バラマンディ・フィッシング][
最愛のラブリバー

朝食中のトシ 4KB
今日も元気だ、朝食が美味い!!


擬似餌の玉手箱>豪州バラマンディ・フィッシング>'11/9遠征


'11/9/20(火)

〜 最愛のラブリバー 〜


出撃準備 5KB 午前6時前、ベットから抜け出して釣行5日目の準備に取り掛かる。ラブリバーへのプチ遠征になるため、ガッツリと朝食を摂って、しっかりトイレも済ませる。ベッタリと日焼け止めと虫除け薬を塗った後、タックル一式をテキパキとボートに積み込んだ。絶対に忘れてはいけないのは、3人分の昼食と飲み物。忘れ物があっても母船ピクーまで取りに戻るのが大変。未開の地なので、幾ら沢山お金を持っていても商店なんてある訳なく、紙幣はただの紙屑同然。オーストラリアの紙幣はプラスチックが混ざっているので、お尻を拭くのにも使えない。必要な物がちゃんと大型クーラーボックスの中に入っているか再確認をする。

オーシャンへ 3KB 午前7時半に出船し、一気に河口へ向かう。アーチャー湾内に鳥山が見えたので、メタルジグを用意してベイトの下にいるであろうクイーンフィッシュやGTを狙うことにした。スピニングタックルを握り締め、船首に立つ。選んだルアーは、フォーリングでもファストリトリーブでも使えるサージャー2年前の釣行で小型メタルジグの必要性を痛感したので、サージャーの他にもアレコレと持って来ている。

 鳥山はあるのだが、ベイトがかなり小さい。メタルジグを引きまくるが無反応。クリア系の樹脂製ポッパーも投入し、水面を激しく引きまくったがこちらも反応はなかった。ボイルが起きるわけでもなく、直ぐに鳥達は何処かに移動してしまうため見切りをつけてラブリバーに向う。河口を抜け出して、陸地を左手に見ながら外洋をひたすら南下する。"外洋"と言っても、実はアーネムランドケープヨーク半島に挟まれた巨大な湾、カーペンタリア湾なのである。幸い天候に恵まれ、風はなくて波も穏やか。この状況ならノントラブルで最愛のラブリバーに辿りつけられるだろう。

〜 タコクラゲが大発生 〜


タコクラゲ 2KB ラブリバー河口の目印は白い砂浜。強い流れ出しがある訳でもないので、すんなりと河川内に入れた。砂浜に横たわる倒木や、マングローブのオーバーハング付近を狙ってキャストしながら河川を上ってゆく。私のロングAにクイーンフィッシュがバイトしたがフッキングには至らない。下流域は、何故かタコクラゲが大発生。ピンポン玉くらいの物からソフトボールくらいの大きさのクラゲ達がプカプカと泳いでいる。このクラゲは無毒のハズだが、時々、絹糸のような細く透き通った触手を長く伸ばした、いかにもヤバそうな魚の浮き袋状のクラゲも混じっている。ルアーをピックアップした時や魚をキャッチした際に、この触手が絡まっているとエライ目にあうので要注意。刺された場合、酷い時は病院に行かなければならない。しかし・・・その病院はラブリバー周辺にはない。この領域にはボロイ小屋が1件あるだけで、そもそも陸地には道路すらない所なのだ。

 更にボートを進めて、切り立った岸で岩盤がむき出しになっているロッキーエリアに到着。ここは明らかに他の場所とは風景が違う。こんな所には必ず魚が付いているハズなので、アンカーを下ろしてじっくり狙う。本日の1匹目は、テリーのマスクバイブに出た55cmのターポン。ターポンはヒットした直後に水上を何度も跳ね上がるグットファイターなのだが、お尻が極めて緩い。ボートデッキに魚を引き上げると、ウンコを垂れ流しながらデッキ上で跳ね回るのでとても性質が悪いのだ。

