バラマンディ・フィッシングⅩⅩⅦ
赤い悪魔の入れ食いタイム
豪州遠征必携!! バラマンディ攻略ルアー
擬似餌の玉手箱>豪州バラマンディ・フィッシング>'24/9遠征


'24/10/3(木)

~ 大きな果実の名前は? ~

 まだ暗い午前4時45分、ワライカワセミが鳴き出す前に起床した。前夜は、蚊に刺されただけでなく、強い雨音で目が覚め、その度にトイレへ行ったりして熟睡できなかった。狭いベッドなので横に寝ている嫁さんの寝返りでも睡眠が邪魔される。彼女は徐々にこちらに押し寄せてくるので、いつか寝ていて床下に突き落とされるんじゃないかとビクビクしてしまう。ケアンズの雨は、日中は晴れているのに、結構な割合で夜中に雨が降るように思う。霧も出るし、虹が出現する頻度も高い。海のすぐ近くに山がそそり立っている地形的な要因が大きいのだろう。今日の天気予報は一日晴れだったハズ。この雨が恵みの雨となったのか、魚が沈黙するような雨だったのか・・・釣行は残り2日間。なんとか釣果が上向いて欲しいところだ。

 静かにベッドから抜け出し釣行の準備を始め、テリーが起きたタイミングでキッチンへ行き挨拶をする。本日は、嫁さんがダイビングツアーに参加するので、私達2人はデントリーリバーで竿を振る予定。いつもどおりのシリアル主体の朝食をしながら、キッチンに置いてあった果物について、「この大きな果実の名前は何だ?」と聞く。熱帯果樹のパパイヤ、マンゴー、ポポーは果実内のタネの付き具合が全く違うので切れば分かるのだが、外観だけで判断するのが難しい物がある。

 品種によって形や大きさが違うのはどんな果実も同じ。目の前にある果実は、丸くてかなり大きなヤツ。見分け方をテリーに聞くと、「オーストラリアの女性の胸のように丸くて大きなのがポポー、ニューギニアの女性の胸のような細長いのがパパイヤ」らしい。「胸なんて、それこそ人によって形が違うじゃんか」とテリーにツッコミを入れるが、どうやら彼は私をからかっていたようだ。結局、キッチンの果実名前は分からずじまい。

 私達の食事がそろそろ終わる頃になって嫁さんが起きてきた。前日の川下りチュービングと午後のショッピングで結構疲れていたらしく、前夜は爆睡だった様子。旅先でもしっかりと寝られるって事は、とても大切なのである。

 準備を整え、いつもより早めにテリー宅を出発。午前6時半に嫁さんをダイビングツアー集合場所のハングリージャックがあるバス停に降ろす。集合時間よりもだいぶ早かったが、周辺を散策するなどして時間を潰してもらう。早めの出発は、デントリーリバーに向かう海岸線沿いの道路事情にあった。現在、災害復旧工事で片側交互通行のため、朝の通勤ラッシュが起きる前に出来るだけ先に進んでおきたい。彼女には申し訳なかったが早々とバス停に送り届け、私達は道路が混む前にひたすらキャプテンクックハイウェイを北上する。

 因みに彼女は、ケアンズ周辺のダイビングスポットはあらかた潜りつくした様子。今回はポートダグラスから出るツアー船に乗り、グレートバリアリーフに潜るらしい。ケアンズから高速艇を使った直行便があるのだが、残念ながら座席が予約出来なかった。ポートダグラスデントリーリバーに行く途中にあるので、ついでに送迎可能。しかし、釣りは天候と状況次第で直前まで何処に行くか決まっておらず、ダイビングツアーは事前予約なので調整出来なかった。彼女の場合、独りでもどんどん行動できる性格なので、いつもながら本当に凄いなぁと尊敬する。

~ 新旧4WD車にワクワク ~

 ケアンズ市内でパトカーとすれ違った。以前は国産のホールデンなどを使っていたが、クイーンズランド州警察は韓国メーカーKIA(起亜)スティンガーを採用。この車は、V6の2L・ターボエンジンを積んでいる。小型だが、メチャ早いらしい。また、排気ガス削減対策の一環でEV(電気自動車)も採用しているが、これもハイウェイの速度取り締まりに使える位に早い。オーストラリアにおける韓国メーカーの評価が近年グングン上がっており、日本車のシェアが確実に食われている。

