豪州バラマンディ・フィッシング]X
陸っぱりで新展開

豪州バラルアー 5KB
豪州ではこんなルアーが一般的だったりする

擬似餌の玉手箱>豪州バラマンディ・フィッシング>'08/9遠征


'08/9/26(金)

〜 朝からアツアツ 〜


テリー&ボート 6KB 鳥達の賑やかな鳴き声で包まれて、午前6時15分に起床。テントの周囲には小さい穴が掘られているので、興味深く観察しているとテリーがバンディクートがエサを掘った穴だと教えてくれた。バンディクートは夜行性の有袋類でネズミを大きくした可愛いヤツ。昆虫やミミズを食べていて害はないのだが、夜中にカサカサ、コサコサ音がするのは、コイツやワラビーが犯人なのだろう。ワイルドターキーの様子を伺うと、落ち葉がこんもりとドーム型になった巣の上で熱烈な交尾中。雌鳥の上に雄鶏が飛び乗って、雌鳥の首を思いっきり嘴で噛んでいる。朝からアツアツなのである。随分激しい交尾の光景を目の当たりにして面食らった。

 朝食を頂いた後、茂みの中で飛んでくるハエの大群と格闘しながらトイレを済ませてボートに乗り込む。水面にはメラルーカの細長い葉っぱが落ち葉となって大量に漂っており、ルアーが使いにくそうだ。前日の午後は上流をキッチリと攻めたので、今日は下流域を主体に攻める。そして最下流部でボートから降りて、トレッキングしながら未知なるフィールドを探す予定。とりあえず最下流部へ向かう途中にある主なストラクチャーには竿を出し、今日のコンディションを確認することにした。先ずはボーンカラーのロングA(15A)からスタートし様子を伺う。

バラポイント 6KB 開始10分、最初に竿を曲げたのがテリー。ガマカツの2番フックを付けたラパラ・フローティングマグナムで53cmをキャッチ。ポイントは「リリーパット」「ストラクチャー」「日向」という3つの要素が揃った場所だ。水温が下がっている朝の内は、やはり陽射しが当たる側が良いようだ。因みに、彼がこのルアーを使うのを始めて見た気がするので「何故いつも使わないのか?」と聞いたところ「ハイフロートすぎるから」との回答。トウィッチをした際の動きが私の好みに合わないので使わないのだが、狙う場所さえしっかりと押さえていればどんなルアーでも案外釣れるのだろう。

 開始30分もしない内に強風が吹き始め、水面を覆っていた落ち葉が一気に岸際へ寄る。お陰で釣りはしやすくなったのだが、ボートコントロールは難しくなり、魚も沈黙。昨日までの実績ポイントを集中的に攻め立てたが反応はない。水深3mのエリアをボートで流しながら、目に見える倒木周りにルアーを打ち込む。私が使うのはシュガーディープで、テリーはシャッドラップ9シュガーディープに現れたバラマンディが反転して倒木下に戻る。そこにバックシートからテリーがシャッドラップを打ち込みバイト。船首にいる私が引き寄せた魚を後ろの人が釣ってしまうパターンは、よくあるパターン。"寝た子を起こす"バラ釣りでは、必ずしも船首に立つのが有利とはいえないのである。惜しくもこの魚はフックオフしてしまったが、今日の狙い目として倒木周りは、頭の中に強く刷り込まれた。

〜 エビのエスケープアクション 〜


エビ 5KB倒木周りで再びテリーがバラマンディを掛け、67cmをキャッチ。使っていたのはステーシーver2のゴースト系アユカラー。日頃、「透き通っている色はアピールが足りないので良くない」と言っている彼がゴースト系カラーで魚を釣り上げた。ここで私の探究心が湧き上がり、試しにとても目立つマットイエローのステーシーver2にルアーを交換。トウィッチ&ポーズを繰り返しているとガツンと出た。ボートへ一気に抜き上げた55cmのバラマンディはデッキで激しく暴れ、口から小エビを数匹吐き出す。

