
'24/10/4(金)
~ 2024年遠征最後の釣行日 ~
2024年遠征最後の釣行日は午前5時に起床。前夜は寝ていて肌寒く、隣で寝る嫁さんとブランケットの取り合いを度々していた気がする。寝不足気味に感じつつも、目覚まし時計が鳴る前にパッと起きてしまうところが我ながら凄い。今日の天気は、曇り一時雨らしい。持参する釣具一式の中にカッパがあるか確認する。朝食はいつものシリアルにトーストを追加。しっかりと焼いた薄めのパンにバターを塗り、イチジクのジャムをたっぷりと乗せる。
食べ始めようとした頃に、嫁さんが眠い目を擦りながら死んだような顔つきでベッドルームからヨロヨロと出て来た。彼女にはアツアツのコーヒーを飲んでもらい、しっかりと目を覚してもらう。食後のデサートには、キッチンに置いてあった大きな黄色い果実。果実の名前が分からず気になっていたが、果実内部のタネを見てパパイヤだと分かった。果肉は濃いオレンジ色しており、南国果実の独特な風味が漂う。因みに、ポポーは果肉がクリーム色~黄色をしている。
出発までの空き時間で、テリー宅の周りを少しだけ散歩した。丁度、大きなゴミ回収車が大きな音を立てながら、各家庭の前を巡回してるタイミング。車体側面から頑丈そうなアームが伸び、路肩に置いてあるゴミが入ったボックスを掴む。ボックスの大きさは、大人が膝を抱えて中にスッポリと入れる位のサイズ。これをそのまま収集車上部にある受け入れ口まで持ち上げ、ひっくり返して中のゴミを排出。再び元の位置にピタッと戻している。アームがコンテナ持ち上げてひっくり返す様子は、柔道の背負い投げを連想させる。回収作業のスタッフは、たったの1人。車から降りずに操作しているのが凄い。
いつも思うが、テリー宅のお庭は、キチンと手が入っていて美しい。芝生は管理していないと怒られるらしく、枯れないように水を掛けたり、定期的に芝刈りもしている。随所に地植えされている植物や整然と配置されている鉢物植物は、日本だと植物園の温室に植えられているようなモノばかり。奇怪な葉の形をしていたり、鮮やかな色をした葉があったりと眺めるだけでも楽しい。周囲を歩いてみても、何処も管理されている庭が広がり、朝の散歩はとても気持ちが良い。
午前6時25分に出発し、ジョンソンリバーを目指して南下する。途中、派手な黄色と赤色が印象的な救急車を目撃。これまで、どんなサイレン音かするのか聞いた事がないように思うが、異国の地で救急車に乗るような事態にならない事を祈るばかり。まだ通勤ラッシュの時間帯ではないので走る車は少ないが、日本の新旧車、韓国やアメリカの車が混在している。以前に比べ、ドアが外れちゃいそうなボロボロな車は減ったように思うが、古い年式の車が黒い煙を吐いて走っていたりするのも見られた。
ケアンズ市街を抜けて更に走ると、雲が厚くなってきた。時折、雲の切れ目から光がさし込み、なんとなく厳かな気持ちになる。昨夜は寒かったが、果たして本日の釣果はどうだろうか。テリーから「ケアンズは南風が吹くと寒いんだ」と話があった。北に北極があり、南に赤道がある日本とは逆で、南半球では南極方面から吹く南風は冷たいのだろう。バビンダの手前で急に雲行きが怪しくなり、少ししてワイパーを動かすほどの雨が降ってきた。雲の切れ目はあるのでにわか雨のようだが、南部の方はどうだろう。適度な雨は魚の活性は上がるが、急な冷え込みはNG。短時間のシャワー程度の雨で止んで欲しいと祈るばかり。
~ バビンダのパン屋さん ~
