バラマンディ・フィッシング]\
夕マヅメ トップでガバガバ

テリー朝食 5KB
本日の朝食は山盛りのシリアル


擬似餌の玉手箱>豪州バラマンディ・フィッシング>'12/9遠征


'12/9/18(火)

〜 お食事の時間 〜


釣り親子 4KB 前夜は、テリーが電話を掛けっぱなしだった。「ルアーでは釣れない」と言われているミルクフィッシュを、日本の極小ルアーを使えば狙って釣れる事が判ったのが衝撃的だったらしい。ガイド仲間や旅行代理店のスタッフに「ゼビエル(ZBLシステムミノー50S)は凄いぞ」と何度も話をしているのが聞こえていた。一晩明けて、朝6時過ぎに起床。ZBLシステムミノー50Sを使ったパワフルなミルクフィッシュのファイトに対応するため、山盛りのシリアルを食べながら、アップルジュース、紅茶をタップリ飲んで水分補給をしておく。トイレも済ませ、日焼け止めをしっかりと塗って、7時半前に出船した。

 アラクン遠征の良いところは、目の前に広がるエリアが既にポイントであり、直ぐに釣りが出来ること。車での移動や、ボートの上げ下ろしは一切不要であり、ロスタイムは全くないので、根っからの釣り好きにはたまらない場所だ。ミルクフィッシュやゴールデントレバリーを釣り上げたエリアにボートを進めると、驚いたことに既にボートが2艇浮いていた。1艇は昨日、御挨拶をした親子が乗っているボート。もう1艇はイヌを同船させたお爺ちゃん。この2艇は、どうやら家族でアラクンの何処かに滞在しているらしい。

テリー&ティム 4KB テリーは昨日のボートポジションを"山たて"しており、ドンピシャで停船し、アンカーを落とす。水面にはライズや波紋が全くないので、タイミングが合っていない感じ。辺りの状況を確認しながら、午前中だけ私達の釣りに同行するティムにZBLシステムミノー50Sを貸し与え、釣り方を教える。ミルクフィッシュ狙いならストレートリトリーブ、GT狙いならトウィッチングを多用したリトリーブを勧めるが、「こんな小さいルアーを投げられるか?」「本当に釣れるのか?」 と半信半疑の様子。日頃は大きなルアーを硬い竿でブン投げているような釣りをしているので、繊細な釣りは難しいかもしれないが慣れてもらうしかない。

 竿を振り始めて10分程経過したところで、周囲でライズが始まった。水面をじっと眺めていると、ゴカイ類がウネウネと体を動かしながら流れてくるのを発見。魚達は、こいつらを水面近くで捕食している。すると間もなく、ボート上ではカツン、カツンとバイト連発。3人ともアタリは確実に捕らえているのだが、フッキングには至らず、その度毎に「おおっ」とか「あぁ〜」とか声をあげる。まさにモーニングバイト。魚達のお食事の時間なのである。

〜 嫌われ者の登場 〜


 午前8時、ボートの周囲ではライズやらボイルやら、とても賑やかになってきた。テリーがZBLシステムミノー50Sでロングトム(45cm)を釣り上げた頃、2mを超えるサメがウロウロと周囲を泳ぎ始めた。サメの動きに気を配りながら竿を振っていると、ターポンやナマズが相次いでヒット。しかし、いずれもフックオフ。テリーは良型のミルクフィッシュを掛けたが、サメが執拗にこの魚を追い掛け大変なことに。サメに襲われる危険にミルクフィッシュ自身が気がついたようで、猛烈に逃げまくっている。私達もヒットした魚がサメに食われたくない。ワザとラインを出させて一気にサメのいないエリアまで泳がせ、ボートで追いかける作戦をとった。



 テリーのルアーにヒットしてから18分が経過。サメに食われずボート際まで寄ってきたミルクフッシュは80cmUP。ティムがランディングを担当。彼が尾っぽの付け根を掴ん時に、魚が暴れて手から滑り落ちた。この時、ティムの腕時計にラインが絡まり、「あわやラインブレイクか!?」というところで、スプリットリングがグニャリと伸びてフックが抜け魚をロスト。そしてこの直後、私達の目の前でサメがミルクフィッシュに襲い掛かってジ・エンド。



