オーストラリア国旗 2KB

豪州バラマンディ・フィッシング]Y
怪しげなジュラシック・クリーク

ジュラシッククリーク 4KB
骨だらけのジュラシック・クリーク


擬似餌の玉手箱>豪州バラマンディ・フィッシング>'09/9遠征


'09/9/20(日)

〜 ジュゴンの住む豊かな海 〜


サイモンとテリー 5KB 遠征3日目、午前5時45分に起床。昨晩はテリーのイビキに悩まされ、真夜中に耳栓を取り出してして寝るほどだった。彼も日頃の疲れが溜まっているに違いない。朝食は山盛りのシリアルにミルクをたっぷり注いで、ハチミツを垂らして食べる。普段、シリアルを食べていないので、どれくらいの量を食べれば良いのか難しいのだが、食欲に任せて結構な量を胃の中に納めた。実はこのシリアル、胃の中で水分を吸って結構膨らむのだ。出船する頃には、腹パンパンの満腹状態になってしまった。

 午前7時、"ピクー3号艇"に乗り込む。今日はサイモンの案内でラブリバー、通称ジュラシック・クリークに向かう予定だ。まずは母船ピクー近くのマングローブ根際で肩慣らし。リーズルアーで反応を探ったが不発。アーチャーベイを一気に横断して海に向かう。河口周辺ではアチコチでボイルが起きているのを発見。どうやら小型のクイーンフィッシュのようなので、これを無視して巨大なペリカンが群れている河口を抜けて外海(カーペンタリア湾)へ出た。

アラクンマップ 6KB 波がなくて穏やかな水面を岸と平行に突き進む。テリーが突然声を掛けたので振り向くと、進行方向、右斜め前を指差している。一瞬チラリと見えたのは大きな茶色い物体。「海ガメか?」と彼に尋ねると「ジュゴンだ」と言う。ここはジュゴンが生息する、自然豊かな穏やかな海らしい。ジュゴンは非常に臆病で、ボートが近づくと直ぐに逃げてしまうようなので、いつも体の一部しか見ることが出来ないようだ。

 外海は風が結構冷たく、徐々に体が冷えてくる。ジャスト1時間のロング・クルージングで膀胱が超満タン。ヤバイくらいにギリギリ我慢していたのだが、ラブリバーに入ったところで"ピクー3号艇"を止めてもらい、一気に放尿する。揺れるボートの上でオシッコをするのは神経を使うのである。風向きを考えつつ、ボートやズボンを汚さないように、そして自分が落水しないようにとアレコレ注意が必要。初日はビビリながら船首に立って用を足すのでスッキリしないのだが、3日目ともなると多少揺れても上手に出来るようになるのだ。

〜 行き止まりのチャンネル 〜


アラクンマップ2 6KB ジュラシック・クリークをゆっくり遡って行くと、岸際白い砂浜の所に巨大なクロコダイルが横たわっていた。ワニはとかく攻撃的で獰猛なイメージを植えつけられているが、実際のところはとても臆病だったりする。私達のボートが近づくと、すぐさま水の中に潜って逃げて行った。暫くクリークを進むと、急に開けた湾に出た。ラブリバーから流れ出る水量が多い時は広大な河口域になるのだろうが、今は河川からの水量が少なく、河口域が閉塞している感じ。細いクリークで外海と繋がっているようだ。全体的にこの湾内の水深は浅い様子。魚探と目視でチャンネルを探しながらスタックしないように注意深く船を進める。チャンネルを外れると即座にスタック。船底が堆積した川底のドロに擦れ、スクリューが巻き上げる。狙っていた場所は、マングローブが茂る河口内の岸際。しかし、船を進めていたチャンネルが先細りし、"もう少し行ければポイントに手が届く"ってところでギブアップ。これ以上、進むと座礁の危険を感じ、Uターンした。

 湾内の入り口まで戻り、ルートを変えて再びアタックする。この選択は正しかったと思っていたのも束の間。やはり、もう少しで・・・という所で再びチャンネルが行き止まり。どうしようもないので、湾内のど真ん中で竿を振る。「こんな所じゃ無理だなぁ」と内心思いながら、ポップクイーンでポッピングをしていると、大きな捕食音と共に水面が炸裂。ガイド役になっているサイモンは「よくある事さっ」て感じで全く冷静なのだが、私の方はびっくり仰天。ぐるっと360°、周囲には全く何もないドシャローでトップにバラマンディが飛び出るというのは、ケアンズ近郊の釣りではちょっと経験が出来ないのだ。やはりアラクンのバラマンディはストラクチャーにタイトに付いているのではなく、かなり回遊している魚という気がしてきた。

