バラマンディ・フィッシング]\
ミルクフィッシュとビッグバラ

パン&ルアー 6KB
スプーンを忘れた時はルアーのリップが大活躍


擬似餌の玉手箱>豪州バラマンディ・フィッシング>'12/9遠征


'12/9/17(月)

〜 まさに孤軍奮闘!?


朝食 5KB 朝5時半に起床。真夜中に1回トイレに起きたが、頭上の闇夜に広がる星空は、それはもう言葉では言い表せないほど素晴らしかった。地元では星を見ながら夜釣りをやってるが、その時とは比べ物にならないぐらいの無数の星が目に飛び込んでくる。そしてこの時間、明け方の雰囲気もとても良い。マングローブ地帯で生成されたフレッシュで濃厚な酸素が体中に染み込むような感じ。何度も深呼吸をしながら、白々と夜が明ける様子をデッキで眺めてくつろぐ。

 朝食の前に、釣行の準備をしていると突然トイレに行きたくなった。おなかの中をスッキリさせておけば、釣りをしている最中にボートを降りて用足しをしなくても済む。さっそく、小さな簡易トイレに座ると、自分が思っている以上に出る物がモリモリと出た。オーストラリアの遠征では、多分日本にいる時の倍くらいの量の食事を摂っている。これが要因なのだろうが、ほんの少しの間で小さな便器の中に笑えるぐらいの大きな山ができた。用も済んで、さて流そう・・・この段階で困ってしまった。この簡易トイレは、名ばかりの水洗トイレ。手押しのポンプでシュポシュポと水を送り出すので、水量が少なく、勢いもないのでブツが中々流れない。後処理のため、まさに"孤軍奮闘"するハメに。テリーやティムが、トイレを外で済ます理由がまた1つ判った。

〜 ニュースタイルの発見 〜


ターポン4KB 朝食はトーストに、カリカリに焼いたベーコンと半熟の目玉焼き。トーストの上で黄身を潰して、お醤油をポトリと垂らして食べるとかなりイケル。腹がパンパンになるほど食べて午前7時半に出発する。今回、ティムはお留守番で母船ピクーの整備。テリーと2人での釣行となった。早朝、母船ピクーの周囲で魚のライズやGTらしきボイルが何度もあったので、これをチェックする。魚はいるようだが、2人のルアーに反応がないため、私が試しにZBLシステムミノー50Sを使ってみた。オーストラリアでメータークラスのバラマンディを狙う人が、こんな小さなルアーを日本から持参してきて良いものかどうか疑問は残るが、日本国内では困った時に何度も助けられたルアー。きっと反応する魚が周囲にいるのではないかと考えキャストする。

 ZBLシステムミノー50Sを使い始めて直ぐに力強いバイト。そして水面が割れて、元気の良いターポンが空に飛んだ。サイズは60cmオーバー。朝イチの肩慣らしとしては、十分過ぎる相手。釣り上げるまでに、結構な運動となった。これを見ていたテリーは、ボックスの中をゴソゴソやって、以前、私が提供したZBLシステムミノー50Sを取り出した。使い始めて直ぐにヒット。これには彼もビックリ。魚は明らかにターポンではなく、相手は延々と走り続けるハードファイターだった。

ミルクフィッシュ 4KB チラリと姿が見えた時に魚種が判明。その魚は「ルアーでは釣れない」と言われているミルクフィッシュ。その魚は、ウグイの尾鰭を長く伸ばし、巨大化させたようなヤツ。ボラの様に群れを成し、高速でボート脇を通り過ぎる姿を度々目撃しており、いつかその正体をこの目で見てみたいと思っていた魚だった。 名前から受ける印象とは全く違う、パワフルなファイトにテリーも疲れが溜まってきた様子。ヒットしてから10数分が経過しても、まだ魚は元気良く走り回っている。

 ラインキャパシティーをしっかり確保しておかないと、この魚が掛かった時はとても心細い思いをするに違いない。やっとボート際に浮いてきたのは80cmクラス。この魚は、まだまだ大きくなるようだが、彼は「信じられな〜い」を連呼し、「ついに私達は、ニュースタイルを発見した!!」と言いながら、珍しく写真を撮りまくっている。プロのガイドが騒ぐほど、ルアーで釣るのは難しかった魚らしい。因みに彼はこのルアーを"ゼビエル"と呼び出した。


