豪州バラマンディ・フィッシング]
サラトガとバラマンディの乱舞

巨大ナマズ&トリプルインパクト 7KB


トリプルインパクト120をハーモニカ食い


擬似餌の玉手箱>豪州バラマンディ・フィッシング>'05/5遠征

'05/5/27(金)

 〜 ブッシュマン・グレッグ 〜


マクニシフェントクリーク 7KB 満月がまだ空に輝く午前6時、ディンゴの遠吠えで起床。昨夜はバリーのポヨン、ポヨンと体が良く弾むエアマットを借り、広いテントの中でテリーとバリーの3人で寝た。一晩中、月明かりが顔を照らし何となく熟睡できなかった感じだ。気温も少しずつ下がってきている。満月だと魚が釣れないという話も聞くが、はたして今日の釣行はどうだろうか。

 朝食を摂った後、バリーはライフルを持って一人ハンティングへ。残りの3人は車に乗り込んでマグニシフェント・クリークへ向う。20分程、ブッシュの中を進んだ後、車を置きタックルを持って歩くこと10分。周囲を鬱蒼とした樹木で囲まれ、リリーパッドが広がる怪しげな野池の様なクリークへ到着した。

 キャストができるポイントを求めて、ワラビーや野豚が作った獣道を歩く。腰を痛めており、立ったり座ったりする度にうめいているグレッグの足取りが何故か異様に軽やかで、彼のペースに付いて行くのはマジに大変。彼はクツを履いておらず常に裸足なのだが、トゲのある植物が生えているような場所でもお構いなしに足音をさせずに歩く。周囲に生えている植物や動物について非常に詳しく、仲間内からブッシュマンと呼ばれている所以だ。

 〜 サラトガの爆裂バイト 〜


マグニシフェントクリーク 6KB オープンスペースを見つけてトリプルインパクト120をキャスト。すると僅か2投目で水柱が上がる爆裂バイト。ヘビの様に身をくねらせて泳いできた70cm越えるサラトガがルアーを目掛けてバイトする瞬間が丸見えだった。しかし、フッキングミスして魚は池底へと姿を消した。むちゃくちゃ悔しかったが、気を取り直してリリーパッド脇へ3投目を撃ち込む。ジョボジョボとリトリーブしてくると再び爆裂バイト。今度は確実にフッキングが決まったかと思いきや、ファイト中にフックオフ。先程の魚よりやや小ぶりな60cm級だったが、バラしたショックは大きい。思わずその場にへたり込んだ。

 テリーとグレッグに励まされて次の魚を狙う。生い茂る樹木の間を複雑にぬう獣道をトレッキングしながらルアーをキャストできるスペースを探す。水面を覗き込んだ時、足元に60cm級のサラトガを発見。スルスルっとトリプルインパクト120を送り込みリトリーブを開始するといきなりバイト。グレッグが見守る中、懸命に魚とのやり取りをしたが、これもまたフックオフ。足場が高いというハンデもあるが、どうにも私のフッキングは甘いようで猛反省した。

 その後もトリプルインパクトを投げまくったが魚は沈黙。太軸フックを装着したチャグペッパーJrに交換し、チョボチョボとアクションをさせると、1投目でビックバイト。これまでの反省を踏まえ、きついフッキングをかましたのだが、ファイトの最中にフックが外れてしまった。今はスウィッシャーよりもポッパーの方が反応が良さそうなので、テリーのチャグRを借りる。チュパチュパやるのではなく、ボコッ、ボコッと空気を水中に引き込むような力強いポッピングを繰り返すと、急に魚が反応を始めて続けさまに3バイト。しかし、これは全て空振りに終わった。

 〜 釣り場は危険が一杯 〜


巨大ナマズ 7KB 少し離れた場所で竿を振っていたテリーが巨大な魚と格闘している。ガバガバと暴れている魚はサラトガやバラマンディとは違う様子。どんな魚が上がってくるか注目していたところ、岸際に横たわったのは、アマゾン川に住んでいそうな巨大な頭を持つド太いナマズ(66cm)だった。体長はそれほどでもないのだが、頭は日本のナマズを3倍以上にした感じだ。ポップMAXをバックリと咥えたこのナマズは、ボートで河川を流した時に釣った小ナマズと同じ種類らしい。と言うことはヒレに毒があるので、うかつに触るのは危険。記念撮影をして素早くリリースした。水の中にはワニも潜んでいるので、リリースの際に水辺に立つ時は要注意。魚が暴れているのを察知し、音もなく岸際に近づいて来ている可能性があるからだ。

