豪州バラマンディ・フィッシング]X
魚を求めてトレッキング

広い空、広い大地 5KB
豪州の大自然を満喫

擬似餌の玉手箱>豪州バラマンディ・フィッシング>'08/9遠征


'08/9/27(土)

〜 魚を求めてトレッキング 〜


トレッキング 7KB 目覚まし時計をセットしているワケでもないのに前日と同じく6時15分に目覚める。つくづく人間の体内時計は凄いと思う。朝食は、テリーがシリアル、私は前夜残ったご飯を卵でとじて炒めご飯を作って食べた。トイレを済ませ、日焼け止めと虫除け薬をたっぷり塗って準備完了。午前8時前にボートへ乗り込む。本日のプランはビラボンの最下流部からブッシュウォークをして、昨日下見をした隣のビラボンを陸っぱりで攻めるというもの。

 最下流部へ行くまでに、数々のおいしいポイントがあるので素通りするのはもったいない。持参したルアーをアレコレ交換しながら要所要所で打ち込んでボートを進める。何をどうしたかったのか製作者の意図が全く理解できない新商品AXA80にてこずった後、X-80トリックダーターT.Dシャッドシャッドラップ8を相次いで投入。バラマンディのチェイスがあったのは往年のT.Dシャッドのみで、あまりの渋さにテリーと顔を見合わせる。これまで実績のあった場所ではアンカーを打ち、じっくり狙ったが反応はない。「きっと昨晩、派手なパーティーがあったに違いない」と諦め顔で言うテリーに賛同する。寝ている魚を起こすため、目覚まし時計代わりにウーンデットザラUを派手に引き回した後にシャッドラップ8を投入。しかし・・・全く反応を示さない。水温を測ってみると25℃。やはり27℃は欲しい気がする。

鉄砲魚 7KB 午前9時半、魚を手に出来ないままビラボン最下流部に到着した。陸っぱりの準備を整え、アレコレ必要なものを身に付けてMr.ガジェットに変身。雑木林の中を獣道にそってザクザク歩く。15分、たっぷり歩いてビラボンに無事到着した。先ずは昨日魚がいた場所に陣取り、実績のあるシャッドラップ9を投入。しかし、たまにバラマンディが様子見に近寄ってくるだけでバイトには至らない。その後、スライトエッジX-80トリックダーターラパラCD9シュガーディープを投入すれども反応はない。テリーも同じような状況なので、移動しながら活性の高い魚を探すためトップウォーターで広範囲に攻めてみる。

 開始1時間が経過。テリーが使うラドスケールにドカンと出た。激しいバイトだったが、キャッチしたバラマンディは47cmと小振りなヤツ。しかし、他のルアーで魚が反応しない中、彼はまさかトップに魚が出るとは思っていなかったようで、とても驚いていた。水温が上がってきたためか、鉄砲魚が動き始める。私の操るサミー115に何度もアタック。やっとフッキングしたのは25cmだった。トップウォーターはバイトの瞬間が見えてホント楽しい。たとえ魚が本命でなくても、気持ちが高揚するのだ。

〜 再びクリスマスツリー出現か 〜


マングローブジャック 6KB サミー115を投げ続けていると、40cmと55cmのバラマンディが相次いで飛び出した。コレを見ていたテリーはモーグルペンシルに交換。ドックウォークをさせているとドカンとヒット。40cmのバラマンディをキャッチした。このエリアのバラマンディは、ポッパーよりもペンシルベイトのドッグウォークに反応するので楽しくてしょうがない。オープンスペースがあったので2人並んで竿を振る。対岸ギリギリにテリーがラドスケールをブン投げ、アクションを開始した直後に水柱が上がるほどの爆裂バイト。

 当然、バラマンディだと思い込んでいたのだが、エラ洗いをしない。川底に向かって竿をグイグイと引き込むほどの持久力のあるパワフルなファイトを続けるので、手を休めて横で見守る。崖下に寄って来た魚は赤っぽい色をしている。明らかにバラマンディとは違うので、何だろうと不思議に思いながら見ていると、やっと水面に顔を出した。そいつは鋭い歯を持ったマングローブジャック。テリーが水辺まで滑り降り、オーシャングリップでガッチリ掴む。色鮮やかでデブデブに太って腹ボテ状態のマングローブジャックは47cmだった。