 ケアンズ
では、日本と異なり4WDの車が一般的で、何処に行っても普通に走っている。様々な新旧4WD車に出会うので四駆好きの私はいつもワクワクしてしまう。農業や土木作業に使われる無骨な車だったり、キャンプ用品を詰め込んだカーゴやフィッシングボートを牽引していたり、マニア垂涎のゴリゴリのドレスアップ車やハイエンドのお金持ちが乗る豪華な車もあったりと、まさに4WD天国なのである。やはりトヨタが最も信頼されてトップブランドを堅持しているが、日本では見られないミツビシイスズのピックアップトラックも見掛ける。多分、インドあたりで作られ、輸入しているのではないだろうか。

 山側の土砂崩れの跡を横目で見ながら、午前7時にエリスビーチを通過。この界隈は、近年、ドイツからのバックパッカーが沢山訪れているらしい。確かに、東海岸沿いの街では、ザックをしょって歩いている2~3人のツーリストをよく見かけるようになった。日本人の旅行スタイルとはちょっと違う。かつて、大型バスでぞろぞろと移動するのは、日本人だったが今は中国人。大きな声を出して喧嘩しているように話をしているので直ぐに分かる。彼らはこの地でも土地を買い漁り、この国の法律を無視して勝手なことをやり始めてトラブルを起こしている様子。

 早い時間帯でケアンズから抜け出したので、信号による片側通行だが比較的待ち時間が少なく北上している。Rex Lookoutでは目の前に海が広がり、遠くまで見渡せとても眺めが良い。行先方面に雨雲はなく、天気は良好。しかし、風が強く水面は波立ち、波打ち際は広範囲に濁っていた。この様子から、デントリーリバーの河口域は強い風で苦戦しそうだと予想がつく。

 道中、テリーのスマホが度々鳴るようになった。頻繁にメールでも入っているのかと聞いたら、5台の防犯カメラのセンサーが作動しているとのこと。どうやらマリアさんが家の中を歩き回っていて、これに反応しているようだ。その様子はスマホで動画として見られるから大したものだ。犯罪を犯す子供達は、日中に家人がいても押し掛けてくるほど大胆になっているので始末に負えない。もし何かあれば、家宅侵入・窃盗の証拠資料として警察へ提出出来るらしい。

 ウォンガビーチの公衆トイレを借りながら小休止。しっかり腰を伸ばして、深呼吸する。昔の公衆トイレは、設置場所が少なく汚くて薄暗かったけど、今ではハイウェイ沿いのビーチ入り口などアチコチに小奇麗なトイレが整備されているので安心だ。初めて立ち寄ったここには、広い公園とスケートボードを楽しめるコースもあった。

 今日は気分転換と釣果アップを期待して、愛用しているフリーノットのハット帽子からシマノのメッシュキャップに、またズボンも新調したリバレイの速乾性フィッシングパンツに履き替えてある。ここ数年、豪州遠征では明らかに魚が釣れておらず、いよいよ何とかしなきゃとテリーと2人揃って神頼みをする事にした。両手の人差し指と中指でクロスを作り、更に腕をクロス、ついでに両脚でクロスを作りお祈りをする。これだけやれば、ビッグなバラマンディがきっとヒットするだろう。

 

~ 再び自然溢れるデントリーへ ~

 午前8時にデントリーリバーのボートランプに到着。先日、来た時はボートを出した車が1台駐車していただけだったが、今回は既に3台が駐車場にあった。ハイシーズンになると、ボートトレーラーを牽引した四輪駆動車が20台以上ずらりと並ぶので壮観なのだ。日本では見掛けなくなったカンガルーバーがフロントグリルに取り付けてあったり屋根にはソーラーパネルや組み立て式テントが設置してあったり、見ているだけでワクワクしてくる。

 桟橋に立つと、海からの強い風が吹きつけ水面が波立っていた。この場所で、晴天時にこんな強い風を受けた事がないので、ちょっと心配になる。道中、神様に釣れるようお願いしたが、果たしてその効果はいかに。GT狙いのスピニングタックルにはTDポッパー、バラマンディを狙うベイトタックル(トマホークF4-59T+コンクエスト250DC)にはリーズのミノー ハイジャッカーをセットする。狭いクリーク内で使うシャッドラップ各サイズには、バンタムスコーピオンアンタレスARがベストマッチだ。

