バラマンディ・フィッシング][
サラトガを探して

夕食 5KB
今宵の晩飯もボリューム満点


擬似餌の玉手箱>豪州バラマンディ・フィッシング>'11/9遠征


'11/9/18(日)

〜 ベジマイトに挑戦 〜


シゲさんとベジマイト 4KB 昨晩は疲れ果てて午後9時には寝てしまったのだが、真夜中に目が覚めてオシッコに。頭上の月は目がくらむほど眩しく、後部デッキが明るく照らされていて驚いた。オーストラリアの夜空は、言葉に出来ないほど無数の星が輝き素晴らしいが、月の輝き具合も特筆すべきだろう。時折、テリーが「満月の時は釣れない」と嘆くが、これだけ明るければ、魚達は一晩中動き回って、昼間寝ているのではないかと思わずにはいられない。

 アラクン釣行3日目となる今日は午前6時に起床。明け方はぐっと冷え込み、肌寒く感じる程だった。通路を挟んで向かい側の部屋で寝ているシゲさんは、午前4時半頃から起きていたらしい。日本でも早起きらしいが、時差の関係で1時間早く起きていそうな感じ。朝食はミルクと蜂蜜をたっぷり注いだシリアルとトースト。テリーの勧めで、久しぶりにベジマイトに挑戦。見た目はチョコレートクリームみたいだが、美味しくない事は知っているので、言葉どおりチャレンジするってレベル。少しだけパンに塗って、パクリと食べてみた。

朝食会議 6KB やはり、昔食べた時と同じ。塩辛いばかりで、美味しいとは思えない。野菜を発酵させて作った健康食品なのだが、例えるなら味噌をパンに塗って食べる感じか。日本人でも慣れてくると美味しく感じるらしいが、私にはちょっと無理っぽいのでマーマレードで口直しをする。一緒にチャレンジしたシゲさんは、まんざらでもない様子。テリーはトーストにバターとベジマイトをタップリ塗ってパクパク食べている。OZ達にとって、ベジマイトはなくてはならない食品らしい。

 テリーはジェフからアーチャーリバーの支流、通称リトル・アーチャーリバーの様子を聞いている。上流域にはサラトガがいるらしく、中流域には水底にあるロックバー周辺でバラマンディが良く釣れるらしい。ボート上からロックバーは見えず、広大なエリアでは山たても困難。ピンポイントを探して竿を振るためにはGPSが絶対に必要だ。ジェフに携帯用のGPSを借りて、バッテリー残量を確認しつつ操作方法を教えてもらう。

〜 入れ食いのハッピータイム 〜


アリ塚群 4KB 魚釣りに夢中になっていると、つい水分摂取を怠りがち。クソ暑く乾燥している炎天下で竿を振り続けるには、適切な水分補給が必要なのである。3人とも適宜、水やらソフトドリンクを飲んでいたのだが、昨日は夕方になって飲み物が底を突いていた。今日はそんな事がないように、水を多めに船に持ち込む。因みにピクーの水は、ポンプで取水した水を強力なフィルターで濾過したもの。特にお腹を壊すこともなく、極普通に飲めるのがありがたい。

 タックル一式とGPS、スーさんが作ってくれたサンドウィッチをボートに積み込み午前8時前に出船。リトル・アーチャーリバーを目指し、東にボートを走らせる。アボリジニ達の野焼きで丸焦げの状態になっている荒れた土地には、アリ塚がニョキニョキ天に向かってそびえ立っていた。この平べったいアリ塚は全て一定方向を示している。平らな面は朝日と夕陽を全面に受ける東西に向き、尖っている方は南北を指し示しているので、方位磁石がわりに使えるのだ。

バラマンディ 5KB 時折、焼け焦げた臭いが鼻を突く中、朝の内はロングAでバラマンデイを狙う。次々と現れるコーナー、コーナーでボートを減速させ、ルアーを打ち込むが反応はない。前夜は月明かりが眩しく、今朝は気温が低いので活性が下がっているのかと心配していたが、何の前触れもなく私のロングAにドカンと57cmのバラマンディが出た。これが合図となってバラマンディの入れ食いが始まった。キャストするたびにバラマンディがバイト。魚はマングローブの根際に付いているのではなく、ストラクチャーから離れてベイトを探し回っている様子。