テリー&バラ 7KB 近くにもう1匹いるようなので、2人で対岸を狙ってフルキャスト。するとテリーがキャストミスで対岸の樹木にラドスケールを引っ掛けてしまった。彼は懸命に竿を振り、ルアーを回収しようとするが取れる気配はない。これに見かねて、ラインが切れる前に助け舟を出す。対岸まで届くルアーはアタリ針のサミー115しかない。キャストミスをすれば、これも引っ掛かる可能性も高く、日本製ルアーがぶら下がったクリスマスツリーが出現する事になる。

 過去の釣行では、同様の場面で川の真ん中にクリスマスツリーが出現し、今でも笑い話になっている。諺どおりミイラとりがミイラになるかもしれないがチャレンジすることにした。フルキャストはコントロールが難しいのだが、数回のキャストで運よくラドスケールが引っかかっている枝葉に届いた。そう何回も同じことが出来るようには思えないので、慎重にルアーを絡めとって力任せに引っ張った。とてもヒヤヒヤしたが、どうにか無事に回収。2人でガッチリと握手をかわす。

〜 シャッドラップの底力 〜


バラマンディ 7KB キャストが出来る場所を探しながらブッシュウォークを続ける。常に水面が見える場所を歩けるわけではなく、「迷子になっていないか?」と心細くもなるのだが獣道を進む。水際を歩いた際にフレッシュな血糊を見つけた。水を飲みに来た動物がワニに襲われたのかもしれずゾッとして周囲を見渡す。すると、私達が進む獣道に沿って点々と血の跡が続いていた。雑木林の中を進むと気配を感じ、斜め前を見上げるとワラビーがじっとこちらを見ている。逃げないので少しずつ近づくと、片方の足を引きずりながら小走りに逃げていった。怪我をしていたのは可愛らしいワラビーだったのだ。

 午後1時、太陽が頭上を過ぎた頃、テリーが再びラドスケールで爆裂バイトをものにして60cmのバラマンディをキャッチした。しかし、トップウォーターへの反応はこれを最後にピタリと止まり、ビラボンは沈黙した。真上から強く照りつける日差しで、魚が沈んでしまった様子。ここで、シャッドラップ9を取り出す。倒木周辺にキャストをして激しくトウィッチをした後に、ポーズを入れてフワッ〜と浮かす。このポーズがとても大切で、魚のコンディションに合わせポーズを取る長さを調節するのだ。この釣りはテリーが大得意。彼はゲストである私の事を忘れて釣りに没頭。ピンポイントにルアーをバンバン打ち込み、多彩なトウィッチで魚を引き寄せる。

アリ塚 6KB シャッドラップ9に交換して間もなく、彼が55cmのバラマンディをキャッチ。同じポイントに他にも魚がいるようなので、彼の指示に従って私もシャッドラップ9を打ち込む。ハンドルを急速に4〜5回転させてルアーをダイブさせた後、2段トウィッチをしてロングポーズ。そして再び2段トウィッチをしてロングポーズ。ポーズの時に狙いどおりガツンと出た。倒木に巻きつかれないように強引に魚をオープンエリアに誘導し、主導権を相手に与えないようにして一気に足元までゴボウ抜きをする。シャッドラップ9をバックリと咥えていたバラマンデイは良く肥えた色黒の50cmだった。他のルアーでは反応しないのだが、シャットラップだと簡単にバラマンディを引き寄せることが出来る。やはり、これはシャッドラップの持つ底力なのだろう。

 キャストできるオープンスペースを探しながら雑木林の中を進むと、いつしかビラボンの最下流部に到着した。ビラボンの周辺は緑で覆われているがくるっと振り返えると、茶色い荒れた原野が広がる。地面からはアチコチで竹の子のお化けのようなアリ塚がニョキニョキと天に向かって伸びている。一番高いアリ塚で、てっぺんまでの高さは3m程度か。表面を触ってみるとコンクリートで固めたようにカチカチ。ちょっと蹴飛ばした程度では崩れもしない。テリーの協力を得ながらアリ塚によじ登り記念撮影をする。