〜 コッドの楽園 〜


テリー&ターポン 4KB 今回の遠征で、このロッキーエリアを攻めるため、日本からワザワザ持ってきたルアーがある。ブレード系の湾ベイトだ。近年、浜名湖のボートシーバスゲームで注目されているのがこのルアー。「投げて巻けば初心者でも釣れてしまう」と言われる程、イージーに魚が釣れるらしいが、実際、浜名湖で使ってみてもそんな簡単に魚が釣れるハズもない。日頃、足を運ぶフィールドではブレード系ルアーの出番はなく、クルクルが評判になった時に使い、ライントラブルや根掛かりに悩まされたので敬遠がちになっている。何個か購入したが、出番がないまま部屋の中でホコリを被っていたヤツをボックスの中に突っ込んできていた。

コッド入れ食い 5KB やや水深がある場所なので、キャスト後にラインを張り気味にしながらフォールさせるといきなりのバイト。フッキングには至らなかったが、1投目から反応があったのには驚いた。直ぐにルアーを回収し、再び岩盤を目掛けてキャスト。フォールさせるとガツンときた。フッキングが決まり、さして大きくなさそうな魚を引き寄せる。竿先にぶら下がったのは25cm程のエスチュアリーコッド(ゴールドスポットコッド)。釣り上げられた時に、体をL時型に曲げるクセがあるのは他の根魚と同じだ。コッドは群れになって生息しているハズ。リリースして直ぐにキャストを再開すると、即座にヒットし同サイズをキャッチした。僅か3投で2匹をあっと言う間に釣り上げ、思わず顔がニヤケる。水中には岩盤が広がっているハズなので、きっとこの一帯はコッドの楽園に違いない。

 シゲさんは、すかさずクルクルを投入しコッド(25cm)をキャッチ。一方、テリーは、マスクバイブの可能性を探るため投げ続け、コッド(30cm)とクロダイ(25cm)を釣り上げた。マスクバイブは本命のバラマンディのほか、ターポン、コッド、クロダイまで幅広い魚種に対応出来るところが凄かった。キャストするたびに私の湾ベイトにバイトがある。ノーマルのままでは、フッキング率が低いようなので、地元釣具店で紹介しているようにアシストフックを付けた方が良さそうだ。後部にWフックを付けたりすると、まんまと釣り業界の術にはまりそうだが、釣果が確実に上がるのなら致し方ないのかも。

〜 トローリング・ゲーム 〜


ラブリバー 4KB ついコッド釣りに熱中してしまったが、わざわざ遠路遥々ラブリバーまで根魚を釣りに来たのではない。延々と釣れ続けそうだったが、「もう十分だよ」って感じになって、上流へ移動する。ロングAでオーバーハング下を撃っていると、クラゲだらけの水の中から50cmUPのバラマンディが飛び出した。しかし、後が続かない。水位が高過ぎて、マングローブの根際にルアーを打ち込めないのだ。

 キャスティングでは反応が乏しいので、少しの間、ロングAを使ってトローリングを試す。後方にキャストをして、ボートを歩く程度のスピードで走らせる。竿を握り締めているだけでは魚へのアピールが足りないので、時折あおってルアーにアクションを付けて魚にバイトするきっかけを作ってやる。魚がヒットすれば、手元にいきなりガツン。ボートが進んでいるので、向こうアワセでフックセットが完了する楽チンな釣りなのだ。

 トローリングならピンポイントを狙った小難しいキャストは一切不要。ガイドが適切に魚がいそうなエリアを選定し、適切なスピードでボートを進めれば魚が釣れてしまうのだ。キャスティングがピンポイントを狙う"点の釣り"に対し、トローリングは"線の釣り"。複数の竿を出せば"面の釣り"。ルアーを変えて、それぞれ違う水深を探れるように設定すれば"立体の釣り"が出来るハズ。この釣りを突き詰めていけば奥の深い釣りかも知れないが、基本的に操船するガイド任せの安直なスタイルなので、正直言って私はあまり好きではない。