(続きは
こちらでどうぞ)

〜 真昼間のバチ抜けパターン 〜


ミルクフィッシュ 4KB 竿を振らずにテリーのファイトにお付き合いしていたので、「次は私の番」と言いながらキャスト&リトリーブを始めるとガツンときた。先に釣ったターポンとは違い、ジャンプはしない。兎に角、一直線に突っ走るファイトにドラグが唸って、ラインが引きずり出された。ZBLシステムミノー50Sのフックはとても小さいので無理は出来ず、持久戦となった。いつまで経っても魚は寄って来ないため、アンカーを上げてボートで追いかけることにした。テリーと同様、この魚を上げるのに10分以上掛かってしまった。サイズは一回り小さい75cm。初めて釣った魚なので、つぶさに観察し写真に納めてからリリース。

 テリーが水面を指差し、何やら言っているので見てみると、ゴカイの類が体をクネクネと動かしながら白っぽい物を放出している(放精)。目が慣れてくると、アチコチでクネクネと踊っているゴカイが見えてきた。潮目に沿って流れてくる、これらのゴカイを魚達が食べているようだ。今週はニュームーンなのだが、日差しが強い真昼間に、バチ抜けを目撃するとは思いもよらなかった。試しにゴカイを手ですくってみたが、触るととろけてしまう柔らかいタイプだった。

ミルクフィッシュ 4KB ボートの周囲では度々、魚のライズがあったり、吸い込むような音がしたりと賑やかになってきた。丁度、流れのスジの中にアンカリングとて停泊しているため、ゴカイが次々に流れてくる。バチ抜けのパターンなら、トウィッチよりもストレートリトリーブが効くハズ。試しにやってみたら、次々にバイトしてくる。しかし、フッキングは難しく、フックが小さいので、いきなり走られると外れてしまう。フッキングミスを悔やんでいる横で、テリーが再びヒット。この魚にもタップリ時間を掛けて引き寄せる。サイズはまたしても80cmUPの立派な魚体だった。

 リリースして直ぐに、またしてもテリーのZBLシステムミノー50Sにヒット。魚は明らかにミルクフィッシュで、彼は「この釣り方はニュースタイルだ」「ゼビエルは凄いぞ」と繰り返しながら、魚とのやり取りを楽しんでいる。しかし、そこに来てもらいたくないお客さん サメが登場した。背鰭を水面に出して獲物を探しているこのサメのサイズは2メートルオーバー。私達のボートの周囲をうろつき始めた。そしてテリーの獲物に突然襲い掛かり、大変なことに。「うぉぉぉぉ〜」と言っている間にリーダーをブチ切られ、ルアーもろともミルクフィッシュは消えてしまった。

〜 凄いぞゼビエル! 新たな伝説の始まり 〜


OZ釣り人 4KB 何度も竿を曲げて魚と格闘をしている私達を見つけ、ボート一艇が近づいてきた。母船ピクーに宿泊せず、アボリジニの居留地であるアラクンで釣りをやるOZはとても珍しい。しかもエレキを装備した、ちゃんとしたフィッシングボートなので、かなり気合が入っている親子。「魚はいるが釣れない」と言っている彼らに、私達が使っている日本の極小ルアーを見せてやると、これを手に取ってとても驚いている。

 「こんな小さなルアーを投げられるのか?」「泳ぎは?」「どこで売ってるんだ?」「値段は幾らなんだ?」など、矢継ぎ早に質問が飛ぶ。彼らの質問に得意げに答えるテリー。"ゼビエル"の凄さを得々と説明し、お互いの釣果を祈ってお別れした。初めてこんな小さなルアーを見たようなOZにとっては、さぞや衝撃的だったに違いない。だだっ広いエリアで、豆粒みたいなルアーに大型魚が次々とアタックしてくる様は、使っている私自身も信じがたいのは事実だが。