 手早く準備を整え、桟橋から出て対岸に移動し、岸際をTDポッパーでチェックする。活性の高いGTを探すが反応ナシ。オーバーハングがある所では、ハイジャッカーでバラマンディを誘ってみる。いつも魚がいる場所には、ベイトの影すら見られず、少し下流にあるカーフェリー乗り場周辺へと移動。バラクーダが船べりまでハイジャッカーをチェイスしてきたが食わせられなかった。

 水位が高い内に前回行けなかった上流へと移動する。水温は27.4℃で魚を釣るには申し分ない。しかし、実績のあるポイントで様子を伺うが魚の気配がない。過去に、ここに来た時は樹木が生い茂った大きな島があったが、洪水で木々が流され、島がごっそり消えてなくなっていた。農場からの流れ込みや川底の様子も変わってしまい、1時間程さまよって僅か20cmのマングローブジャックをハイジャッカーで1匹釣っただけ。

 今日は朝からキャスト精度が高く、入れたいピンポイントにルアーがバンバン入るのだが、いかんせん魚が出て来ない。シラサギが岸際に経っている場所には魚がいるので、遠くからでも目印になるのだが、今日はシラサギが岸際にいない。上流の淡水域は全くダメっぽかったので、Uターンし下流の汽水域を目指す事にした。

~ 熱帯雨林は野鳥とクロコダイルの楽園 ~

 釣りをしていると様々な鳥を目撃する。クイーンズランド州の熱帯雨林は、野鳥の楽園なのである。「ココトゥー、ココトゥー」と大きな響き渡る声で鳴くのが赤い目をしたイエローオリオ。小さな鳥まで食ってしまう黒くて大きなブッチャーバード。カラスのように全身が黒くてキラキラ輝くメタリッススターリング(ムクドリの仲間)、羽を丸く広げて求愛ダンスをするコウロコフウチョウ、白や緑色したオウム、長いくちばしを持ち湿地を歩く大きなシギ、気が強く警戒するような鋭い声を発しながら向かって来るケリ、紫色をして輝く宝石のようなカワセミ、岸際に静かに佇みベイトを狙っているシラサギなど、バードウォッチングが好きな人ならきっと写真を撮りまくるだろう。

 ボートランプ近くまで戻って来ると、川の真ん中で観光客を乗せたクロコタイルツアーの船が停泊していた。ツアー船は岸際をゆっくりと進みながらネイチャーウォッチングをしながらクロコダイルを探するのが常だが、ちょっと違う感じを受けた。そこに停泊していても見えないのに何をやってるのか?・・・と疑問に思っていたところ、テリーが教えてくれた。

 この場所では定期的に餌(チキン)をやり始めたので、船が留まるとクロコダイルが近寄って来るようになったとのこと。本当か?私の聞き間違いか?クロコダイルツアーに参加してクロコダイルが見られないと、文句を言いたくなる。確かに餌付けすれば、確実に客の前に姿を現すから良いだろう。

 しかし、世界遺産に指定された自然溢れる川の真ん中で、野生のクロコダイルに餌付けをしても良いのだろうかと素朴に思ってしまう。かつてこのエリアでは、クロコダイルに襲われて亡くなった子供がいた。事故後、暫くの間、事故現場に注意喚起の看板が掲げられていたのを思い出す。私達は、川の真ん中にアンカーを降ろし、GT狙いでポッパーを投げまくることが結構ある。釣った魚をその場でリリースするので、弱った魚がクロコダイルやサメを誘引している心配があるのだが、釣りのポイント近くでチキンを投げ入れるだなんて、もしかしてこのエリアで釣りをする危険度が相当増してないか?

