豪州バラマンディ・フィッシング]W
さぁ、帰るぞ

巨大ワニ 7KB
ノーマントン街の巨大ワニ


擬似餌の玉手箱>豪州バラマンディ・フィッシング>'07/11遠征


'07/11/10(金)〜11(土)

〜 さぁ、帰るぞ 〜


マンゴー 8KB 午前5時過ぎに起床し朝食を摂り、荷物のパッキングを済ませる。ここを出発する前に、世話になったキャラバンパーク内を暫し散歩。庭には赤と白の花が咲き乱れるブーゲンビレアの大樹や、私が大好きなマンゴーがたわわに実った大木があったことに改めて気がつく。日本では宮崎産のマンゴーが1個、1万5千円を超えるようなビックリ価格で販売されているが、ここでは隣近所の庭先に実るカキと同じような扱いなのだ。後3週間もすれば食べ頃になるのだろうが、収穫する人がいなければ鳥達のエサになってしまう。ケアンズ近郊でも、場所によっては道端にゴロゴロとマンゴーが落ちているくらいなので、当地では高級果実という感覚は全くない。

 昔、キウイフルーツが日本に輸入され始めた頃は、ホントびっくりするような値段で滅多に口へ入らなかったが、今では国内の随所で栽培されるようになり価格が大幅に下落。庶民の手に届く価格となった経過がある。マンゴーもここ数年で輸入量が増加すると共に、国内の生産量も増えるので今よりぐっと身近な果物になるだろう。更に、気象変動により西南日本が今以上に亜熱帯化すれば、もっと手軽に、カキのような感じで食べられるようになるのではないか。勿論、良い事だけではなく、やっかいなサンドフライ(ヌカカ)や熱帯性の伝染病を伝播する蚊が増える可能性もあるので、喜んでばかりはいられないだろうが。

 午前6時半、車内に入り込んだ蚊を追い出しながらキャラバンパークを出発。これから約10時間掛けてケアンズまで帰るのだ。早朝の道路には、ワラビーや様々な種類の野鳥達が集まってきている。大型鳥のジャバルーをはじめ、ワシ、ガチョウ、体色が灰色で頭のてっぺんが赤いツル(幼鳥?)、日本で見るのと同じシラサギやカラス、ハトくらいの大きさの鳥を何種類も見ることが出来た。雨季には道路が水没してしまうほどの湿地帯なのだが、今は殆どが干上がり乾ききっている。所々に残ってる水溜りの周辺に動物や植物が集まっているのだが、水は塩類を大量に含んでいるハズ。ここに生息する動植物は、他の所に住む動植物に比べ塩類耐性が強いに違いない。塩害で植物が育たず困っている土地や農地でも繁殖する有用な植物がきっとあるに違いない。

〜 ジャパニーズ・マジックだ 〜


巨大バラ 4KB 走り始めて45分、ノーマントンの街で巨大なクロコダイルとバラマンディのモニュメントを記念に撮影し再び車に乗り込む。ガルフ・デベロップメンタル・ロードを時速100〜110kmで真東に向かって爆進する。道端には、放牧された牛がいる事が多い。道路と農場との境には柵がないため、いつ何時、牛が道路上に飛び出して来るか判らない。近くを通る際には当然のごとく最徐行運転。もし時速100kmで大きな牛にぶつかったら、車のフロントグリルにカンガルーバーを装備していたとしても無事ではいられないだろう。度々、道路にはフルブレーキをしたタイヤの跡が黒く残っていたり、交通事故で死んだ牛やカンガルーが道端に放置されているのを目にする。この他にも大きなトカゲや野ブタ、エミューが路上をウロウロしているのを目撃したので、運転中は前方に十分注意を払う必要がある。

 走り始めて2時間が経過。月に2回しか電車が通らない錆びれた線路"Galflander"を横目で見ながらひたすら東進する。太陽の高度が上がり、グングン気温が上昇してきた。エアコンなしでは辛くなってきたので、テリーやケビンから「壊れているから無駄だ」と言われつつもスイッチを入れてみる。すると故障していたエアコンがウソのように調子良く動く。「このニッサンは日本人が作った車。だから日本人の言う事を良く聞くんだぞ。これぞジャパニーズ・マジックだ」とヘタな英語を使って自慢げに話す。因みに豪州では日本車の評判が非常に良い。故障が極めて少なく耐久性に優れ、燃費も良い事が単純な理由。四輪駆動車ではやはりランドクルーザーがトップ人気だが、メチャ高いので一般庶民にはとても手が届かない。一般車で人気があるのはマツダの車。ここ数年で路上で見かける事が非常に増え、テレビCMも頻繁に流れている。日本のCMよりも遥かにセンスが良く、「ZOOM〜ZOOM〜ZOOM」とカッコイイのである。