午前7時10分、ケアンズから南に60km程にある小さな街のバビンダに入った。ここは、オーストラリア国内で最も雨が降る地域(年間4.000mm以上)として知られている。以前、サトウキビ製糖工場が稼働していたのでとても賑わっていたのだが、工場が撤退してからは街が寂れている感じ。施設の老朽化や砂糖価格の低迷など撤退理由は色々とあるだろうが、撤退や操業停止の流れはサトウキビ産業が主力であるクイーンズランド州全域にも広がっている様子。工場が稼働していた頃は、大きな煙突から白い煙がモクモクと立ち上り、その光景はとても印象に残っている。サトウキビは、製糖以外にも、バイオ燃料やアルコール飲料、繊維、飼料、肥料と幅広く活用される有益な作物。無くなりはしないだろうが、大企業による費用対効果の判断で町全体の主力産業が一気に衰退してしまうのはとても怖い。
私達のリクエストでバビンバにあるパン屋さんバビンダベーカリーに寄ってもらった。到着時には雨が上がり、空には二重の大きな虹が架かったので何枚も写真を撮る。早朝から営業しているこのパン屋さんは、私が気に入っているピンク色したココナッツ入りの砂糖がベッタリのっているパンを売っているお店。これ以外にも超甘いクリームがモリモリに挟まれたロールパンや、色とりどりのマーブルチョコが散りばめられた可愛らしいクッキー、焼き立たてのパイなど、どれも一度食べてみたくなるような商品がショーケース内にズラリと並んでいる。ここでは、昼前のおやつ用に焼きたてのアップルパイを購入した。
この小さな街には、フレッシュジュースが飲めるルル・ジュースバーって名前のお店があるハズ。事前にネットで調べておいたので、商店街を歩き探してみた。お店があるべき場所には、飲食店ではない全く別のお店が入っいた。何処かに移転したのかと思い、小さな商店街を行ったり来たり。テリーがお店のスタッフに聞くと、ジュース店は既に閉店してしまったらしい。好みに合わせ色んな組み合わせの生ジュースが飲めるようで、今回の遠征で立ち寄るのを楽しみにしていたのにとても残念だった。
~ 外来魚テラピアの生息域拡大 ~
午前7時半、バビンダを出るとワイパーをMAXスピードにする程の猛烈な雨が降ってきた。「どうかこの雨が止みますように・・・」と指でクロスを作って神頼みする。ゆっくり走るサトウキビ運搬列車を横目で見ながら、車中では生息域が拡大している外来種のテラピアの話になった。過去の遠征でテラピアが初めて釣れたのは2004年11月の遠征。場所はジョンソンリバーの淡水域にあるクリーク内。当時、フィッシングガイドをしていたテリーがビートルナッツで釣った。彼がその時点で釣ったテラピアはこれで4匹目。ルアーには反応しにくい魚で、目の前にウヨウヨ群れていても簡単には釣れない魚だった。2013年2月の遠征では、ド初心者の嫁さんが同じくジョンソンリバーにおいて、また、2023年3月にテリーもシャッドラップSR5でテラピアを釣ったのを記憶している。この魚が増えると、在来魚が淘汰されてしまう恐れがある。釣りのターゲットとして、極小のシャッドやクランクベイトを使えば、入れ食いもありそうだが、バラマンディをはじめパワフルなゲームフィッシュが数多く住む彼の地で、ワザワザこの魚を釣る人は少ないのかも。
テラピアは、1970年代に観賞魚としてオーストラリアに導入され徐々に拡散。環境適応性が高く、群れを作って在来魚の生息域を奪い、雑食性で他の魚の卵まで食べてしまうので、オーストラリア固有種に大きな脅威となっている。オーストラリア遠征を始めた当初は、とても珍しい魚でジョンソンリバーの限られたエリアでしか見られなかったが、近年では釣りをしていると周辺の河川でも群泳を見掛けるようになった。この魚は淡水魚なのだが、スーティーグランターやジャングルパーチなどの在来淡水魚と違い、塩分濃度がある程度高くても生息が可能。従って、住んでいる淡水域が渇水で干上がったり、環境が悪くなれば、下流の汽水域まで下っても生きていける。