 ボートで移動中、岸際を見ていると水際の日当たりが良い場所に、雑草が生えておらず土が剥き出しになったフラットな所がある。よく見ると何かが滑り落ちたような跡が残っていたりする。こんな場所は、クロコダイルが日向ぼっこしたり巣を作る場所。警戒心が強く、直ぐに水中へと逃げてしまうので滅多にその姿は見られないが、確実にクロコダイルが近くに潜んでいる事が分かる。バラマンディが釣れるポイントの近くには、クロコダイルの休憩場所があったりするので、不用意に水の中に手を突っ込んだりしないよう注意する必要がある。

~ 午前中の釣果は3匹だけ ~

 午前10時半にティータイム。今日はお洒落にハーブティーを飲みながら、ナッツバーを齧り、私の好きなジンジャーナッツビスケットを食べる。釣果を記録している手帳をパラパラめくりながら、今回の遠征の状況を確認する。分かってはいるが、私達は朝から小さなマングローブジャックを1匹しか釣ってない。今朝の神様への祈りは届かなかったのか。釣りの女神は何処かにお出掛けなのか。この渋さは何だろう。テリーのルアーボックスを見せてもらいながら、この後の作戦を練る。潮位を考えると、やはり河口エリアにある主要なクリーを1つずつチェックするのが良さそう。クリーク奥に入っていたベイトが、下げ潮で本流へと出て来るのでクリーク入り口がバラマンディの一級ポイントになる。水位が下がれば狭いクリーク内のオーバーハング下も狙いやすく、マングローブジャックが釣れるだろう。

 ひと休みした後は、対岸へ移動しクリークの入り口にステイ。偏光サングラスを通して水中に倒木が見えるので、この周辺を丁寧に探る。豪州遠征において偏光サングラスは必携。これがないと沈んでいる倒木やストラクチャーが見えず、はっきり言って釣りにならない。早速、デプスレス75Fに黒い魚影が追尾するのが見えた。魚の姿が確認できた場所へ繰り返しルアーを撃ち込んだが反応ナシ。フラットラップ8に交換しジャーク&ポーズを試したら、バラマンディが影から出て来た。私の目の前でルアーを吸い込み、直ぐにルアーを吐き出すのを目撃。この眼にはバイトシーンがハッキリと見えているのだが、この時、手元には全く何も伝わってこない。「あぁぁぁぁ~」と声を上げるしかなかった。

 魚の活性が高ければ、次のキャストでもバラマンディが出て来るハズだが、姿を見せない。ルアーをシャッドラップSR5に交換し、倒木に絡めながら引いたがダメ、続いて、頼りになるハードコアSH60SPを投入した。シャッドラップは止めると浮力でユラユラと浮き、この時にバイトが集中する。しかしこのアクションに反応しない時は、逆に止めると沈むルアーが効果的な時がある。ハードコアSH60SPはトウィッチやジャークで良く動き、ソルト系太軸フックに交換するとシンキングになる。エビをイメージしてトンットンッとアクションさせた後に、ス~と沈ませると魚が出る。倒木周りでシンキングルアーを使うのは、難易度がとても高い。水中をよく見て張り出している枝を長いリップでかわしながら探る。

 2人でルアーを投げまくり、バラマンディが潜んでいるであろうピンポイントを攻めたがチェイスすらない。暫く粘ったが、ポイントは沈黙したのでギブアップ。何故に魚はこんなに渋いのだろうか。更に下流へボートを進める。河口に近づくにつれ、風が強まり水面は波立つ。風を避けるため対岸へ移動し岸際のマングローブの根際を撃ってゆく。午前11時過ぎ、ハードコアSH60SP20cmのマングローブジャックを追加。これでやっと本日2匹目の釣果。

 「このエリアはベイトがチラチラと見えるなー」と言ってると、再びハードコアSH60SPにヒット。魚は小さそうなので、一気に引き寄せて抜き上げる。ハードコアSH60SPに反応したのは25cmのクロダイだった。近くでエサ釣りをやっているボートがあったので近づくとテリーの知人ジェイミー。エサ釣りのツアーでお客さんが3人いた。情報交換をしたが、やはり釣果は厳しくブルーサーモンが1匹釣れただけらしい。エサ釣りでも苦戦するほど今日は釣れない。彼らの邪魔をしないよう静かに距離を取って通り抜け、近くのクリークに入ったがサンドフライと蚊の猛攻にあって退散。結局、午前中に釣れたのは3匹だけだった。