 要するにカラーよりも、アクションの方が重要なのである。ザリガニやエビが逃げる際に、後ろ向きにピンッ、ピンッと数回跳ねてスウッ〜と漂ったり沈んだりするのを見た事があるが、あのエビが逃げる様子、エビのエスケープアクションをストラクチャー付近で演出してやれば良いのである。そして大切なのはトウィッチよりもその後のポーズ。このポーズの間隔をどれくらい取るかによって、釣果に差が付いてくる。同船者が魚を釣った時は、トウィッチのタイミングを真似るのが手っ取り早いのだ。

 因みに、この魚はルアーが倒木に引っ掛かってパームスEDGE EGC-666を置き竿にしていたので、ライトゲーム用に用意してあるパームスEDGE EGC-603を使っている時にキャッチ。柔らかい竿なのでストラクチャーフィッシングでは60cmにも満たないバラマンディに主導権を取られがちになり苦戦。しかもフックを見ると前後とも伸び、非常にヤバイ状況だった。ヒットルアーになったマットイエローのステーシーver2は、浮力を稼ぐためステーシーver2普段使っているカルティバST56からST46に変更してあったのだが、やはりST46ではダメだと納得し、即座にST56を装着。竿も根掛かりルアーを回収したヘビーアクションのパームスEDGE-666に持ち替える。

〜 ディープホール発見 〜


金色バラ 5KB バラマンディがルアーに反応する場所は極めて限られており、私達は昨日からこのビラボンが沈黙傾向にあることを強く感じ取っていた。前日まで魚がいたポイントは不発続き。バラが反応するピンスポットを見つけられないと、釣果が全く伸びないような状況に苦戦する。リリーパットではZealのカスタムフロッグ・ポッパーコンバットフロッグとも沈黙し、反応するのは陽気な笑い声で鳴くワライカワセミのみ。ワライカワセミは何度も空中から偽物のカエルに襲い掛かり、咥えて持ち去ろうとする。

 活性が高い魚が潜むピンポイントを見つけるには、船首にいる私が出来るだけキャスト回数を増やしてバラマンディを探すしかない。大漁レッドアイを装着して精悍な顔つきになっているアムニス1を連射しトウィッチしまくる。幅広ボディが水中でヒラを打つように操作し、ギラッ、ギラッと光を反射させプレデターを呼び寄せる。ルアーを目で追っていると、ルアーの目前まで出てきたバラマンディを発見。すかさずテリーに伝え、魚が出てきた場所に2人で集中爆撃する。テリーが試しに使ったフェイクベイツのテストモデルに45cmの黄金に輝くバラマンディとスパングルドパーチが相次いで飛び出した。ソルト系のバラマンディは銀色に光り輝きメタリックっぽくで格好イイのだが、往々にして淡水系のバラは色黒。しかし、このバラは強い日差しに当たってゴールドに輝いていた。

 バラの後に釣れたスパングルドパーチの姿は、スモールマウスバスのような、日本のフナのような魚。スパンコールを散りばめたようにキラキラ輝くので、こんな名前が付いたに違いない。テリーが立て続けに魚を釣り上げ、小さめなルアーに反応が良いようなので、私は直ぐにルアーを交換。取り出したのは、小粒でもピリリと辛いハードコアSH60SP。小気味良くトウィッチしているとロングトムが激しくバイトした。

スパングルドパーチ 4KB ロングトムはダツみたいな魚で、オーストラリアでは1.5m位まで育つらしい。これまで見たロングトムは最大でも50cmくらいか。水面近くをいつもウロウロと泳いでおり、小魚や水面に落ちた昆虫を食べている。サヨリを大きくしたような感じでもあるが、口の形が違う。サヨリは上唇が短く、下唇が極端に長いのだが、ロングトムは上下、両方が長く伸び歯が付いている。細い口なのでフッキングが結構難しく、今回も派手なバイトだったにもかかわらずフックセットが決まらず逃してしまった。