 因みに、テリーがガイドをするボート上では、ランディングネットを使っていない。バラマンディのようにパックリと口を開けてくれる魚はフィッシュグリップでつかめば良いが、ミルクフィッシュなどのように口を開かない魚は、尾っぽの付け根を握って引き上げるか、胴を抱え込んですくい上げるしか方法はなく、最後の最後で魚をキャッチ出来ない可能性が高まる。今回のようなランディングミスがあると、魚種によっては、ランディングネットを使っても良いんじゃないかと思う。

 以前、テリーにネットを使わない理由を聞いたことがあるが、魚へのダメージだけでなく、ネットを使うことによるトラブルを上げていた。不慣れなネットさばきで魚を逃したり、網にルアーのフックが絡み付いて、手間ばかりが増えるというもの。どんな方法にしろ一長一短はあるわけだが、長年のガイド経験から「ランディングネットは使わない」という結論に達しているようだ。彼が良型のバラマンディをハンドランディングする際には、腹のあたりを救い上げるようにして持ち上げている。この時、何故か魚が暴れずに、大人しく抱え込まれるから不思議なのである。

〜 まだまだ続くサメ・アタック 〜


テリー山たて指導 4KB 良型のミルクフィッシュを1匹を食べたので、サメが満足して立ち去ってくれる事を祈っていたのだが、どうもそうではないらしい。相変わらず私達のボートの周囲を一定の距離を保って行ったり来たりしている。サメの動きに気をつけながらキャストを続けていると、ティムのZBLシステムミノー50Sにヒット。フックが小さいので無理ができず、慎重にやり取りをする。魚をボート際まで引き寄せるとサメの餌食になりそうなので、掛けた魚を泳がせてボートで追い掛けて場所を変えた。5分以上掛かってキャッチした魚は50cmを超えるゴールデントレバリーだった。

 無事に魚を釣り上げて、ボートをターンさせてポイントに戻る。テリーがティムに景色の一部を指し示しながら、"山たて"の目印を伝授。適当にボートを浮かべるのではなく、魚を掛けたポイントにしっかりと戻ってくるための方法を教え込んでいる。GPSがあれば苦もなくドンピシャで元の場所へ戻ってこれるが、ここにはそんなものはない。どうやら、ティムが一人前にガイドサービスもできるようにとテリーが教え込んでいる様子。何事にも人材育成は大切なのである・・・でも、テリーの話を聞きながら、チンチンの辺りをポリポリと掻いているティムは果たして大丈夫か!?



ポイント移動 5KB ポイントに戻ってきて直ぐにテリーが魚を掛けたが、ファイト中にサメが襲い掛かり、一瞬にしてラインブレイク。またしてもZBLシステムミノー50Sを失い、船尾で悪態をついている。他のルアーには反応しないようなので、私が持参していた予備を提供。こんなことが多々あるので、豪州遠征では余分にルアーを持っていく必要があるのだ。私がGTらしき魚をバラした後、テリーとティムが相次いでヒット。いずれも魚は小さいようなので、サメがボートから離れたスキをみて一気に巻き上げてキャッチする。テリーが釣ったのは50cmのナマズ、ティムが釣ったのは35cmほどのGTだった。

 次に竿が曲がったのはテリー。ファイトの様子をみていると明らかにミルクフィッシュ。ボートの操船をティムにまかせ、テリーはサメの攻撃を危惧しながらも徐々に魚を引き寄せる。ファイト中にフッキング・ポジションが変わったのか、魚の下アゴ周辺にフッキングしていた。ヒットしてから10分程度が経過。やっとランディングまでにこぎつけたって感じ。彼が尾っぽの付け根を掴んでボート内に引き込もうとした時、魚が一暴れして水の中に滑り落ちた。またしても、ランディングの際にミスってしまった。しかし、貴重なルアーはロストしなかったのでヨシとしよう。



〜 突然のデジカメ・トラブル 〜


ルミックス 5KB ここにきて私のデジカメが突然不調に陥った。かろうじてスイッチのON/OFFは出来るのだが反応は鈍い。しかもシャッターは押せず、ムービーも撮影できない。更に記録してある画像も参照できずお手上げ状態。デジカメはいつも丁寧に扱い、落としてもいない。そもそも防水・防塵で耐衝撃性能が高いルミックスFT3なので、滅多なことはないだろうと思っていたがどうにもならない。高温の影響で不具合が発生したかもしれないので、クーラーボックスの中に暫く入れて冷やしてみることにした。