~ バラマンディ攻略の定番ルアーが炸裂 ~

 サヨリの群れが泳ぐクリークに入る。ここは、他とは違い魚っ気があり格段に生命感がある。私のお気に入りシャッドラップSR9のパーチカラーを岸際の複雑に入り組んだマングローブの根際に撃ち込む。極太ソルト系フックに交換しても浮力は維持したまま、長いリップで障害物をクリアする高い戦闘力を持つバラマンディ攻略のための定番ルアー。トウィッチ後の長めのポーズがキモだ。キャストを始めると直ぐに反応があった。ルアーを咥えボート前で派手にエラ洗いをするバラマンディを一気に引き寄せてキャッチ。サイズは50cmと不満はあるものの、とても嬉しい1匹だった。やっぱりいるべき場所にバラマンディはいるのである。

 続いてテリーがリーズのミノー ハイジャッカー60cmのバラクーダをキャッチ。「お前じゃないぞ」と言いながら、魚の頭をペンチで小突いてリリース。相変わらずこの魚は嫌われ者だ。サヨリが集まっている倒木周りを2人で狙う。バラマンディが反応したのはテリーが操るクロータッドカラーのシャッドラップSR956cmのバラマンディをお遊びなしで引き寄せて、ボート上に抜き上げる。次は私の番だ・・・他にもいそうなので、同じ場所にシャッドラップSR9を撃ち込むが反応しない。

 両手を挙げてギブアップすると、テリーが船尾からピンポイントにキャスト。するといきなり竿が曲がり、ラインが水を切る音がした。ガバガバと水面でファイトする魚をグイグイ引き寄せて同サイズのバラマンディをハンドランディングでキャッチ。「まだ魚はいるぞ」とテリーが言うので2人でキャストをすると、またしても彼のルアーにヒット。しかし、コイツはバラクーダ(60cm)だった。僅か15分程度の間で、テリーは立て続けにバラマンディ2匹とバラクーダ2匹をキャッチ。船首で同じ釣りをしているハズの私にはアタリすらなく、腕の差をマジマジと見せつけられた。

 狭くて薄暗いクリークの奥へ静かにボートを進める。左右から木々の枝葉が覆い被さっているため、コンパクトなフォームでサイドキャストやバックハンドキャストをしないとルアーを投げられない。多分、ピンポイントへのキャストが上手く出来ない嫁さんだったら、ルアーを投げられないのではなかろうか。シャッドラップSR940cmのマングローブジャックを釣った時から、怒涛の入れ食いタイムに突入した。同じポイントにルアーを撃ち込むと再びヒット。根際から魚を引きずり出してキャッチ。マングローブジャックは少し大きくなって43cmだった。

~ 赤い悪魔の入れ食いタイム ~

 更にクリークの奥へとボートを進める。無数のサンドフライが目の前をチラチラと飛んでるのが見える。何か小さな虫が視野に入った時には既に遅く、とっくに何処かサンドフライに刺されている。蚊に刺されると直ぐに赤く膨らむが、サンドフライの場合はその場では確認できず、帰宅後に刺されたことに気付いたりする。刺されると、プクッと赤く盛り上がり1週間以上痒みが留まらない。豪州人はいくら刺されても何ともないが、刺され慣れていない日本人は体が強く反応して発熱し病院行きになる事もあるので要注意。搔きむしってしまうと、キズが残り1か月以上も辛い思いをする。

 メッシュの網は、極めて虫が小さいので通り抜けてしまう。虫除け薬を丁寧に塗り、極力素肌は出さないようするのが大切。手首まで覆う手袋をし、顔はフェイスガート、首回りはタオルやネックガートで覆うこと。露出しがちな耳も良く刺されるので対策は万全に。疎かになりやすい足首や足の甲も狙われるので、少し厚手の靴下を履くと良い。半袖、半ズボン、草履履きなんて絶対にありえない。

 このクリークはベイトが沢山いる。ボートを進めると、いかにも魚が居付いていますよって感じの倒木があった。テリーと2人でルアーを投げあうと、マングローブジャックが次々と姿を現し、ルアーに襲い掛かる。ファイト中にも、魚が咥えたルアーを横取りしようと襲い掛かる別の魚もいたりして、もう入れ食い状態。