 過去に実績のあるエリアを流したが不発。Uターンして再び流すとシゲさんのロングA40cmのバラマンディがヒットした。その1分後、テリーのロングAにも30cmのバラマンディがヒット。丁度、小型のバラマンディがスクールしている所にルアーが通ったようだ。ここで私のロングAにもヒットすれば3人が揃ってニコニコ出来るのだが、釣りの神様はそんなに甘くない。私のルアーにはかすりもせず、この場をあとにした。

〜 フラット&シャロー 〜

トシ&バラマンディ 4KB 河口から7〜8km上がったところで、一気に視野が広がった。ラブリバーの中流域には、東西約5km、南北約3kmのニンニクの様な形をした大きな池がある。水深は20cmから深いところでも3m程度しかない、泥質のフラット&シャローなエリア。池と言っても山中湖よりも大きいので、本来なら湖と呼んだ方が良いのかもしれない。テリーはちょっと渋い顔をしながら、「水位が高すぎる」とコメントをする。水位が高いと、バラマンディは散ってしまって釣るのが難しくなるのだ。狙う場所はメインチャンネルのショルダー部分。河川なので何処かに蛇行したメインチャンネルがあるらしい。水位が低い時には、このチャンネルに全ての魚が集まり、笑いが止まらないくらいの爆釣が楽しめるとのこと。

 船首に立って竿を振り始める。池の真ん中で、ぐるりと周囲を見渡すが360°何もない。まるでフラット&シャローな浜名湖で、訳も判らずガイドの指示に従いルアーをキャストする時の気分に似ている。本当に釣れるのかどうか、頭の中は疑問符ばかりが浮かぶのだ。最初にヒットしたのはテリーの指示どおりにロングAを投げていたシゲさん。70cmぐらいのバラマンディが水面で激しくエラ洗いをして、ルアーを吹き飛ばして姿を消した。

テリー&フィンガーマーク 4KB 一度、魚を見ればそれまで疑心暗鬼だった気持ちは、一瞬にして何処かに消え去っている。メインチャンネルを探しながら少しずつボートを進め、キャストを重ねていると再びシゲさんがヒット。65cmのバラマンディをキャッチした。ノッペリして何もない場所で、飛距離が伸びないロングAは余りにも心細い。そこで私は、広範囲に水面付近を攻められるUZUブゥビィを投入。水中にうっすらと見えるチャンネルを意識しながら、ノートウィッチのストレートリトリーブをしているとガツンと出た。この釣り方で63cmのバラマンディを2連発。そして3匹目はボート間際でエラ洗いをしてルアーを吹き飛ばし逃げていった。リップレスミノーのタダ引きに、いつも余り良い顔をしないテリーも、ここでの威力は認めざるを得なかった。

 シゲさんもロングAをスナップから外し、他のルアーをアレコレ使い始めた。スカジットBマッチで良型のバラマンディを逃し、クリークチャブナックルヘッド60cmUPのクイーンフィッシュをスレ掛かり。散々、強烈なファイトした挙句にフックオフするという、クソ暑い中で最も体力を奪われる嫌らしいパターンだ。アタリが止まったので、移動しながらトローリングをする。開始間もなく、テリーがロングAでフィンガーマーク(ゴールデンスナッパー43cm)とバラマンディ(64cm)を立て続けにキャッチした。彼は自慢げな顔をして、私達にロングAを見せつける。