シゲさん&バラ 5KB 私が最初に釣ったバラマンディは小振りだったが、その後からは70cmUPが次々に出てくる。シゲさんが80cmクラスをバラした後、私が71〜76cmを4匹と65cmを1匹、シゲさんが74〜78cmを3匹、テリーが65cm前後を3匹キャッチ。入れ食い状態はいつまでも続かない。私のロングAにバラクーダが襲い掛かって、この場は終了した。バラマンディがいなくなったのでバラクーダが出たのか、バラクーダが来たのでバラマンディが去ったのか・・・。結局、3人がロングAだけを使って、30分間で70cm前後を合計12匹を釣り上げた。良型のバラマンディが次々と釣れ、ボート上はまさしくお祭り状態、入れ食いのハッピータイムを味わう事が出来た。

 魚が集まっているのは、潮通しが良い岬の周辺で、朝日が当たらない日陰のエリア。水位が下がり、マングローブ林の中に魚が入り込めないようなタイミング。ヒットする場所は、マングローブとボートの中間ぐらい。根際ギリギリにルアーを打ち込むような精度の高いキャストをする必要もなく、ストラクチャーに潜り込まれるリスクも低い。随分ラクチンなバラマンディ釣りだった。広大なエリアから、時合にあわせて魚がいる場所を絞り込めれば入れ食い。さすが釣り人にとってまだまだ未開フィールドのアラクンだ。


〜 トータルバランスが大切 〜


トシ 4KB 更にボートを進めて中流域に。要所要所で竿を振って魚の反応を見る。ロングAで釣った65cmのバラマンディをリリース後、再び同じポイントにルアーを入れるとまたしても出た。先に釣った魚よりも、遥かに頭が大きいヤツ。この魚は吸い込んだロングAを、水中で頭を振りながら吐き出した。口の中に吸い込んだ時には、まったく手元にアタリは伝わらず、頭を振った時に僅かにコツッと感じられた程度。大きな魚ほど、ルアーにヒットした時は判らないのだ。

 バイトシーンが丸見えだったので、魚を掛けられなかった事が悔しくて仕方がない。なんと、横からシゲさんが打ち込んだロングAに、この魚がバイトした。魚とのやり取りの邪魔にならないように、暫く手を休めて見守る。数分後、テリーが抱えるようにして水の中から引き上げたバラマンディは堂々の80cmだった。

トレブル゜RB-H 4KB 良型の魚の入れ食いが続いたので、しっかりルアーをチェックする間もなかったのだが、手に取った際にがまかつトレブルRB Hが3本とも伸びている事に気が付いた。テリーが「このフックは鋭くて良く刺さるが、簡単に折れる。」と言いながら、伸びたフックを大きなペンチで直し始めてくれると一瞬にしてポキリ。3本ぶら下がっているフックのうち2本をポキポキッと立て続けに折った。彼のお勧めフックはVMCカルティバのフックもOKだという。因みにシゲさんもVMCを愛用している。私はカルティバST56の発売時から豪州遠征で使い、その後登場したがまかつトレブルRB Hへと移行しているのだが、どんなに良い物でも欠点はある。自分の未熟な技術を補ってくれるのが道具なので、フィールドの状況や対象魚によって使い分けるのが賢い使い方なのだろう。

シゲ 5KB テリーがフックを手持ちのVMCに交換してくれている最中、シゲさんが52cmを追加。これが最後となって、このポイントから移動する。朝は気にならなかったのだが、日が上るに従い風が強くなってきた。そのせいなのか、デジタルコントロールのアンタレスDC7がなんの前触れもなく時々バックラッシュする。前回の遠征で不調だったこのリールを修理に出したところ、DCシステムのセンサー部分や基盤に不具合があったようで無償で修理された経過がある。ベイトリールにおいて、本当にスプールの回転をデジタルでコントロールする必要があるのか未だ疑問に思いながら、バックラッシュを防げないこのリールへの不満がつのる。連日ハードな釣行が続く遠征で、タックルに不安を感じながら竿を振るのはストレスになった。

 実は、私以上にシゲさんはトラブル続きだった。度重なるバックラッシュだけでなく、ミスキャストでマングローブの枝葉や複雑に絡まった根を釣りまくり。引っ掛かってあたりまえの場所に打ち込むから、水際の根を釣るのはOK。しかし、頭上の木々にルアーを引っ掛けるのは罰金なのである。シゲさんが使う竿は、短くて硬い。しかもガイド径が小さいので、長いショックリーダーがキャストの障害となっている様子。試しに竿を借りてキャストをさせてもらったが、メチャクチャ扱いにくくて数投で返す。やはり、フック、ライン、リールに竿・・・使う道具は個々の性能だけでなく、トータルバランスが大切なのだ。

