バラマンディ・フィッシング][
アベレージ70cmUPの世界

ジェフ&スー 6KB
私達のお世話をしてくれるジェフとスー


擬似餌の玉手箱>豪州バラマンディ・フィッシング>'11/9遠征


'11/9/17(土)

〜 遠征タックル紹介 〜

シリアルの朝食 5KB 午前6時に起床。定番のミルクとハチミツをたっぷり注いだシリアルを食べながら、夜中に火事になった夢を見た話をする。寝ている間に風向きが変わり、少し開けていた窓の隙間から野火の煙が入ったらしい。夢ではなく、本当に煙かったのだ。アボリジニが畑を作るために野原に火をつけているようだが、水を使って消すようなことはしないので自然鎮火を待つばかり。雨は降らないので、いつ消えるのか疑問に思う。前回の遠征では寝ている最中にエアコンが効き過ぎて、寒さに震えながらストーブを探し回る夢を見た。この遠征では寝ている最中も貴重な体験をさせてくれるのである。

トイレ 4KB タックル一式をボートに積み込み、日焼け止めと虫除け薬をたっぷり塗る。念のためトイレに入って便器に座ってみたものの、出るべきものが出そうもない。日本にいる時は便秘などせず、極めて規則正しい生活をしているので快食・快眠・快便なのだが、環境が変わると体のリズムが狂うようだ。因みにピクーのトイレは、水やクリーナーを使ってはいけないコンポスト型のトイレ。2年前はほぼ無臭だったので、その性能に驚いたが、今回は臭いが少しキツクなっていた。女性がいると尿が沢山入るので、処理能力が下がるのだろう。長居は無用なのでズボンをズリ上げて、そそくさとトイレから出る。ボートにはトイレットペーパーを置いてあるので、いざとなったら上陸して用を足せば良いのだ。

メインタックル 5KB 午前7時に出船し15分程、ボートを走らせる。今回の遠征でメインに使っているのがパームス・エッジEGC606、これにアンタレスDC7+夢屋パワーハンドルを乗せたもの。サブとして往年のダイコー・アームズスティックASC-66MアンタレスARの組み合わせ。ラインはいずれもファイヤーライン25LB、リーダーはフロロカーボンのニトロンDFC25LBをダブルで使用。そしてクイーンフィッシュやトレバリーのゲーム用に、テリーから借りたスピニングロッドのGルーミス・マホガニーCB756に、持参してきたステラ3000を組み込んだタックルを準備してある。一方、シゲさんはフェンウィック・アイアンフォーク1H58CMH・JスコーピオンDC7メガバスF5-510Xスピードマスター200、そしてメガバスのスピニングロッドにエクスセンスCL4 4000Sを載せている。

 前日はパームス・エッジEGC606で魚をバラしまくったので、アームズスティックASC-66Mを握り締めて船首に立つ。シゲさんがメインに使っていたフェンウィックは見た目よりも柔らかく、食い込みが良いらしい。アームズスティックは購入してから15年以上経っているハズ。中古釣具店を探せば2千円前後で売ってるかも。誰も見向きもしないかも知れないが、この時代の竿はとても丈夫に作られているだけでなく、ガイド径が大きいのでバラマンディ釣りにはお勧めなのだ。この竿はオカッパリ用として用意してある物。小さな船上で使うには少し長く、70cmUPの魚と対峙するには少し柔らかいのだが、気分を変えて試してみる。(これまで豪州遠征で使ってきたタックルの変遷はバラマンディ攻略タックルのコーナーを参照)

〜 アーチャーリバー・アタック 〜


アーチャーリバー 4KB マングローブ林の周辺でキャストを開始。竿を振り始めて5分後にはテリーがロングAでバラマンディ(45cm)をキャッチ。私の操るハイジャッカーにも小バラが何度もアタックするのだが、バックリと食ってこない。ルアーを交換すべきか思案していたところで、テリーが再び同サイズをキャッチした。明らかに昨日とは釣れる魚のサイズが違う。潮位が高いため魚達がマングローブ林の奥に入り込んでいるようで、随分奥の方から大きな捕食音が聞こえたりする。

 今日はアーチャーリバーを遡り、フレッシュウォーター・バラマンディを狙う。川への入り口で、ハイジャッカーを使い40cmのバラクーダをキャッチ。このルアーはウッド製なので、歯の鋭いバラクーダなんかを釣ってしまうとボロボロになってしまうので、とても辛いところだ。下流域はバラクーダを釣ったっきり、全く魚っ気がないため、エンジン全開で上流に向う。随所に浅瀬があるので、巧みなハンドリングでこれらをかわし、メインチャンネルを探しながら大きく蛇行しながら更に進む。