 群れているマングローブジャックはさほど大きくはない。このポイントで釣れたのはテリーがシャッドラップSR9で釣った50cmがMAX。しかし、鋭い歯を持っているので、ルアーはボロボロになる。このクリークで釣れた魚は上流で釣れた魚より明らかに赤みが強く、昔、私が名付けたとおり、まさに赤い悪魔だった。多分、淡水エリアの魚とは食べているモノが違うのだろう。

 午後1時半過ぎにランチタイム。水位が低下したタイミングで時合を迎え、食事をするのを忘れる程、キャストをしまくった。日陰があるクリーク内はサンドフライだらけなので、本流へ出て風通しの良い岸際にボートを係留する。今日はツナ缶を開けて、野菜と共にパンに挟んでサンドウィッチを作って食べる。熱中症予防のため水分や塩分はしっかりと補給し、途中でダウンしないように心掛け、休む時はしっかり休む。過去には午前中に頑張り過ぎて午後になって急に気力が抜け、グダグダになった事があった。きっと、水分摂取不足と強い日射により軽い熱中症になっていたに違いない。自分の体は、自分で管理するしかないのである。

 ランチ休憩をしている間、ダイビングをしている嫁さんからLINEにメッセージが入った。グレートバリアリーフのど真ん中に浮かぶダイビング船からデントリーリバーに浮かぶボートにLINEメッセージが届くとは思いもよらず、恥ずかしながらこれには驚いた。通信技術の進歩は早く、多分、何年も前からメッセージのやり取りは可能だったのだろう。進歩に付いて行けてない私達は、ただただ感動するばかり。因みに、ダイビングツアーの様子を問うと、海は強風で波が立ち、船上も水中もユラユラしているらしい。

~ 昼食後のリクリーク巡りでバラマンディ ~

 本流は強風で波立ち釣りにならないため、午後の部も河口エリアのクリーク巡りをする。1か所目のクリークは、川幅が広く支流のような感じの所。シャッドラップSR9を使ってみたが反応がないので、ハードコアSH60SPを試しに投入。すると、ルアー釣りでは滅多に釣れない珍しい魚であるグランター(ジャベリンフィッシュ)が釣れた。ハードコアSH60SPマグネット重心移動システムが搭載されており、シャッドラップSR5が強風で使いづらい時にとても活躍するルアー。お勧めは旧型モデルの方。廃盤なので入手が難しくなっているが、未だにテリーやガイドから欲しいと言われるので実力は確かなのである。ハードコアSH60SPでメッキサイズのGTを追加。途中、豪州製ウッドルアーのクーラーバングを試したが、魚の反応はなく、ルアーを戻したらGTがワラワラとチェイスしてきてヒットした。

 午後3時半、午前中にバラマンディを釣ったクリークに再び入る。ポイントは既に絞ってあるので、狙うべきストラクチャーへお気に入りのパーチカラーのシャッドラップSR9を投げ込みジャーク&ポーズをすると即バイト。80cm前後のバラマンディで、猛烈にファイトする。水深は3m以上、狭いクリークで水中は障害物だらけ。結局、ブッシュの中に潜り込まれ、魚は引きずり出せずにラインブレイク。少しして、ポイントから離れたところで大きなバラマンディが水面上でエラ洗いをしたのを目撃した。私が掛けた魚に違いない。ルアーが口から外れることを祈るしかない。

 この時、使っていた竿はバンタム・スコーピオンBSR-1603F。ライトなタックルで狭いクリークの中、80cm前後のバラマンディと対峙するには非力過ぎだった。釣行初日にパームス・エッジEGC-606を折ったのが本当に悔やまれる。あの竿だったら獲れた魚だったかも知れない。バラマンディとの格闘でドタバタ・ガサガサやり、すっかりポイントを荒してしまった。この場で釣果を上げるのは難しそうなので、クリークの入り口まで戻りコーナーにある水中の倒木周りをチェックした。タイミングとしては、潮が切り替わり本流からクリーク内へと流れが変わり始めた頃。水中にベイトの姿がチラチラと見える・・・チャンス到来なのだ。