〜 不発に終わったロックバー 〜


クイーンフィッシュ 5KB 魚を求めて、更にリトル・アーチャーリバーを進む。遠征前に気合を入れて用意したメガバスラテスにやっと2アタック。バラマンディ(学名Lates Calcarifer ラテス・カルカリファ)や、ナイルパーチ、アカメなどのラテス族にちなんで名前を付けたらしいが、初日から使っていても残念ながら肝心のバラマンディの反応は悪かった。華奢な3本のフックは取り去り、太軸フック2本に交換。浮力もあるので力強いバラジャークにも対応できるイイ感じのルアーなのだが、1,000円でおつりが来るロングAには確実に釣り負けている。今回もバイトはすれどもガップリと食ってくる感じではなく、何かが違う。

 アレコレとルアーを試しながら釣り進んでいるとテリーがロングA60cm弱のクイーンフィッシュをキャッチ。スピードと持久力を併せ持つ魚なので、この魚をメインに釣っても相当面白い。難しいのは、足が早く群れで移動している魚なので、ボヤボヤしていると直ぐに姿を消してしまう事だろう。今回も彼がファイト中にルアーをキャストし、周囲を探ったが反応はなかった。

シゲ&GPS 6KB ジェフから手渡された携帯GPSをチラチラと見ながらロックバーを探し、それらしきボジションに辿り着いた。そこにロックバーがあることを知らなければ、絶対に通り過ぎてしまうような場所だった。少しの間、竿を振っても魚信はない。ポイントに入るタイミングでバラマンディの活性が違ったり、狙っている魚自体が何処かに移動している事もあり、捕食モードに入っている魚達をドンピシャのタイミングで狙うのは本当に難しいのである。3人ともアタリはなかったので、更に上流へと進む。

 ロックバーを探している時に気がついたのだが、シゲさんの唇が妙に赤い。いかにも秋田県人らしく餅肌で色も白いので、余計に唇の色が目立っている感じ。彼は強い日差しを避けるため新素材を使った服を身に付け、全身ほぼ白装束で身を固めている。顔には日焼け止めを塗ってはいるが、唇の保護はしていない様子だった。つい忘れがちなのだが、釣行中は乾いた風にもさらされるので、唇の保護も必要なのである。私は薬用リップクリームを塗り、帽子に装着された大きめなサンシェードで顔を覆って竿を振っているので、影響は少ない。最近は日焼け止め効果のあるリップクリームが販売されているので、唇が荒れやすい人は必携だろう。

〜 やはりアーチャーリバーなので 〜


スポッテッドバダーフィッシュ 4KB シゲさんのロングAに変な魚がヒットした。水中で抵抗している姿は、一見キビレや鉄砲魚っぽかったのだが、ヒラヒラと泳ぎそれほど強い引きをするようでもない。ボートデッキに抜き上げられた魚は、35cm程のチョウチョウウオのようなヤツ。このような魚を総称してスカッドと呼んでいるが、スポッテッドバターフィッシュという名前が本名らしい。テリーはこの魚を見るやいなや、即座に「毒があって危険なので触るな」と声を上げた。どうやら背鰭に毒があり、もし刺さると大変な目にあうようだ。口は小さくオーシャングリップが使いにくいため、目頭をグリッと挟み込んで掴み上げ、写真を1枚だけとってリリースした。オーストラリアには毒を持っている魚が多いので、見慣れないヤツが針に掛かった時は十分注意が必要。ガイドが同行していなかったら、今頃は手が酷く腫れていたに違いない。

リリーパット 5KB 急に川幅が狭まり、倒木やオーバーハング、リリーパッドなど狙うべきポイントが圧倒的に増えてきた。私はこんな場所が大好きなので、気持ちが一気に高ぶる。船首に立ち、ピンポイントにルアーをビシバシと打ち込むと気分爽快。時として、魚を釣りたいのか、ルアーを投げたいだけのか判らなくなってしまうほどワクワクするのだ。倒木周りには、小型のクイーンフィッシュやGT、鉄砲魚達がスクールしているのが見える。リリーパッドが広がる場所では、エバーグリーンポッパーフロッグを投げ、バラマンディと思われる派手なバイトを数回得たがフッキングミスでルアーがすっぽ抜け。オープンエリアではザブラポッパーで鉄砲魚をキャッチした。船尾ではテリーがシャッドラップ8の前後フックに鉄砲魚を1匹ずつぶら下げるWヒットをやっている。