今やクイーンズランド州内の広範囲に生息域が拡大。どうやら、アジア系の人達が食べることを目的に各地で放流しているらしい。メスは卵や稚魚を口の中に運び育てる特性を持つ。成魚が死んだ後も口の中で長期間生存するらしく、死んだ魚すら放流しないように国が呼び掛けている。バイオセキュリティ法に基づき、規制対象の有害魚に指定(2014)されているが減る気配はない。外来生物は一旦入り込むと駆除は本当に難しいのだ。この先、5年、10年経ったらどうなってしまうのだろうか。
午前7時45分、雨上がりのイニスフェイルの街に入り、モービルのガソリンスタンドで給油。価格はケアンズ市内で給油するより少し高めの設定になっていた。ボートランプに移動し、テリーはテキパキとボートを降ろした。その間、私達は公園のトイレを借りてスッキリしておく。ここのトイレに入る際には、出来れば複数人で、周囲に変な人がいないか確認してから入った方が良いだろう。公園には、平日なのに仕事もせず酔っぱらったようなアボリジニがいたりするので油断は禁物なのである。
~ 不注意によるトラブル続き ~
テリーが車を駐車場へ置きに行き、私達は乗船して待つ。もちろん、ボートが流されないようアンカーを降ろしてあるか確認済みだ。本日の満潮は午前10時半頃。朝は河口域でGTを狙って釣りをし、昼に上流の淡水域で釣りをする予定だ。タックルの準備中に突然猛烈な雨が降って来たので、急ぎ橋の下へボートを移動させて暫し雨宿りをしながらカッパを着る。なんだか出鼻をくじかれた感じがした。嫁さんは、前回2023年3月の遠征で行方不明騒動を巻き起こしたシマノの黄色いカッパを着用。このカッパは、テリー夫婦の力を借り苦労して取り戻したので、テリーも騒動を思い出し懐かしんでいた。
午前8時半、準備が整い出船。GTポイントを目指して高級ヨット等が停泊している船着き場を速度を落としてゆっくりと移動する。少しして、船底からゴンゴンゴンと鈍い音がしてきて緊急停止。エンジントラブルではなさそうだが、何だろう・・・船周りを見ると鉛で出来たカマボコ型の重いアンカーを結んであるロープが水中に伸びていた。私達はアンカーを引き上げずに、走り出していたのだった。伸びたロープが原因でプロペラに絡まってエンジンが故障したり、ロープが何処かに引っ掛かり事故にならず良かったと胸をなでおろす。出向時に私が気づくべきだったのだが、嫁さんの相手をしていたので気が回らなかった。昨日はデントリーリバーでボート漂流事件もあり、不注意によるトラブルが続いている。
朝イチは、マングローブが茂る島周りのシャローエリアでボートを流しながらTDポッパーを使い早いテンポで探ってく。GTがいればルアーに向かってすっ飛んで来るので、精度の高い根際のピンポイントキャストではなく、四方八方に投げまくる釣り方。未だにキャストに不安がある嫁さんにとっては、とても良い練習になる。開始10分で私のTDポッパーに爆裂バイト。猛烈なファイトを楽しみながらキャッチ。遠征最終日の1匹目は40cmのGTだった。船尾で竿を振るテリーにもヒット。25cmのメッキサイズをキャッチした。
ポッパーよりも彼が使うZBLシステムミノー50Sの方が魚の反応が良いので、嫁さんはこれにチェンジ。すると直ぐにヒットした。GTの引きとは違うので、暫く魚のやり取りを見守る。寄って来たのはスパニッシュマッカレル(サワラ
45cm)。当地では希少な魚らしく、普段よりも丁寧に扱ってリリースした。それにしても嫁さんは、毎回何か違った珍しい魚を釣る印象がある。スパニッシュマッカレルは、永らく続いている豪州遠征で初めて釣れた魚ではないだろうか。