バラマンディ 4KB 釣り上げたバラマンディは60cm。ボートデッキで2〜3cmのエビを数匹吐き出した。この魚は眩しいくらい銀色に輝く体に、赤い眼、黄色っぽいヒレ、濃いオレンジ色の舌を持っている。エビを食べていながら、トップウォータールアーに反応するというのは、何故なのか・・・。エビでもベイトフィッシュでも、その時に食べられそうな餌を手当たり次第に何でも食べているのか、それとも水面を飛び跳ねながら逃げるエビと間違えてルアーを吸い込むのか。魚はきっと群れているので、3人でトップウォーターを投げまくる。しかし、反応がないので、移動。

 外海と繋がっているジュラシック・クリークに戻り、ボートを流しながらキャストを重ねる。マレオ13cmを咥えたのが30cmのクイーンフィッシュ。アーチャーベイの河口域でボイルしていたのは、これくらいのサイズの魚だったのだろう。たとえ30cmと小さくてもクイーンフィッシュの引きは凄い。竿をギュンギュン引き込み、十分楽しませてくれた。クイーンフィッシュの足は早い。ヒットした周辺を3人で集中爆撃したのだが、群れはどこかに消えうせてしまった。

〜 ボイル・ボイル・ボイル 〜


テリーとサイモン 5KB 河口に向かって更にクリークを下る。テリーがDDパニッシュを使って60cmのターポンをキャッチ。魚がいる場所といない場所がハッキリしているので、いると判った場所には3人で集中爆撃。すると、私のTDソルトペンシルLDに爆裂バイト、時を同じくしてサイモンのルアーにもバイト。しかし、いずれもフッキングミス。思わず、「うぉ〜」と声が出る。目の前に魚がいるのは判っているので、持参したルアーを試してみる。手にしたのはエコギアの日本国内未発売プレミアムBM125Fバラマンディスペシャルフェイス。いずれもちょっと期待して今回の遠征に持参したのだが、不発に終わった。

 魚の姿を探しながら河口に到着。すると辺り一面がボイルだらけ。水面でバシャバシャやっている。テリーがメタルジグで良型のクイーンフィッシュ(65cm)とブルーサーモンをキャッチ。続いて、サイモンが無名バイブレーションで55cmのクイーンフィッシュ、私がガニッシュ115でブルーサーモンをキャッチした。僅か数分で4本を上げたが、リトリーブしてくるルアーには何度もバイトがあり、水面と同様にボートデッキ上の私達もボイル状態。そして活性が上がっているのは竿を振る私達だけではなく、アジサシ達も大興奮。水面を逃げ惑っているベイトを目掛けて空中からダイブを繰り返す。

ブルーサーモン 4KB アジサシ達はベイトよりも私の操るガニッシュ115の方が美味しく見える様子。何度もガニッシュ115にアタックを繰り返し、ルアーを咥えて空へと飛び立つ。バックシートのサイモンからは「今宵はヤキトリ・バーベキューだ。キャッチしろ!!」と冗談なのかマジなのか判らないゲキが飛ぶ。アジサシとの真剣勝負を繰り広げつつ、横目で周囲を見渡すと更にボイルが激しくなってきた。今度はテリーから「トシ、鳥と遊んでいる場合ではないぞ!!」と声が掛かる。ルアーをアマゾンジャークに交換し、早いテンポで水面をポッピングしてくると、次々に魚が襲い掛かる。フッキングしたのは55cmのクイーンフィッシュ。物凄いファイトで竿を弓なりに引き絞る。ボート近くまで引き寄せても、パワーは衰えず力強くファイトする。この魚はファイト中のシイラのように色が変わるのを初めて知った。銀色の魚体が、瞬間的に金色に変わり怪しく輝くのだ。

 リリース直後、1投目で再びクイーンフィッシュがヒット。激しい水柱とともに魚体が水面上に躍り出る。サイズは先に釣った魚より1回り小さいのだが、メチャ元気。ボート直下を縦横無尽に走り回り、ラインがエンジン周りに絡みつく。慌ててラインを緩めてラインブレイクを回避する。相当手こずったが、ルアーをロストせずに無事50cmのクイーンフィッシュをキャッチした。