 ボートを更に進める。魚探を見ていたテリーが「ディープホール」を発見。「日陰」で「倒木」が沈んでおり、3つの要素が重なった確実にバラマンディが潜んでいると思われる場所だ。水深は4m程度なので、シャッドラップ9をチョイス。1投目、トウィッチ後にポーズを長めにとりルアーをゆっくり浮上させていると、突然ラインが横に走りルアーを引っ手繰られた。すかさず巻き合わせをしてフッキング。元気一杯、ファイトしまくったバラマンディは50cmだった。続いて、テリーがシャッドラップ9で67cmをキャッチ。やはり彼もロングポーズで魚にルアーを食わせたようだ。このバラも猛烈ファイターで、口から外したルアーはバキバキに壊れていた。

〜 歴戦のシャッドラップ 〜


バラポイント 6KB 何故かシャローエリアでの反応が乏しいので、ディープホールを探しながらボートを進める。水中に大きなロックバーが横たわり、その先が一気に深くなっている場所を発見。直ぐ上に岸際から倒れ掛かってているメラルーカの大木があるため、キャストできる場所が非常に限られている。ミスキャストをすれば確実に倒木に引っ掛かり、ルアー回収のためにポイント潰すハメになる。慎重にキャストをきめて反応を伺う。2投目は1投目よりもトウィッチの後のポーズを長めに取っていると、いきなりルアーが引っ手繰られアンタレスARから一気にラインが引きずり出された。ここで無意識に親指でスプールを押さえてしまい火傷。痛む親指を気にしながら魚の動きに追従する。狙いどおりにバラマンディがヒットして、しかもサイズはかなり大きい。「あせるな、あせるな」と自分に言い聞かせ、パワフルなファイトにぐっと堪える。突進が止まったので「これからが勝負」と体勢を整えた時に、フワッとラインテンションが緩みフックオフ。魚が反転した時にフックが外れたようだった。

 猛ファイトで場を荒らしたので、このポイントはダメかと思いきや、再びシャッドラップ9のロングポーズにヒット。そして、またしても魚がデカイ。トウィッチの姿勢から、素早く竿を立てて体勢を整える。ラインが唸りながら引きずり出され、何かに擦れている感覚が手元に伝わった時に25LBのファイヤーラインがブレイク。多分、水中に沈んでいる岩と擦れて切れたのではないか。ガックリしてラインシステムを組みなおしていると、すぐ向こうでデカバラが体の半分以上を水面上に出して激しくエラ荒いを繰り返している。歴戦のシャッドラップを振り払おうとしているに違いない。「ルアーは外れるかな」とテリーに言葉を投げかけると、「外れなければ徐々に弱って、ワニのエサになるだろう。」との返事。無事に魚の口からルアーが外れるのを祈るしかない。

 シャッドラップは豪州遠征で使用する頻度が極端に高い。前述のとおり使用中に壊れたり、ロストするので、各サイズとも必ず予備をボックスへ詰め込んで来るようにしている。しかし・・・SR9は近隣の釣具店で取り扱っておらず、カラーによってはメーカーや問屋の在庫もないような状況なので確保が難しくなっている。従って、バラが咥えて行ったルアーに諦めが付かず、浮いてこないか暫く周囲の水面を探した。その後は、DDパニッシュに1バイトあったがファイト中にフックオフ。魚はそれ程大きいとは思えなかったが、何だか歯車が噛み合っていない様な奇妙な感覚を持ったので、この場を後にする。