嫁さんが使っているZBLシステムミノー50Sのストロボオレンジ色は特にGTの反応が良く、ルアーに何度も襲い掛かる。しかし、彼女はその瞬間を見たいがために、ついハンドルを巻く手を止めてしまう。当然ながら、魚は直前でルアーを見切ってUターン。テリーからは「ドント・ストップ!!」と度々指摘されている。私も一昔前まで、彼に「ドント・ストップ!!」「アワセルナ!!」と何度も怒られていた記憶が蘇る。ZBLシステムミノー50Sが調子良さそうなのでボックスから同ルアーの白色を取り出して交換。メッキサイズを1匹追加したが、魚の反応が鈍く何か違う感じ。小粒だけどぶっ飛ぶレイド6に交換し、高速連続トウィッチをして、少しサイズアップしたメッキをキャッチした。
~ MJクイーンの誕生 ~
私達がバタバタ釣っているので、同じエリアで釣っていたボートが近づいてきた。私達のボートの後を追うように、同じポイントで止まっては竿を振っていたので気になっていたボートだ。どうやら、私達がどんな釣りをしているのか知りたい様子。挨拶を交わすと、フィッシングツアーのボートではなく、一般のアングラーだった。彼らは、オーストラリアでよく見る強固なタックルで大きなルアーを投げている。私達が使っているヒットルアーをチラ見せすると、彼らは「Wooo~ジャパニーズ・ルアー!!」と声を上げていた。小さなルアーだけど、良く飛び、しっかり泳ぎ、良く釣れる日本のルアーは、一歩も二歩も抜きん出ているのだ。色々と知りたがっている彼らと話し込むと、時合を逃しそう。後ろから追尾されると釣れるポイントもバレてしまうので、早めに話を切り上げて次の場所へと大きく移動した。
移動した先は、沖にポツンとストラクチャーがある場所。周りには何もないので、普通の釣り人達は見逃しがちなポイントだろう。竿を振り始めて嫁さんが直ぐにクロダイ(30cm)をキャッチ。ここから、彼女の入れ食い大フィーバーが始まった。マングローブジャックとGTがZBLシステムミノー50Sのストロボオレンジ色に次々と襲い掛かり、カツオの一本釣り漁師のようにバンバン釣る。私はメッキを同ルアーの白色で1匹釣ったが、明らかに魚の反応が違う。私はついには竿を置き、彼女が抜き上げた魚のフックを外す担当となってフォローした。ルアーは直ぐにボロボロになり、途中でフックを交換したりと大忙し。釣れたGTの最大サイズは45cm、この魚はメチャ引いた。マングローブジャックは32cmと小さかったが、投げれば食って来る入れ食い状態。こんな経験は滅多に出来ないだろう。彼女は、テリーからマングローブジャック・クイーンの称号をもらった。
ポイントにいた魚は嫁さんが全て釣り尽してしまったのではないかと思える位、パタリとアタリがなくなったので移動。午前10時半に辿り着いたのは、初日に私が良型のバラマンディを逃したポイント。何処かにバナナの木があるのか、島の形がバナナに似ているのかは不明だが、この島の名前はバナナ・アイランド。ボートにバナナを持ち込むと釣果が滑るので、「ボートには持ち込むな」と言われるので、この名前からしてちょっと縁起が悪い感じがする。ここでは、私のZBLシステムミノー50Sの白色にメッキ達が好反応を示したが、バラマンディは姿を見せなかった。
曇り空の下、午前11時までの15分間、ティータイムを取った。おやつは、今朝立ち寄ったバビンダベーカリーで買ったアップルパイとお馴染みのジンジャービスケット。アップルパイは、想像していたとおり美味しかったので、機会があればまた買いたい。ティータイム後もZBLシステムミノー50Sでメッキを連発。そして私のルアーに50cmのスパニッシュマッカレルが飛びついた。テリーによると、スバニッシュマッカレルの小さいヤツを"ドギーマッカレル"と呼ぶらしい。ウロコが細かく、ねっとりしているので、釣り上げるとギラギラ・ネトネトした鱗がアチコチにこびりつく厄介者だと言う。
~ ノースジョンソンの淡水域チャレンジ ~