激浅のアーチャーリバー 5KB 水色が透明感のあるブルーから、茶色ががった色に変わってきた。淡水域に入ったのだろう。所々で浅瀬が私達の進路を阻むため、テリーは船から降りてザバザバと歩きながら私達2人が乗ったままの船を引っ張る。膝の手術をしたばかりなのに、果たしてこんなハードジョブをして大丈夫なのか? 心配なので「自分達も降りようか?」と彼に尋ねたが、そのままで良いと言う。お言葉に甘えながら、東海道の難所でもあった大井川を渡る江戸時代お殿様気分を味わう。人工物が全くなく、ゴミも浮いていない自然溢れる河川をのんびり移動するのは、すこぶる気持ちが良い。

 テリーが狙っていたポイントに到着。この一体は3週間前に大きなバラマンディが沢山ストックされていたらしい。彼からタックルは硬いエッジEGC606に持ち変えるように指示が出る。使うルアーは、テリーが差し出したディープを攻めるためのド派手な色のクラシックバラ。水中に見えないロックバーや倒木があるらしい。キャスト後、グリグリグリッと巻いてルアーを深く潜らせ、長めのホーズをさせてルアーを漂わせながら浮かび上がらせる。この時にドカンとくるらしい。

〜 グリグリ&ポーズメソッド 〜


シゲ&バラ 5KB テリーがトイレットペーパーを持って茂みの中に消えている間、グリグリ&ポーズを繰り返したが不発。更に上流へ上がり、ディープエリアがあるコーナーにアンカリング。クラシックバラにGTのアタックがあったがフッキングには至らない。リーズシャッドシャッドラップ9を試したが、たまにバラクーダやクイーンフィッシュがチェイスするだけで竿が曲がることはなかった。テリーから「満月の後は厳しい。」「夏になってバラは下流へ下ったかも。」と弱気な発言が聞こえるようになってきた。

 午前10時半前、私がバラクーダを釣ったっきり、魚に触ることがないまま2時間が経過。ホントに厳しい状況がヒシヒシと身に染みてきた頃、日陰と倒木が絡むポイントに入った。キャストを初めて直ぐ、グリグリ&ポーズさせていたシゲさんのリバーラットに会心のヒット。深いところでヒットさせたので、そのままファイトしているとストラクチャーに潜り込まれてしまう。テリーの掛け声と共にホンピングをして、懸命に魚を浮かび上がらせる。やっと上がってきたバラマンディは堂々の72cm。テリーはシャローエリアで座礁しそうなボートを引っ張ってまでして、この魚を私達に釣らせたかったのだろう。

ストラクチャー 6KB 私も負けじとクラシックバラをグリグリやるが反応がない。リーズシャッドに交換し、水中に沈む倒木周りをトウィッチをしているとガツッとヒット。魚は大きくなさそうだったので一気に引き上げる。ルアーをバックリと咥えていたのは47cmのバラマンディだった。他にも魚はいるハズなので暫く時間を掛けて粘る。暫く経ってテリーがバザーミルヤードキラルアーの6インチもある巨大なルアーバラベイトを使って45cmを追加。

 このサイズならバイブで数釣りが出来ないかと考え、TN60を取り出した。根掛かりを覚悟で岸際の木陰部分にキャスト。十分カウントダウンしてからリフト&フォールをして引き寄せてくる。すると狙いどおりに水中に沈んでいる倒木周りでヒット。アンタレスDC7のハイスピードギアの特性を活かして、一気に引き寄せようとしたがフックを伸ばされて魚の顔を拝めないままロスト。倒木周りで根掛からず使えるルアーはないかと、ボックスの中をのぞくとウィグルワートが目にとまった。ルアーをアレコレと変えたがる私に顔をしかめるテリーを横目で見ながら、キャストをしてグリグリッと巻いてくる。倒木に当てながら反応を伺っているとカツッとヒット。すかさずあわせると鉄砲魚(35cm)が水面を踊った。