 林の中を無数の蝶が舞う不思議な光景に感動しながら、時折現われるオープンスペースのポイントをチェックする。ブッシュマン・グレッグがふと足を止めて手にしたのは、猛毒蛇タイパンの抜け殻。まだ脱皮してまもないヤツが付近にいるハズだと注意を促す。タイパンのヤバイところは、他の蛇と違って何度も噛み付いて攻撃してくるところにある。こんな場所で噛まれたら絶対に助からないので、周囲の物音に注意しながら3人が一列になり、足早に歩くことにした。3番目を歩いている私が、前を歩くテリーに「ヘビは2番目に歩いている人に噛み付く」という話をしたところ、「豪州では3番目の人に噛み付くと言う。豪州のヘビは日本のヘビよりレイジーだ」とコメント。・・・とすると噛まれるのはオレか。より慎重に歩くことにした。

〜 サラトガとバラマンディの乱舞 〜


 トリプルインパクト105に推定50cmのサラトガが横から突然現われてアタックしたのだがフッキングミス。直ぐ近くでテリーがトリプルインパクト105で50cmのバラマンディをキャッチ。このエリアは魚の密度が濃いようなので、広範囲にルアーを引きまくる。すると再びビックバイト。しかし、これは空振りでルアーは水面に浮いたまま。3本フックのトリプルインパクト120に交換し、ホテイアオイの際を通してくると水面に怪しげな波紋ができた。デカイ魚が潜んでいそうなので同じコースを通すと先程波紋が広がっていた所でバイト。反応がなかったので、そのままリトリーブしていると足元でズボッとバイトした。

 懲りずに同じ所へキャストをし、ルアーを引いてくると立て続けに2度のバイト。しかしルアーに襲い掛かりはするのだが、フッキングには至らない。魚は体をくねらせるので、バラマンディではなくサラトガの様子。目の前の手が届きそうな所に、この手でまだ釣り上げたことがないサラトガが悠々と泳いでいるのだが指を咥えるしかない。

バラマンディ 8KB 一度、トリプルインパクト120に近づいたが途中で泳ぎったサラトガを見て、ジュボッと激しくジャーク。すると魚は突然反転して、水柱を立てルアーに襲い掛かった。追い合せを入れて確実にフッキングさせたつもりが、ファイト中にフックオフ。ルアーが口の中に収まっておらず、口の外側にフックが刺さっていたのでヤバイなと思っていたところだった。度重なるフックオフは、これと同じパターンなのかもしれない。サラトガはバラマンディと捕食スタイルが違うので、大きなルアーではスッポリと口の中にルアーが納まらないのではないか・・・。

 身をかがめて樹木の間からトリプルインパクト120をキャストする。倒木の脇に溜まっているホテイアオイの横をルアーが通過した時にビックバイト。足元で暴れる魚は銀色に輝くバラマンディ。余り大きくなかったのでタイミングを見計らってグイッと引きずり上げた魚は65cmだった。倒木とホテイアオイがキモと見て、似たようなポイントを狙い撃つと、これが大当たり。サラトガをロストした後に70cmの良型バラマンディをキャッチ。そしてクリークのど真ん中で超特大ビックバイト。猛烈な力でファイトする魚を慎重に誘導して足元へ引き寄せる。テリーが急斜面を滑り降りてガッチリと掴んだバラマンディは80cmあった。

〜 プロガイドの腕前 〜


 気が付けば、とっくに正午を過ぎていた。体中に付着した雑草の種子を取り払ってから車に乗り込み、バリーが待つ野営地に戻る。昼食はローストビーフとトマト、オニオンをたっぷり挟み込んだサンドウィッチにかぶりつき、フルーツケーキと紅茶を堪能した。食後は午前中にサラトガをバラシまくった失態を反省し、フッキング効率UPを狙ってトリプルインパクトのフックにスプリットリングを1個追加する簡単なチューニングを試みた。一方、テリーはラインを巻き替え、フックを交換して午後の釣行に備えていた。

サラトガ&スラバーチャグ 8KB 昼寝をするバリーとグレッグを置いて、私達はタックルを一式持って徒歩でブッシュ・アタックを開始。無数にいるワラビー達の熱い視線を感じながら獣道を歩く。目の前を突然、ワイルドターキーが横切って驚かされたり、牛の巨大なウンコを踏みそうになりつつも無事にポイントへ到着した。この場所は前日、テリーがサラトガを釣り上げたポイント。車で移動すると大回りになるため時間が掛かったのだが、実は野営地から案外近い距離にあったのだ。