〜 気になる倒木がポツンと 〜


倒木 3KB テリーが強く勧めるだけあって、ロングAは確かに釣れる。しかし、「他にもあるんじゃないか?」と、いつも別のルアーを探す天邪鬼な私。昔は、テリーが選んだルアーしか使わせてもらえず、「残りは全てしまっておけ」と指示が出て、日本から持ってきた数多くのルアーを豪州の水に漬ける事なく帰国していた。残念で仕方がなかったが、今になって考えると、当時使おうと思っていたルアーの殆どが使い物にならないのは明白だ。使うルアーを指定するのは、限られた時間内にバラマンディをゲストに釣ってもらいたいという、彼の強い気持ちの現れだった。遠征回数も重ね、バラマンディに使えるルアーも自分なりに判ってきたので、あえてボックスの中から違うルアーを取り出す。この場でトローリング用に選んだのはZBLシステムミノー139F。後方にキャストをしてトロトロ引いているとドカン。60cmのバラマンディが飛び出した。

クロダイ 4KB トローリングをしている最中、ボートの遥か前方にストラクチャーがあることに気が付いた。ずっと気になっていたストラクチャーへ徐々に近づく。何もない真っ平なエリアにストラクチャーがあれば、魚が付いているのは明白。流れ着いた倒木のようだが、浮いているのか、着底しているのか不明。魚にプレッシャーを与えないように、十分距離を取って狙い始める。私の戦略は、フラットラップ10をスピニングタックルで遠投して攻めた後、ボートを寄せてからはベイトタックルで丁寧に探るというもの。こんなポイントは、遠投して同船者よりも先に、ポイント近くに投げた方が絶対にお得なのだ。

 フラットラップ10をフルキャストしてトウィッチを始めると、クイーンフィッシュがルアーを咥えた。しかし、コイツはファイト中にフックオフ。ルアーを回収して、ブン投げると今度はクロダイ(33cm)が躍り出た。写真を撮ってリリース。即座にキャストを再開すると、またしてもヒット。今度は本命のバラマンディ(57cm)。僅か数分で、3種の魚を掛けてビックリ。しかし、これはほんの序の口で、怒涛の入れ食いタイムに突入した。



〜 怒涛の入れ食いタイム 〜


バラマンディ 4KB キャストの際に目標があるのは、本当にありがたい。ビュッと投げて、トントンッとテンポ良くトウィッチするとドカン。バラマンディが水面を割って激しくエラ洗い。この時にルアーを吹き飛ばすのではなく、ナイロン12lbのダブルライン・リーダーをスパッと切って逃げていった。普通なら当り針のルアーをロストして悲しむところだが、ボートがストラクチャーに近づくと、オープンウォーターの釣りでは私を遥かに凌ぐテクニックを持つシゲさんの竿が曲がり始めた。彼はロングA64cm55cm40cmのバラマンディを連発した後、39cmのフィンガーマークをキャッチして絶好調。

 切れたリーダーを組み直す時間がもったいないので、ベイトタックルに持ち替える。ロングAをストラクチャー間際に打ち込み、力強くバラジャークを入れると、これまでとは明らかに違う強いバイト。水面に頭を出したバラマンディはやはりデカイ。慎重に引き寄せキャッチ。尾が黄色っぽいこの魚のサイズは77cmだった。私がこの魚と格闘している最中、横でシゲさんがクイーンフィッシュ(65cm)を掛ける。次から次に魚を掛けるので、船上はバタバタと大騒ぎ。私達をサポートするテリーも大忙しだった。

 ルアーをロングAからベイスカッド128Fに交換。タングステンの重心移動システムが入っているので、多少の風の中でも安定してピンポイントを狙えるので扱いやすい。私の周りではこのルアーを使う人は少なく、釣具店の店頭でも見掛ける機会は少ないが、結構良いルアーなのである。使い始めて直ぐにヒット。姿を見せない魚と、格闘しているとフワッとテンションが抜けた。



〜 相次ぐトラブルにもめげずに 〜


シゲさん 3KB ルアーを回収すると、スプリットリングが伸びて開き、真ん中のフックがなくなっている。国内メーカーのルアーに装着されているフックとリングは余りにも華奢なので、豪州遠征において太軸の物に交換するのはあたり前。しかし、今回はズルをしてスプリットリングは交換していなかった。もし、掛かっていた魚が、メーターオーバーのバラマンディだったら、悔やんでも悔やみきれないだろう。