〜 アベレージ70cmUPの世界 〜


トシ・ティータイム 6KB このエリアは鉄砲魚で打ち止め。日差しが強いので木陰にボートを寄せてテータイムにする。テリーからカップに入ったフルーツのシロップ漬けとミュージリーバーを受け取ったが、肝心なスプーンを忘れたらしい。「何かスプーン代わりになる物はないか?」とボックスの中をガサゴソする。手に取ったのはディープシェイカー。過去の遠征では、トローリングをする際にこのルアーを使い何度となく助けられている。もしルアーに心があれば、久しぶりの登場でまさかスプーン代わりに大きなリップが使われるとは思いも寄らなかっただろう。ミルクティーを飲みながら、お遊び気分でバズジェットJrを投げると、鉄砲魚がワラワラとルアーを追い掛けジュボッ、ジュボッとバイトしてくる。このルアーは予想どおり使えそうなので、トップが活躍しそうな場面で使うことにする。

クラシックバラ 4KB 一服した後、川の分岐点まで一気に下り、そこでターンして支流を遡る。ストラクチャーが沈んでいるディープエリアにアンカーを下ろし、テリーから借りたクラシックバラを放り投げる。着水後、グリグリグリッと巻いてポーズを入れたら、いきなりガツンときた。一投目で狙いどおりのヒット。そのパワフルな引きから70cmUPは確定。倒木の中に逃げ込まれないように、フルパワーを掛けて引き抜こうとしたが相手の方が上手だった。倒木に潜り込み、太い枝を中心にグルグルと右回りで回りだした。こうなってしまうと、もうお手上げ。魚自らが逆周りを始めてくれないと、多分100%獲れない。力強くラインを引っ張っても、緩めてもどうにもならない。ジタバタあがいていたらメインラインが切れて、魚とルアーを同時にロストした。

リバーラット 6KB 直ぐにラインシステムを組み直し、再びテリーからクラシックバラを借りてキャストをすると2連発バイト。このルアーにはド太いフック VMC3Xが装着されているのだが、見事にフックを伸ばされた。やはり6Xの太さが必要か・・・。ストラクチャー絡みの釣りでは、ヒットさせることが出来ても魚を手にするのは本当に難しい。私よりも格段にキャッチ率が高いシゲさんですら、連続3匹掛けたが魚を釣り上げるまでには至らず悔しさを滲ませる。

 こんな場所では、やはり技術の差が明確に出る。テリーは僅か10分間でバラベイト70cmをキャッチした後、可愛らしいナマズを取り混ぜながら65cm70cm75cmのバラマンディを立て続けに引きずり出した。私は真横で彼が魚とのやり取りをしている姿を見ているのだが、魚を手に出来ない私達と何が違うのか全く理解できなかった。当然、ロッドワークでストラクチャーに潜られないように魚を誘導しているハズなのだが、不思議と彼が掛けた魚は水底から大人しく浮いてくるのだ。

〜 いつまで続く!? 〜


テリー&バラ 5KB テリーが立て続けに魚を上げる中、私はクラシックバラで1匹バラした後、70cmをかろうじてキャッチ。そしてシゲさんは2匹連続70cmクラスを逃している。一体、このポイントには何匹のバラマンディが潜んでいるのだろうか。倒木の下に70cmクラスのバラマンディが頭を揃えて、鮨詰め状態で順番待ちで並んでいるとしか考えられない。私のルアーにバラマンディがタッチ。すかさず船尾からテリーがルアーを放り込む。するとドカンと出た。彼は楽々と60cmUPをキャッチ。「それは私の魚だぁ〜」と声を上げるが、テリーはニヤリと笑うだけ。彼は絶対、私とシゲさんが雇ったガイドであることを忘れている!! 私達とは明らかに別次元の釣りをするガイドのテリー。ゲストよりも魚を釣るガイドっていったい・・・。

 めげずにキャストを続けていると直ぐにヒット。この魚はデカかった。散々、ラインを引きずり出してファイトしまくった挙句、派手なジャンプをしてルアーを吹き飛ばして逃げていった。逃した本人は、とても悔しく思っているのだが、テリーも「今のは80オーバーだ」と残念がる。しかし、まだまだストラクチャー周りには魚がいた。やっとクラシックバラ77cm仕留め、ほっと一息ついている横でテリーがバラベイト70cmUPを追加。そして直ぐにシゲさんの竿も曲がり、60cmUPを釣り上げた。立て続けに3連発・・・船上はまさにお祭り騒ぎだった。