午前11時、ノースジョンソンリバーをひたすら遡り淡水域へと向かう。雨が降ったり、晴れ間が出たりと天気がコロコロ変わる中、30分走ってハイウェイ橋をくぐったところからキャストを開始した。ここは新国道、旧国道そして鉄道の橋が3つ架かり、ストーン・アイランドにより分岐した流れが戻る合流点でもあるポイント。岸際の樹木上には、アフリカンチューリップの濃いオレンジ色の花が咲き乱れている。ポイントに到着した際、巨大なクロコダイルを目撃したが、写真を撮る前に水中に消えシャッターチャンスを逃したのが残念だった。
岸際のシェードや倒木周り、水中に沈むストラクチャーや橋の橋脚を丁寧に探る。トップへは全く出ないので、途中からシャッドに切り替えたがイマイチ反応が鈍い。辛うじて私がシャッドラップSR5で25cmのジャングルパーチ、嫁さんがテリーから借りた中華製小型ミノーで鉄砲魚(20cm)を釣ったのみ。バラマンディが何処かに潜んでいるハズだが、それらしき反応はなかった。ここでは、シャッドラップSR5のシャッドカラーをキャスト時にライン切れ。本来ならフローティングルアーなので水面に浮くハズなのだが、太軸のフック&リング仕様でサスペンドになっていたため直ぐに見失った。キャスト時の高切れでのロストは滅多にないのだが、今回はテリーのキャストと偶然タイミングが重なり、ルアー同士がぶつかった際にライン切れが起きた珍しい出来事。多分、お互いが注意散漫になっていたのだろう。豪州遠征当初から大事に使っていたルアーなので、失ったのはちょっと悲しかった。
午後1時、ボートを木陰に寄せてランチタイム。パンにハム、トマト、レタスなどをたっぷりと挟む。塩を振り、特別に辛いマスタードを塗ってサンドウィッチを作る。午前中、嫁さんも私も頑張り過ぎたので疲れが出てきていた。今回は少し長めに休憩時間を取って、午後からの釣りに備える。ついでにルアーを整理し、シャッドラップSR5の残弾数を数えておく。ジョンソンリバーで出番が多いシャッドラップSR5は金黒、シャッドとクロータッドの3色を複数個持参してきたハズ。使う分だけ外に出し、不注意による事故を防止するため残りのルアーはボックスの中に片付けておく。
午後の部をスタートさせて10分、ミスキャストで岸際の飛び出た枝葉にルアーが引っ掛かった。ラインを緩めると、丁度イイ感じに水面へルアーが垂れる。竿を震わせながらチョンチョンとルアーで水面を叩いていると狙いどおりにヒット。シャッドラップSR5のチョウチン釣りで28cmの鉄砲魚をキャッチした。鉄砲魚は、水面上にいる昆虫に水を吹きかけ落して食べる習性があり、魚の形や模様が格好良いので大好きな魚。ライトタックルで小さなトップウォータールアーを使えば、もっと沢山釣れるに違いない。
更に上流へとボートを進め、木陰をメインに小川の合流点や倒木周りを攻める。全体的にルアーへの反応は渋く、私が操るシャッドラップSR5にGT(46cm)と40cmUPのターポンが掛ったのみ。ジョンソンリバーはデントリーリバーと違い、釣れる魚種が幅広くバラエティーに富んでいるのが魅力なのだが、淡水域の活性は渋過ぎた。テリーが言うには、流域に広がるバナナ農園から流れ出る水や土砂に原因があるらしい。雨後は魚の活性が一時的に下がるのだろう。
~ 再びソルトエリアに移動 ~
午後2時、トップウォーターで釣るのを楽しみにしていた在来種のスーティーグランターやジャングルパーチは全くルアーに反応せずお手上げ状態。潮位を考えて、ソルトエリアへ戻るべく舵を切った。川を下りながらトローリングを試すと、テリーにシャッドラップSR5に珍しいシルバーグランター(30cm)が単発でヒット。クロダイと同じような魚だが、体色はまさしく銀色で、顔は面長で口が尖っている印象を受ける。