〜 陸っぱりで新展開 〜


ビラボンのデカバラ 6KB 正午前、ビラボンの最下流部へ到着。岸際にボートを係留し、陸っぱりのために身支度を整える。握る竿は勿論1本。ウエストバックに必要最小限のルアーを入れ、水を入れたペットボトルとペンチを腰にぶら下げる。ポケットには、命の次に大切なパスポートとサイフ、デジカメ、ビクトリノックス・ナイフ、メジャー、ボールペン、ノート、虫除けなどの薬、そして食料としてミュージリーバーとキャンディーを詰め込む。一方、テリーは、頬擦りしながらオーシャングリップを握り締めた後に腰へぶら下げ、大きめなウエストバックにはルアー、ショックリーダー、ルアー回収器、ビスケット等を詰め込む。そして最後にペンチ、ペットボトルをセット。これでゴチャゴチャとガラクタ(!?)を身に付けたMr.ガジェットのコンビ結成となった。

 雑木林の中、獣道をトレースしながら歩く。日本だったら蜘蛛の巣を気にしなければならないのだが、ここには巣を張るような蜘蛛は生息していない様子。とても有難いのだが、日本にはいない毒蛇や毒を持った虫がいるようなので要注意。地図もなく、水辺も見えないので、釣りが出来るようなビラボンがあるのか全く判らないまま、落ち葉や雑草に足を取られながらひたすら歩く。15分程、歩いたところで目の前に水溜りが見えた。魚が住めるような所ではなく、単なる水溜りだったが、干上がった川床を少し歩くと細長いビラボンへ繋がっていた。魚がいるのかどうか判らず、開始早々から根掛かってルアーをロストするのも嫌なので、サミー115で広範囲に探りを入れてみることにした。

サミー115 6KB フルキャストしなくてルアーが対岸に届いてしまうくらいの川幅しかない。対岸ギリギリにルアーを落とし、テンポ良く動かしていると水柱が立つほどのビックバイト。空振りに終わったので急いでルアーを回収し、同じコースへを通す。しかし、反応がないので3投目のキャストモーションに入った時にテリーの竿が曲がった。中国製の怪しげなリップの長いディープルアー。サイズは50cm程だったので、私のサミー115にバイトしたヤツとは違う。逃した魚は針掛かりはしなかったので、再びチャンスが訪れることを期待してドックウォークをさせていると再度爆裂バイト。水面で激しくエラ洗いをする魚を徐々に引き寄せる。相場が高かったのでランディングに戸惑っていたところ、テリーが斜面を滑り降りてオーシャングリップで掴み、直ぐに水際から遠ざかる。バラマンディが暴れている音を聞きつけてワニが近寄ってきている可能性があるからだ。

 サミー115をバックリ咥えていたのは75cm、4.7kgの油が随分のっていそうな肉厚のヤツ。このサイズが開始早々からトップに出るということは、このビラボンがここ数日の間、手付かずに温存されていたに違いない。2匹目を狙ってサミー115を引きまくる。30分程の間に2回バイトがあったのだが、いずれもカラ振りに終わる。我が家からそれほど遠くない里山にある野池みたいな所でトップウォーターにデカイ魚がドカン、ドカン出るのだから、ドキドキ・ワクワクのしっぱなし。フッキングに持ち込めなくても楽しくてしょうがない。 一方、テリーは中国製ディープルアーシャッドラップ8を使い手堅く45cmのバラを2匹釣り上げていた。

〜 崖っぷちキャスト 〜


崖上 6KB 周囲を一通り打ちまくって反応が途絶えたので、雑木林の中を歩いてキャスティングができる場所を探す。全体的に切り立った崖になっており水面までは3m前後ある。倒木とスイレンが絶妙なストラクチャーを形成しているのだが、キャストをするスペースがなかったり、足場がなかったりして思うように竿を出せず悔しくて仕方がない。切り立った急斜面だが、キャストできる空間がある場所を発見。岸際の大木が水中に崩れ落ち、崩れ落ちた場所がオープンスペースに、そして水中に横たわった大木は絶妙なバラマンディ・ポイントになっているのだ。足場は高かったが、先ずはロングAを試す。崖っぷちキャストは危険が伴うので、足場をしっかりと固めてから竿を振る。