 釣行5日目を迎え、相当数の画像と動画がこのカメラの中に収まっている。帰国まではまだ日数もあり、デジカメの故障は当たり針を魚に持って行かれるよりもダメージが大きいのは明らかなのだ。前回のアラクン遠征において最終日に撮影した画像が全て消えてなくなるという誤作動が起こった事もある。カメラの事が気になって釣りに専念できない。この間にティムがミルクフィッシュを掛けてボートで追跡。10分以上、時間を費やした挙句、近寄ってきたサメに魚が怯えて激しく暴れた結果、フックが伸びて逃してしまうというドラマもあり撮影出来なくて残念。

 頃合を見てクーラーボックスからデジカメを取り出し、動作を確認するが不具合は解消されていない。ボタン周りをよく見ると、それぞれのボタン周囲の溝の中が汚れていることに気がついた。真水で汚れをきれいに流し落とし、乾いたタオルで水分をふき取った後にスイッチを入れると、何事もなかったかのように作動した。原因は高温ではないことが判明。魚を触った手でカメラを使うため、どうしても汚れがちなのだ。特にテリーの手は要注意だ(笑)。 以後は、十分注意するとしよう。

 因みに帰国後、PanasonicのWebサイトを読んだら、当機種の取扱注意書きに「電源ボタンがスムーズに動かないときは、真水に浸けてよくゆすり、電源ボタンの異物を洗い流してください。」と明記されていた。アウトドアでの使用上、結構起こりうるトラブルであることが判った。もちろん、「判ってたら、早く改善しなさい!!」と突っ込みを入れたのは言うまでもない。

〜 次は女王様ゲーム 〜


オシアニック 4KB 昨朝は午前9時半頃に魚達のライズやボイルは沈静化した。ティムがミルクフィッシュを掛けたのが9時半でそれ以降のヒットはなし。10時をまわった頃には風が吹き始め、すっかり魚の気配はなくなった。これ以上、ここで竿を振っていても期待出来そうになかったため、ボートを移動。母船ピクーが停泊している付近まで戻り、サンドバーの周辺をZBLシステムミノー50Sで探る。まもなく、私のルアーにバラマンディがヒット。しかし、ファイト中にフックオフ。こんな小さなルアーでパワフルなバラマンディが掛かった場合、慎重に対処しなければならないのは当たり前なのだが、魚を寄せてくる際にエラ洗いをされてフックオフ。

 少し離れた所で鳥山が立っているのを発見。ボートを急行させてキャストを開始すると、テリーのZBLシステムミノー50Sにヒット。釣れたのは50cm程度のオシアニックという聞き慣れない名前の魚だった。クイーンフィッシュとそっくりで区別がつきにくいのだが、体がスリムで、側面にスポットがないのが特徴らしい。オーストラリアではルアーで狙える魚種がとても豊富で、次に釣れるのはどんな魚か想像するだけでも楽しい。テリーが"ゼビエル"と呼び出したZBLシステムミノー50Sを使えば、これまで以上に様々な魚種に出会うことが出来るに違いない。

クイーンフィッシュ 4KB 小さなベイトを追い掛けている魚達の移動はとても早い。ZBLシステムミノー50Sではどうしても飛距離が足りず、対応出来ないので飛距離を稼げるバスデイのジグミノー バードックをボックスの中から取り出した。この選択がビンゴ。鳥山めがけてフルキャストをして早めのリトリーブをすると直ぐにガツンときた。派手に暴れる魚は50cm前後のクイーンフィッシュ。ボート内に抜き上げた後もデッキで暴れまくり周囲は血だらけになってしまった。

 その後、バードックで2匹を追加。「他に使える手持ちルアーはないか・・・」とボックス内をガサゴソやってスミスサージャーを発見。試してみると、このルアーにもクイーンフィッシュが一発で食ってきた。女王様とのゲームはヒット連発で楽しいのだが、いかんせん釣れる魚のサイズが小さい感じ。頭上を飛ぶ鳥達の数も減ってきたので場所を移動することにした。