下る時には必ず立ち寄る、川がカーブし強い流れがダイレクトに当たる赤い壁のポイントもチェック。ここは、流れがとても強く、スーティーグランターやジャングルパーチのストックが多いポイント。激流の中でもしっかり泳ぐルアーじゃないと使い物にならない。必ず魚がいるハズだが、今日はまさかのノーバイトだった。赤い壁の下流にある水路に入る。ここには、岸際に巨大なサトイモの葉っぱがつくエレファントイヤー(クワズイモ)が群生している。アボリジニは、この大きな葉を付ける植物をカンジボイと呼ぶらしい。茂った樹木のオーバーハングやバラマンディグラスが岸から伸び、水面下にはウィードや倒木がある。流れが緩やかで、いかにもバラマンディが潜んでいそうな水路なので、物音を立てずに静かにキャストを繰り返す。確実にバラマンディが潜んでいそうなピンポイントにもピタリとルアーが入っているのだが、全くルアーに反応しない。何処もダメっぽかったので、ついに淡水域はギブアップした。
20分ほどボートを走らせ下流へ一気に下り、朝、竿を振っていたソルトエリアに戻って来た。潮位が違うのでポイントの雰囲気も全く異なる。先ずは島周りのシャローエリアでマゴチ狙い。プライアル・ソルト鉄板バイブをブン投げて広範囲にボトム付近を狙う。私達が"マゴチハウス"と呼ぶシャローエリアに潜むマゴチは、チャンスがあればベイトを食べたいと考えている食いっ気のあるヤツらばかりのハズ。いれば確実にルアーに反応すると思うが、それらしきアタリは皆無。ベイトの姿も乏しく、釣れる感じがしない。
続いて、ベイトタックルに持ち替えてボートを岸際に沿って流しながら、バラマンディ狙いで倒木周辺を丁寧に狙う。使うルアーはシャッドラップSR9。水中に込み入った枝が伸びている倒木にルアーを撃ち込んでも、長いリップと高い浮力によって根掛かりせずに探ることが可能。投げ始めて直ぐに、ガツンとバラマンディがヒット。やはりテリーが指し示すポイントにはバラマンディがいた。しかし、ギュギュンッとラインが一気に引きずり出された後にフックオフ。この間は何も出来ず、「あぁぁぁぁ~」と言って終わった。魚のサイズは70cmUPに違いない。
午後3時45分、私達は潮位を考え絶妙なタイミングで桟橋周りのポイントにやって来た。ここには確実に魚がおり、使うルアーも釣り方も分かっているので、テリーに言われる前にルアーを交換し、キャストを始める。使うルアーは歴戦のDDパニッシュ。キャスト後、グリグリっと巻いて潜らせ、ポーズを長めにとって水中を漂わせる。そして強めのジャーク。エビが水中でビュンビュンと跳ねるように泳いだ後、スゥ~と沈むアクションを演出する。直ぐに竿が曲がるかと思いきや、3人でキャストしまくったがノーバイト。ここにも魚がいなかった。
~ 最後はマゴチハウスで1本 ~
魚探を掛けながらトローリングを試したが、モニターを見ているテリーは魚がいないと呟く。時計は午後4時を回り、もう残りの時間は30分ほど。最後のワンチャンス狙いで"マゴチハウス"に行く。水位がぐっと下がっているので、エンジンやエレキの使用は魚を脅かしてしまう。テリーはボートから降り、水の中を歩きながらボートを引いてくれた。少しずつ移動しながら、彼が指し示す方向へ嫁さんがルアーを何度も投げるが反応はない。ヒットかと思えば、大きな枝が釣れたり・・・。
終了時間が刻々と迫る中、私のDDパニッシュにやっとヒットした。砂底のシャローエリアで、あえてロングリップのルアーをグリグリ巻き。砂煙を上げながら魚をおびき寄せるイメージで使っていた。ルアーをバックリと咥えたのは56cmのマゴチ。オーストラリアのマゴチは、80cmクラスもザラにいるのでサイズ的には物足りなさがあったが、終了間際に狙って釣った1本となった。