トシ&バラ 5KB 何の前触れもなく、突然アタリがパタリと止まった。当たり前と言えば当たり前のこと。いつまでも釣れ続けることはあり得ないので、ランチタイムにする。時計を見ると午後1時。このポイントで丸々1時間、良型のバラマンディ釣りに没頭した事になる。アンカーを静かに上げて木陰にボートを寄せ、スーさんが作ってくれたサンドウィッチを食べる。しかし・・・このサンドウィッチには、私の嫌いなチーズがたっぷり入っていた。事前に嫌いな事を伝えてあったにも関わらず、見事にしっかりと入っていたので軽いめまいがした。言葉の壁は厚いのである。

 30分程、休憩して再び水中に沈んでいる倒木周りを攻める。開始1分、シゲさんの第1投、リバーラット65cmが踊り出た。彼のやり取りを見ながらリトリーブをしていると私にもヒット。しかし、フッキングミスがガックリと膝が折れる。続いて、テリーがバラベイト58cmをキャッチ。「休憩したら魚のサイズが下がったねぇ」などと言っている最中に、シゲさんのリバーラットに爆裂ヒット。テリーの掛け声と共にフルパワーでポンピングしてストラクチャーから引きずり出して77cmをキャッチした。どうやら、クラシックバラよりもキラルアーリバーラットバラベイトの方が魚の反応が良い感じ。テリーからバラベイトを借りて、グリグリ&ポーズを試す。よそ見をしていて手が止まっていた時にガツンとルアーを引っ手繰られた。大暴れしたバラマンディはグラマラスな71cmだった。

〜 怪魚の襲来 〜


クイーンズランドグルーパー 5KB バラマンディの反応が薄くなってきた時、シゲさんの竿が大きく曲がった。横で見守っていると、今まで掛けてきたバラマンディとは明らかに違うトルクのある強い引き。強引に魚を浮かばせようとしても上がってこない。走り回るのではなく、水底に力強く引き込むようなファイトに驚かされる。ついには水中に隠れている倒木に巻かれて、全く動かなくなってしまった。「これにてジエンドか・・・」と思いきや、テリーが水中の枝を折ったり、絡みついたラインをほどいていると魚が動き出した。このタイミングを逃さずシゲさんが魚をリフトアップする。水面に浮いてきた魚は、今まで見た事もない模様をしている怪魚。テリーがオーシャングリップを使って抱え上げた魚は大きなハタ。デッキに横たわったド太い魚は、クイーンズランドグルーパー。体長は80cmだった。テリーによると、母船ピクーの下に潜み、餌を投げると浮いてくるグレックはコイツと同じ種類。体長はやはり2メートルぐらいあるらしい。

 巨魚を釣り上げるために、場を相当荒らしたので魚の反応がパタリと消えた。それでもテリーはボートを移動させようとはせず、キャストを続けるように指示が出る。いつもだったら、次の場所へ移動するのだが、じっくり腰を据えて魚を狙うつもりらしい。テリーは珍しくルアーをアレコレと変えて魚の反応を見ている。「オオッ」と声が聞こえたので、振り返って彼の様子を見ていると、浮いてきたのはステーシーver2を咥えていたのはバラクーダ。ペンチで頭を一殴りしてリリースした。少ししてシゲさんのリバーラットにヒット。魚の活性が上がってきた様子。慎重に魚とやり取りをして67cmのバラマンディをキャッチした。

ランチタイム 6KB アボリジニが6人も乗った小型の船が、今にも壊れそうなエンジン音を唸らせ勢い良く上がってきた。明らかに定員オーバーのようにも見えるが、そんな事はお構いなし。多分、上流域で漁をしていたのだろう。軽く手を上げて挨拶をするが、スピードをほとんど落とさず通過するので気持ちは穏やかではない。折角、魚の活性が上がってきたところで、水を注された感じ。引き波が納まり、水面が再び穏やかになった時に、私のバラベイトにヒット。倒木に巻き疲れないよう十分注意しながら魚をコントロールして無事に67cmを釣り上げた。このサイズなら、私の腕なら何とか獲れるようだ。

 テリーがバラベイト63cmをキャッチした直ぐ後に、私のバラベイトにもヒット。サイズは先に釣った魚よりも明らかに大きく、リールからラインを何度も引きずり出す。水中に沈む倒木に注意しながらやり取りをしていたのだが、主導権は私にはなく魚のパワーに負けていた。結局、ストラクチャーの中に潜り込まれて、ラインブレイク。テリーから借りていた銀色に輝くバラベイトをロストした。意気消沈している横で、今度はシゲさんのリバーラットにヒット。引き具合から70cmUP確定のヤツ。ラインシステムを組み直しながら、様子を見守る。テリーがガッチリと魚を掴んで、デッキに横たえた魚は75cmだった。