ゴールデントレバリー 4KB 潮の干満の影響で流れが変わってきた。水面で蠢いているゴカイ類も減り、魚達のライズも散発する程度になったため、魚がライズしている場所へボートを少し移動する。ここでは"虎の子"ゼビエルをサメに持っていかれションボリしていたテリーに、私のストックを新たに進呈。彼は使い始めて直ぐ、私に遠慮することもなくターポン(56cm)をキャッチした。日本での釣りに比べ、豪州遠征ではルアーを壊したりロストすることが多いので、常に予備を持っている必要がある。今回も何個かボックスの中に突っ込んでおいたので、ロストして辛い思いをしなくて済んだ。

 「次は私の番だぁ〜」と言いながらキャスト&リトリーブを繰り返す。一定スピードのストレートリトリーブに反応しなくなったため、リトリーブの途中でトウィッチを入れるといきなりガツン。これまた凄いパワーで竿を引き込む。暫くのやり取りの後、浮いてきた魚はミルクフッシュではなく、ゴールデントレバリー(60cm)。この魚は、水中でギラリと金色に光ってとても格好よかった。

ナマズ 4KB "ゼビエル"のストレートリトリーブではミルクフィッシュが反応し、トウィッチを入れるとターポンやGT類が反応することが掴めた感じ。1つのルアーにおいて、アクションの付け方で狙う魚を選べるという事はとっても有難い。今更ながらにZBLシステムミノー50Sはとっても凄いルアーだ。

 2人でこのルアーの可能性を熱く話している最中、テリーの竿がギュッと曲がった。今までの魚とは引きが違うので興味深く見ていると、竿先にぶら下がったのは嫌われ者の25cmのナマズ。この魚を最後にパタリとアタリが遠のき、時合が終了したことを悟った。それにしてもZBLシステムミノー50Sは魚種を選ばないルアー。これをケアンズ・インレットや近郊の河川で使えば、きっとボウズなしのトップシークレットルアーになるだろう。そんな予感がする・・・新たな伝説はココから始まるのである。



(続きはこちらでどうぞ)

〜 指先にブスッと 〜


テリーのタックル 4KB エンジン全開で一気にアーチャーリバーを遡って淡水域を目指す。ゴミ1つ浮いていない川岸を眺め、「これが本来の姿なんだ」と胸に刻む。日本の河川は一昔に比べれば遥かにきれいになってはいるが、未だに何の気兼ねもなくコンビニ袋に詰めた生活ゴミを橋の上から放り投げてゆく人がいる。大雨が降った時を見計らって貯めておいた有害物質をコッソリと河川に流したり・・・こんな人達がいなくならない限り、いつまで経っても日本の河川の再生は難しそうだ。

 20分以上、走ったところで竿を出して様子をみる。透明度が高く、大物は釣れる気がしないのだが、倒木周辺を丁寧にロングAで探ると直ぐに小型のバラマンディが踊り出た。魚を一匹見つけると、その周囲を徹底的に狙い撃ち。すると僅か2分後に再び同サイズをキャッチ。テリーのシャッドラップ9にも30cm程のバラマンディが食いついてきた。魚のサイズは小さいのだが、遠慮なしに大きめなルアーに飛びついてくる様子は、「さすがアラクンの魚」って感じがする。

ZBLシステムミノー50S フッキング 5KB 岸沿いにボートを進めていると水中に沈むイイ感じの倒木を発見。鉄砲魚が見えたのでテリーがZBLシステムミノー50Sを投げ込むと、いきなりのヒット。ルアーをパックリ咥えた魚の後ろには、ウジャウジャと鉄砲魚が追尾してくる。そこでその魚を狙ってシャッドラップ8を放り込むと一発でフィッシュオン。アグレッシブな鉄砲魚を釣り上げて御満悦。リリース直後にテリーが再び鉄砲魚をキャッチ。

 釣れたのは20cm程度の魚なので、彼は一気に引き寄せる。サッと魚を掴んでフックを外し、ポイッと放り投げてリリースするハズが、魚が手元で暴れてフックがガックリと彼の指先にフッキング。魚はルアーを咥えたまま暴れているので、それはもう大変な状態。フックが刺さることぐらい慣れているであろうテリーも、さすがにこれには声を上げた。暴れる魚を外して指先を見ると、ガッツリとフックが刺さっている。