 開始早々、トリプルインパクト120にサラトガの強烈なバイト。しかし、フッキング向上のためのチューニングまでしたにも関らず見事にフックオフ。「今のは捕食音からしてスーパービックだった」とテリーが我が事のように悔しがる。直ぐにフォローのキャストをしたが無反応。次のヤツを狙おうと水辺を少しずつ移動しながら、時折激しいジャークを入れてトリプルインパクト120を引き魚の反応を伺う。一方、テリーは長いストロークでボコ〜ン、ボコ〜ンと大きな音をたててスラバーチャグを引く。コイツは不人気のためか、いつのまにか釣具店の店頭から姿を消してしまったルアー。私のお蔵入りのコーナーでも紹介しているが、余りにも釣れないので今ではキーホルダーとして利用しているほど。「そのルアーは釣れないよ」と笑いながら話している最中に、スラバーチャグにドカンとサラトガがバイトした。

 魚は余り大きくないようだが、素晴らしいファイトを繰り返す。彼は慎重に魚を引き寄せ、無事キャッチ。パックリとルアーを咥えていた魚は56cmだった。魚を私に見せつけるテリーに、「まだまだ小さいねぇ〜」などと牽制する。今度はこちらにチャンスが回って来ないかと懸命にルアーを引いている時、再びテリーのルアーにビックバイト。今度は、一回り大きくなった60cmキャッチ。そして、写真を撮って彼がキャストを再開すると5分も経たずに55cmを釣り上げた。1時間も経たない内に、激しいファイトを3回も目の前で見せつけられ、次々に釣り上げられるサラトガを眺めて茫然自失。「これがプロの腕前」って感じで彼は次々にサラトガを水揚げした。

〜 クリスマスツリーの出現 〜


巨大ナマズ 7KB ウエストボックスに詰め込んできたルアーを眺めても、私の手元にはスラバーチャグに似たような音を出せるポッパーはない。持参したトップ系ルアーをアレコレ使い回しながら反応を伺った。トリプルインパクト120をジョボジョボ引いていると岸際近くで水面が爆烈。ロッドが根元から曲がるほどのトルクのあるファイトに必死に耐える。テリーに手伝ってもらいながらランディングした魚は巨大な頭を持つ、大ナマズ(68cm)だった。

 テリーがスラバーチャグでテッポウウオ(25cm)を追加。その後、彼はお気に入りのポップMAXを樹木の上に引っ掛け、泣く泣くラインブレイク。チャグRに交換しサラトガを掛けたが、ジャンプ一発でフックオフした。どうやらクリークのど真ん中に1本立っている立ち木に良型のサラトガが付いているようだ。ルアーを通すと時折反応するのだが、バイトまでは持ち込めない。午後の部では、スウィッシャーより明らかにポッパーの方が魚の反応が良い様子。「これで1本釣ってくれ」と彼が私に差し出したのは、アタリ針であるチャグRだった。立ち木の株元を狙って慎重にキャストをするが、愚かにも僅か2投目で太い枝に引っ掛けた。

 ファイヤーライン20lbと50lbのショックリーダーをあてにして、懸命に回収を試みたがスナップ付近でラインブレイク。テリーの厚意を無駄にし、ルアーまでロストしたので丁寧に謝りを入れる。ラインシステムを組み直し、ウォーターランドのバトルダボーを結んで立ち木にキャストすると、幸運にも一投目で食ってきた。慎重に足元まで引き寄せ、あともう少しというところで魚が激しく暴れてフックオフ。今度こそサラトガをこの手にできると思っていたので、フックが外れた時は、余りのショックでその場にしゃがみこんでしまった。

 良く見ると中央の立ち木の周囲にサラトガが悠々と泳いでいる。2人でルアーを次々に投げ合っていると、今度はテリーがバスマニアを立ち木に引っ掛けた。激しく竿を煽りルアーを回収しようとするが、これもラインブレイク。「何かいらないルアーを貸してくれ」と言うのでバトルダボーを手渡すと、ルアーが引っ掛かっている枝を狙ってキャストを重ねる。運が好ければルアーを回収できるだろうが、投げているルアーを再び引っ掛ける確率の方が高いのは明らか。プロのお手並みを拝見していると案の定、彼はバトルダボーを引っ掛けた。これでルアーが3つもぶら下がっているクリスマスツリーの出来上がり。おまけに近くにはポップMAXが実る木まである。私は泳いで取りに行くことを提案したが、ワニがいるからとダメだと止められた。豪州の辺境の地に日本製のルアーがぶら下がっている光景はちょっとシュールだ。

 気が付けば辺りが薄暗くなっている。夕闇が刻々と迫る中、獣道が見えなくなる前に野営地まで戻らなければならないため足早に歩く。途中、「毒ヘビが住んでいるから注意しろ」と言われながら注意深く歩いて切り抜け、明かりが灯る野営地へ到着。カレー粉と塩で味付けをした手長エビをつまみにビールを一飲みし、インドネシアのお米料理サテーをいただき、午後9時半に消灯となった。

釣果結果

TOSHI

TERRY

バラマンディ



ナマズ



テッポウウオ



サラトガ





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