河川では毎年、クロコダイルに襲われる人がおり、桟橋などには注意を促す看板が掲げられている。クロコダイルは静かに忍び寄るので、全くその存在に気づかない。彼らが不幸な目にあわない事を祈るばかりだ。

バラジャーク 11KB 午後1時、前回も訪れた小さな桟橋のあるポイントにアンカーを降ろし、時間を掛けて探ってみた。竿先にぶら下がっていたアイルマグネットミノー105FからロングA(15A)に変えて、強めのバラジャークをして様子を伺う。ここは牧場からの小さな流れ込みがあり、確実にバラマンディが潜んでいるポイントなのだ。反応がないので、往年のマリアエンゼルキッスを投入する。すると1投目で、それまで沈黙していたポイントでバラマンディが出た。サイズは60cm弱。目の前で激しく頭を振ってルアーを吹き飛ばして逃げて行った。

 豪州遠征で使うルアーは古臭いルアーばかり。最近のルアーは使わないのかと聞かれたこともあるが、正直言って今どきのルアーは繊細過ぎて使いにくい。太軸ソルト系フックやリングに交換しても浮力が確保され、ジャーキングでイイ感じにアクションするルアーを探していくと、やはり一昔前のルアーに辿り着く。 

 数少ないチャンスを逃し残念だったが、バラマンディは確実にいるのでもう一踏ん張りする。シャッドラップSR8を試したが不発。エンゼルキッスに戻し、バラジャークを繰り返す。ジャーク後のポーズを長めに取っていると、再びバラマンディが私のルアーを吸い込んだ。しかし、またしてもファイト途中でフックオフ。この時はショックのあまり、膝から崩れ落ちた。

~ ドラグはユルユルが基本 ~

テリー&バラマンディ 10KB テリーからは「トシは、リールのドラグを締め過ぎているからバレるんだ」と指摘され、コンクエスト250DCのドラグをユルユルにする。昔はドラグがキツ過ぎるだの、ポーズをもっと長く取れとか、アタリがあった際、竿を煽ってフッキングするんじゃないなど、散々怒られながら竿を振っていたのを思い出す。お金を払って雇ったガイドにメチャ怒られるという、訳の分からない修行のような釣りを随分してきた。当時は、テリーも若く血気盛ん。客に魚を釣らせたい一心でのアドバイスだった。オーストラリアに限らず、何処の土地でも魚の反応が渋い時ほど基本が大切。初心に戻って、師匠の指示に従う。

ロンクA&リバー2シー 10KB 増水でバラマンディグラスが水中に沈んでいるエリアをチェックする。大きなフィグツリーが岸際に茂げり、小川が流れ込む一級ポイントだ。ここでテリーの金黒色ミノーにバラマンディがヒット。ドラグを滑らしながら、徐々に魚を引き寄せてキャッチ。サイズはちょっと小振りな45cm。ヒットルアーを尋ねると、チャイニーズルアーだと言う。見せて貰うと、ロングAにそっくりなルアーだった。パッと見では何処のメーカーか定かではなかったが、ルアーの目に、River2Seaのシールが貼り付けてあるのに気づいた。このメーカーは、中国の工場に生産を委託しているアメリカの会社。日本の各社有名ルアーをコピーしまくるだけでなく、本国のルアーまで模倣していた。近年はオリジナル製品を出して評価が変わってきているようだが、あまり良い印象は持っていない。

ポイントは足元 11KB テリーがファイト中、「他のバラマンディがベイトを捕食する音がした、バラが近くにいるぞ」と言うので、じっくりと周囲を探る。エンゼルキッスには反応がなく、かつてアラクンで活躍したサイドステップや今や伝説のバラマンディ攻略ルアーとなっているシーウォッチャーを投入。ジャークやポーズのタイミングをアレコレと試しながら様子を伺った。ここで、再びテリーの竿が曲がる。ファイト中における私とテリーとの違いは、やはり魚のいなし方だろう。明らかに彼が掛けた方が、魚は大人しい。魚が激しくファイトしないので、バラしにくいのだ。私が使う張りが強い竿に比べ、彼の竿は少し柔らかく粘りがあるのも一因だろうが、魚への対処が慌てず丁寧なのだ。技術と経験の違いが釣果に直結している。因みに、ヒットルアーは悔しいかなロングAパクリルアーのriver2sea。魚のサイズは少し大きくなって50cmあった。