 彼は深呼吸をして気を落ち着かせてから、ボックスの中からド太いリーダーを取り出した。適当な長さに切って輪を作り、フックに引っ掛けて抜き取るつもりだったが、片手では上手く出来ずに断念。時間が経つほど、フックは抜けにくくなる。彼は覚悟を決めて、ペンチで力任せにブチッと引っ張って外した。この方法は極めて簡単だが、実はとても危険な方法。抜いた時に血管を傷つけたり、スジや神経を痛めて指先が動かなくなってしまったりとトラブルが多いのである。術後にテリーは冗談で「指が動かない!!」なんて大げさに言って私を驚かせたが、時には冗談では済まないので本当に気をつける必要がある。

〜 嫌なお客さんが登場 〜


アイスリュック 4KB 午前10時半を過ぎ、猛烈に暑くなってきた。ここで取り出したのが、前夜からキンキンに冷やして凍らせた保冷材を入れてあるアイスリュック。使用時間は3時間程度と限られているが、少しでも体温を下げて快適な釣りをするには秘密兵器とも呼べるだろう。背中に背負ってひんやり感を楽しみながら、目の前に広がるシャローエリアを乗り切るため、船首にドッカリと座り込み船体のバランスをとる。ここは、うっかりコース取りを見誤ると船底がガリガリと川底を擦ってしまうくらい水深が浅いエリア。メインチャンネルを確認しながら、ゆっくり進んで更に上流を目指す。

 シャローエリアを抜けた所に、ストラクチャーが沈んでいるイイ感じの淀みがある。ボートを停めてシャッドラップ8を放り込んでトウィッチすると連発。20cmの鉄砲魚からはじまり、45cmのバラマンディ2匹とナマズを立て続けにキャッチ。暫くは入れ食いが続きそうな雰囲気だったが、ボート際に黒い大きな影が見えた。

トシ 4KB 良く見ると正体はサメ。ここは完全に淡水エリアなのだが、私達のボートの周りを"嫌なお客さん"であるサメがうろつき始めた。こうなってしまうと、魚たちが怯えて口を使わなくなってしまう。サメがいなくなるのを待ちながら、暫くルアーを投げる場所を変えて様子を伺っていると、再びバラマンディ(45cm)がヒット。直後にテリーがマッドマレットで同サイズをキャッチした。

 ふと気がつけば、一旦いなくなったサメが1匹から2匹に増えてボートの周囲をウロウロ泳ぎ始めた。先程のサメが、どこからかお友達を呼んできた様子。ヒットした魚は直ぐに引き寄せ、出来るだけ短時間にルアーを外して水の中に返してやらないと弱ってしまう。釣った本人は魚を丁寧に扱っているつもりでも、かえって魚にダメージを与えている事も多いらしい。素早く釣り上げてからリリースするまで、極力、魚体に触らず水中に返してやった方が、ダメージは少なくサメのエサになりにくいだろう。ここでは55cmのバラマンディをパパッと追加し、次のエリアに向った。

〜 名ガイドか迷ガイドなのか 〜


テリー 黒箱回収 5KB 暫くボートを走らせ、倒木があるポイントに到着。キャストを始めようとしたとき、船尾からお下劣な言葉が聞こえてきた。なんと、テリーは移動中にルアーを入れてあったプラスチックの黒い箱をごっそり何処かにふっ飛ばしてしまったらしい。いつなくなったか全く記憶がなく、諦めるには辛すぎるほどの数のルアーが入っている。見つけるのは難しそうだが、急いでボートをUターンして何処かに浮いていないか目を見開いて探すことにした。

 岸際を見ながらゆっくり下ってゆく。川の強い流れに乗って相当下流に行ってしまったか、水中に沈んでしまったか のどちらかだろうと思い始めた頃、キラキラ光っているルアーを発見。箱から飛び出たルアーが数個浮いていた。肝心な黒い箱は何処に・・・?少しして吹き溜まりのような場所にプカプカ浮かんでいるのを発見。その中には、運よくルアーが残っていた。この時、テリーは船尾で小躍りするほど喜んでいた。