 とにかく魚の密度が濃く、ストラクチャー周りにルアーを打ち込めば、何かしらの反応があって楽しくて仕方がない。水中に沈む倒木にRS150を打ち込み、トウィッチするとバラマンディがアタック。直ぐにルアーを吐き出したので、即座にキャストをしたが反応がない。魚から完全に見切られてしまった様子。そこにテリーが後ろからシャッドラップ8を放り込み、トウィッチするとドカン。私の魚であるハズのバラマンディ(68cm70cm)を2匹立て続けに釣り上げた。さすがゲストに対して遠慮をしないガイドだ。ボヤボヤしていると、彼に魚を全て釣られてしまいそうなプレッシャーが掛かってくる。

シゲ&鉄砲魚 5KB アラクンの鉄砲魚は、ケアンズ近郊にいる鉄砲魚よりもサイズが大きく、ルアーに良く反応する。従って、この魚を釣り始めると、面白くて止まらなくなってしまう。ルアーサイズを少し落とすと、笑えるぐらい次から次とに鉄砲魚がルアーに襲い掛かってくる。河川の名前がアーチャーリバーと名付けられているだけあって、鉄砲魚のストック数は相当なものだ。

 鉄砲魚の猛攻撃を避けながらストラクチャーの中に潜んだバラマンデイを釣るにはシャッド系ルアーが良い。テリーがまたしてもシャッドラップ873cmのバラマンディをキャッチ。これを見て、RS150からシャッドラップ8に交換してキャスト。飛び出したのはバラマンディではなく、凶暴で邪悪な顔つきをしたバラクーダ(75cm)だった。テリーと同じルアーを使ってもバラマンディが反応しないので、スレッジ7に交換。すると反応したのは・・・鉄砲魚。30cmオーバーを2匹立て続けにキャッチした。一方、シゲさんはストラクチャー狙いのキャストに苦戦しつつ、ちょっと懐かしいシュガーシャッドでトウィッチを繰り返している。暫くして目の前で強烈なヒット。良型のバラマンディかと思いきや、キャッチしたのはクイーンフィッシュ(60cm)だった。

〜 サラトガを探して 〜


上流 5KB 木陰にボートを寄せてランチにする。今日のお昼は、バラマンディのフライを挟んだサンドウィッチ。デザートは昨日に続き、ディープシェイカーを使って食べたフルーツのシロップ漬け。"パッションクラッシュ"という名前だが、オーストラリアでは、小さなパッケージに入ったこの手のシロップ漬けのフルーツが結構沢山売られている様子。数種類のカラフルな果物が入っているのだが、甘いだけで個々の味がしないのが残念だ。朝からハードジョブを続けていたので30分程しっかり休みながら、午後からのサラトガ探しに備えてルアーを準備する。使うルアーはトップウォーターがメインで、水深がある場所はシャッドラップ

 午後の部がスタートして15分が経過。水中に沈むブッシュ周りをシャッドラップ9で攻めていた時、ルアーの後方からヌラヌラ〜と現れ、ルアーに噛み付いた魚がいた。雷魚を思わせるようなこの魚は、ルアーを咥えて反転したので、すかさずガンッとフルフッキング。魚は狙っていたサラトガ(アロワナ)だった。サイズは60cmぐらいか・・・サイトガは口の周りが硬くてフッキングが難しい魚なので、勝負を掛けたフッキングだったのだが、掛かりどころが悪くてフックオフ。目の前でバイトの瞬間からフックオフの瞬間まで見えていたので悔しさ100倍だった。

防虫ネット装着 7KB サラトガは流れが穏やかな淡水に住む魚。こんな場所は・・・海水域と違ってヤブ蚊が結構多いのである。ヤブ蚊はケアンズで一時期流行したデング熱など怪しげな熱帯性のウイルス病を伝播するので、刺されない方が良いに決まっている。シゲさんは帽子の上からスッポリと黒いネットを被って完璧な対応。私は虫除け薬を塗りなおし、肌の露出を極力減らして釣りをする。

 シャローのリリーパッドがあるエリアではザブラポッパーを使い、葉っぱの間に広がったオープンスポットを攻める。すると大きな捕食音とともに水柱が立ちルアーが水中に引き込まれた。一拍おいて力強くフッキング。リリーパッドの中で魚が暴れまくり、ラインにスイレンが絡みついた。動きが止まったところで、半ば諦めつつボートを寄せてスイレンを取り除きながらラインを引っ張る。幸運にも魚が未だ逃げておらず65cmのバラマンディを釣り上げた。狙っていたのがサラトガだったので、喜びは少し薄い。