〜 カエル君に注意 〜


小休止 6KB 大昔はゴールドラッシュに沸いた街クロイドンにあるガソリンスタンド兼雑貨屋兼博物館に立ち寄り、アンティークな鉱山で使う道具を見ながら休憩をし、車にも燃料補給をする。ここから先はまだ7時間もあるのだ。無理は禁物、休憩を取りながら1車線の真っ直ぐな道路をひた走る。対向車があればお互いに路肩へ車輪を落として徐行運転。「来ると嫌だな」と思っている時に限って、正面から3連のロードトレインが爆走してきたりして思わず息を呑む。

 午前10時半、ジョージタウンの公園でテリーお手製のサンドウィッチを食べながら、集まってくる野鳥達にパン屑を与え気分転換。満腹になったところで、プール脇のトイレを借りる。便座が高いので何となく落ち着かないまま用を済ませ、水を流した時にしこたま驚いた。日本の水洗トイレよりも圧倒的に水量が多く、激流渦巻く便器の中で、ウシガエルと同サイズの巨大緑色カエルが流されまいともがいているのだ。便器にしゃがむ時には中を確認したので、これにはビックリ。キャラバンパークのトイレにあった張り紙に、「カエル君が入るので使用後はフタを閉めるように」とイラスト付きの注意書きがあった事を思い出す。小さなアマガエルなら理解できるが、目の前にいるのは巨大サイズ。「このカエルは一体何処にいたのか? 」「カエルはずっと便器の中から私を見ていたのか?」「まさか私の体内から?」「どうやって便器に入ったの?」などと、頭の中を様々な疑問が巡り巡る。少し躊躇したが、可哀想なので激流の中で溺れそうになっている巨大カエルを助けようと手を伸ばそうとした時、カエルは流れに飲み込まれていった・・・合掌。

 正午にマウントサプライズを通過。道路脇にある洗車レーンで土誇りにまみれたサファリを洗おうとしたが水不足で使用できない。何処もかしも乾ききって茶色っぽく見えるが、民家の庭先だけは潅水しているので緑が鮮やかで目が休まる。午後2時、ラーベンシューにある小川の横で休憩を取りながらステーキ・サンドウィッチを食べる。小川では数組の家族が水遊びの真っ最中。どこか日本の里山にある小川に似ているこの川はグランターの宝庫らしい。アサートンテーブルランドへ入ると、一気に景色が変わる事に気がつく。真っ赤な花を付けるファイヤーツリー、紫の花を咲かせるジャカランター、牧場や畑の緑色が目にしみる感じだ。「日光いろは坂」のようなクネクネ道を車酔いで気持ち悪くなりながらも我慢して通り抜け、富士山のようなピラミッド型の山の裾野をぐるっと回ってケアンズ方面とイニスフェイル方面へ向かう分岐点へ出た。ここまでくればケアンズは目と鼻の先だ。

〜 ケアンズに到着 〜


テリー宅 5KB 午後4時半にケビン宅へ到着。彼の奥さんに無事に到着したことを告げながら荷物を下ろす。ガレージで彼の所有するフィッシングボートを見せてもらった後、再会を約束してお別れ。そしてやっと午後5時過ぎにテリー宅へ辿り着いた。一服してから20歳になったライアン君の運転で近所のスーパーマーケットウールワースへ買い物に行く。因みに彼が運転する車は1,000A$で買った中古の日本車クレシーダ(トヨタマークU輸出仕様車)。外観・内装、走行距離とも日本ならとっくに廃車になりそうな状態だったが、乗ってみると快適。大切に乗れば日本車は長持ちする事を再確認した。

 道中、街の景色を眺めていたのだが、ここ数年における市街地周辺の宅地開発は目を見張るものがある。中心街におけるホテルの進出や増改築も進んでいるようであり、バブル景気っぽい雰囲気を感じる。もともと豪州人は貯蓄をする考えは余りなく「あるお金は使ってしまえ」という感覚が強いので、バブルが膨らみ始めたら一気に大きく膨らみ破裂してしまうのではないだろうか。

 ウールワースではお土産として、私のお気に入り強烈ミントキャンディー"フィッシャーマンズフレンズ"と"ミュージリーバー"を所望。ミュージリーバーはシリアルとドライフルーツを混ぜて板状にしたお菓子。コイツは釣りや残業で小腹がすいた時にとても重宝するのだ。いずれも日本では買えないので、自分が食べる分も合わせて山ほど購入。レジのお姉さんもその数に驚きながらバーコードリーダーで1個ずつチェックする。日本だったら1つだけバーコードを当てて後は個数をレジに打ち込むと思うのだが、延々と1個ずつ読み取っている。従って、打ち出されるレシートを笑えるぐらい長い。イライラしても仕方がないので、この間は左右をキョロキョロしながら、前回買い物に来た時に私の事を「チョコレートボ〜イ」と甘く呼んだ小太りのオカマちゃんを探す。残念ながら見つけられなかったが、彼の仕草を思い出し顔がほころんだ。