~ 潮の切り替わりでチャンス到来 ~

 狙いどおり、ここではキャストを始めて間もなく定番カラー 金黒のシャッドラップSR943cmのバラマンディをキャッチ。このサイズなら群れているハズなので、アンカーを降ろしてじっくり狙う。5分後に再びヒットし、45cmをボート上に抜き上げた。そして、直ぐにリリースしてルアーをポイントに撃ち込んで50cmをキャッチ。この魚は背中が盛り上がり、いかにもバラマンディって感じの格好いいスタイルをしていた。釣り上げる度に少しずつ、サイズアップしているので次の魚に期待していると、予想以上のデカバラがヒット。先に釣ったフッコ級のバラマンディとは全く引きが違う。70cmUPは確定の魚。オープンエリアに引き出したかったが、水中に沈む倒木に巻きつかれてフックオフ。「何処かにクロコダイルがいるんじゃないか?」と警戒しながら、水中に引っ掛かっているルアーを手探りで見つけ回収した。

 午後4時、遅ればせながら、タックルをトマホークF4-59T+コンクエスト250DCに変え、不意の大物に備える。投げ続けていた金黒カラーのシャッドラップSR9に再びバラマンディがヒット。ブッシュの中から引きずり出して、オープンエリアで丁寧にファイト。テリーがお腹を抱えて救い上げる独特の方法でハンドランディングした。サイズを測ると59cmあったので、彼のリクエストでこの魚をキープした。基本、釣った魚はオールリリースしているので、キープするのは珍しいのだ。因みにクイーンズランド州におけるバラマンディのリミットは、MIN58cm、MAX120cmなので規定をクリア。なお、サイズだけでなく、1人5匹、1船(2人以上)で10匹までとキープ可能な数もしっかりと制限されている。

 バラマンディを釣った5分後、同じポイントで今度は50cmのブラックスポットエスチュアリーコッドをシャッドラップSR9でキャッチ。釣り上げた瞬間から、ボート上はとてもカニ臭くなった。いかにもカニやエビを沢山食べてますって感じ。この魚は、大きく開く口を持ち、細かな鋭い歯がミッチリと生えている。一度咥えた獲物は逃さない貪欲な魚。コーティングしてあったルアーに無数のキズが付いた。

 本流からクリーク内への流れが強まる。リクーク入り口のコーナーでバラマンディが本流を向いてサスペンドしているのを目撃した。やはりこのタイミングで魚達の活性が上がるのだろう。納竿時間が迫る中、ラスト1投と言いつつ、数投しているとヒット。35cmのマングローブジャックを釣り上げた。午後4時15分、まだ釣れそうだったが終了。手早くタックルを片付けてボートランプへと向かう。これ以上、出発が遅くなると、海岸沿いの片側通行道路が渋滞してしまう。

 ボートランプに到着すると、午前中に会ったエサ釣りツアーのボートがピックアップされ帰るタイミングだった。テリーの知人ジェイミーに様子を聞くと、ブルーサーモンの他に、午後になってからバラマンディやフィンガーマークが釣れたと言う。彼とは初対面のハズだが、私の事を知っているようで、「毎年ケアンズに来ているクレイジーな日本人だね~」とか言われ、お互い渾身の力を込めた握手を交わした。

~ 無人のボートが流れてく ~

 ボートを桟橋につけ、私は広場の向こう側にあるトイレに腰を伸ばしながらトボトボと歩いて行く。トイレから戻ると、テリーが大きな声を出しながら慌てていた。なんと係留してあったハズの私達のボートが、沖へ流されているではないか。海から吹き上げる強い風と上げ潮で、悲しいかなアレヨアレヨって感じで上流へと無人のボートが流れて行く。パスポートや貴重品は身に着けていたが、ルアーBOXやタックル一式は全てボートの中。

 さて困ったぞ・・・というところで、天使降臨。ジャングルクルーズの若いスタッフが来てくれた。クルーズ船にテリーが乗り、流されて行くボートを追い掛ける。無事にボートに乗り移ったテリーは、バツが悪そうに戻って来た。釣行時には、毎回何らかのトラブルはあるのだが、長年、彼と釣りをしていてこんなトラブルは初めてだった。

 係留ロープは、桟橋の留め具に結んであったハズだが何故外れた?風はソコソコあったが、結んだローブが切れたり、抜け落ちたりするほどボートが揺れてた訳でもない。結びが緩かったのか?もしかして、誰かの嫌がらせ?アレコレと考えてはみたものの答えは出ない。私がトイレに行くのを少し遅らせ、彼が車を取りに行って戻って来るまでボートの所で待機していれば、こんなトラブルは避けられたと反省する。