 毎度の事ながら、何かトラブルを起こすのは客である私ではなく"名ガイド"と呼ばれるテリーの方。今回のようなトラブルがあると"名ガイド"ではなく、"迷ガイド"じゃないか!? と思うことがある。いつぞやはボートで移動中、御自慢のカウボーイハットをどこかに吹き飛ばしてションボリしたり、ランチセットをごっそりと部屋に忘れてきたり、カメにちょっかいを出して竿先を折ったり・・・。数え上げれば幾らでもありそうだ。今回のルアーが入った箱をふっ飛ばすという失態は、何らかの具体的な対処をしないと再び繰り返すに違いない。

〜 アベレージサイズUP 〜


トシ&バラ 5KB ルアー箱回収のロスタイムを挽回するため、アクセルを開けて一気に上流へと走る。先程、竿を振ろうと考えていた倒木のあるポイントへ戻り、直ぐにキャストを再開。水中に沈んでいる倒木周辺をリーズシャッドで攻めてみる。根掛かったルアーを竿を軽く煽って外した直後にガツンと力強いバイト。続いて派手なジャンプをして良型のバラマンディが飛び上がった。この魚は元気満々でハデなシャンプを繰り返す。ルアーは丸呑みで口の中に納まっており、今にもリーダーが切れそうな状態。慎重に魚とやり取りをして無事にキャッチ。サイズは75cmだった。

 メラルーカの花が咲き、濃厚な臭いが辺りにプンプンと漂う中、次に釣ったのはテリー。リーズシャッドで65cm、シャッドラップに交換して72cm。少しボートを移動させて今度は私が62cmをキャッチした。下流域よりも上流域の方がアベレージサイズは明らかに大きく、魚のコンディションが良いことに気がつきワクワクしてきた。

 時計はいつしか12時半を回り、お日様は頭上高くからギラギラと強い日差しを容赦なく照りつける。頭の上を通り過ぎ、日が傾き始めるとこれまで好ポイントだった樹木下に強い光が入り込み、日陰がなくなる。こうなると魚の活性がガックリと落ち、"お昼寝タイム"になってしまうので、空きっ腹を我慢してキャストを続ける。その甲斐あってか、私はリーズシャッドで1匹追加。テリーはシャッドラップ8で77cmを釣り上げた。



〜 またしてもチョンボ 〜


サンドウィッチ 5KB 徐々に活性が落ちてきたので、ビーフリーズSを倒木際にキャストしてカウントダウン。水中でエビが跳ねる様子をイメージして、時折シャクリを入れて魚を誘ってみる。何かしら反応があれば続けてみるつもりだったが、ワンチャンスもないままガツッと根掛かり。何とかルアーを回収し、遅めの昼食にした。ここでは再びテリーがチョンボ。皿やナイフなどの食器類、塩、コショウ、マスタードなどをゴッソリ、母船ピクーのデッキ上に忘れてきた事が発覚した。幸い食材と飲み物はタップリとボートに積み込んであったので、飢え死にする事はないのだが、食器類がないのはとても不便。ボックスの中から、毎回お守り代わりに持参してくるディープシェイカーを取り出し、大きなリップをナイフとスプーン代わりにしてサンドウィッチを作る。

 因みにこのディープシェイカー、トローリング(ドラッキング)をやる時に使える日本製ルアーをアレコレ探した結果、辿り着いた逸品。既に生産中止となっており残念極まりないのだが、引き抵抗が少なく、ボートの緩急スピードに対応、キッチリ潜って、しっかり魚を引き出す優等生なのだ。今回のアラクン釣行では出番がないのだが、持っているとイザという時にとても役に立つ有り難い存在だ。

 今日は1時間程たっぷりと休憩して午後2時からスタート。休んでいた場所、まさにその場所がバラマンディを狙う格好のポイントなので、静かにボートを移動させる。適当な距離を取り、リーズシャッドを放り込むと1投目からバイト。しかし、食いが浅いのか、ルアーにちょっかいを出しているだけなのか判らないがフッキングには至らない。しっかりとルアーを潜らせ、トウィッチの後にポーズを長めに取るとガツンときた。水面でガバガバと暴れたバラマンディのサイズは68cm。午後の部、開始直後の魚として十分満足できる1匹だった。