〜 ロックエリアで入れ食い 〜


ロックエリア 4KB ボートを河口近くのロックエリアに移動させた。この場所は周囲の景色とは異なり、かなり特徴的なのでアラクンを訪れる人は直ぐに判るだろう。ポイントに到着するとイイ感じで流れが効いており、岸際から数メートルの幅で帯状の濁り水が流れていた。場所によっては流れが渦を巻いており、「絶対にここは釣れる」と確信が持てる状況だった。使うルアーは迷うことなくロングA。開始直後に70cmUPのバラマンディが私のルアーにヒット。この魚は、目の前で派手なエラ洗いをしてルアーを吹き飛ばし水中に消えた。

ティム&テリー 6KB ここからはバラマンディの入れ食いタイムがスタート。3人とも使うルアーは、もちろんロングA(15A)だが、カラーと状態が違う。私が使うのは赤金、テリーはド定番の金黒、そしてティムは、元の色が何だったか判らなくなっているボロボロのヤツ。サイズは私が最初に逃した魚が最大クラスで、50〜65cmが続いたが、時間が経つにつれて徐々にサイズダウン。1時間後には40〜45cmクラスとなり、ついには打ち止めとなった。

 広大なアラクンのエリアの中から、魚が集まる場所を見つけ出し、ドンピシャのタイミングでその場所に入ることが出来れば釣果は保障されたようなもの。そのためには知識と経験が豊富なガイドが不可欠であることは間違いない。多分、ここに素人がボートを持ち込んで釣りをしても、釣り場をむやみに移動して燃料を使うばかりで釣果は上がらないのではないだろうか。因みにテリーは、先頃めでたくアラクンのフィッシングサービスに登録してあるガイドのヘッドガイドになったらしい。私が単独にもかかわらず母船ピクーで寝泊りして釣りが出来るのも、彼がボスと交渉してくれた結果なのだ。



〜 長いシエスタでエネルギー充電 〜


ペラ交換 5KB 午後1時前に母船ピクーに戻り、食事の準備をしてもらうティムを下ろして、私達は近くのサンドバーへ移動。ボートを停めて、テリーはここでペラの交換をすると言う。エンジンをチルトアップさせて手馴れた手つきでナットを外し、新品のペラと交換する。もしパーツを落としても水深の浅いここなら回収は可能だが、水中にはワニやらサメ、エイもいるので注意は怠らない。これまで使用していたペラは特に大きな損傷は見られなかったが、各部が磨り減って厚みが薄くなり、全体的にサイズダウンしていた。ペラの形状は、燃費にも大きく影響するので迷うことなく交換をする。

料理人ティム 6KB 交換作業は10分少々で終わったため、少しの間、サーフキャスティングを楽しむ。広い砂浜で足を水の中に浸しながら竿を振るのは気持ちが良い。これでクイーンフィッシュやGTがガバガバ出ればもっと楽しかっただろうが、残念ながら周囲には魚の気配はなくノーバイト。母船ピクーに戻り、ビーフステーキ&トースト、目玉焼きの昼食を腹一杯いただく。料理はとてもシンプルでゴージャス感は全くないのだが、いつも美味しく頂けるのがとてもうれしい。つい食べ過ぎてしまうので、食後は暫く動けなかったりする。

 今日の食後は、長めの休憩"シエスタ"となった。日本から持ち込んだ釣り雑誌をパラパラめくったり、画像や釣果データの整理をしながら夕マヅメからの釣行に備えてたっぷりとエネルギーを充電する。一方、テリーとティムは食事の後片付けが済んだ後、母船ピクーのエンジンと発電機関係の整備、後部デッキの照明と電気系パネルの交換をする。ティム一人では出来ない事を、元電気工事関係の仕事をやっていたテリーがテキパキとこなしている。忙しい中、どうしても点検整備は後回しになりがちだが、しっかりと対応していないと大きなトラブルに繋がるため、確実な対応が必要なのである。

〜 ジャスト、マイ スタイル!!