 午後5時、トラブルにより予定より遅れたが、ボートをピックアップして帰路につく。駐車場には、今までに見た事がない豪華で大きなトレーラーハウス(ロイヤルフレア)を牽引している四輪駆動車があった。ベースになっている車は、4ドアのピックアップトラックで後部の荷台はテリーの車と同じような改造を施してある。この車で大きなトレーラーハウスを牽引しながら旅行するなんで凄すぎる。私達とは全く違う次元でアウトドアを楽しんでいるお金持ちの豪州人がいるのだ。機会があれば是非、車内を見てみたいと思った。

 帰路は往路とは目線が異なり、景色を眺めるだけでも楽しい。走り出して数分後、左手に見えるのがバラマンディの養殖兼釣り堀をやっているフック・ア・バラ。右手には牧場が広がり、朝には見られなかった色とりどりの牛達がシラサギを従えて草をはんでいる。キャプテンクックハイウェイに入り、ケアンズを目指してひたすら南下。途中、山火事の跡や海側の道路脇が崩れているのを数か所で目撃。山火事は自然発火の場合があり、洪水の頻度も多い。自然豊かな土地であるからこそ、ここに住むのは結構大変なのかもしれない。

~ 嫁さんと無事に合流 ~

 私達がボートランプを出発するのと同じ頃、ダイビングから戻った嫁さんはツアー送迎バスに乗りポートダグラスを出発した。ケアンズに向けて先行する彼女からは、随時、LINEで道路状況などの情報が入った。やはり片側通行で度々、信号待ちを余儀なくされかなりウザイ様子。エリスビーチの先にあるパームコーブに立ち寄り、数名のツアー客をホテルに降ろしてからケアンズに向かう行程らしい。因みに世界遺産の1つであるグレートバリアリーフでのダイビングは、3本潜ってサンゴ礁と魚達を堪能。しかし、帰りの船が大揺れで、周りのツアー客共々ゲロゲロだったらしい。海の中は素晴らしかっただけに、さぞや残念だっただろう。

 午後6時、バランスロックを通過。電飾飾りがされているエリスビーチを横目で見ながら、前に連なる車のテールランプを見ながら走る。夕方になると、草地にワラビーの群れがウヨウヨと出て来る。パッと見ると草地に生えているタケノコのようだが、目が慣れてくると、それがワラビーである事が分かる。今回もワラビーを沢山見ることが出来た。彼らは、昼間姿を見せないが、木陰で横になりグダグダしているらしい。電線や樹木の上には、体が白く頭部が黄色いお洒落なオウムの群れもいる。ケアンズ市街へ入ると、空には無数の大きなコウモリ(フルーツバット)が帯状の群れをなして飛んでいた。日本に比べ、身近に様々な動物がいるので楽しいのだ。

 嫁さんの送迎バスは、午後6時にハングリージャックに到着。一方、私達は片側通行の渋滞にはまり、20分ほど彼女を待たせたが無事に合流出来た。送迎バスは行きと帰りが別のバス。行き大きなバスだったが、帰りはマイクロバス。帰りの運転手さんは、結構な飛ばし屋で追い越し車線をバンバン走っていたらしい。豪州人は、基本的に残業をしない人達なので、きっと早く帰りたかったに違いない。

 午後7時前にテリー宅に到着。今宵はマリアさんが不在なので、夕食は前日の残り物をアレンジして食べる。デザートは、チョコレートがコーティングされたアイスバー ビッグマグナム。これが結構食べ応えがあって美味しいのである。食後は、本日の釣果をまとめつつ前日までと比較してみると、釣果は確実に上向いている様子。潮の切り替わりのタイミングで魚の活性が上がることは明白。釣行最日の明日は、嫁さんが同行する予定なので、彼女にも確実に魚を釣らせてあげたい。ルアーをチェックし、荷物を整理して午後9時にベッドに潜り込んだ。

釣行4日目(滞在5日目)
 魚 種  TOSHI  TERRY 
バラマンディ  
GT
マングローブジャック
バラクーダ
クロダイ
ジャベリンフィッシュ
 ブラックスポット
エスチュアリーコッド

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