 3個のスプリットリングを全て交換する時間が惜しいのでロングAに戻す。5分もしない内に66cmを追加。横ではシゲさんが70cmとクイーンフィッシュ(40cm)を相次いでキャッチ。ファイト中に私達の魚とは別のバラマンディがストラクチャー付近でエラ洗いをしている。この時、口から何かが飛び出したのを私は見逃さなかった。口から飛んで水面に落ちたのは、つい先程、ラインブレイクで失ったフラットラップ10。直ぐに回収に行きたいが、魚はまだ周囲に沢山いそう。グッと我慢して、他の魚に持っていかれないように祈るばかり。相次ぐトラブルにめげている暇はない。魚の食いが立っている時にトロトロしてはいられないのである。

テリー&クイーンフィッシュ 4KB テリーがロングAで釣った60cm前後のクイーンフィッシュは、ボート際で体長20cm以上の半分溶けかかったベイトを吐き出した。食っているベイトが大きいので、使うルアーはかなり大きくても大丈夫そうだ。ティンバーフラッシュスーパーシャッドラップを持って来ていれば、もっと違うスタイルの釣りが楽しめたかもしれない。

 ロングAへの反応が渋くなってきた頃、ゲストのためにキャストを控えてテリーがショアラインシャイナーR40をスピニングタックルで投げ出した。すると、60cmのバラマンディを筆頭に、10分もしない内に、55cm52cm、おまけにフィンガーマーク(30cm)まで追加。しかし、その後でショアラインシャイナーR40をストラクチャーに引っ掛けた。私達に対し、「ストラクチャーには引っ掛けるなよ」と言っていた本人が、ガッチリと倒木に引っ掛けてラインを切る。

 彼はベイトタックルに持ち替えて、アイルマグネットミノーをストラクチャーのギリギリにキャスト。1投目でバラマンディ(50cm)を引きずり出した。その後、シゲさんがロングAでクイーンフィッシュをキャッチ。次々と魚をキャッチする姿は、遡上するサケを狙っている巨大な熊のよう。"東北の白熊"さんは、やはりオープンウォーターでは、手堅く魚を釣るのである。



〜 謎のクリーク内フィッシング 〜


クリーク 4KB 時計は12時半をまわり、ラム肉のサンドウィッチをコカコーラで流し込んで手早く昼食を摂る。一服したところで、根掛かっているテリーのショアラインシャイナーR40を回収するためにボートをストラクチャーに寄せる。岸から流れ着いた倒木は、メインチャンネルのショルダー部分に引っ掛かっており、浮いているのではなくしっかりと着底していた。幸運にも私のフラットラップ10は、倒木の枝に寄り添うように浮いていたので回収。一方、テリーのルアーは姿が見えない。彼のルアーはシンキングなのか、水面には浮いていない。ステンレスのポールを持ち出し、引っ掛かっているであろう場所をザバザバとかき混ぜる。漂っているラインを見つけ、やっと水中に沈んでいるルアーを発見。水中に両腕を突っ込んで悪戦苦闘していたテリーは、腐敗したアオミドロのような怪しげな物体でドロドロになりながらもルアーを回収した。

 ストラクチャーからボートを離し、反対側から再びキャストをしてみる。使うルアーは、ここ暫く使っていなかったXラップ10。着水後、トウィッチをしながらリトリーブをすると、ルアーを引っ手繰るような強いアタリ。ガップリ食ってきたのはクイーンフィッシュだった。更なる追加を求めてキャストを続けたが反応がないので、この場から離脱する。