~ 土砂降り下のバラマンディ ~

ルアー回収 13KB 午後2時、更に上流へと向かい、途中のクリークへ入る。その先には小さな橋がある。普段よりも1mは水位が高く、そのままでは橋の下を通れない。船尾のイスを外して、慎重に潜り抜ける。下げ潮が効けば、時間と共に水位が下がるハズなので、帰路は大丈夫なのだろうが、雨が強く降って急な増水になると、帰れなくなってしまうリスクがある。

 少しボートを走らせ、前回の釣行時にもチェックした流れ込みのあるポイントに到着。ここは枝葉が水面に覆い被さっているポイントで、嫁さんがキャストに苦労した場所だった。手前から探りを入れて、徐々に水路の奥深くへとルアーを打ち込んでゆく。水深があるので、使うルアーはDDパニッシュ。キャスト後、直ぐにはリトリーブを始めず、ゆっくり沈めて本流へ注ぎ込まれる流れにのせてから2段ジャークをかます。絶対にバラマンディが潜んでいるハズなのだが反応がない。ついにはキャスト時に水路奥の枝にルアーを引っ掛けギブアップ。ルアー回収のため、ボート船首を突っ込んでポイントを潰した。

バラマンディ攻略ルアー 9KB 午後2時半、クリークを上流へと進んだが、倒木が行く手を遮り行き止まり。仕方なくUターンするのだが、雲行きが急に怪しくなってきた。天気予報どおり天気が荒れそうなので、釣りが出来る残りの時間も考えて下流へと一気に下ることにした。延々とボートを走らせウィードエリアに戻ってきた頃には小雨が降り始め、竿を振る前にカッパを着こむ。ここでは、エンゼルキッスを使い、ウィードの上っ面をトウィッチ&ポーズ。反応がないので更に下流へと下り、ボートランプ近くの流れ込みに到着した。

トシ&バラマンディ 8KB ここは水深があるので、DDパニッシュをチョイス。突然、土砂降りの雨になったが、最後の勝負として頑張る。流れ込んでくる澄んだ水と泥濁りの本流との境目を重点的に探っているとガツンときた。直後にバラマンデイが水面を割り大きくエラ洗いをする。付近一帯に広がるマングローブの生け花剣山の様な根群に潜られないようパワーファイトで対応。赤い竿スコーピオンBSR1603Fをギュンギュン曲げた魚をどうにか引き寄せてキャッチ。サイズは52cm。強いファイトの割には魚は小さかったが十分満足できた1匹だった。

 この1匹が釣れなかったら、遠路遥々オーストラリアまで来て2日続けてボウズという悲惨な結果になるところだった。テリーもほっと一安心。なんとかもう1匹を追加したい気持ちで、終了時間ギリギリまで竿を振る。DDパニッシュに反応がないのでラパラCD11を投入。困った時のラパラCD・・・しっかりとカウントダウンさせてからトウィッチする。ルアー交換後、数投したが不発。ワンチャンス狙いで勝負したがダメだった。時計は午後4時を回り、タイムアップ。釣果は散々だったが、やり切った感はあった。

~ やっぱり忘れ物は見つからない ~

デントリーボートランプ 10KB 余りにも雨が激しくて、もう笑えるくらい強い雨がカッパを打ち付ける土砂降りの中、午後4時半にボートを引き上げ、別行動をしていた嫁さんと合流するためポートダグラスに向かう。今回の釣行では、ボートランプよりも下流へは一度も行かなかった理由をテリーに聞いてみた。「下流はドロ濁りで釣りにならない」しかも、「河口域は淡水が押し寄せ、海水を好む魚は海に出ちゃっているから釣れない」と言う。なるほど・・・やはり大雨で濁った時は上流へ行き、流れ込みを狙うのがセオリーなのか。