〜 やっぱりトップは楽しいのだ 〜


クイーンフィッシュ 4KB テリーはフライに変更し、50〜60cmのクイーンフィッシュを3連発。フライで釣るのもとても楽しそう。パワフルなファイトを繰り返す魚相手に、右手で弓なりにしなる竿を支え、左手でラインを巧みに捌く。近くで見ていてドキドキするほどだ。サイモンはチャグバグでクイーンをキャッチ。私はアマゾンジャークで3匹追加。船上では、常に誰かが釣り上げた魚がバタン、バタンと暴れまわっている。血しぶきが飛び、口から外れたルアーが吹っ飛んでくるような危険な状態。それでも次々と釣竿が曲がり、3人は何かに取り付かれた様に釣りまくった。

 テリーが効率の悪いフライからメタルジグに変更。するとブルーサーモンが好反応。カツオの1本釣りのように次々と釣り上げる。彼はメタルジグのフックを、トレブルフックからシングルフックの2本掛けに変更していた。しかも、フックを互い違いに組み合わせているため、フッキングもバッチリ、バラシ激減の地獄掛かり。フックを外す手間も掛からず、職人を思わせるテンポの良さで次々と魚を上げる。

 デカイ魚が出るのはやはりトップウォーター。数を釣るならメタルジグなのだろうが、楽しいのはトップなのである。私の使うアマゾンジャークには65cmUPのクイーンフィッシュが次々に襲い掛かり、バックリとルアーを丸飲みにする。これに触発されてテリーとサイモンが中国製のチープな作りの大き目なポッパーを使い始めた。GTゲームに使うラッパのようなシンプルな形をしたルアーだが、これにも魚達が良く反応する。3人でポッピングを始めると、音と水泡に触発されたようでボイルは更に激しくなった。ここで私はTDソルトペンシルLDを試す。50cmのクイーンを1本釣ったが、ちょっとアピール力が足りない気がして12cm、30gのタントを取り出した。普段よりもラインの垂らしを長めにとって、重いルアーをブン投げる。

陸っぱり 2KB 着水後、アクションを始めた直後に水面炸裂。良型のクイーンフィッシュが飛び出した。今までのサイズよりも明らかに大きく、リールからラインが何度も引きずり出される。これまたキャッチまでに数分掛かりそうだと観念した矢先、突然テンションが抜けて、ラインが風に棚引いた。購入してから1匹も釣ったことがない新品のタントは魚が咥えていってしまった。

 以前購入したタントはキャストの際のラインブレイクで、遥か彼方へふっ飛ばした苦い経験を持っている。縁がないというか、相性が悪いというか、魚を釣らないまま、またしてもこのルアーをロストし気持ちが萎えた。ライン切れの原因について、テリーはバラクーダのせいだと言う。どうやらバラクーダの群れがエリア内に入ってきたようで、私がタントをロストしてからボイルが殆どなくなってしまったのだ。時計を見ると、延々、1時間半、クイーンフィッシュとサーモンのボイルが続いたことになる。1か所にボートをステイさせたまま、ボイル打ちをしたのは初めての経験だったので、これは本当に面白かった。数えてみると、結局この場ではクイーンフィッシュだけで20匹を釣り上げていた。魚との激闘で疲労が溜まり、腕がパンパンになっている。ここでボートを降りて、河口域の砂浜でサーフキャストを試すことにした。

〜 夕食は刺身!? 〜


キングサーモン 5KB 狙いはカケ上がりに潜むビックバラなのだが、全く魚信はなく僅か15分でこの場を切り上げる。この見切りの良さがテリーの凄いところ。要所要所をキッチリ狙い、無駄なキャストを殆どしないで食い気のある魚の存在を確認する。これは、私にはまだまだマネが出来ない部分なのだ。自分としては、「さて今から」ってところで、この場を後にするのは後ろ髪を引かれる気がするのだが、多分粘っていても釣れないのだろう。フィッシングプレッシャーが極めて低いこのエリアでは、食いっ気がある魚がいれば数投で出るハズ。なんたって、このだだっ広いエリアで釣りをしているのは、私達だけなのだから。

 ボートに乗船し、再びジュラシック・クリークを遡る。岸際近くに横たわる倒木周りを攻めていたテリーが、リーズルアーの新作シャッドルアーで65cmUPのキングサーモンをヒットさせた。何もない岸際にある単独のストラクチャー。ここに魚がいないワケないのだ。この魚のスピードのある突進力は凄いの一言。バラマンディを遥かに上回るのではないか。テリーがファイトしている最中、チラリと見えた魚体にサイモンが喜んでいる。私には彼が大喜びしている理由が判らなかった。キョトンとしていると、彼が「夕食は刺身だぞ。ワサビと醤油もあるぞ。うまいぞ。」と言う。豪州人が生の魚を食べるとは知らなかった。キングサーモンはブルーサーモンに似ているのだが、ヒモ状になっている胸ビレが長く、ヒレ黄色っぽいのが特徴。味はバラマンディやマングローブジャックよりも遥かに美味いらしい。因みにブルーサーモンの味は、かなり落ちるようなので、キープした魚はいつもカニの餌になるのだ。