〜 ついに本命をキャッチ 〜


サラトガ 6KB テリーがシャッドラップ8、シゲさんがTDポッパーで鉄砲魚を追加。私はザブラポッパーからバズジェットJrに変更し、様子を探る。するとこれまで以上に鉄砲魚が猛アタック。25cm前後の魚たちが次々にルアーへ襲い掛かる。あっと言う間に3匹キャッチ。この反応に気を良くしながらシャローエリアを引いていると、鉄砲魚とは明らかに違うバイト。水面に姿を見せたのは本命のサラトガ。フッキングには至らなかったので、即座に同じ場所へルアーをキャストしリトリーブを始めるとドカンと出た。クネクネと泳ぎながらファイトする様子は、やはり雷魚に近い。フッキングの状態を確認しながら慎重にやり取りして無事にキャッチ。やっと手にしたサラトガは50cmだった。

テリー 6KB 更なる追加を求めて上流へ上がる。川幅は一層狭くなり、ジャングルクルーズ状態。両サイドから覆い被さってくる樹木を避けながら、ブッシュの中や倒木周辺にルアーを送り込む。かなりテクニカルなスペシャルステージだ。次々に現れる倒木がボートの行先を遮るが、デッキに身を伏せてこれらをかわし、水中に沈む倒木は船底を擦りながらも乗り越えてゆく。限られたスペースで竿を振りつつ、随分無理をしながら進んだが、鉄砲魚を2匹追加しただけで、その先にサラトガのパラダイスはなかった。

 この場に見切りをつけて、狭い水路の中で強引にUターンして戻る。サラトガはバラマンディの様に群れていないので、ポツポツと拾い釣りをすることになる。生息しているエリアも限られており、数釣りが難しい魚なのだ。サラトガが釣れたポイントまで戻り竿を振るがそれらしき姿は見られない。私はGドッグX、Zealのカスタムフロッグポッパーで、テリーはシャッドラップ8で鉄砲魚を追加するだけに終わった。

〜 一気にパワーダウン 〜


ラインシステム組み 4KB 午後3時、ジャングルクルーズ終了。テクニカルステージで悪戦苦闘していたシゲさんは、ついにライントラブルを起こして暫し釣りを中断。私はこの間に、ガバガバと魚を釣っちゃおうとスケベ心を出して竿を振るが不発に終わった。帰りの時間を考え、一気にリトル・アーチャーリバーを下り、朝と同様にマングローブが密生するエリアを攻める。狙う場所は、やはり潮通しの良い岬周り。しかし、朝とは潮位が違うので、魚がついている場所が異なる。GドッグXを流したポイントにテリーがロングAを打ち込み58cmのバラマンディをキャッチ。これをきっかけに連発するかと思いきや、後が続かない。

 横風が吹く中、キャストを繰り返しているとアンタレスDC7が突然不調になる。勢い良く飛んでいったルアーのラインが、突然ガツッと止まりが飛行途中で急落する。メカニカルブレーキを締めるとリトリーブ抵抗が極端に重くなり使いにくい。緩めるとバックラッシュ・・・。ツマミを回してキャスティング・モードを切り替えてもイマイチな感じ。やはりアンタレスARの方が、安心してキャストが出来て扱いやすい事を実感する。

今宵はグリルチキン 4KB 1時間以上、バイトがない中、やっとシゲさんがロングA58cmのバラマンディをキャッチ。水中に沈むストラクチャー周りをリーズシャッドバラベイトで探るが不発。テリーは疲れてきたのか、珍しくストラクチャーにルアーを引っ掛けたり、ミスキャストをするようになってきた。魚の反応がないため、明らかに3人とも一気にパワーダウンしている。マングローブの根際をロングAで叩きまくったがワンバイトもない。アジサシの群れが飛んでいるエリアがあったので、エンジン全開で急行し、GTやクイーンフィッシュを狙ったが不発。最後に母船ピクー近くのシャローエリアを探ったが、強風により濁りが出ていて釣りにならなかった。

 こんな状況だったので、午後5時半に納竿。母船ピクーに戻るとドッと疲れが出た。狭いシャワー室の中でアチコチ体をぶつけながら、頭と体を洗って不精ヒゲを剃ってサッパリする。夕食は2階のオープンデッキで、ビールを飲みながらいただく。心配していたヤブ蚊は、体温が高く、二酸化炭素の排出量が多いシゲさんのところへ集中的に集まるようなので一安心。毎度お楽しみの夕食メニューは、グリルチキンとバラマンディのフライ、そして野菜サラダ。食後はレモンパイとアイスクリーム。一日の釣行で失ったエネルギーを補うには、十分過ぎる程のボリュームで満腹至極だった。

3日目の釣果結果

TOSHI

SHIGE

TERRY

バラマンディ

8

6

7

バラクーダ

1



クイーンフィッシュ


1

1

鉄砲魚

11

1

6

サラトガ

1



スポッテッドバターフィッシュ


1




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