〜 トップにもドカン 〜


テリー 5KB テリーから借りたルアーを2個もロストしたので、申し訳なく自分のボックスをガサゴソやって使えそうなルアーを取り出す。手に取ったのはラパラのバラマグナム。名前のとおり、バラマンディ用にラパラが数年前に発売したルアーなのだ。テリーは河川におけるレッドヘッドの効果について懐疑的なので、赤いマジックペンを取り出し、ボディにペイント。ついでに、ルアーを握り締めながら、「魚が釣れるように」とパワーを送り込む。バラマンディ釣りのトップガイドがペイントし、お祈りまで捧げてくれたので、釣れないハズがない。キャスト後、グリグリッと巻いてルアーを沈め、ポーズをとってルアーをゆっくりと浮かばせる。

 何度となくキャストを繰り返したが反応がない。ルアーがマッチしていないのか、活性が落ちたのか、それとも魚がいなくなったのか・・・思い切ってルアーをバイブレーションのLV300に変えてみる。引っ掛けないように気をつけながら、倒木の周辺をリフト&フォールさせていると鉄砲魚がヒット。この魚が、このポイントの打ち止め合図となり、ボートを上流へと進める。リップライザー130を使い、早いテンポでキャスト&リトリーブしながら魚を探す。反応したのは、僅かに鉄砲魚1匹のみ。暫く上流に向ったが、「こりゃダメだぁ〜」って感じだったのでUターン。

トップ炸裂 6KB 再びバラマンディが連発したストラクチャーに戻ってきた。テリーから「水面にルアーが浮いていないか良く見てくれ」と声が飛ぶ。私がロストした2個のルアーが浮いている可能性があるので、周囲に目を配る。バラマンディは口に引っ掛かったルアーをエラ洗いで吹き飛ばす特技を持っており、時としてロストしたルアーが釣り場にプカプカ浮かんでいる事がある。2個の内、せめて1個でも浮いていないかと注意深く見たが、それらしき物はなかった。

 アンカーを静かに降ろし、ポイントに対峙する。竿先にぶら下げたのは、ザラUのボディに2枚のペラが付いているウーンデッドザラU。お昼前後に狙っていた時よりも水位が下がっており、水面近くに見えている倒木上を通すにはトップウォーターが良さそうだと思いついたのだ。キャスト後、力強いジャークでジュボッ、ジュボッと水面をかき混ぜていると、狙いどおりに倒木の真上でドカンと出た。水柱と共に大きな捕食音。ルアーが水中に消えたのを確認し、ラインスラッグをすかさず巻き取ってからフルフッキング。

テリー 4KB まさに狙って出したバラマンディ。この魚は絶対に獲ろうと、丁寧に魚とやり取りをする。ストラクチャーに入り込まれないように魚を誘導し、無事にキャッチ。ウーンデッドザラをズッポリと丸呑みしていたのは65cm。トップに出るだけあって、ファイトは激しかったのだが70cmには大分足りない。散々バラシまくっている私のテクニックでも、このサイズだったら、獲れるようだ。魚を直ぐにリリースし、3人でトップウォーターを投げまくるが反応なし。やはり、この場所は実績のあるビックサイズのルアーが良いだろうと、それぞれがルアーを交換。直ぐにテリーの竿が曲がって、バラベイト30cm67cmのバラマンディをキャッチした。

 テリーの2連発に圧倒されつつ、懸命に竿を振る。上流からアボリジニの定員オーバー船が下って来て、私達の後ろを手を振りながら通過する。数時間前、彼らの船が上がって行った直後に魚が釣れたので、今回も引き波が落ち着いた時が勝負時と予想。ストラクチャーをタイトに狙っていると、またしてもテリーのバラベイトにヒット。55cmのバラマンディをあっと言う間に釣り上げた。私達とは別次元の釣りをするテリーには本当に脱帽。正確にルアーをポイントに打ち込み、アクションさせて魚に食わせ、ストラクチャーに絡まれずにキャッチする一連の動きには全く無駄がなかった。