〜 リリーパッド・ゲーム 〜


リリーバッド 5KB 9月は季節では"アーリーサマー"らしいが、初夏どころではなく真夏。午後2時〜3時、魚の活性はぐっと下がり、ルアーに反応しにくくなっていた。釣れるのはZBLシステムミノー50Sをチマチマ使っているテリーだけ。彼は、相当このルアーを気に入った様子。鉄砲魚や25cm前後のバラマンディを釣って遊んでいる。更にボートを上流に進めると、岸際にリリーパッドが広がるエリアに辿り着いた。ここでは飛豚73プロップ、Wペラのコーリングアップを試した後に、Zealカスタムフロッグポッパーを投入。スイレンの葉っぱの上をポショポショやっていると、25cmの鉄砲魚がバックリをルアーを咥えた。

 これと同時にテリーのスゴイスプラッシュに爆裂バイト。水中でクネクネとファイトする様子は、明らかにバラマンディとは違う。ボート際に引き寄せた魚は、サラトガ(40cm)だった。コイツはとても羨ましい1匹。私がアラクンに来る理由の1つとして、「サラトガを狙える」という事がある。希少な魚なので、魚の姿をしっかりと目に焼きつけさせてもらってからリリース。

 その後、テリーが45cmのバラマンディをシャッドラップ8で釣った後に、スイレンの葉が茂る場所でビッグバラを逃した。私のカスタムフロッグポッパーには度々、木の上から大きなワライカワセミが襲い掛かり、ルアーを持って行こうとする。最初の内は楽しくて笑っていたが、何度も執拗にルアーを狙ってくるので鬱陶しくなりリーズシャッドに交換。このルアーを使い始めると、バラマンディが良く反応し、度々バイトがある。

 一足先を使い始めていたテリーが40cm程のバラマンディを釣った後、70cm後半の魚が掛かり、リーダー切れしてルアーを咥えたまま水中に消えた。このエリアは大小のバラマンディとサラトガ、鉄砲魚が混在しており、時間を掛けて丁寧に探った。リリーパッドエリアでシャッド系ルアーを使うのは、キャスティングの精度やリトリーブ方法など、かなりのテクニックが必要とされ、心身ともに疲れる釣り。私が63cmと47cmのバラマンディを追加した段階で、次のエリアへと向うことにした。

〜 ついにビッグバラの登場 〜


バラマンディ94cm 5KB 午後4時、ボートを岸際に係留して上陸。ここから30分程、ブッシュウォークをして秘密のラグーンへと向った。一昨日、ここを訪れた時の足跡が残っていたので、迷わずにたどり着いた。竿先にはカスタムフロッグポッパーをぶら下げ、ワニの攻撃を避けるため岸際からやや離れて立って周囲を眺める。取り合えず、魚が潜んでいそうな場所にルアーをフルキャスト。ウィードの上をチョコチョコと移動させてくるとドカン。フッキングには至らなかったが、良型のバラマンディが射程距離内に潜んでいるようなので、ビデオを撮影しながらキャストを続ける。少しして再びチャンスが到来したが、これまたフッキングミスで魚の顔を見ることが出来ない。

ゴムルアー 5KB 更なる魚を探して、野ブタがドロンコ遊びをした岸際を迂回しつつ足場が良さそうな場所へと移動。キャストを重ねながら少しずつ前に進み、ラグーンの周囲を移動する。後から歩いてきたテリーが子ワニを見つけ、カエルを模した白いゴムルアーを使って遊んでいると、突然のビッグバイト。これには彼も驚いた様子。

 魚のサイズは大きく、相当苦戦しているようなので、彼の所まで戻ってビデオを撮影する。動画を撮り始めた頃には大分魚が落ち着いてきていたが、それでも力強いファイトを繰り返し、テリーとの綱引きが行われた。やっと上がった魚はデブデブに太ったラグーン特有のド太いバラマンディ。サイズは堂々の94cm。ついにビッグバラが登場した。彼との釣行では毎回思うのだが、確実に客を差し置いてデカイ魚を釣ってしまう。「またやっちゃった・・・」って感じで申し訳なさそうな顔をして見せたが、彼の表情は喜びを隠せない。