私達のボートが近づくと、砂煙を挙げて逃げてゆく魚の姿がある。マゴチは確実にいるようなのでチャンスはあるハズ。最後に嫁さんにもマゴチを釣らせたくて、テリーも私も懸命にサポートしたが祈りは釣りの女神には届かず、午後4時半にタイムアウトとなった。
午後5時にボートランプに到着。私達2人はそそくさとボートから降り、我慢していたオシッコをするため公園のトイレに行く。トイレから戻ると、テリーがションボリしていた。様子を尋ねると、ボートをトレーラーに引き上げる際に、ブッシュの中に竿の先端が入って大切にしていたG・Loomisを折ってしまったと言う。最後の最後で、またトラブルをやらかしてしまった~。やはり、ボートを引き上げる時は、安全確認のために見守っている必要があったのだ。思い返せば、遠征初日、私はこのジョンソンリバーで開始早々にGTと格闘し愛竿を折っていた。何だか、とても後味の悪い終わり方になった。
「早く帰らないとマリアに怒られる~」ってことで、アクセルを少し強めに踏んでケアンズに向かう。夕暮れ時で帰路を急ぐ車が増える時間帯だが、ブルースハイウェイは順調に車が流れ午後6時半前にテリー宅へ到着した。丁度、テリーの息子アシュリーが2匹のフレンチブルドック、モンティ(白、7歳)とハリー(黒、5歳)を連れて遊びに来ていたところ。知らない異国人が2人もいるからか、犬達は、とても落ち着きがなくフロアーを行ったり来たりしている。聞けば、黒い方は災害救助犬なんだそうだ。
夕食はアシュリーも同席するかと思いきや、何処かへ暫く旅行に行くらしく2匹をマリアさんに預けて帰っていった。マリアさんはチョクチョク小さな子供のお守もしているが、まさか犬の面倒まで見ているとは。今や、息子のライアンも家を出て自立しているため、この広い家はテリーとマリアさんの2人暮らし。きっと日頃は、ひっそりとしているに違いない。
~ 豪州遠征最後の夕食 ~
豪州遠征最後の夕食は、昨日、デントリーリバーで釣ってキープしたバラマンディとマングローブジャックのグリル料理。付け合わせは山盛りのフライドポテトとサラダ。バラマンディは白身で淡白な味なので、どんな料理にも使える。マングローブジャックの方が、「いかにも魚ですよ」って感じのしっかりした味わいがあった。やっぱり、お魚料理は白いご飯と一緒に食べたいと思うのは私だけではないだろう。もりもり食べてエネルギーを充填し、明日の帰国に備えて早めに部屋へ戻り、本日の釣果のまとめと、帰国に向けた荷造りを進める。
今回の遠征の釣果は全体的に低調だったが、最終日には、嫁さんも爆釣体験が出来て釣果にも恵まれた。メインターゲットのバラマンディは釣行5日間トータルで18匹、最大は初日に釣った71cm。これよりも明らかに大きい魚も掛けたが、技術が足りず残念ながら釣り上げることは出来なかった。釣り竿が2本折れ、川の真ん中で故障、無人のボートが漂流など幾つかのトラブルもあり、何年経っても記憶に色濃く残っていそう。テリーには、遅ればせながら感謝を込めて日本から持参したルアーや彼の友人へのお土産を渡す。シャワーを浴びて午後9時半にベッドイン。疲れが溜まっていたようで、直ぐに寝入ってしまった。
| 魚 種 | TOSHI | ASAKO | TERRY |
| GT | 9 | 3 | 1 |
| マングローブジャック | 7 | ||
| クロダイ | 1 | ||
| シルバーグランター | 1 | ||
| スパニッシュマッカレル | 1 | 1 | |
| ジャングルパーチ | 1 | ||
| 鉄砲魚 | 1 | 1 | |
| ターポン | 1 | ||
| マゴチ | 1 |
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