バラクーダ 4KB 10分程、船を進めクイが立っているだけの船着場に到着。岸に上がって、木陰での昼食となった。ここに来て、サイモンがジュラシック・クリークと呼ぶ理由がやっと判った。アチコチに色々な骨が散らばっているのだ。船着場のクイに掲げてあった巨大な牛の頭蓋骨から始まり、岸際を少し歩くだけで、野ブタのアゴとあばら骨、ワニの全身骨格標本が出来そうな無数の骨。そして直径20cm以上はある巨大な巻貝ヤコウガイやカキ殻の山が次々と現れた。この光景を見るとジュラシック・クリークと呼びたくなるのも良く判る。

 コーラを片手に、具がたっぷり挟まれているサンドウィッチをぱくつく。20分でランチタイム終了。再び船に乗り込み、上流へ向かう。岸際を打ちながら様子を伺うが、反応が全くないので暫く沈滞ムードが漂う。この雰囲気を打ち破ったのが、私のベイスカッド128F。40cmのバラマンディを釣った後、75cmのバラクーダ、60cmのブラックスポット・エスチュアリーコッドを相次いでキャッチした。このエスチュアリーコッドは約13cmのルアーを頭から丸呑み。いかにも大食漢って感じの大きく開く口から、2本のペンチを使ってルアーを取り出す。バラマンディ、バラクーダ、エスチュアリーコッドの3魚種を釣ってピカピカだったルアーは一気にガリガリ・ボロボロのルアーに成り果てた。このルアー、余り注目されていないようなのだが、結構イイ感じのルアーなのだ。飛距離もバツグンで強風時にも安定して飛び、フローティングなので太軸フックへの対応もOK。重すぎず、軽すぎず扱いやすくまとめられているので今後は登場する機会が増えるだろう。

〜 デカバラ狙いのトローリング 〜


エスチュアリーコッド 4KBテリーが45cm、サイモンが50cmのバラマンディをリーズルアーでキャッチ。サイズに不満があり、「もうちょっと大きなヤツが出ないかな」と皆が思っているところで、私のタイドミノーLDに70cmUPが出た。ヒットしたのは、ちょっと濁った小川の流れ込み部分。小川の中にルアーを打ち込み、強めのジャークを繰り返して本流との合流点まで引っ張ってきた。合流点でポーズを取った際にガツン。周囲にストラクチャーはないので、リラックスして魚とやり取りする。テリーが慎重にランディングしてくれた魚は75cm。遠征3日目にしてやっと、このサイズが出た。しかし、狙っているサイズは、これよりも更に30cmぐらい大きいヤツなのだ。

 デカバラは深い所にいるかもしれないので、トローリングを試す。点の釣りであるキャスティングでは狙えない魚を、線の釣りであるトローリングで探すのだ。3人いるので、アーを変えてそれぞれ探る水深を変えれば、効率よく魚を見つけることが出来るハズ。川の中を立体的に考えるのが大切なのである。使うルアーは私がディープシェイカー、テリーがクラシックバラ、そしてサイモンがリバーラット。豪州人2人が使うルアーは、いずれもバラマンディ狙いのトローリングではド定番のルアー。日本では残念ながら、この手のルアーがない。豪州ではキャスティングよりもトローリングでデカバラを狙う方が主流であるため、各メーカーとも探りたい水深に合わせ、ルアーサイズやアクションの種類が豊富に揃っているのである。

 魚探を使ってメインチャンネルを探し、スローなスピードで岸と平行に船を進める。川底が複雑な地形をしていれば何度も往復して魚に誘いを掛けるのだが、魚探に映るようなストラクチャーはなく、全体的にのっぺりしている。10分程ルアーを引っ張ったが、魚信は皆無。魚探画面を見つめていたテリーとサイモンがギブアップを宣言した。