〜 対岸へ移動 〜


ビラボン最下流部 5KB ワニに注意をしながら浅瀬を渡り対岸へ移動した。そこはどうやらキャンプサイトのようで、雑木林の中にフラットな場所があり焚き火をした跡が残っている。放置された空き缶やゴミが真新しく、この数日間でここを使った人達がいた様子。基本的に豪州人はゴミをその辺に捨てたりせず、持ち帰るという習慣が身についているようで何処もきれいなイメージがある。しかし、中には心無い人もいるようでとても残念だ。オーストラリと日本が圧倒的に違うのは、海や河川にゴミがなく魚釣りをしていてとても気分が良いこと。この気持ち良さを是非多くの人達に味わって欲しいと思うと共に、自分も自然を汚さないよう気を配りたい。

 時計を見ると午後2時近い。増水時には水没しているであろう川原の岩場に座り、手早くサンドウィッチを作って昼食にする。アウトドアで座ったりする時は、そこに虫や蛇がいないことを確認することが大切。ここは日本とは違うのだ。丁度座り心地が良さそうな倒木は要注意。そこには様々な生物がいる。痛い思いをするのが緑色のアリ。いつのまにか体によじ登ってきていて、所かまわず噛みつくのだ。幸い毒は持っていないので痛い思いをするだけなのだが、髪の毛の中やシャツ、ズボンの中に遠慮なく入り込み、ガブリとやるから堪ったもんじゃない。

樹上のテリー 6KB 食後は左岸を攻め上がりながら、ボートを目指す。午前中に攻めた対岸と比べると、こちら側は明らかに竿を出せる場所が少ない。苦労して足場を確保し、確実に魚がいそうな倒木周辺を攻めても魚が出なかったりしてガックリすることも暫し。数々のポイントにシャッドラップ9を打ちまくって、枯葉の集まる小さなワンドでやっと30cmのバラマンディをキャッチ。足早にブッシュを掻き分け進んで行くテリーに遅れを取りながらも、シャッドラップ9で丁寧に探って50cmのバラと28cmの鉄砲魚を追加した。

 対岸からは攻められなかった中央に倒木があるワンドに到着。明らかにそこにはバラマンディが潜んでいそう。テリーも指を差して「あそこを狙え」と言っている。サミー115に交換しキャストをすると、予想以上に飛距離が伸びて倒木を直撃。思わず「うげぇ〜」と声が出た。手前に落とすつもりが大失態。ピッチングをやるため、ブレーキを緩めていたのを忘れていた。カルティバST56のフックがザックリと倒木に刺さっているため、ちょっとやそっとでは外れそうもない。柔なフックなら強引にフックを伸ばして回収する方法もあるのだが、それも無理っぽい。このルアーは今回の遠征のアタリ針なので、ロストしたくない一身で回収しようと努力したがギブアップ。テリーにヘルプ宣言をして竿を渡す。彼は何度も激しく竿をしゃくってルアーの位置を手前にズラし、ボロいリーズルアーを取り出して数回キャスト。ドンピシャでサミー115に引っ掛け、無事にルアーを回収してくれた。さすが一流のガイドだ。

 足元が切り立った崖のようになっている場所が殆どなので、使えるルアーが極めて限られてくる。ウエストボックスに入れてきたルアーを取り出し、何かないかとチェック。スライトエッジに気がつき、足元に垂らして数回しゃくってみた。するとエビが跳ね回るようにイイ感じでアクションする。しかもその動きはラパラのアイスジグを使ったフィギュアエイトみたい。これは使えそうだと思ったが、魚の反応がないため交換。続いてシングルフックに交換し、障害物回避性能を高めたシュガーディープを投入し鉄砲魚をキャッチ。シャッドラップ8に変えて50cmのバラマンディを追加した。一方、テリーはシャッドラップ9で45cmと50cmのバラをキャッチ。