 水中にある倒木の枝分かれ部分を狙ってルアーを打ち込むと、待っていたかのように爆裂バイト。倒木の下からバラマンディが浮き上がり身を翻してヒット。遊んでいると倒木に巻きつかれてしまうので、竿の剛性を信じて一気にゴボウ抜きをし、そのままのけぞりバックドロップのような体勢で崖の上に魚を放り上げる。サイズは50cm。これ以上、大きいと抜き上げるのは難しかったかもしれない。この魚をリリースした後、少しルアーを潜らすために豪州製ウッドルアーのクーラーバングに交換。リトリーブして潜らせてから移動距離の短いトウィッチをして同サイズを2匹追加した。一方、テリーは少し離れた場所からテクニカルキャストで同じ倒木を狙い打つ。彼はシャッドラップ8で50cm前後を2匹キャッチ。これを最後に、この倒木ポイントは沈黙した。

 次なるハッピーポイントを探しながら、所々で竿を出す。幹が太くて枝が複雑に付いている倒木には大きな魚が、幹が細い倒木にはサイズの小さい魚が付いている様子。幹が細い倒木でクーラーバングを使い40cm弱を2本追加したがサイズアップしそうもないので、足早に次へ移動。テリーはこの間、シャッドラップ8で55cmを1匹追加していた。足場が高い場所では、ロングビルタイプのフローティングルアーが非常に有効。足元までルアーを引けるだけではなく、リップが長いためストラクチャーとコンタクトしても引っ掛からず、ルアーの動きを止めれば浮かび上がってくるので根掛かりの心配が軽減されるのだ。

〜 夕マヅメの勝負 〜


ビラボンフィッシング 7KB 暫く歩き進むと、開けた場所に出た。ここが、このビラボンの最下流部。水深は一気に浅くなり、小魚が泳ぎ回っているのが見える。時計を見ると針は午後2時を示している。キリが良いのでココでUターンしボートまで戻ることにした。腹ペコ状態なので足取りが怪しいが、テリーから「毒ヘビに気をつけろ」と注意を促されているので、周囲に目配せをしながら獣道に沿って歩く。地面を良く見ると、ワラビーの糞や野豚の足跡、水際にはワニが水の中に滑り降りた時の跡が残っているのに気がつく。危険回避のためテリーが大股で歩いた後を極力トレースするように足早に歩き、無事にボートを係留した場所に辿り着いた。

 ボートを走らせキャンプサイトに到着したのが午後2時半を回っていた。サラミとトマトのサンドウィッチを手早く作り、冷えたジンジャーエールで胃の中に流し込む。因みに、ケアンズで売っているシンジャーエールは日本で飲むジンジャーエールとは違い、本当にジンジャー(生姜)の味がするのだ。しかも、メリハリの効いた、かなりキツイ味。昔からジンジャーエールを飲むたびに「何故、ジンジャーエールと呼ぶのだろう?」と気になっていたのだが、コイツを飲んではっきり理解した。喉にピリピリくるほどジンジャーが効いているこのジンジャーエールは、暑い時にピッタリな飲み物だ。

 食後は1時間ほどゆっくり昼寝をする。釣りを再開したのは午後4時過ぎ。夕マヅメの勝負に挑むため、今度は上流へと進む。強風が吹いたので水面には、メラルーカの茶色い葉が無数に落ちている。「この光景は日本の秋に似ているよ」とテリーに伝えると、「オーストラリアでは日本と逆で春に落葉するんだ」と言う。私はオーストラリアの樹木が季節によって落葉するということを全く知らなかったので、このことにいたく感心した。勝手な想像なのだが、もしかしたら、これは遥か太古に大陸が1つだった頃の痕跡なのかもしれない。今では大陸が北半球と、南半球に分かれ季節は逆転してしまったが、植物には昔からの生理生態が残っていて、同じ時期に落葉するのではないだろうか。