イエローテール・バラマンディ 5KB  向うのは、岸際のマングローブ林の途中でポッカリと口を開けている怪しげな謎のクリーク。2年前の釣行では水位が低すぎて近づけなかったエリアだ。開口部にゆっくりとボートを進めながら、キャストを始める。流れは弱く、水は濁っている。この状況から余り良い印象を受けなかったが、開始早々からテリーがロングA60cmのバラマンディをキャッチ。テリーの指示で、偏光サングラスを通さないと見えないチャンネルを狙ってキャストをする。すると間もなく、私とシゲさんのロングAに同時ヒット。シゲさんは手堅く56cmをキャッチしたが、私は健闘空しくフックオフ。やはり、魚とのやり取りがヘタッピなのである。しかし、いつまでも凹んでいられないので、気を取り直してキャストを再開。5分後に黄色い尾鰭が印象的な64cmのバラマンディを釣り上げ、思わずガッポーズをする。

 クリークの払い出しにあるチャンネルにはバラマンディが口を開けてベイトを待っていたようで、立て続けにシゲさんが2匹、テリーが1匹追加。しかし、いくつかのルアーを試してみたが、反応するのは何故かロングAばかり。しかも、やはりゴールドボーマーは強かった。一段落したので、狭いクリーク内で左右のマングローブ根際を撃ちながら静かに進む。テリーが40cmのクイーンフィッシュを釣った後、再びヒット。姿を見せなかったこの魚は、ロングAの尾部を壊して逃げていった。

〜 メーターオーバーの影 〜


テリー 4KB クリークの出口が見えてきたあたりで、ロングAを使い、60cm70cmのバラマンディを追加。クリークを抜けると、そこはバラマンディ・パラダイス・・・開口部で65cmを追加した。この一帯は泥質のシャローが広がる。浅すぎてエンジンが使えないので、テリーがステンレスのポールを取り出し泥底に突き刺しながら前進する。このエリアでは、ずっと気になっているメガバスラテスを試す。見た目が良いので凄く釣れそうな感じがするのだが、イマイチ魚を引き寄せる力が足りない様子。折角、この遠征に向けて買い揃えたルアーなので、成果を出したいのだが私の思いは魚に通じない。

 いよいよ浅くなってきたので、テリーがボートから降りて、ゆっくり押しながら更に進む。彼が何故そこまでして、このエリアに固執するのか・・・水深が深くなり、ボート上に戻った彼が水面を指差した。水の中に大きな魚の影。テリーが「メーターオーバーだ。直ぐ投げろ!!」と言う。苦労しながら、この魚を探していたのである。すかさず、私は影に向かってラテスをキャスト。しかし、オマヌケなことにルアーは魚の影を直撃。バラマンディは土煙を上げて逃げていった。もちろん、テリーから「魚を狙ってルアーを投げてはいけない」とお小言を頂く。まだ周囲にいるハズなので、広範囲にキャストを繰り返したがワンチャンスもなかった。

マングローブジャック 4KB シャローエリアのマングローブ林周辺を撃つが反応がないため、クリークを通り抜けて池に戻る。小さなストラクチャーを見つけ、ボートで静かに近寄りキャストを開始。ここでもラテスを試すが反応がない。後ろでテリーがロングAでバラマンディ(55cm)をキャッチ、続いてシゲさんが同じくロングAで真っ赤く色鮮やかなマングローブジャック(41cm)を釣り上げた。マングローブジャックはサイズが小振りでもファイトは力強い。シゲさんは"赤い悪魔"の引きを堪能した様子。

 こんな状況の中、このままラテスを使い続ける根性はなく、ロングAに交換。直後に、60cmのバラマンディをキャッチした。この魚は激しいファイトで私のロングAの尾部にクラックを入れた。残念ながらこのルアーは、これでリタイア。アラクン遠征は本当にルアーの消耗が激しいので、次回来る機会があれば使用頻度が高いルアーを多めに持ち込む事にしよう。