母船ピクー5KB エアコンが効くリビングのソファーに寝転びウトウトしていると、いつの間にやら午後4時半近くになっていた。十分過ぎるほど休息したので、ヤル気満々でボートに乗り込む。太陽は傾いてきているが日差しはまだ強く、午前中よりも風が強まり水面は波立っている。マングローブの葉は、強い日差しによる蒸散を避けるためなのか葉が裏返っており、林は全体的に白っぽく見える。塩分濃度の高い汽水域に生息するこの植物には、厳しい環境に対応できるよう様々な仕組みがあるようだ。

 買い出しをするティムをアラクンのビーチに下ろし、私達はアーチャーリバーを15分程上がって、風裏になるような場所を探す。頭上にはセスナ機が何度も行ったり来たりしていた。テリーに尋ねると、ブッシュの中に逃げ込んで隠れている犯罪者を探しているらしい。道もないような広大なエリアなので、人を探すには空から確認するのが手っ取り早いらしい。

 この時期、午後になると風が強く吹くのでやっかいなのだが、先ずは潮通しの良いコーナーで濁り水が流れ込んでいるようなポイントを狙ってみる。開始1投目、私の銀色に輝くロングAにいきなり65cmのバラマンディが躍り出た。水位は下がっておりマングローブの根際はかなり露出している。この魚はシェードから離れ、結構ボート際でルアーに食いついたので驚いた。どうやら魚達はマングローブの中にいるのではなく、濁った水の中をスクールしているようなので広範囲に探る。

トシ&バラ 5KB 帯状に漂っている濁り水の中を狙ってルアーを投げていると、続けざまにロングAで55cmクラスを2本追加。テリーはジャズで58cm、アイルマグネットミノーで48cmを仕留めた。この間、僅かに15分程度。魚を釣り上げる度、ノートにメモ書きをしている私に船尾から「フィーディングタイムは短いからメモなんかしているな!!」とゲキが飛ぶ。怒られるのは毎度のことなので「ジャスト、マイ スタイル!!」と言い切って、手早くノートに走り書きをして次のキャストを再開する。多分、テリーがガイドをする他のお客さんよりも、私の手際は良い方だと思うが、更なる上のレベルに導こうとする彼の熱意が伝わってくる。

 これまで釣り人生の中で、釣った魚だけでなく周囲の状況などをノートに記帳する習慣が身についている。このノートを読み返せば、その時の情景が思い出され、画像や動画を組み合わせれば更に鮮明に記憶がよみがえる。まさに"ライフワーク"みたいな物なので、魚がガバガバと入れ食っていようが、ペンをとるのであった。

〜 夕マヅメ トップでガバガバ 〜


小エビ 4KB 反応がなくなったので次の場所へと移動。ここは、潮通しの良い分岐点のコーナー。シャローエリアでマングローブの根が剣山のように水面に突き出しているスパイクエリアだ。テリーがリーズルアーハイジャッカーで40cmのバラマンディをポロリとキャッチ。シャロー対応のルアーしか使えない場所なので、私はトップウォーターをチョイス。選んだルアーはガニッシュ95。開始間もなく、狙いどおりにドカンと出て55cmをキャッチした。

 デッキ上ではこの魚が小さなエビを何尾も吐き出した。こんな小さなエビを食べているにも拘らず、大きなルアーにも反応するのは何故か? マッチ・ザベイトは? 捕食する際、楽して多くの栄養を確保できる"大きなエサ"を食べようとする意識が働くのか? 魚と言葉が通じたら色々と聞きたい事があるのは私だけではないだろう。



 ガニッシュ95は、ソルト系のフックに交換してあったが、強いファイトでフックが変形。テリーから交換するようにと指示が出る。しかし、このルアーに装備できるフックは今使っているのが限界。そこで太軸フックを使ってもアクションが死なない、ガニッシュ115を取り出した。このルアーは、豪州魚攻略のために持参するトップウォーターの中でも、ダントツで信頼しているルアー。飛距離が稼げ、アクションが良く、釣れるルアーとして文句なしの逸品なのだが、何故か生産中止になってしまった。(2013.5.5現在、ラッキークラフトのWebサイトでカタログを確認。生産を再スタートしたのかも)

 ガニッシュ115を投げ込み、テンポよくアクションをさせていると水面爆裂。フッキングには至らなかったので、同じコースを通るようにキャストをし、アクションをつけていると派手な捕食音と水飛沫を伴った3連発バイト。これらのバイトでフックを魚に持っていかれ、慌てて新しいフックを付け直す。スプリットリングはもちろんハードタイプの物に変えてはいるのだが、まるで手品のように、一瞬にして引き伸ばしてしまうパワーは凄いと思わざるを得ない。