〜 クイーンフィッシュの猛攻 〜


クイーンフィッシュ 6KB 午後5時近くになったので帰路につく。途中、座礁しないように注意しながらメインチャンネルを見定めてボートを走らせる。シャローエリアの高速蛇行航行というスリリングなクルーズを暫く楽しんでいると、水色が変わり海水域に入った。本日のラスト1時間は、クイーンフィッシュ狙いに費やす。魚がいれば何処かで必ずボイルするので、周囲をキョロキョロしながらアンタレスDC7のハイギアを活かしてハイスピードリトリーブを行い、水面で激しくアマゾンジャークを躍らせする。

 水位が下がり出現した中洲の周辺を3人で狙っていると、ボイルを発見。すかさずルアーを打ち込み、トップウォーターゲームを楽しむ。直ぐにシゲさんの大きなチャグバグに物凄い勢いでクイーンフィッシュが襲い掛かった。バラマンディとは一味違うパワフルなファイトに翻弄されつつも57cmをキャッチ。私のアマゾンジャークにも何度となくアタックするのだがフッキングには至らない。テリーが投げる中国製ポッパーにも好反応で、ルアーを追い掛けてガバガバやっているのだがフッキングミスの繰り返し。そこでルアーをサイズダウン。こんな時のために、今回の遠征でわざわざボックスの中に突っ込んできたマリアミスカルナ80を取り出した。

スーさん 6KB このチョイスが大当たり。ルアーを交換して直ぐに爆裂ヒット。フッキングもバッチリと決まって猛烈なファイトに耐える。もの凄いパワーで竿が引き絞られ、いつまで経っても魚が浮いてこない。テリーが船尾から「パワー、パワー、パワー!!」と笑いながらはやし立てる。明らかに私は魚の引きに翻弄されている。ボートの下に潜り込んだ時には、竿を水中に突っ込んで船底でラインが切れないように注意。そして、船尾に行った時はスクリューにラインが絡まないように注意・・・はたから見てたら笑いが込み上げるようなドタバタの対応をしていただろうが、こちらは真剣そのもの。やっとの思いでキャッチしたのは自己ベストとなった82cmのクイーンフィッシュ。前日の夕方、母船ピクーのデッキから見たボイルは、コイツらが起こしていたに違いない。

 ケアンズ近郊河川の河口でもメーターオーバーがチョクチョク釣れるようだが、そのパワーは80cmソコソコであるこの魚を遥かに上回るハズ。リールからラインを全部引き出されてブッ千切られたような話を聞くが、決して大げさな話ではない事をあらためて実感する。一度顔を拝みたいメーターオーバーを狙って、更なる追加を求めてキャストをしていると、またしても私のミスカルナにクイーンフィッシュが襲い掛かった。サイズは一回り小さいようだが、ファイトは相変わらず力強い。どうにか船縁まで引き寄せ、テリーが尾の付け根にオーシャングリップを引っ掛けてキャッチ。サイズは73cmだった。

データ整理 4KB その後はミスカルナジプシーペンを引きまくったが追加は出来ず、いつしか魚が消え去った。時計を見ると午後6時を回っている。ジェフとスーさんが私達の帰りを待ちながら食事の準備をしているに違いない。エンジン全開で突っ走り、母船ピクーに戻った。夕暮れ時は、蚊が一斉に動き出す。デッキにいると刺されるので、素早く片づけをして船内に入る。シャワーをサッと浴びて午後8時に夕食。今宵はバラマンディのフライとライスにインスタント味噌汁、食後には山盛りのアイスとケーキを食べて満腹状態。腹ごなしに後部デッキでフックを外したスラバーチャグを投げてナマズと遊んだ。

 寝る前にビールを飲みながら幸せな気分に浸りつつ、今日の釣行結果を整理する。データを見れば一目瞭然。私とテリーでは全く違う釣りをしているのが良く判る。雑多な魚も釣る私のスタイルに対し、テリーの釣りはやはりバラマンディに特化した釣りなのだ。クイーンフィッシュを狙う釣りは、高度なテクニックを必要としないが、ストラクチャー周りで狙うバラマンディは技術レベルの差が明らかに出る。豪州遠征は18回を数えたが、まだまだ勉強する事が沢山ありそうだ。

2日目の釣果結果

TOSHI

SHIGE

TERRY

バラマンディ

6

6

14

バラクーダ

1


1

クイーンフィッシュ

2

1


鉄砲魚

3



ナマズ



1

クイーンズランドグルーパー


1




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