〜 吸血チックに要注意 〜


トシ 4KB 午後4時、ぐるりとビラボンを周ってスタート地点に戻ってきた。疲れが溜まっていたので本当は一服したかったのだが、雑木林の中をボートまで一気に歩く。足早に歩くテリーの後を必死に追いかけながら、やっとボートに辿り着きデッキにどっかりと座り込んだ。すかさず冷たい水をガブ飲みして、ポテトチップを摘んで塩分補給。夕マヅメに備えて体力の回復を図る。ついでにハードな釣行で傷ついたショックリーダーを交換し、ノットを結びなおし気持ちも切り替える。

 キャンプサイトに戻りながら、サミー115を投げまくる。すると直ぐに30cmの鉄砲魚が飛び出した。これを見てテリーが「また、鉄砲魚か。オレは1匹しか釣っていないぞ」と笑う。初日の試し釣りもカウントすると正しくは2匹なのだが、確かに彼が指摘するとおり明らかに私が釣る鉄砲魚の数が多い。やはり、これは攻め方の違いだろう。トップウォータールアーを多用すると鉄砲魚が出やすくなるのだ。

 サミー115を投げ続けていると、バラマンディがビックバイト。これにはテリーも驚いていたので、彼に予備で持っていたサミー115を貸し出す。アクションの付け方をレクチャーし、彼が使い始めると直ぐに水面が割れた。バラマンディが私達の目前で打ち上げ花火のような3連ジャンプを繰り広げる。サイズは55cmだったが、やはりコレくらいの魚が最もアグレッシブだ。彼にサミー115を任せ、私はガニッシュ115に交換。投げまくっていると、キャンプサイト直下にある切り株の所でビックバイトがあったのだがフッキングには至らなかった。

隣人訪問 6KB 明日の釣行最終日は別のビラボンを陸っぱりで攻めることにしたので、使わなくなるボートを夕食前に陸へ引きずり上げる。外観はバス釣りで見るようなアルミボートなのだが、ハードユースに耐えられるよう随所が強化されているのでクソ思い。足元は悪く、きつい斜面なので途中までボートを引き上げ、船首にロープを結んで車を使って豪快に引き上げる。ヘナチョコなアルミボートだったら、これで船体が歪みリペットが飛んでしまうに違いない。

 食事前、シャワーを浴びる私にテリーから「ブッシュウォークをしたから、体の隅々を確認しチックが付いていないか確認しろ」と声が掛かる。「特に足や首、股や脇の下を良く洗え」と言う。チックとはダニのこと。ダニが伝播するライム病というやっかいな病気があるのだが、オーストラリアでもあるのだろうか・・・。「吸血されると病気になるぞ」と脅されたので、石鹸をたっぷりつけてゴシゴシ洗う。豪州遠征でのブッシュウォークは、肌の露出部にディートの成分量が高い虫除け薬を塗ること。そして必ず靴下を履き、ズボンはスピンドルコードで裾を絞れるタイプ、長袖シャツは必携で、帽子は必ず被り、首には日除けも兼ねたネックカバーかタオルを巻いて虫の侵入を避けるべきだろう。自分では完璧だと思っていても、背中に緑アリが入り込み噛まれたりするぐらいだから安心は出来ないのだ。

 夕食にスパゲティとチキンを食べ、ラム酒を飲んで上機嫌となっていた頃、隣人であるバーリントン親子がフォーランナーで遊びに来た。お茶を飲みながら彼らが差し入れてくれたビスケットをかじって楽しい団欒を過ごす。テリーがサミー115の凄さを彼らに力説するがピンとこないようなので、薄気味悪い水辺に立ち、ライトで周囲を照らして即席のセミナーを開催することになった。豪州でのトップウォーターと言うと、ポッパーかペラが付いたスウィッシャー(FUZZ)が主流で、ペンシルベイトの影は極めて薄いようだ。従って「サミーがどのように動くのか」「ドックウォークとはどんな動きなのか」を実際に動かしながら説明する。親子はルアーのアクションを見ると驚きの声を上げ、豪州での価格を聞いて再び驚きの声を上げていた。

5日目の釣果結果

TOSHI

TERRY

バラマンディ

6

7

マングローブジャック


1

鉄砲魚

4




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