バラマンディ 5KB 夕マヅメのトップウォーターゲームは、まだまだ続く。バイトが相次ぐ中でやっとフッキングに成功して63cm、64cm、60cmをキャッチ。時計は午後6時を指し、太陽は随分西に傾いている。母船ピクーへの帰還時間を考えると、残り時間は最大粘っても30分ってところ。テリーも本日のシメとして、竿を振りたいようなので動画撮影をしていたカメラを置く。

 「ラストキャストだ」とテリーが宣言してから何投したか判らないが、私のガニッシュ115に一際大きなバイト。エラ洗いはしないがハードなファイトを取り返した魚は、でっぷりと太った"赤い悪魔"マングローブジャック(50cm)だった。続いてテリーがハイジャッカーで63cmのバラマンディをキャッチ。この魚は13cm前後あるミノーをズッポリと丸呑みしていた。その後もバイトはあったが魚を手にすることはなく、午後6時半に納竿とした。

〜 闇夜のサメ釣り 〜


ティム夕食準備 4KB アラクンのビーチで待っていたティムをピックアップ。彼はガソリン5缶に太いロープを一巻き、そして食料を山ほど買い込んでいた。これらは私が帰った後に入るゲスト用らしい。ティムの親戚であるアボリジニの方々と挨拶をして、キープしておいたバラマンディを進呈して別れた。夕闇が迫る中、母船ピクーに戻り、荷物の積み下ろしを手伝う。高い料金を支払って釣りをしているゲストなので、本来なら裏方仕事を一切手伝う必要もないのだが、同じ船の中で共同生活をしている身となればそうもいかない。自分がやれることは自分でこなし、お手伝いを出来ることがあれば積極的に動く方がもちろん良いに決まっている。

 ティムは早速、晩御飯の準備に取り掛かる。今宵のメインディッシュはバラマンディ。不思議なもので、釣りをしていても釣った魚はその殆どをリリースしているので案外、魚を食べてはいない。キープするのは当然ながらレギュレーションに沿ったサイズ。魚種ごとにキープできるサイズや本数が決まっているので、食べたければ事前にガイドに伝えておく必要があるだろう。当然ながらラグーンや川の中で釣った魚よりは、ソルトエリアで釣った魚の方が臭みがないのでお勧め。醤油とワサビで食べるサシミもオーストラリアでは定着してきているので、獲れたのフレッシュな魚をナマで頂く事も出来る。

 船尾のテーブルでバラマンディをザクザクと3枚におろしていたティムが、魚のアラをロープに結んでバッチャン、バッチャンと水面を叩き始めた。サメか巨大なグルーパーが、これを食べに来るので、フィーディングショーとなっている感じ。今宵、アラに食いついたのはサメだった。先ずは半身を引き千切り、続いて残り半分をバックリ食べて猛烈なファイト。ティムはサメのファイトに耐えていたが、ついにはロープが滑り出た。この時、ロープの端をボートに結んでいなかったため、魚のアラと一緒に持って行かれてしまった。ティム自身が落水し、サメのエサになかったのは幸いだったが、大切なロープを失い、この後、テリーに怒られた事は言うまでもない。



〜 明日に備えてフック交換 〜


バラマンディ&ポテト 5KB 思わぬハプニングで幕を閉じたフィーディングショーの後は、バラマンディ&ポテトの食事をいただく。食後は、赤ワインを飲みながら明日に備えて準備をする。ルアーに付けてあったカルティバのフックはその殆どが伸びたりして変形したため、昨年ケアンズのショップで買っておいた頑丈なVMCの太軸フックに交換する。日本メーカーのルアーだと、このフック交換によりシンキングになってしまったり、全く泳がなくなってしまうのでバランスを考えた交換が必要となる。

 日本のフックはバツグンに刺さりが良くオーストラリアでも高い評価を得ているが、魚の激しいファイトや、フックを外す際に掛かる強い力によって簡単に変形してしまう。おまけに刺さりやすいがために、ミスキャストしてマングローブの枝葉等に引っ掛けた時も回収が難しくなりがち。どんなフックを使うかは、釣り場や対象魚、釣り人の技術レベルに応じて臨機応変に選ぶ事が大切なのだろう。

5日目の釣果結果

TOSHI

TIM

TERRY

バラマンディ

10

2

8

クイーンフィッシュ

4


1

オシアニック



1

ミルクフィッシュ



1

GT


2


マングローブジャック

1



ナマズ



1

ロングトム



1



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