〜 大荒れの外海 〜


サイモン 4KB 午後3時を回り、ジュラシック・クリークで竿を振れる残り時間が少なくなってきた。午後になってから風が強くなっていたので、帰路の外海の状態も気になるところ。クリークを下りながら河口を目指し、テキパキとキャストを重ねる。そして再び、私が75cmを釣った小川の合流点に到着。開始直後にテリーのロングAに45cmが出た。期待していたサイズとは違ったが、魚はいるので3人で合流点を一斉射撃。すると再びテリーが同サイズをキャッチ。彼はポイントを荒らさないようにと、魚を一気に引っこ抜く。続いてサイモンが同サイズをリーズルアーでキャッチ。3匹とも全く同じピンポイントで、魚のサイズも全く同じバラマンディ。このサイズなら、まだまだココにいるハズ。当然、次は私の番・・・のハズがパタリとアタリが止まった。これって、群れていた魚が抜け落ちたか、巨大バラマンディがエリアに入って来て小さいヤツが移動したかのどちらか。

テリー 4KB 答えは直ぐに出た。群れが何処かに消えうせてしまったようだ。暫くルアーをアレコレ交換して探りを入れたが、コツリともアタリはなかった。時計を見ると午後3時半、これにてジュラシック・クリークの釣行は終了。河口を抜け出て外海へ船を進めると、爆風で海面が盛り上がり、うねりが入って白い三角波が立っている。ダッバン、ダッバンと波を切り裂いて強引に船を進める。母船まで戻るには岸と平行に進まなければならないのだが、岸沿いは船体が危険なレベルまでロールする程の大きな横波が押し寄せる。これはヤバイってことで、一旦、沖まで出てから横移動。

 流れる川に落ちた枯葉の様に、船は波に揉まれて翻弄される。「行きはヨイヨイ、帰りは怖い」とは正しくこの事。穏やかだった海が豹変している。フロントデッキにいるのは危険なので後部デッキに移動し、一番安定しているエンジン前に足を踏ん張って座る。しかし、それでも見事にボート内で2度も転がった。頭から波を被ることは数回。全身、海水まみれ、涙目になりながら1時間以上のロングドライブに耐えた。

〜 サシミ・パーティー 〜


グーグルアース 5KB 船上で怪我もせず、どうにか無事にアーチャーベイに戻ってきた。時間的にはまだまだ竿を振れるのだが、そんな気力は全く残っていなかった。とりあえず、前日仕掛けたカニ籠を引き上げにかかる。私とテリーが仕掛けた2個を含め、全部で6個あるハズだが、目印であるオレンジ色のフロート1個がどうしても見つからない。結局、5個引き上げて、成果はリリースサイズの小ガニが5匹入っていただけだった。今宵もまたマッドクラブパーティーはお預けなのである。なんだか非常にテンションが下がってしまった状態で、母船ピクーに帰還。即座にシャワーを浴びて、リフレッシュする。この間、サイモンが手際良くキープした魚をさばき、料理に取り掛かってくれた。

 シャワーを浴びて私と同様にリフレッシュしたテリーと、冷えた缶ビールをプシュッと開けてカンパイ。するとテーブルには、キングサーモン(白身)のサシミが大皿にのって出てきた。そしてS&Bの練りワサビとキッコーマンのお醤油。辺ぴな豪州の洋上で、まさかのこの組み合わせ。食べてみると結構イケル。滅多に食べられる物でもないため、ついつい箸が進む。続いて出てきたのが、キングサーモンの熱々フライ。山盛りのポテトフライとアボガドのサラダ。いわゆるフィッシュ&チップスってヤツ。「ご飯と味噌汁も食べたいなぁ」と思いつつ、コカコーラをグビリと飲む。

 食後は3人で日本から持参したDVD鑑賞をする。まずは、Frogのズボネチ5で豪州のサラトガフィッシングをチェック。続いて、SEABASS LIVEでスズキのバイトシーンをじっくり見て、バラマンディの生態を比較した。このDVDの水中画像は、テリーが非常に興味を持ったので片言の英語を使って通訳をする。やっぱりバラマンディとの共通点が多いようだ。DVD鑑賞の後は、グーグルアースを使って、空の上から今日の釣り場の確認と明日の作戦を練る。兎に角、朝から晩まで、考えるのは釣りの事ばかり。南十字星が輝く星空の下、幸せな時間がゆっくり流れてゆくのである。

3日目の釣果結果

TOSHI

TERRY

SIMON

バラマンディ

3

3

2

バラクーダ

1



ブルーサーモン

1

7


キングサーモン


1


クイーンフィッシュ

11

6

3

エスチュアリーコッド

1



ターポン


1




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