タックルショップ 5KB 夕食はマリアが作ってくれたTボーンステーキ&ポテトサラダを食べて満腹。TVでやっていたスターウォーズエピソードUを見た後、午後9時半に就寝した。翌朝は午前6時過ぎに起床。朝食後に荷造りを済ませる。ポッパーゲーム用に用意したパームスEDGE-603は一度も握らず使い心地は判らなかったが、トローリング用に用意したパームスEDGE-666は予想以上にキャスティングにも使え好印象を受けた。ルアーは新旧取り混ぜ100個以上を持ってきたが、実際使ったのは20個少々。「相変わらず無駄が多いなぁ」と一度も使わなかったルアーをしげしげと眺めスーツケースに収める。

 帰国準備が整ったところで、テリーと一緒に釣具店「タックルワールド・ケアンズ」へ足を運ぶ。この店には2月に来たばかりだが、一段と日本と中国メーカーのルアーが増えており心が沈んできた。今回、目に留まったのはエバーグリーンのビックベイト系ルアー。日本でもビックリ価格なのだが、ここでは目玉が飛び出るくらいのスペシャル価格だった。本当に購入して使う人がいるのか疑問に思うのだが、店頭にはかなりの数を揃えているので需要があるのだろう。期待をしていた豪州製のキテレツ系トップウォーターの姿はいつの間にか消えうせてしまったので非常に残念・・・。そこで日本国内では殆ど取り扱われていない14〜15cmのシャロー系ミノーを物色した。手に握り締めたのはサンドバイパースコーピオンニルズマスターなど。日本では丁度今頃、スズキが荒食いをしている頃に違いない。これらのルアーに飛び出すスズキをイメージしたら、なんとなく心がウキウキ弾んできた。たっぷり時間を掛けて物色している間、テリーは注文してあったG.Loomisのスピニングロッド(6ft、GL3)を購入。釣行時に折ってしまったので新しく買ったらしいが、スーティーグランター用として最適なロッドだと言う。握らせてもらったが、確かに硬すぎず、柔らか過ぎずT.Dポッパーを使ったトップゲームにはとてもイイ感じだった。

〜 終わり良ければ全て良し 〜


ジェットスター 4KB 飛行機のフライトまでに時間がタップリあったので、ケアンズ駅近くの釣具店「アースキンズタックルショップ」へ寄りたかったのだが、火事になって閉店しているとのこと。数日後に再オープンの見込みらしいが、この店には随分長い間足を運んでおらず久しぶりに行きたかったので残念。テリー宅に戻り、スーツケース内にルアーを詰め込み荷造り完了。うっかり手荷物にルアーを入れておくと、空港で没収されてしまうので要注意なのだ。午前9時半、テリーとマリアに空港まで送ってもらい、丁寧にご挨拶をして別れた。

 航空会社のカウンターがオープンされるまでベンチで暫く待つ。いつまで待っても私が乗るジェットスターがカウンターの正面モニターに表示されないので、不思議に思いフロアー内を歩いてみると、私が待っていた場所は間違いだった事に気がついた。ジェットスターの窓口は一番隅っこのカウンターに追いやられているのだった。既にカウンターはオープンしており、同じ便に乗る日本人が長い列を作っている。最後尾につくと、前の方で団体ツアーの添乗員さんが、水物の持ち込みと重量オーバーについて何度も繰り返し注意を呼びかけていた。特に「ジェットスターは重量制限が厳しいので、絶対に重量オーバーをしないように」と力説。「オーバーしたら何万円も追加料金がとられますよ」との案内を聞いた女の子達が騒ぎ出し、公衆の面前で次々とスーツケースを空けて荷物を詰め替え始めた。女性は着替えや化粧品が多いので何かと大変だとは思うが、スーツケースの中から次々と出てくる物の多さには周囲の皆が目を見張った。

 実は、重量オーバーは他人事ではなかった。閉まっているカウンターの計量器で荷物を測ると2kgオーバー。スーパーマーケットや釣具店で買った土産が原因なのは明白だった。しかし、ここは覚悟を決めてチェックイン。指摘されたらトランクを開けようと考えていたが、お咎めなしのスルーパスだった。竿が入っているバズーカは、毎回開封されて薬物反応のチェックを受けるのだが、これもスルーパス。おまけに確保した席が、機体最後尾の3列席に1人掛け。日本までは横になって眠りながら過ごす事が出来た。途中、気流が悪い所を何度も通ったので機体がガタガタと揺れ、着陸はビックリするほどヘタクソだったが無事に日本の地に足をつけられた。自宅までの道のりもスムーズで予定どおりに到着。今回の遠征における釣果は今ひとつの感があったが、事故もなく無事に完了。終わり良ければ全て良しなのだ。

前のページへ
バラマンディ攻略ルアー・インプレッション
オーストラリア遠征目次へ



トップページに戻る。
私へのメッセージは こちら へどうぞ。 

  
Copyright (C) tamatebako