ケープトリビューション 6KB エアコンが効き始めると車内がとても生臭くなってきた。何が臭うのかクンクンしていると、臭いの発生源が分かった。最後の最後でバラマンディを釣り、魚を掴んだ手袋をろくに洗わず車内に持ち込んだのが原因だった。テリーは「その手袋はもう絶対に洗うな」だとか、「記念にそのまま日本へ持って帰れ」と笑いながら言う。予定では、今日は午後から水位が下がり、魚が釣りやすくなるハズだったが、雨の影響で高水位を保ったまま。普段よりも1mも水位が高く、実績のあるポイントで満足いく攻め方が出来なかったのが敗因。悪い条件下にも関わらず釣れたバラマンディは、本当に貴重な魚だった。

ケアンズ市街渋滞 9KB モスマンの街を通過した頃には雨が上がった。キャプテンクックハイウェイを南下し、ワイルドハビタットがある交差点を左折。ポートダグラスの街へ車を進める。午後5時20分、ホテル前で嫁さんを無事にピックアップした。積もる話はアレコレあったのだが、ずっと気になっていた黄色いド派手なシマノのカッパは・・・結局、未だに行方不明。

 旅行代理店大手H.I.Sのツアーでツアーバスの中に物を置き忘れ、運転手の名前まで確認出来ているのに、手元に戻って来ないとは・・・。日本だったら、その日の内にツアー会社から何らかの連絡があり、翌日には手元に届きそうなものだが、ここは異国の地。時間が経てば経つほど、戻って来る可能性は下がる。今頃は、もう誰かの所有物になって、雨の中で使われているのではないかと思ってしまう。やっぱり忘れ物は見つからないのだ。

 彼女の悲劇は、カッパが戻らない事だけではなかった。なんと、楽しみにしていたポートダグラス2日目のダイビングツアーがキャンセルになっていた。今日一日、ショッピングをしたり、海辺を散歩してノンビリと過ごしたらしい。因みに、ツアーキャンセルの理由は天候不良と海のうねり。まだ、潜ったことのない海を楽しみたかっただろうが、荒れる海で観光客がダイビングなど出来る訳なかった。ツアー会社のクイックシルバーには事前に料金を支払い済み。嫁さんにとっては、代替案として提示された明後日にケアンズから出るダイビングツアーに参加出来ることになったのが救いだった。

~ 明日からの予定は ~

夕食準備中のマリア 9KB ケアンズ市街に入ると猛烈な雨が降っており、ワイバーをMAXで動かし視界を確保する。道路両脇の低い土地は、水没しているような場所もあった。丁度、仕事帰りの時間帯と重なり渋滞も起きており、テリーはいつも以上に慎重な運転をしていた。午後6時半過ぎ、無事にテリー宅へ到着。身の回りを片付けている間に、マリアさんが夕食の準備を進めていた。

夕食の光景 10KB 今宵の晩御飯メニューは私のお気に入り、ミートソースパスタとガーリックトーストだった。その量たるや相変わらず凄い。絶対に4人では食べ切れない程の量が目前のテーブルに出された。それでも、お腹が空いていたので、進められるがままパクパクと食べる。アルコール度数の低いビールをグビグビと飲み、デザートにはアイスクリームをたっぷりと頂いた。

 食後は、皆で残りの日をどう過ごすか打ち合わせ。因みに、行方不明のカッパについて、マリアさんはもとても心配してくれた。知り合いのいるケアンズ市内のツアー会社だけでなく、本店があるオーストラリア首都キャンベラのマネージャーにまで電話を入れて探してくれたらしい。ここ数日間、「日本人のカッパがツアー中になくなって困っている」という話が、オーストラリア東海岸を駆け巡っていたに違いない。

夕食の光景 9KB アレコレ考えて、明日は嫁さんも同行して釣りに出掛け、この時期に必要不可欠なカッパはテリーの物を借用。朝は5時起きで、6時半出発に決定。明後日は、再び嫁さんと別行動。もちろん、私とテリーは釣り。嫁さんは、マリアさんにリーフフリートターミナルまでの送迎を依頼し、グレートバリアリーフのダイビングツアーへ参加するプラン。テリーのお宅にホームステーをさせてもらっている上に、どっぷりと御夫婦に甘えさせてもらう事になった。

釣行3日目

  TOSHI   TERRY
バラマンディ  
 ジャングルパーチ  

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