(秘密のラグーン釣行の動画はコチラ)



〜 やっとサラトガをキャッチ 〜


サラトガ 6KB 巨大なバラを目の前で見てしまったので、釣った人のテンションがこちらにも伝染。夕マヅメのワンチャンスを期待して竿を振る。Wフックに交換したウィードエリアで使いやすいジッターバグをポコポコ泳がせていると、50cm前後のサラトガが3連発バイト。ヌラヌラと泳いでルアーを追尾し、下に潜り込んでからバイトをする様子がサングラス越しにしっかりと見えていたので、緊張感は倍増。サラトガがルアーを咥えて水中に引き込む様子を見てからのフルフッキング。バッチリ成功したかと思いきや、直ぐにルアーがスッポ抜け。もうガックリ・・・。

 ジッターバグに反応しなくなったので、シングルフック仕様にしてあるマリアミスカルナに交換。フルキャストでラグーン中央部を狙って、25cmの鉄砲魚をキャッチ。続いて岸際の倒木周りを丹念に探っていると、今度はサラトガがヒット。やはりサラトガは、岸際のストラクチャー周囲や木陰部に潜んでいる。ウィードの中に潜られると、雷魚と同様に厄介なので、一気に引き寄せてキャッチした。サイズは45cm。この魚とやり取りしている最中、もう1匹がまとわりついていたが、そちらの方が明らかに大きかったのでとても残念だ。





テリー 4KB 夕暮れが迫りつつある中、最後の望みを掛けてギリギリの時間まで竿を振る。上空を飛んでいたトンビがテリーが使う白いゴムルアーをとても気に入られたようで、何度も舞い降りてアタックを繰り返す。魚も怯えて反応しなくなったので彼はギブアップ。少し離れていた所で竿を振っていた私は、知らない内にグリーンアントの群れの中に立っていたようで、突然、足首を噛まれ、余りの痛さに声を上げてギブアップした。

 随分薄暗くなってきたので、足早にブッシュエリアを抜けてボートまで戻る。母船ピクーに戻る途中には2つの大きな浅瀬があり、暗くなってからでは座礁の心配があり、とても越える事が出来ない。ラグーンでの釣りに時間を掛け過ぎた事を反省しながら、一気に川を下る。午前中、通過した時よりも水位が低下しており、メインチャンネルすら船底を擦るぐらいの状況になっていたため、テリーはボートから降りて、川の中をザブザブと歩きながら浅瀬を乗り切る。

〜 母船ピクーを目指して 〜


テリーとOZビーフステーキ 4KB 夕暮れ時、様々な魚達の活性が上がるようで、尾っぽだけで2メートルはある大きなエイが悠然と川底を泳いでいたり、ナマズが何万匹も集まり大きな黒い帯状の塊になって泳いでいる様子も目撃した。本来ならこの時間帯に竿を振りたいのだが、ワニの事も含めて危険がアチコチに潜んでいる。帰るまでには幾つかの水路の分岐があり、間違えないかと心配していたが、一度も迷わず川幅が広がる河口域まで出られた。

 西の空には細い月が浮かんでいる。時計を見ると午後7時。ティムがライトを灯しながら私達を探してボートで迎えに来てくれた。心配を掛けたことを詫びながら、本日の釣果を手短に伝えて2艇並んで母船ピクーを目指す。船尾デッキに灯ったピクーのランプを見つけた時には、緊張がほぐれ思わず大きく手を広げてバンザイをした。

 今宵の夕食はOZビーフステーキ。今時のオーストラリアの肉は、昔と違って随分柔らかくなっており美味しく頂ける。ちょっと残念なのが、ゴハンではなくて山盛りのマッシュドポテトであったこと。赤ワインを頂きながらステーキをパクつき、日本から持参したインスタント味噌汁を堪能した。食後は翌日のためのルアーチェック。ZBLシステムミノー50Sのフックを交換し、ミルクフィッシュ対策を整え午後9時半にベットインした。

4日目の釣果結果

TOSHI

TERRY

バラマンディ

12

10

ターポン

1

1

ミルクフィッシュ

1

2

GT

1


ナマズ

1

1

鉄砲魚

4

3

サラトガ

1

1



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