夕食 4KB 夕暮れが徐々に迫ってくるので、要所要所のみのチェックをする。複雑に枝葉が絡み合ったポイントでテリーがアスリートSP9で50cmのバラを1匹釣ったが、後が続かない。次の場所へ移動し、私がシャッドラップ9で60cmをキャッチ。昨日、デカバラをバラした特上ポイントでは、テリーが突然、「イェス、イェス!!」と叫んだのでビックリした。何かと思って彼を見ると私のルアーを指差している。丁度、テリーが私のルアーを見ていた時に、良型のバラマンデイがルアーに襲い掛かったようだが、私はよそ見をしていて全く気がつかなかった。

 午後5時半になったところでUターン。帰りは一発勝負でウーンデットザラUで水面を激しく泡立たせながら引きまくる。一方、テリーはハルコ4+を使ってトローリング。両極端な攻め方だが、どちらかに魚が出ればすぐさま作戦を変更する予定だった。しかし、お互いワンチャンスもなく午後6時過ぎに納竿。午後の部は特に風が強く、魚が沈黙してしまった感じがする。特に上流部は魚の活性が低く、お手上げって感じが強かった。晩飯は久しぶりに食べる白いご飯に感動した。おかずは鶏肉と色とりどりの野菜を合わせた野菜炒め。醤油で味付けをしてコショウと塩で味を整えた。簡単な料理なのだが、キャンプをしながらいただく食事では、何を食べても旨いのである。

〜 隣人との作戦会議 〜


作戦会議 6KB 食後はシャワーを浴びてボートに乗り、隣人であるバーリントン親子のキャンプサイトを訪問する。そして、自己紹介をしながらの握手。握手をするたびに思うのだが、「豪州人はなんでそんなに力を入れて握るのか?」と思うくらいにガッチリ、力強く手を握るのだ。初日に挨拶を交わしたパークレンジャーも自分の力を誇示するがごとぐ、ギュッとデカイ手で握られ痛い思いをしている。ソフトタッチだと馬鹿にされ、信用されない気もするので、負けないようにガッツリと握るようにしているのだが、多分ひ弱なヤツだと思われているに違いない。

 彼らはケアンズでワニの剥製を作っているのだが、息子が春休みなのでキャンプに来ているらしい。乗っている車は、古いトヨタのフォーランナー(日本名:ハイラックスサーフ)。日本では1984年から発売されたトラックタイプのハイラックスの荷台にFRP製シェルトップを被せた懐かしいモデルだった。日本ではお目に掛かれなくなってきたが、厳しい道路事情の中で酷使する事が多い豪州で、未だに現役で走っているのには驚くばかりだ。

バラ用巨大ルアー 6KB ボートを持っていない彼らは、トレッキングをしたり、釣りをしたり、本を読んだりと、のんびり自然を楽しんでいる様子。息子は無口なのだが、身振り手振りを加え、声高にワニとの格闘劇を話す裸の親父さんの話は、言葉が理解できなくても楽しかった。そして私達からは、この4日間の釣果を紹介。90cmUPが釣れた事、トップウォーターに反応が良かったこと、昨日あたりから反応が悪くなってきたのでトレッキングで別のビラボンヘ行った事などアレコレ話す。明日の作戦を練るため、準備良く地図を持ってきたテリーが周辺の釣りが出来そうなビラボンの位置を教えてもらう。

 彼らがどんなルアーを使っているのか、とても興味があったので見せてくれるように頼むと、親父さんがビニール製の巻物を取り出してきた。紐をほどき、巻物を広げていくと、名前を知らない巨大なルアーがゴロゴロ出てきた。ルアーは極太フックとリングが装着されているリップが大きなディープダイバー系ばかり。「これは小さいな」と思って手に取ったルアーは約13cmあるハルコ4+だった(笑)。因みに、タックルは親指くらいの太さがある短めな竿と太いナイロンラインを巻いたアンバサダーの組み合わせ。こんなタックルでピンポイントキャストが出来るのかと疑問に思うのだが、所かまわずOZパワーでブン投げているに違いない。

4日目の釣果結果

TOSHI

TERRY

バラマンディ

9

11

スパングルドパーチ


1



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