〜 ラブリバーのシメは女王魚 〜


ラブリバー 3KB 午後3時を過ぎ、帰路に向う。午前中、エスチュアリーコッドが入れ食いになった岸壁のあるロッキーエリアを通り過ぎたところでボートを止めてアンカーを降ろす。ここはメインリバーに並んで流れているクリークの合流ポイント。本流へクリークの水が流れ出す場所であり、クイーンフィッシュやGTが溜まるエリアなのだ。ベイトを追い掛けアチコチでボイルしているので、すかさずスピニングタックルを握り締めてサージャーを投入。シングルフックの2本掛けをしてあるので、フッキングはバツグン。50〜60cmのクイーンフィッシュを立て続けに7匹釣り上げた。一方、準備で出遅れた感のあるシゲさんは、クルクルでクイーンフィッシュを2匹。テリーはフラップスラップSW柊でクイーンフィッシュを2匹、ブルーサーモンを1匹キャッチした。

 母船ピクーまでは、外海が荒れていると1時間程掛かる。早めに切り上げたつもりだったが、時計の針は既に午後4時を指す。トラブルがあると日が出ている内に帰れなくなってしまうので、アチコチでボイルが続くこのエリアに後ろ髪をひかれつつ河口から海へ出る。予想はしていたが外海は波があり、ボートは波間で何度も跳ね上がる。90kgもの体重のあるシゲさんが、ゴロッとよろけた時にはグワッとボートが片側に傾きヒヤリとする。頭の上から潮を度々被りながらも、無事にアーチャーリバーまで辿り着いた。

〜 やはりロングAなのか 〜


夕食 5KB ボートの激しいバウンドで痛めた腰をさすりながら、船首に立つ。アーチャー湾内には、帯状にはっきりと潮目が出来ていた。メガバスメタルXをフルキャスト。ファストリトリーブで反応を伺うがアタリはない。シゲさんとテリーも空振りに終わり、ボートを走らせる。午後5時を過ぎ、そろそろ納竿かと思いきや、テリーの目線の先にはマングローブ林があった。どうやらもう一勝負する感じなので、ベイトタックルに持ち替える。風が強まり精度の高いキャストが難しくなる中、ボックスの中をかき混ぜて何を使うか考えていたところ、テリーから「ここでは、ロングAを使え」と指示が出る。

食後の団欒 5KB キャストを始めて直ぐにテリーがロングA60cmのバラマンディを仕留める。続いて、私のロングAに2アタック。いずれもフッキングが上手くいかずに魚を逃した。横ではシゲさんが同じくロングA71cmをキャッチ。なんだか取り残された感じで、焦りを感じてきた時にガツンとヒット。エラ洗いを繰り返すバラマンディ(60cm)を慎重に引き寄せキャッチした。その後、私とシゲさんの竿が同時に曲がったが、2人ともあっけなくフックオフ。これで本日は納竿。それにしても夕暮れが迫る中で、ロングAに次々とバラマンディが襲い掛かる様子は圧巻だった。やはりバラマンディにはロングAなのか・・・。

 午後6時半過ぎに帰船。素早くシャワーを浴びて、タコスチップとナッツをおつまみに缶ビールを飲みながらくつろぐ。太陽が沈み、西の空が赤く染まる瞬間を見てホッと一息つく。アラクン遠征では、この時間がたまらなくイイのだ。夕食はハンバーグ定食。ライスを多めにもらい、インスタント味噌汁も作って、完璧なジャパニーズスタイルを楽しむ。デザートは、カップケーキにアイスクリームをたっぷりのせて、少し溶け掛かったところでいただく。食後のテーブルを囲んでの団欒では、秋田弁、静岡弁、オージー・イングリッシュが乱れ飛んだ。

5日目の釣果結果

TOSHI

SHIGE

TERRY

バラマンディ

13

10

10

マングローブジャック


1


クイーンフィッシュ

8

5

4

フィンガーマーク


1

2

エステュアリーコッド

2

1

1

ブルーサーモン



1

ターポン



1

クロダイ

1


1



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